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更新日:2007年12月5日

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鹿児島県国土利用計画(第3次)

計画の概要

 

1 国土利用計画とは?

 
 国土利用計画は,国土利用計画法(昭和49年法律第92号)に基づき策定されるもので,国土の総合的かつ計画的な利用を図るための基本方向を示したものです。
 この国土利用計画は,全国計画,都道府県計画,市町村計画の3段階で構成されており,都道府県計画である鹿児島県計画は,全国計画を基本として策定されています。
 

2 新しい計画を策定した理由は?

 
 鹿児島県国土利用計画は,昭和58年に第1次計画を策定し,平成3年に第2次計画を策定していますが,第2次計画の目標年次(平成12年)が到来したこと,また,21世紀を展望して,経済・社会情勢の変化に対応した新たな県土利用の基本方針を定める必要があったことから,平成13年10月に県議会の議決を経て,第3次計画を策定したものです。
 

3 第3次計画のポイントは?

 
 バブル経済崩壊後,土地の利用・開発に対する意欲が低下している中で,災害に対する県土の安全性についての要請の高まりや自然とのふれあい志向の高まりなどが見られます。今回の計画は,こうした状況を県土利用の質的向上を図る機会としてとらえ,特に次の項目に重点を置いた内容となっています。

(1) 安全で安心できる県土利用(県土の保全,火山対策,バリアフリー化等)
 
(2) 人と自然が共生する持続可能な県土利用(自然環境,健全な水循環の確保等)
 
(3) ゆとりとうるおいのある県土利用(自然とのふれあい,景観の形成等)
 

4 第3次計画の構成は?

 
 第3次計画は,次の3つの内容で構成されています。
 
(1) 県土の利用に関する基本構想
 長期にわたって安定・均衡した県土利用を図るため,本県の様々な条件を踏まえながら,災害の防止や環境の保全,土地の有効利用等の観点から,県土利用の基本方向を示しています。

(2) 利用区分別の規模の目標及びその地域別の概要
 農用地や森林,宅地などの利用区分ごとの面積規模の目標と,地域別の概要を示しています。

(3) 目標を達成するために必要な措置
 (1),(2)の事項を達成するために,土地利用上必要とされる措置の概要について示しています。
 
 
 
(注) 計画に表記されている市町村名は,計画決定時点(平成13年10月19日)でのものです。
 
 
 
 

鹿児島県国土利用計画(第3次)

 
平成13年10月2日 議決
平成13年10月19日 決定
 

前文

 
 この計画は,国土利用計画法第7条の規定に基づく鹿児島県の区域における国土(以下「県土」という。)の利用に関する基本的事項についての計画であり,県下の各市町村がその区域について定める国土の利用に関する計画(以下「市町村計画」という。)及び鹿児島県土地利用基本計画の基本となるものである。
 この計画は,国土の利用に関する全国計画の変更,市町村計画の策定又は変更,社会・経済情勢の推移等に対応して,必要な見直しを行うものとする。
 

1 県土の利用に関する基本構想

 

(1) 県土利用の基本方針

 
ア 基本理念
 
 県土は,現在及び将来における県民のための限られた資源であるとともに,生活及び生産を通ずる諸活動の共通の基盤である。
 このため,県土の利用は,公共の福祉を優先させ,自然環境の保全を図りながら,地域の自然的,社会的,経済的及び文化的条件に配慮して,健康で文化的な生活ができる環境を確保し,県土の均衡ある発展を図ることを基本理念として,総合的かつ計画的に行われなければならない。
 
