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更新日:2017年6月12日

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知事と増田寛也地方創生担当特別顧問による地方創生についての意見交換(実施結果)

知事と増田寛也地方創生担当特別顧問が,本県の地方創生推進について意見交換を行いました。

なお,本意見交換の後に行われた対談の模様については,こちらのページからご覧ください。

開催日時

平成29年5月18日(木曜日)午後3時~午後4時

場所

県庁庁議室

意見交換の様子

増田顧問三反園知事

意見交換の概要

下記項目をクリックいただくと,それぞれの内容をご覧いただけます。

意見交換の内容

はじめに

(知事)
鹿児島の地方創生で,鹿児島で子どもを産み,育てるための子育て支援,県民所得を少しでも上げるための施策,働き方改革なども含めていろいろ取り組もうと思っておりますので,いろいろな意味で,お知恵,御提言をいただければと思っております。本日は1時間程度ですが,どうぞよろしくお願いします。

(顧問)
鹿児島は良いですよね。食べ物もおいしいし,見所いっぱいあるし。ずっと行政やってましたけど,そういう目で見て南の良さがいっぱいあるし,そこがうんと伸びていけば良いなと思います。
早速ですが,最初に私の方から,持ってきた資料に基づいて,最近の国の様子だとか,それから私が思っていますことなどを述べた後,いろいろディスカッション,意見交換と思っています。
鹿児島へはこれからもできるだけ来たいと思ってます。知事さんもお忙しいでしょうし,私が振興局の方にも行って,市町村長さんも含めて,それぞれに違いがあると思うんで,そちらへ伺って,話ができればと思っています。

(知事)
よろしくお願いします。

まち・ひと・しごと地方創生基本方針2016

(顧問)
それでは,資料(「まち・ひと・しごと創生基本方針2016」)を見てもらって,まち・ひと・しごと創生基本方針が昨年の6月に閣議決定されたんですが,今年は,来月6月9日に2017年バージョンが閣議決定される予定になっております。昨年の暮れに山本大臣が多少この6月2日バージョンに手直しをしてますが,あまり変わってないです。だいたい国でやるべき話は,ほぼ尽きている感じがある。後はもう地方が知恵を出してという段階ですから,そう大きく変わるわけではないと思っております。5月末に官邸で会議があるんですが,あえて言うと,今一番,政府が悪戦苦闘しているのが「地域特性に応じた戦略の推進」というところで,要は,東京一極集中が全然止まっていないわけですね。むしろ加速をしていて,これに大変手こずってる。何か知恵出してくれよということを盛んに言われています。間もなく政府の骨太も出ますが,東京の23区の大学の定員増をストップさせて,これ以上東京に集まらないようにということで,そういうのをここに入れることにしてあります。骨太と連動してですね。東京一極集中の是正ということを,強制的に東京の大学の定数を減らせだとか,企業は地方にもっと散ってくれということを,強制的な措置はなかなかできづらくてですね,ここが一番今問題になってて,だからそれとの裏腹で,地方大学の振興も合わせてやると。インセンティブ施策なんですけど。今国立大学というと,よく名前があがるのが高知大学と宮崎大学ですね。高知大学が地域協働学部というのを真っ先に作って,熱心にやって先鞭をつけている。鹿児島大学の実情は詳しいわけではないですけど,地域の課題解決型の対応をもっと強める必要があるんじゃないかと思います。

