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更新日:2007年12月5日

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水源かん養税に関する検討資料(平成15年7月)

1 本県における森林を取り巻く現状と課題

(1) 現 状

本県の森林の面積は約59万ヘクタールであり,県土の65%を占めている。このうち,52%がスギ,ヒノキを中心とする人工林である。
これらの人工林の73%が民有林であるが,長期にわたる木材価格の低迷等から林業の採算性が悪化して林業経営意欲が減退しており,これに加えて,林業従事者の減少や高齢化が進んでいることから,間伐などの手入れが行き届かない森林の増加が懸念される。
本県の森林面積の現状

(2) 課 題

 森林は豊かな県土づくりの基礎であり,木材生産のほか,水資源の確保や洪水,土砂崩れなどの災害防止,県民が自然に親しむレクリエーションの場の提供,地球温暖化防止や生物多様性の保全など,重要な役割を果たしている。特に,森林の水源かん養機能は,スポンジのような森林土壌層により,雨水を地中に浸透させ,ゆっくりと流出させることで洪水や渇水を緩和するとともに,良質な水を安定的に供給するという極めて重要な役割を果たしている。
 このような森林の有する多面的機能を将来にわたって維持していくためには,間伐の実施など適正な森林整備を促進する必要がある。
 また,これらの森林の有する機能は,地域の住民のみならず,水資源の利用や地球環境の保全を通じて,広く県民に利益をもたらすという意味において公益性のあるものであり,この機能を維持することが県民にとっても重要な問題であるということについて,県民の理解をより一層深めていくことが必要である。

2 他県における水源かん養税制の導入,検討状況

(1) 他県の税制の仕組み

他県において導入された仕組みや検討されている事例として,水道の利用に対して課税する方式と県民税の超過課税方式の2つが挙げられる。
なお,県民税の超過課税方式は,既に高知県において実施されている方式である。
A型水道課税方式

(2) 税制に関する他県の検討の概要

(1) A 型

ア 長 所

・ 水道利用に連動しているため,県民運動として理解しやすい。(高知県)
・ 定額課税方式の場合,県民全体で薄く広く負担するという趣旨に沿ったものであり,理解を得られやすい。(高知県,岡山県)
・ 従量課税方式の場合,水道使用量に応じた税額となるため受益と負担の関係がわかりやすく,県民の理解を得られやすいなど,税負担の公平性が図られる。(高知県,神奈川県,鳥取県,岡山県)

イ 短 所

・ 中山間地域での水道普及率の低さによる課税の不均衡が生ずる場合がある。(高知県)
・ 担税力に関わらず生活保護世帯や年金生活者などの生活弱者へも負担を求めることになる。(高知県)
・ 地下水,湧水,河川からの直接取水などは,その利用量を把握することは困難であるため,その利用を課税対象に含めることは課税技術上困難である。
  これらの取水についても,一般的には,森林の有する水源かん養機能の影響を受けていると考えられる。
  このように,森林の有する水源かん養機能の影響とは関係なく,単に水道が普及しているか否かの違いや,取水方法の違いによって課税対象に含まれるか否かが異なる結果を惹起することは,税制の公平性の観点から問題がある。(鳥取県,岡山県)
・ 水道利用に対して課税する場合には,徴税コスト等を考慮すると,水道利用料金と併せて水道事業者が特別徴収義務者として税を徴収することが適切であるが,この場合,水道事業者には特別徴収義務者として,料金システムの変更や徴収金の管理等,新たな事務負担や金銭的負担が生じる。
(神奈川県,鳥取県,岡山県)
・ 既に水源林の整備費用を負担している地域,一部離島などの森林から水を取水していない地域などにおいては,受益と負担の関係は必ずしも明確ではなく,これらの地域においては,水源かん養を目的とする水道の利用に対する課税について理解を得られるか問題である。

(2) B 型

ア 長 所

・ 公平性において水道課税よりすぐれている。(高知県)
・ 森林の有する水源かん養機能をはじめとする多面的機能に着目するという観点から,水道の利用などの外形的基準にかかわらず個人及び法人が等しく一定額を負担することにより,すべての県民が等しく森林の恩恵を受けているという意識を持つことにつながることが期待できる。(高知県)
・ 現在の個人県民税・法人県民税の徴収の仕組みをそのまま利用することができるため,水道の利用に対して課税する方式と比較すると,徴収コストを抑えることが可能であり,税制の簡素化の観点からも,水道の利用に対して課税する方式と比較して優れていると考えられる。(高知県)

イ 短 所

・ 給与所得者の特別徴収制度など県民税の仕組みによる限界から,新税に対する認識の機会が少なくなり,啓発効果が低い(高知県)
・ 県民税の超過課税方式を採ることにより,税制上は,森林の有する多面的機能の維持という特定目的に税収を充てることを担保することが困難である。
 なお,既に森林環境税を導入している高知県においては,税収が目的どおりに使われることを明確にするために,「森林環境保全基金」を設置し,超過課税の税収相当額をすべて基金に積み立てた上で,森林環境の保全のための事業に基金から取り崩した税収を充てるという仕組みを採っている。(高知県)

(3) 他県で検討されている税収使途

 既に森林環境税を導入している高知県では,税収の使途として,次のような事業を掲げている(平成14年12月発表,高知県「森林環境保全のための新税制(森林環境税)の考え方」より引用)。

1 県民参加の森づくり推進事業(仮称)

 ○ 森づくりへの理解と参加を促す広報事業
 ○ 森林所有者への働きかけ
 ○ 「こうち山の日」の実施に関する事業
 ○ 森林への理解を促し,森づくりへの参加の場として活用するモデル林の整備

2 森林環境緊急整備事業(仮称)

 ○ 森林の環境面の機能を保全するため,公益上重要で緊急に整備する必要のある森林を混交林に誘導
 ○ 森林所有者との協定に基づき,森林の現況に応じた強度間伐を県が直接実行

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