イ 県土の特性と県土利用をめぐる状況の変化
 
(ア) 県土の特性
 
 本県は,我が国本土の最南端に位置し,地理的に南に開かれており,今後の発展可能性が大きい中国,韓国や東南アジア諸国に近接している。
 県土の総面積は国土の約2.4パーセントに当たる約9,187平方キロメートル(全国第10位)で,その広がりは東西約272キロメートル,南北約590キロメートルとなっており,錦江湾を挟む薩摩・大隅の二大半島及び長島,甑島列島,草垣群島,宇治群島,種子島,屋久島,トカラ列島,奄美群島など200有余の島々からなっている。
 本県は,南北約590キロメートルにも及ぶ広大な県土の中,桜島などの火山や変化に富んだ長い海岸線,世界自然遺産に登録された屋久島をはじめとする南の島々,緑あふれる森林,豊富な温泉など多彩で豊かな自然に恵まれている。これら優れた自然との共生を目指した県土利用が求められている。
 また,広大な農用地や森林などは,温暖な気候と相まって,優れた生産基盤をなしており,これらの計画的な整備や有効利用などを図ることが必要である。
 一方,本県の地形は,山地や丘陵地などが県土の約7割を占め,河川は川内川等を除いてはいずれも幹川延長50キロメートル以下と短く,平野部は河口付近にややまとまっているほかは河川に沿って細長く分散分布しているにすぎない。
 また,シラスなどの特殊土壌が県土に広く分布していることに加え,桜島など活発な活動を続けている火山があることなど自然災害を受けやすい特性をもっている。
 このような地形的・地質的な特性に対しては,限られた土地の有効利用や県土保全施設の整備を図るとともに,森林等のもつ県土保全機能が高度に発揮されるように努める必要がある。
 他方,本県は半島や離島を多く抱え,また,東京や大阪などの大都市圏からも遠く隔たっており,県民生活や産業活動を支えるための交通基盤の整備を図る必要がある。
 
(イ) 県土利用をめぐる状況の変化
 
 今後の県土の利用を計画するに当たっては,これら県土の特性から生じる課題を踏まえつつ,さらに,次のような県土利用をめぐる状況の変化も考慮する必要がある。
 
a 少子・高齢化が進行する中で,鹿児島市,国分市及びこれらの周辺部等においては人口が増加しているものの,本県全体の人口は減少しており,今後も当面,緩やかな減少傾向が続くものと見込まれる。
 また,社会的・経済的諸活動は,IT(情報通信技術)革命を伴ったグローバル化が急速に進展する中で,交流の活発化,ソフト化・サービス化の傾向をより一層強め,産業の高付加価値化や構造変化等が進むものと見込まれる。
 このような事情から,全体としては,地目間の土地利用転換の圧力は弱まるものの,人口が増加している鹿児島市など一部の都市では,都市化や社会的・経済的諸活動の安定的拡大が進み,一方,過疎化・高齢化が進行する農山漁村では,耕作放棄地などの低未利用地等が増加するものと考えられる。
 したがって,土地需要の調整,効率的利用の観点から県土の有効利用を図るとともに,農林漁業の生産拡充,自然環境の保全,災害防止等の見地から,農用地,森林等の無秩序な利用転換を抑制する必要がある。
 
b 他方,本県は,台風の常襲地域であることに加え,特殊土壌が県土に広く分布しているなど自然災害を受けやすい特性をもっている。
 都市では,都市機能の集中やライフラインへの依存度の高まりによる被害の高次化・広域化のほか,急傾斜地・低地地域など自然災害の危険性のある地域への居住地の拡大が懸念される。
 農山漁村では,過疎化や高齢化の進行により耕作放棄地や適正に管理されていない森林が増加するなど県土資源の管理水準の低下が懸念される。
 このような中で,災害から県民の生命や財産を守るため,災害に強い安全な県土づくりが求められている。
 また,県民生活や経済活動による水質汚濁・悪臭,廃棄物の増大やダイオキシン類等有害な化学物質の発生などの身近な環境問題をはじめ,二酸化炭素等の排出による地球温暖化など地球規模の環境問題が顕在化している。このように我が国の国土が地球的規模の環境と密接に関係し,現在の影響が将来世代に及ぶ可能性が認識されるようになってきた。
 このような中で,県土の利用に当たっては,長期的な視点に立って,自然のシステムにかなった持続可能な利用を基本とすることが求められている。
 さらに,生活水準の向上,余暇時間の増大等を背景に,人々の価値観や生活スタイルの多様化の傾向が強まり,心の豊かさや自然とのふれあいに対する志向が高まっている。
 人々のこのようなニーズに対応したゆとりとうるおいのある県土利用が求められている。
 