鹿児島における地方創生の課題

(顧問)
それから,一枚めくっていただいて,鹿児島県の地方創生の総合戦略を拝見しますと,仕事が真っ先に書いている。国は,まち・ひと・しごととなってますが,鹿児島では仕事から入っている。要は,仕事の場とか雇用を一番重視されている。私は全くその通りだと思うんですね,やっぱり雇用が,何はともあれ,働く場を作らないとだめで,それは稼げる場ですよね。高齢者の雇用の場を拡大してもそんなにつながらない,やっぱり若い人達が稼げる場をいかに作っていくか,そこにターゲットを絞っていただいて,そうすると,農林水産業,鹿児島県がものすごく強みをもっている産業でもありますが,そういうところとか,それに関連するサービス産業,特に観光,インバウンドなどの生産性を如何に上げていくか。
以前,森市長に頼まれて鹿児島市役所に講演に来たことがあるんですが,調べたら,鹿児島市が全国の県庁所在地の中で,サービス産業で飲食関係の比率がトップクラスで高いんですよ。広い意味でなんですが,宿泊とか街の食堂などの飲食も含めて。それは多分,農業・漁業で良い物がいっぱい生産されるからそれを出すということで,37,38%だったでしょうか。ただ,日本の場合は特にそうですが,そこの生産性が非常に遅れている。後でちょっと言いますが,徹底的に見える化して,そこをもっと稼げるようにしていくことがこれから非常に重要。
それと同時にこれから相当な人手不足が予想されます。鹿児島でももう出てきていると思いますが,若い人の長時間労働とかですね,非正規の同一労働同一賃金とか,いろいろこの辺りを改革しないと,長く働かせると,みんな嫌気がさして,一見良さそうな福岡とか東京に出て行く。この雇用の場の創出と働き方とをセットで,若い人達に魅力あるものにしていかないといけない。
それから3番目は,鹿児島でも随分やっておられますけど,結婚・出産・子育てで,包括支援センターなどを作るということ。
最後のイノベーション(※)ですけど,これはAIとかロボット,最先端の自動運転とかいろいろありますけど,もっと身近なところで,ビッグデータとか,スマホでですね,観光情報をぱぱっと取って,個人でも民泊したりとかいろいろな動きができるんで,身近なところで,ウーバー(※)は解禁されてませんけど,その手の鹿児島流のICTとかビッグデータを使った工夫が必要じゃないか。おおよそその4点ぐらいが特に進めるべき話かなと。
(※)イノベーション:技術革新,(※)ウーバー:オンライン配車サービス

東京一極集中

(顧問)
4ページが,鹿児島市が結構東京圏に人口を出しているということで,社会増・自然増,社会減・自然減と4種類に区切ってやっているんですが,これを見て言えることは,要は政令市とか県庁所在地が,見かけは人口がこれまで増えていて,今もそう減っていない。鹿児島市は緊張感を持って森さんはやってらっしゃるけど,人口を集めている福岡でも仙台でも札幌でも大阪でも,この辺りが地方創生の取組が緩くて,肝心のこういうところが相当東京に人を出している。ということは,ここに見かけ上人が集まっているということは,周辺からそこに全部人を集めている。本来ならこういう大きなところが,サービス産業で頑張るといろんな仕事の開拓がができるはずなんですが,あんまり真剣に捉えていない。仙台とか札幌とか,大阪なんかもそうですが,こういうところが案外緩く,実は盛岡なんかも緩いんですけどね,周辺の町村などから人をいっぱい集めて,肝心の盛岡から東京にいっぱい人が流れていっている。
鹿児島も県庁所在地で,サービス業で生産性を上げて,もっと稼げるようにしていかないといけない。この辺りをどうするかですね。今,政府は山本大臣,石破さんの時もそうでしたが,とにかくこのでっかいところにハッパをかける,尻をたたくと。それから地方の細かいところは相当大変なんで,できるだけそこにお金を流す仕組みを考えられないかなと。そこを県庁が一緒に盛り上げていって,でかいところは自助努力で。国の考え方はそういうことです。ですから,1ページ目に東京一極集中についての記載が出てますね。東京圏への若者の転出の多い政令市・県庁所在地等,ここはもっとしっかりしろよということをあえて書いたんですね。

出生率と子育て・働く環境の改善及びデータの深掘り

(顧問)
5ページ目から,日本と出生率が高いヨーロッパとの違いは,日本の場合は,若い人の労働条件が結構厳しい。長時間労働は御案内のとおり。長時間残業すれば夫の家事育児の時間が短い,それと少子化対策の予算も少ないですね。6ページをご覧いただきますと,女性の平均初婚年齢,それから第1子出生時の母親の平均年齢,婚外子の割合。フランスは出生率が回復してるんですが,婚外子が相当多いんですよね。日本は伝統的な家族観で,結婚して出産ですから,結婚年齢がほぼ30まで初婚が遅れてる状況で,その後出産となる。フランスは初婚年齢は実は遅いんですが,出産は28.6で2年くらい先に生んじゃってるんですね。ですから生まれてくる子どもの半数以上が婚外子。ただ,婚外子の権利が全部守られている。それぞれに価値観が違いますね,当面やるべきは,若い人を長時間労働からできるだけ解放したり,それから家庭に戻る時間を増やしたりすること。
7ページをご覧いただきたいのですが,鹿児島は日本全体の中では出生率が高いモデルになるべき良い県ですよね。長時間労働の割合もそれほど高くなくて,これにもっと若い人達の働く条件を良くしていくと,もっと上がるだろうと。右側の下をご覧いただきますと,東京・京都・北海道が書いてありますが,実はここが長時間労働の割合が高いんですが,日本で出生率が低いワースト3がここになっておりまして,長時間労働の割合が高いと出生率が下がる。働く環境を改善していくことがまず一つあるし,それから,1ページめくっていただきますと,東北と九州を比較してて,平日ですけど,夫と妻とどちらが家事育児に時間を割いているかというもので,鹿児島は男性がだいたい30分くらいになっておりますが,全体で300分超ぐらいですね。宮崎は結構子育てにかけている時間が長い,男性も少し長い。沖縄は出生率がうんと高いんですけど,沖縄は多分ですね,爺ちゃん,婆ちゃんが子育てに時間をかけてるんですが,それはここには入ってないんです。
9ページは都道府県別データはないんですが,日本の女性の労働力率が結婚をするとガタッと下がっているんですね,結婚での離職は最近少なくなってるんですが,出産が行われると残念ながら退職せざるをえないことが,地方では多いですね。ここが,出生率が低いことにつながっていく。
こういうのをご覧いただいて,申し上げたいのは,いろんなデータがあるんでですね,どんどん深掘りしていって,自分の県と他県との違い,なぜこういう違いが出てきてるんだということを個別にやっていかないと,国は全国データで一律にやると,どうしたって,地域の特色が入って来ないですよね。鹿児島県は九州の他の県と何が違うのか,という辺りを担当部局で徹底的に分析させて,いい点を政策に取り入れていけばいいと思います。

サービス産業における生産性の向上

(顧問)
10ページ・11ページはですね,先ほどサービス産業の生産性が低いと申し上げましたが,これも日本全体のものですが,そもそも生産性がどうなっているのかというと,サービス業のなかで金融とか保険が一番生産性・付加価値が高い,要は稼げると。金融業・保険業が成り立つのは,東京が一番中心になるんですけど。それから宿泊・飲食サービス業,その隣の娯楽業とか,鹿児島はこのあたりがすごく多いんですけど,観光が中心の所ってどうしてもここが多いんですが,実はそこが生産性が低い。多分仲居さんのなり手が少なくなっていってるんですが,給料上げないと本当はだめなんでしょうけど,なかなかそうもいかないし,ジレンマに陥っているところがあるんじゃないでしょうか。ここをどうしていくかということがこれから大事です。子育て中だけれどもこの曜日とこの曜日だったら何か手伝えるっていう人達をいっぱい集めて労務管理するとかですね,何かをやって生産性を上げるとかですね,何か考えないといけない。星野リゾートだとか,余程でかいところは別にしても,知事さんご存じのとおり,日本で一番,プロの旅行業者が見た旅館で良いのが,石川県に加賀屋ってのがあるんですね。2番目が新潟に月岡温泉ってあって,あそこのホテル泉慶も,加賀屋に次ぐ評価で,従業員の満足度が高いですね,もちろん鹿児島にもいろいろありますけどね。一方でひなびたところは,ひなびたところの良さがあるんでしょうけど,その中間ぐらいの層で旧態依然としているところを,どうやってもっと稼げるようにするかということ。来年NHKの大河ドラマが放映されますよね。いっぱい来るときにすぐに変えられるかどうかなんですが,いいところはどんどん伸ばして,うんと稼いで,もっと従業員の方にそれを払って,いい従業員をどんどん根付かせて観光業の振興を考えていく必要があるんじゃないかと思います。
同じデータが,アメリカを100として見ると,左側が製造業の2次産業です。右側が飲食・宿泊とか卸売・小売などのサービス業です。アメリカが全部の基準じゃないですが,アメリカに比べるとサービス業については相当差があって,逆に製造業は,日本の方がアメリカよりもっと生産性が高いですね。ですから,例えば山口県とか,滋賀県とかそうなんですが,製造業比率が高いところは県民所得も高いんですよね。鹿児島はそうなってない。それはすぐに変えられないけども,やっぱり製造業についても,今ある製造業をもっと稼げる製造業にしていく必要がある。そのために人材をどうするか。製造業が強いと,滋賀とか山口は結構比率が高くて,もちろん愛知のトヨタが一番高いんですが,あと,地場産業で福井の鯖江の眼鏡とか燕三条とか,あるいは造船だと,愛媛の今治とか,今はタオルで有名です。鹿児島も製造業を,農林水産業が一番大事だとは思いますが,製造業についても人材育成をどうするのか,数からすれば飲食・宿泊といった観光関連産業をどうする。ここがすごく大事かなと思いますね。
12・13ページは,知事さんより職員の皆様方と議論をする時に大事かなと思いまして。さっきから生産性,生産性と言ってますが,要はそこに投入する労働・資本・エネルギー,例えば働く人の数があって,それと分子(商品・サービスの価値)にどれだけいい値がつけられるのかということですが,やることは付加価値の創造で,黒豚みたいにブランド化して,高く売れるようにする。あるいは,そっちが上げられないなら無駄削減で,もっともっと少ない人数でやる。このどっちかをいじって,あるいは両方いじっていくしかないんです。できれば新しい付加価値を作って高く売る,それを少人数でやる。両方,AもBもやれれば一番良い。