ウ 県土利用の基本的方向
 
 県土の利用を計画するに当たっては,「共生ネットワークで築く 心豊かで活力あふれる『かごしま』」の実現を目指し,心豊かで快適な生活や創造性豊かな産業活動が展開され,様々な交流・連携が活発に行われるような場として県土の有効利用を図る必要がある。
 このため,全体として地目間の土地利用転換の圧力が低下するという状況を県土利用の質的向上のための機会としてとらえ,その推進を図るとともに,限られた県土資源の有効利用を図りつつ,県土の利用目的に応じた区分(以下「利用区分」という。)ごとの個々の土地需要の量的な調整を行うことによって,県土の魅力の総合的な向上を図るものとする。
 
(ア) 土地需要の量的調整
 
 都市的土地利用については,土地の高度利用及び低未利用地の有効利用を促進することにより,その合理化及び効率化を図るとともに,あわせて都市周辺の土地利用との調和に配慮しながら計画的に良好な市街地の形成を図る。
 次に,農林業的土地利用を含む自然的土地利用については,農林業の生産活動と保健休養・教育・文化的活動等の場としての役割及び自然循環システムの維持に配慮して,適正な保全と耕作放棄地等の適切な利用を図る。
 さらに,農用地,森林,宅地等の相互間における土地利用の転換については,その転換後,復元させることが困難であること,生態系をはじめとする自然の様々な循環系に影響を与えることなどを考慮し,慎重な配慮の下で計画的に行うものとする。
 
(イ) 県土利用の質的向上
 
 県土利用の質的側面をめぐる状況の変化を踏まえ,次のような観点を基本として,その質的向上を図ることが重要である。
 
a 安全で安心できる県土利用
 
 災害に対する地域ごとの特性を踏まえた適正な県土の利用を基本として,水系の総合的管理,県土面積の6割以上を占めている森林のもつ県土保全機能の向上等を図るとともに,防災拠点の整備,オープンスペースの確保,電気や通信等のライフラインの多重化・多元化等を進めることにより地域レベルから全県レベルまでのそれぞれの段階で県土の安全性を総合的に高め,災害を受けやすい本県の特性に適切に対応していく必要がある。
 また,高齢者や障害者が安心して暮らせるように配慮する必要がある。
 
b 人と自然が共生する持続可能な県土利用
 
 本県の恵み豊かで多彩な自然を将来世代に引き継ぐために,自然の健全な物質循環の維持,都市的土地利用に当たっての自然環境への配慮,生物の多様性が確保された自然の保全・創出とそのネットワーク化,環境にやさしい農業生産の推進等を図ることにより,自然のシステムにかなった県土利用を進めていく必要がある。
 
c ゆとりとうるおいのある県土利用
 
 都市においては,土地利用の高度化等により,ゆとりある都市環境の形成を図り,農山漁村においては,地域の活性化を図りつつ,緑資源の確保,田園空間の整備を図る。
 また,歴史的風土の保存,地域の自然的・社会的条件等を踏まえた多様で個性ある景観の維持・形成・活用を進めるとともに,人々の余暇志向や自然とのふれあい志向へ適切に対応していく必要がある。
 
(ウ) 計画実現に当たっての配慮
 
 これらの実現に当たっては,都市における土地利用の高度化,農山漁村における農用地及び森林の有効利用,両地域を通じた低未利用地の利用促進を図るとともに,都市的土地利用と自然的土地利用の適切な配置と組合せにより調和ある土地利用を進めるなど,地域の自然的・社会的特性を踏まえた上で,県土の有効かつ適切な利用に配慮する必要がある。
 

(2) 地域類型別の県土利用の基本方向

 
ア 都市地域
 
 市街地(人口集中地区)については,社会的・経済的諸活動を取り巻く状況の変化に適切に対応できるようにするとともに,都市における環境を安全でゆとりあるものとすることが重要となっている。このため,都市地域における県土利用の基本方向は,次のとおりとする。
 