今後に向けて~鹿児島の独自性・PR力を発揮~

(顧問)
これはおいおいやるにしても,最後に職員の皆様方,市町村の人達に言いたいのは,鹿児島ならではの弱み・強みはいったい何なんだろうと。首都圏や他と異なる独自性,宮崎とも違う,小さな町も含めて,そのためにも,さっき言ったような各県毎の資料というのは結構ありますので,県毎の資料を集めたり,生産性を計ったりして,それで徹底的に他との違いを比較する。人口データも,2015年,一昨年国勢調査があって,市町村毎のデータが来年3月に出ます。今使っているのは2010年のデータで,全国のは2015年データが出てるんですが,市町村毎のは,来年3月に出る。それが出たらすぐに鹿児島県内の市町村毎に,今後2045年までの将来人口が出ますけど,年齢も5歳きざみで,それから,2020年,2025年,2030年,2035年と45年まで出ますんで,それを見て政策をすぐにもう一回練り直すということをやると非常に良いと思います。
それから,2つ目の丸のところで,PR力は伝える力で,具体性が必要です。よく「食」と言うんですが,それから先になかなか進んでいかない。やっぱり目玉は必要で,最初から平等公平にはPRできないので,今度,そういう観点もあってのことではないかと思うのですが,県ではPR観光戦略本部を作られた。要するに力を入れていると。私も賛成で,要は鹿児島県でも自然減は止められないんですね。社会減をどうするかなんですが,出て行くのを止めるのは,にわかに魅力をつけられるわけでもないので,それは当然考えるにしても,社会減を止めるためには,むしろ,他所から来たい人を集めれば社会減の数字は減るわけですよね。そうすると,移住もありだし,東京の大学に行った人がUターンするようにというのもいいだろうし。そうすると,こっちで稼ぐ,どういう仕事場があるかということを具体的に言うことが大事です。東京の方が最低賃金も高いし,一見たくさん稼げますが,逆に調査を見ると,明らかに家賃とか食費とか出ていく費用も多いんですね。可処分所得は全然変わらなくて,むしろ鹿児島の方が良かったりするんで,そういう情報をきちんと伝えて,戻ってくる流れをもっともっと促進すること。それから観光でいえば,この間,頼まれたものですから土日に新潟に行ってですね,新潟のいろいろなデータを見ると,首都圏から一番行きたい所が「佐渡」なんです。それだったら佐渡を特化して売り出そうと。そうすると当然のことながら佐渡以外の所から多少いろいろ言われますが,まず佐渡を突破口にすることですね。それから個別の店でも,さつまあげを例に挙げると,有楽町の遊楽館に時々揚げたてを買いに行くんですけど,個別のお店をPRしないと相手に全然伝わらない。多少デコボコはあっても,そこを広げていくことによって,一方で多少たたかれるかもしれませんが,絶対に伸びて行かないですよね。必ず目玉を作っていくということが必要なのかなと。