(ア) 道路・公園・上下水道等の都市施設の整備を推進しつつ,それぞれの都市がもつ特色ある地域資源を生かした個性あるまちづくりを進めるとともに,中核的な都市圏を構築し,これらの圏域と周辺地域との交流・連携の促進による県土の均衡ある発展を図る。
 
(イ) 都市的土地利用に当たっては,自然的土地利用との調整を図りながら,市街地及びその周辺地域における環境の保全に配慮し,計画的に良好な市街地の整備を図る。
 また,既成市街地においては,再開発等による土地利用の高度化と低未利用地の有効利用を促進する。
 
(ウ) 自然条件や防災施設の整備状況を考慮した土地利用への誘導,地域防災拠点の整備,オープンスペースの確保,ライフラインの多重化・多元化及び建築物の耐災性の向上等により災害に対する安全性を高め,災害に強い都市構造の形成を図る。
 
(エ) 住居系・商業系・業務系等の多様な機能をバランスよく配置すること,水循環や資源・エネルギー利用の効率化等に配慮した整備を行うことなどにより,都市活動による環境への負荷が少ない都市の形成を図るとともに,美しく良好な街並み景観を形成することや緑地及び水辺空間をそれらのネットワーク化に配慮しつつ確保することにより,ゆとりとうるおいのある環境の形成を図る。
 
(オ) 建物や道路等のバリアフリー化を推進するなど高齢者や障害者等が安心かつ快適に暮らせる都市の形成を図る。
 
イ 農山漁村地域
 
 農山漁村については,過疎化や高齢化が進む中,食料の安定供給のための生産活動の場としての役割に加え,県土の保全,水資源のかん養,自然環境の保全,良好な景観の形成など多面的な機能を十分に発揮することが求められている。このため,農山漁村地域における県土利用の基本方向は,次のとおりとする。
 
(ア) 優良農用地及び森林を確保するとともに,その整備と利用の高度化を図る。
 
(イ) 道路や生活排水処理施設の整備など地域特性を踏まえた良好な生活環境を整備するとともに,農林水産物等に対する国民の多様なニーズに対応した農林漁業の展開,地域資源を生かした産業の振興等により総合的に就業機会を確保し,健全な地域社会を築く。
 
(ウ) 水系及び森林の管理,地域防災拠点の整備,ライフラインの多重化・多元化等により災害に対する安全性を高める。
 
(エ) 農業の規模拡大が比較的容易な地域にあっては,生産性の向上に重点を置いて,農業生産基盤の整備と効率的かつ安定的な農業経営への農用地の集積を図る。
 
(オ) 農業等の生産条件や交通等の生活条件が不利な地域にあっては,地域の条件に応じた農業生産基盤の整備や地域資源の総合的な活用等による活性化のほか,新たな管理主体の形成,都市住民の参加・協力等複合的な手段を通じて県土資源の適切な管理を図る。
 
(カ) 農地と宅地が混在する地域においては,農業生産活動と地域住民の生活環境が調和するよう,地域の実情に応じた計画的かつ適切な土地利用を図る。
 
(キ) 田園風景などやすらぎのある二次的自然としての農山漁村景観の維持・形成を図る。また,人々の憩いや活動の場として都市にも開かれた田園空間を整備するとともに,里山林等の地域資源も活用して都市住民との交流を促進する。
 
ウ 自然維持地域
 
 高い価値を有する原生的な自然の地域や野生生物の重要な生息・生育地,優れた自然の風景地など,自然環境を維持すべき地域については,適正に保全する。
 あわせて,適正な管理の下で,自然の特性を踏まえつつ自然体験・学習等の自然とのふれあいの場としての利用を図る。
 
エ 離島地域
 
 本県には,27の有人離島があり,その面積は県土の約27パーセント,そこに住む人口は県全体の約11パーセントを占めており,離島地域は県勢の重要な地位にある。
 離島地域は,そのほとんどが外海離島で,本土とは異なる厳しい自然条件の下にある。また,本土との諸格差がいまだ残っており,人口の減少や高齢化も本土より進んでいるなど,活力ある地域社会を維持する上で多くの課題を抱えている。
 他方,離島地域は,温暖な気候,多彩で恵まれた自然,広大で豊かな海域,個性的な文化など優れた特性を有している。
 このような本県における離島地域の重要性と自然的な特性を考慮して,離島地域における県土利用の基本方向を次のとおりとする。
 