地方創生のポイント

(顧問)
地方創生担当の山本大臣とは頻繁に会ってて,大臣の考えているポイントを。
地方創生は,要は「しごと」が一番大事で,国から見たら,地方の平均所得を上げることなんですが「稼ぐ」ということ,そのためにもEBPM(Evidence Based Policy Making),要は確かな根拠,先ほど御覧いただいたようなデータに基づいて分析していくしかないと。
それから「自助の精神」。頑張る地域には,情報面・人材面・財政面で協力していくと。長島町も地方創生人材派遣で人材が来てると思うのですが,人材派遣によって応援すると。その結果もあるのでしょうが,長島町は期待以上のことをやってくれてるなと。いろんな事例を見てると,どこも総じて外の力を取り入れて,あるいは外にいる人を上手く使っているというのがほとんどで,山梨の韮崎市は,ノーベル賞の大村先生を地元の取組と絡ませたりですとか,徳島の神山町,これは仕掛人がいてですね,そのUターンしてきた人を中心にやっているわけでして,やっぱり外の力をどう使いこなすか,それから最近,日南市の油津ですね,これも仕掛人がいて,公募でやっているんですが,油津の商店街もだいぶ回復してる。その仕組みを地元のエネルギーとどうマッチさせるか。地元だけだとなかなか平等の原則を突き破れないので,外の力を使うという仕掛けも大事かなと。90ぐらい地方の優良事例を集めた事例集があるんですけれども,後で部長さんやご担当の課長さんにお送りしておきます。

「見える化」の必要性とRESASの活用

(顧問)
あと,もうお聞きになっているかと思うんですが,「RESAS」といって国で作ったデータベースがございまして,市町村毎に全部,その人口から地域経済と,どことどういう取引が一番活発かというようなデータが目で見えるという非常に有効ですので,RESASをうんと活用することが重要。市町村でもかなり浸透してきてるとは思いますが,地元の銀行など金融機関,鹿児島の場合は全国の地銀の中でかなり地域に目を向けていると言われているんですが,金融機関と,それから自治体,市町村ですね,そこで今の実態を分析した上で戦略を作っていくということが大事で,RESASをできるだけ活かした,本当に今,地元の会社をどうやったら強く・太くしていけるのかという戦略を,そういったところを工夫していただきたい。
それから最後に,「地方大学新興及び若者雇用等に関する有識者会議」が,5月11日にあって座長がコマツの坂根さんで,座長代理を私がやってて,そこで皆さん方にも考えてもらおうと思ってですね,見える化の事例,県民所得と進学率の関係で,山口県についての疑問,相関線から最も離れているのが山口県。県民所得は結構高いんですが,進学率は低い。さっき言ったように山口県は製造業が全国で5位。製造業が多い。宇部とか大企業の製造工場がいっぱいあってですね,製造業が強いところは県民所得が高いんですよね。ただ一方で大学進学率が低くて,山口,佐賀,鹿児島が大学進学率が低い。岩手も低いんですけどね。相関線と離れているところで言うと,山口,佐賀,鹿児島。そうすると,県立の工業科の生徒数の割合がたぶん高いんじゃないかなと思って見ると,案の定こういう山口,佐賀,鹿児島は工業科生徒数の割合が高くて,その分,大学進学率が下がることに繋がっていると。
これから先なんですけど,こうやって原因を見える化して,私が申し上げたいのは,今,たぶん県でもいろいろと分析されていると思うんですが,進学率を高めるということに力を入れてもあまり効果が無いのではないか。むしろ工業高校の方を立派にして,3年で足りなければむしろ2年間の専攻科つけて,トータル5年にするとかして工業高校レベルをぐっと引き上げて,そこで良い人材を育てた方が産業界にずっと良いわけなんです。山口県も今そういう方向に舵を切ってますし,私も岩手の知事の時に同じことを行いました。トヨタは愛知と福岡に拠点があるんですが,岩手が東北を中心とした全国の第3番目の拠点になっているのは,3年制の工業高校に自動車専攻科2年をくっつけて5年間徹底的にやるととても生徒のレベルが上がる。この取組をトヨタの奥田さんとか張さんがすごく評価してくれて,今,宮城も含めて,岩手工場で年間50万台近く生産しています。その代わり,とにかく良い人材がほしいと。ものづくりではそういう良い人材を出して,それが地元に進むと,それは結局県民所得を高めていくことに繋がるんですね。
さっきの繰り返しになりますけど,鹿児島県が今どういう状況になっているかなどを徹底的に分析すること。指標が低いのは,必ず何か別の要因があるはずですので。
観光は観光で,これは山本大臣が詳しいんですが,今必要なのは,観光のプロ経営者で財務諸表をきちんと分析できる人。県の観光戦略を見てもそこの深掘りの視点が重要です。例えば,「県民総ぐるみの真心のおもてなし」と書いてあるんですけど,もう一度訪れたくなる鹿児島,リピーターですね。「県民総ぐるみの真心のおもてなし」と言っても,それはその通りなんですが,それだと,県民の皆さんは「真心のおもてなし」って何をやっていいかちょっと分からないんですね。そこをぐっと深掘りですね。観光と言っても宿泊で関係する人,飲食で関係する人,交通で関係する人と,徹底的に深掘りして,今,どういう生産性,稼ぐには何に特化するか,次の一歩へそれを高めていくためには何をするか。
総じて言うと,一つは「全てを見える化して今の現状を知る」と,そのときにRESASのデータベースで分析するとすごく有効。その上で,これから一番伸びそうな,期待できそうなのは観光や1次産業ですから,たぶん知事さんもそれを思ってPR・観光戦略本部を作られたんだと思うんですけど,そこの深掘りをしていく,それからサービス産業の生産性を分析する。それと最低賃金が岩手と同じ714~715円ぐらいじゃないですか,東京が932円で,220~230円差が付いていると思うのですが,最低賃金をもう少し上げるためには何が必要なのか,それから労働実態,長時間労働とか若い人たちから見ると嫌われるような状況になってないか,そのあたりを調べて,テコを入れていくことがすごく大事なんじゃないかと。

首都圏在住者の意識調査等

(顧問)
昨日,静岡に行ってたんですけど,静岡は静岡銀行といって,今,地銀協の会長ですが,地方創生に一番熱心ですね。一生懸命やってますよね。静岡銀行は静岡経済研究所を持っていますけど,一昨昨年,一昨年,昨年,今年と人口分析をやってて,昨年は8月に広報誌が出たんですが,東京に行っている静岡県出身の20~30代の女性の意識調査をそこでやっています。彼女らから静岡がどう見えるかっていうのをやっているんですよね。これがなかなかおもしろくて,子育て環境とか静岡がいいかと思うと,なかなかそうも言えない。やっぱり東京の方がいいとか。静岡って北海道に次いで外へ出て行く若者が多い。まあ出やすいというのもあるんですが。この調査は結構参考になりますね。男が見る目線と違っている。静岡女性が外に出て行くとなかなか戻らないということで調査したのですが,特に若い女性の意識調査すると必ず子育て環境の問題点が出てくるんですね。
それから,県が音頭とって市と協力してやっていくときに,経済界だとかJAだとか,いろんなところの協力を得て,それを県がコントロールしてやっていかなくちゃいけない。その辺りの一体感,うまくいっているところは地銀とか商工会議所とかJAとか,共同でやっている。そこを丹念にやっていくべきと感じますね。

意見交換1~地域振興局,市町村との意見交換について~

(顧問)
2ヶ月に1回くらいは来ようと思ってるんで,今日は幹部の方,関係の方だけですけど,必要であればまた本庁でですね,特に若い人を集めてお話したいですね。

(知事)
是非よろしくお願いします。
講堂がありますので,そこに集めてやらせてください。

(顧問)
議会もなくて,集まりやすい時にでも。若い人たちに,仕事に差し支えのない時に集まって,考え方を話したり。それから振興局5つあるようですから,そこを回って。そこで市町村にも集まっていただいて。