(ア) 人口の減少や高齢化の進行による離島地域の県土資源の管理水準の低下を防ぐため,交通・情報通信体系の整備などにより離島地域における距離的・時間的制約の克服に努めるとともに,恵まれた自然を活用した産業の振興等による就業機会の確保,それぞれの島の特性を最大限に生かした観光の振興等により活力ある地域社会を築く。
 
(イ) 離島地域には,世界自然遺産に登録された屋久島や生物多様性保全の視点から世界的にも重要な奄美地域をはじめ,高い価値を有する自然や美しい海岸線など離島特有の優れた景観がある。これらの優れた自然や景観については適正な保全を図る。
また,奄美地域では,赤土等の土砂流出防止対策の強化を図る。
 
(ウ) 離島地域の地理的条件を踏まえ,防災体制の充実強化や治山・治水・海岸保全施設の整備等により,県土の保全と安全性の確保を図る。
 

(3) 利用区分別の県土利用の基本方向

 
ア 農用地
 
 農用地は,食料の安定的供給を確保するための基礎的資源であるとともに,県土及び自然環境の保全等の多面的機能を発揮している。
 このため,農用地の無秩序な利用転換を抑制するなど農業振興地域制度の適切な運用により優良農用地の維持確保を図るとともに,各地域の特性に応じた農業生産基盤の整備により,農用地の効率的な利用と生産性の向上を図る。
 さらに,農用地の良好な管理により,その多面的機能が十分発揮されるよう配慮するとともに,環境にやさしい農業生産の展開を図る。
 
イ 森林
 
 森林は,木材生産等の経済的機能を有するとともに,県土の保全,水資源のかん養,自然環境の保全,保健休養及び教育・文化的活動等の場としての公益的機能を通じて県民生活に深く結び付いている。また,森林のもつ二酸化炭素の吸収機能などは地球環境問題の高まりとともに重視されている。
 これら森林の機能を総合的に発揮しうる持続可能な森林経営の確立に向け,必要な森林の確保と整備を図り,多様な森林づくりと資源の有効活用を目指す。
 都市及びその周辺の森林については,良好な生活環境の確保や災害の防止に果たす役割が大きいため,積極的に緑地としての保全と整備を図る。
 農山漁村集落周辺の森林については,災害の防止,自然環境の保全,地域社会の活性化に加え,人々の自然とのふれあい志向の高まりに配慮しつつ,適正な利用を図る。
 原生的な森林や貴重な動植物が生息・生育する森林等自然環境の保全を図るべき森林については,その適正な維持・管理を図る。
 
ウ 原野
 
 原野のうち,湿原,水辺植生,野生生物の生息・生育地等貴重な自然環境を形成しているものについては,生態系及び景観の維持等の観点から保全を図る。
 その他の原野については,地域の自然環境を形成する機能に十分配慮しつつ,適正な利用を図る。
 
エ 水面・河川・水路
 
 水面・河川・水路は,水資源の供給の面で県民の生活及び生産の諸活動にとって不可欠のものであり,また,レクリエーションの場にも利用されている。
 水面については,今後の社会経済の変化に対応した水資源の安定供給を図り,その保全と確保を図る。
 河川については,台風,豪雨,特殊土壌等災害を受けやすい本県の自然条件や都市化の進展等による流域の変化がもたらす河川災害を防止するため,河川改修に必要な用地の確保を図るとともに,水資源の安定供給のために保全を図る。
 水路については,農業用水の効率的活用を図るため,用排水施設の整備に必要な用地の確保を図る。
 また,水面・河川・水路の整備に当たっては,自然環境の保全に配慮するとともに,自然の水質浄化作用,生物の多様な生息・生育環境,うるおいのある水辺環境,都市における貴重なオープンスペース等多様な機能の維持・向上を図る。
 