(知事)
それは喜びますね。

(顧問)
国の最新の動きとか,今どっちの方向を向いているだとか。そういった話を。知事さんもお忙しいでしょうから。振興局5つあるんで,今年度中には,年明けるかもしれませんが,日程はまた相談して,計画して来させていただきたいと思います。
そして,先ほど言ったような,特に産業面ですね。地域の特色の引き出しになるようなデータの分析を進められて,鹿児島県だったら働くところはこうだとか,それから経済界もいろんなことをやっているはずですから,企業に対して。その辺りを集めてですね,見える化しておくと役に立つんじゃないかなと。

意見交換2~稼げる1次産業を目指して~

(知事)
いろいろとありがとうございます。
先ほど製造業があるところは所得が高いとおっしゃっていましたけど,私も鹿児島県民の所得を少しでも上げたいと思っていまして,そうするとまた帰ってきてくれる人も出てくるし,将来に不安があるところには帰ってきませんけど,鹿児島の将来は大丈夫だよ,ということを示せばですね,また帰ってくれると思うんですね。
鹿児島の特徴というのは,製造業は少ない,大きい所は京セラとソニーぐらいしかないんですけど,鹿児島の製造業は何かと言うと,農畜水産物も製造業だと私は思ってましてね,そこを製造業ととらえてですね,そこで付加価値もつけて,どんどん会社として取り組んでいってですね,売り出していって,まあそこで働く人たちが社員みたいな感じになっていけばですね。そして利益を上げて,所得も上げていただくとかですね。まあ,やり方かなと思ってまして,その県の良さを活かしてやらなければいけないものですから。

(顧問)
地銀で新しい農業を伸ばしていく,刺激というか新しい観点を取り入れていかないといけないのかなと。鹿児島は品質がよくてブランド化はなさっているんだけど,もっと貪欲に稼ぐという意味では,今知事さんがおっしゃったように,色んなところと組んで販路開拓とか,もっと稼ぐと。

(知事)
付加価値の創造ってありましたけど,やっぱり高く売らないといけないんですよね。たくさん作って疲弊して,やっとこれぐらいかというのじゃなかなか大変でですね。やっぱりそこに付加価値つけて,少し売り上げを伸ばして所得を上げないといけないところですけど。

(顧問)
やっぱり稼ぐためにね。自分に戻ってくるということでないと,なかなか前向きな気持ちになっていかないですね。必ず所得に反映されていくという,そういう意識を持たないとだめでしょうね。

(知事)
農政部が,農産畜産の輸出ビジョンを作るときに言ったんですけど,やっぱり稼げる農業をやろうと。そうじゃないと後継者は育たないと。それをビジョンの柱にしようという話だったですけどね。モノはいいんです。

(顧問)
絶対モノはいいはずです。北海道の十勝はさすがに後継者もビシッとそろっていて。それと北海道の浜中農協,あそこは日本ハーゲンダッツに全量出しているんです。確固たるその路線で行くって言ってね。組合員の子どもたちに全部ベンツに乗せるって言って。本当にそれやっているんです。十勝の農協も。本当に後継者が居て,稼げるっていうところで。
岩手県知事時代に農水省からもってこられたのは,フリーストール牛舎といってですね,だいぶ前なんですけど,黙ってると牛が自動的に行って自動搾乳器でやるっていう,高い機械を入れたらどうかというんですけど,農水省が入るとすぐ高い機械を,オーバースペックなやつを入れようとするんです。後継者の人たちは,そうじゃなくて,うちの実家を考えると今はぼろぼろになっているのを,必要最小限のコストをかけてもっと稼ぎたい。現実路線なんです。知事さんおっしゃったように,自分の懐にお金がたまっていくように,そのために何していったらいいんだろうというところを目指してやっていかなきゃいけないんですね。やっぱり見ているとモノはいいですね。鹿児島のモノは。畜産は本当にすばらしいですね。

(知事)
みんなまじめに一生懸命作る県民性だと思うんですけど。ただ一つあるのは,それを付加価値つけてPRして高く売るというですね。

(顧問)
それも清く美しい仕事だと感じてもらって。汗を流すだけでなくて,それが所得で報われるような意識にならないと。

(知事)
そうですね。若い人がやろうじゃないかと思ってもらえるような環境を整備しようと思いますし。やっぱり若い人ははっきりしていて,今,産科医不足じゃないですか。産科がいないんですよ。いろいろと聞いてたら,産科というのは医者の人たちから見ると大変で,24時間,休みなく大変で。しかも責任もとらされるし,いやいや私はというふうに思ってしまうんですね。敬遠しちゃうんです。

(顧問)
訴訟リスクもあるんですよね。

(知事)
農業もそういうイメージになったら若い人は敬遠しちゃう。そうじゃないんだよというところを示していかないと。

(顧問)
観光もそうだと思うんですけど,稼ぎとコスト財務諸表でちゃんとバランスとって経営していかないといけないですね。しかも他とは違う特色を出して,自分たちで稼がないと。

(知事)
ええ,稼げる農業を目指していかないといけないんですね。

(顧問)
北海道は北連が強いんですけど,あそこでさえ個性を出そうという,JA単位でやっぱり出てきてますよね。漁業は,オホーツクの方は高収入でですね。モノはいい。さっきおっしゃったように生だけじゃなくて,加工して付加価値つけてやっていくというのがもっと必要なんでしょうけどね。そういう芽は出つつあるんで,それをもっと後押しするような政策がいいんじゃないかと思うんです。それで大臣が,あれはいいぞと。あそこのブリは…

(知事)
長島町のですね。結構若い人たちがやっていて後継者が育ってるんですよね。そこはすごいですよね。やっぱりアイデア,知恵ですよね。参考になるのがいっぱいありますよね。

意見交換3~明治維新150周年に向けて~

(顧問)
いろいろ深掘りするとまた面白いんじゃないかと思うんですけど,このブリのPR手法のいいモデルを,成功例を作って。

(知事)
そうですね。来年は明治維新150周年なものですから。明治維新博を1年にわたって展開して。

(顧問)
それで,大河ドラマもあって。

(知事)
そう,西郷どんもあって。来年を活かさないといけないものですから。さっき言ったおもてなしの心なども指導してですね。来年来てよかったと思ってもらわなきゃその先がない。来てみてよかったと思ったら,リピーターがまた来るんで。リピーターが来なきゃいけないんで。やっぱり来年来てもらったときによかったと思う街づくりとおもてなしですね。それが大事だと思うんですよね。国としても150周年でいろいろとやるみたいです。

(顧問)
平成が来年までですからね。ちょうど節目ですね。今まで日本がずっと来て,ここまで来たということで一回総括する。

(知事)
特に鹿児島は西郷さんとかね結構人気がある人がいるんで。そういうことも含めてやらないといけないんです。

(顧問)
見ていると維新の時の色んな史跡とか,云われのあるところがいっぱいありますよね。街の中に。

(知事)
そうですね。いっぱいある。だけどそこがなかなか整備されていない。やっぱり来た時に「あっ」と思ってもらわなきゃいけないので,ある程度整備しないといけないですよね。あとストーリーを作る。西南の役ストーリーとかね。どこに西郷さんがいて,ここをめぐって,終焉の地はここだよとか。西郷南州墓地。南州墓地という西郷さんのお墓が,大きいのがどーんとあって,横に桐野利秋とか村田,別府とかそういうのがぼんぼんあるし。

(顧問)
今,若い人はスマホでたどって行くんで,スマホでここは何かというのを発信するような仕組みを。

(知事)
その辺りも整備しないといけないんで。色んなものを,Wi-fiも含めてそうなんですけど,ちょっと遅れてますね。

(顧問)
特に若い人は気に入ったところが有ると,自分たちでツイッターに出してバーッと拡散するでしょ。

(知事)
それが一番大きいんですよね。

(顧問)
何かやるにしても,彼らが全部やってくれる。さっきAIとかロボットとかありましたけど,結局ビッグデータとか,スマホ,それをどれだけそういう観光政策に取り込むかですよね。

(知事)
大きいですよね。そういうことも含めて早くやらないといけないことばっかりで。そういうところをやるための力添えもお願いできればと思いまして。よろしくお願いします。

参考資料

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