オ 道路
 
 一般道路は,広域的な交流ネットワークの形成など地域間の交流・連携の促進,県土の均衡ある発展及び良好な生活・生産基盤の整備を図る上で欠くことのできないものであることから,高速交通網や県内幹線道路網・生活道路の整備拡充に必要な用地の確保を図る。
 一般道路の整備に当たっては,防災機能の向上及び公共・公益施設の収容機能等の発揮に配慮するとともに,人と環境にやさしい道路の整備を図る。
 特に,市街地においては,環境施設帯の設置,道路緑化の推進等により,良好な沿道環境の保全・創造に努める。
 また,農道及び林道については,農林業の生産性向上及び農用地・森林の適正な管理を図るため,必要な用地の確保を図る。農道及び林道の整備に当たっては,農山村の生活環境の向上及び自然環境の保全に十分配慮する。
 これらの道路の整備に当たっては,全体の道路網との整合及び安全かつ円滑な地域交通の確保に留意するとともに,交通安全施設を整備するなど道路の安全性と快適性の向上を図る。
 
カ 宅地
 
(ア) 住宅地
 
 住宅地については,世帯数の増加や高齢化の進行等に対応し,個性とうるおいのあるまちづくりを目標として,環境・安全・情報化等県民の多様な居住ニーズに対応した良質な住宅・宅地ストックを形成するとともに,生活関連施設の整備を計画的に進めながら,必要な用地の確保を図る。
 新たな住宅地の造成に当たっては,道路・公園・緑地等の空間を確保するなど良好な環境を形成するとともに,災害に関する地域の自然的・社会的特性を踏まえた適切な土地利用を図る。
 また,既成市街地においては,居住環境の整備を進めながら,土地区画整理及び市街地再開発の促進等により効率的な土地利用を図る。
 さらに,障害者や高齢者等が安心して快適に暮らせるよう配慮するとともに,環境への負荷の低減に配慮した住まいづくりを促進する。
 
(イ) 工業用地
 
 工業用地については,経済のグローバル化やIT革命等に伴う産業構造の変化,企業の立地動向等に対応するため,新事業の創出促進,地域産業の育成強化及び積極的な企業誘致を進める必要があることから,環境保全等に配慮しつつ,必要な用地の確保を図るとともに,既存工業団地の未分譲地については企業立地を推進する。
 また,優れた立地条件を備えた工場適地の適正配置を推進し,県土の均衡ある発展を図る。
 
(ウ) その他の宅地
 
 その他の宅地については,経済のソフト化・サービス化の進展等に対応して,市街地の再開発等による土地利用の高度化,中心市街地における商業の活性化及び良好な環境の形成に配慮しながら,魅力ある商店街の形成と事務所等に必要な用地の確保を図る。
 また,郊外の大型商業施設等については,周辺の土地利用との調整を図るとともに,地域の景観との調和や良好な環境の形成に配慮する。
 
キ 公用・公共用施設用地
 
 文教施設,公園緑地,交通施設,環境衛生施設及び福祉保健施設等の公用・公共用施設の用地については,県民生活上の重要性とニーズの多様化を踏まえ,環境の保全に配慮して,必要な用地の確保を図る。
 また,施設の整備に当たっては,耐災性の確保と災害時における施設の活用に配慮するとともに,バリアフリー化を推進する。
 
ク レクリエーション用地
 
 レクリエーション用地については,余暇需要の増大や自然とのふれあい志向の高まりを踏まえ,自然環境の保全を図りつつ,地域の振興等を総合的に勘案して,計画的な整備を進める。
 その際,森林・河川・沿岸域等の余暇空間としての利用や施設の適切な配置とその広域的な利用に配慮する。
 
ケ 低未利用地
 
 低未利用地のうち,都市の低未利用地は,再開発用地,オープンスペース,公共用施設用地,居住用地及び事業用地等としての活用を図り,農山漁村の耕作放棄地は,農業的利用を主体とした活用を図るなど積極的な有効利用の促進を図る。
 また,低利用の森林については,災害の防止,自然環境の保全等に配慮しながら,地域の条件に応じその有効利用を図る。
 
コ 沿岸域
 
 沿岸域については,漁業,海上交通,レクリエーション等の場として利用され,特に多くの離島や半島地域を有する本県では県民生活に密接にかかわっており,今後も,観光資源としての利活用,ウォーターフロント空間の活用及び海洋資源開発など多面的活用への期待がある。
 このため,自然的・地域的特性及び経済的・社会的動向を踏まえ,海域と陸域との一体性に配慮しつつ,長期的視点に立った総合的利用を図る。
 この場合,良好な景観の形成,環境の保全及び県民に開放された親水空間としての利用に配慮する。
 また,沿岸域の多様な生態系の保全を図るとともに,県土の保全と安全性の向上に資するため,海岸の保全を図る。
 

2 利用区分別の規模の目標及びその地域別の概要

 

(1) 利用区分別の規模の目標

 
ア この計画の目標年次は平成22年とし,基準年次は平成10年とする。
 
イ 県土の利用に関して基礎的な前提となる人口及び一般世帯数については,平成22年において,それぞれ,176万5千人程度,75万4千世帯程度と想定する。
 
ウ 利用区分は,農用地,森林,宅地等の地目別区分及び市街地とする。
 
エ 利用区分別の規模の目標については,利用区分別の県土利用の現況と変化に関する調査に基づき,将来人口等を前提とし,用地原単位等を考慮し,利用区分別に必要な土地面積を予測し,土地利用の実態との調整を行い,定めるものとする。
 
オ 県土の利用に関する基本構想に基づく平成22年における県土の利用区分ごとの規模の目標は,次表のとおりとする。
 
カ なお,以下の数値については,今後の経済社会の不確定さなどにかんがみ,弾力的に理解されるべき性格のものである。
 
   利用区分別の規模の目標
       面積等

利用区分

面積

構成比

平成10年
ha
平成22年
ha
平成10年
平成22年
農用地
  農地
  採草放牧地

133,800
131,500
2,300

126,400
124,000
2,400

14.6
14.3
0.3

13.8
13.5
0.3

森林 588,900 589,800 64.1 64.2
原野 5,400 4,900 0.6 0.5
水面・河川・水路 16,100 16,700 1.8 1.8
道路 32,500 36,300 3.5 3.9
宅地
  住宅地
  工業用地
  その他の宅地

36,800
24,600
1,600
10,600

41,000
28,000
1,800
11,200

4.0
2.7
0.2
1.1

4.5
3.1
0.2
1.2

その他 105,200 104,000 11.4 11.3
合計 918,700 919,100 100.0 100.0
市街地 13,000 12,000 1.4 1.3
 
注1 「道路」は,一般国道,農道及び林道の合計である。
 2 「市街地」は,国勢調査の定義による人口集中地区であり,平成10年の欄の市街地の面積は,平成7年の国勢調査による人口集中地区の面積である。
 

(2) 地域別の概要


ア 地域別の県土の利用区分ごとの規模の目標を定めるに当たっては,土地,水,自然などの県土資源の有限性を踏まえ,地域の個性や多様性を生かしつつ,県土の均衡ある発展を図る観点から,必要な基礎条件を整備し,県土全体の調和ある有効利用とともに環境の保全が図られるよう,適切に対処しなければならない。
 
イ 本県の自然的・社会的・経済的諸条件を勘案し,県土を次の地域に区分する。
 

地域名

地域内の市郡等名

北薩地域 川内市 串木野市 阿久根市 出水市 日置郡のうち市来町 薩摩郡 出水郡
鹿児島中部地域
鹿児島市 枕崎市 大口市 指宿市 加世田市 国分市 鹿児島郡のうち吉田町及び桜島町 揖宿郡 川辺郡 日置郡(市来町を除く。) 伊佐郡 姶良郡
大隅地域 鹿屋市 垂水市 曽於郡 肝属郡
南西諸島地域 名瀬市 西之表市 鹿児島郡のうち三島村及び十島村 熊毛郡 大島郡
 
ウ 地域別の計画の目標年次,基準年次,県土の利用区分及び県土の利用区分ごとの規模の目標を定める方法は,(1)に準ずるものとする。
 
エ 平成22年における県土の利用区分ごとの規模の目標の地域別の概要は,次のとおりである。
 
(ア) 農用地
 
 宅地,道路等への利用転換が引き続き行われることによって減少し,北薩地域では18,500ヘクタール,鹿児島中部地域では41,300ヘクタール,大隅地域では38,800ヘクタール,南西諸島地域では27,800ヘクタール程度となる。
 
(イ) 森林
 
 宅地,道路等への転換はあるものの,県土の有効利用並びに県土及び環境の保全を図る見地から,原野や低未利用地等への植林を進めることにより,北薩地域では108,500ヘクタール,鹿児島中部地域では182,600ヘクタール,大隅地域では132,900ヘクタール程度となるが,南西諸島地域では,農用地等への利用転換によって減少し,165,800ヘクタール程度となる。
 
(ウ) 原野
 
 有効利用を図ることにより,鹿児島中部地域では2,100ヘクタール,南西諸島地域では1,800ヘクタール程度まで減少するが,北薩地域では400ヘクタール,大隅地域では600ヘクタール程度とおおむね横ばいとなる。
 
(エ) 水面・河川・水路
 
 ダムの建設,河川改修,ほ場整備等によって各地域とも増加し,北薩地域では4,400ヘクタール,鹿児島中部地域では7,300ヘクタール,大隅地域では3,500ヘクタール,南西諸島地域では1,500ヘクタール程度となる。
 
(オ) 道路
 
 幹線道路,生活道路等の一般道路,農道及び林道の整備等によって各地域とも増加し,北薩地域では6,600ヘクタール,鹿児島中部地域では14,200ヘクタール,大隅地域では8,400ヘクタール,南西諸島地域では7,100ヘクタール程度となる。
 
(カ) 宅地
 
 住宅地については,世帯数の増加等を反映して各地域とも増加し,北薩地域では4,700ヘクタール,鹿児島中部地域では14,100ヘクタール,大隅地域では6,500ヘクタール,南西諸島地域では2,700ヘクタール程度となる。
 工業用地については,企業立地の推進等により,北薩地域では400ヘクタール,鹿児島中部地域では900ヘクタール程度まで増加するが,大隅地域では300ヘクタール,南西諸島地域では200ヘクタール程度とおおむね横ばいとなる。
 その他の宅地については,交通基盤の整備などに伴う商業活動の活発化等によって各地域とも増加し,北薩地域では1,600ヘクタール,鹿児島中部地域では5,700ヘクタール,大隅地域では2,700ヘクタール,南西諸島地域では1,200ヘクタール程度となる。
 
(キ) 市街地(人口集中地区)
 
 核家族化などにより世帯数は増加するが,人口は全体としては減少傾向にあるため,各地域とも減少し,北薩地域では900ヘクタール,鹿児島中部地域では9,600ヘクタール,大隅地域では1,000ヘクタール,南西諸島地域では500ヘクタール程度となる。
 

3 目標を達成するために必要な措置

 
 1及び2に掲げる事項を達成するために必要な措置は,次のとおりである。
 これらの措置については,「安全で安心できる県土利用」,「人と自然が共生する持続可能な県土利用」,「ゆとりとうるおいのある県土利用」等の視点を総合的に勘案した上で実施を図る必要がある。
 

(1) 公共の福祉の優先

 
 土地については,公共の福祉を優先させるとともに,その所在する地域の自然的,社会的,経済的及び文化的諸条件に応じて適正な利用が図られるよう努める。このため,各種の規制措置,誘導措置等を通じた総合的な対策の実施を図る。
 

(2) 国土利用計画法等の適切な運用

 
 国土利用計画法及びこれに関連する土地利用に関する法令等の適切な運用により,また,本計画及び市町村計画等の地域の土地利用に関する計画を基本として,土地利用の総合的かつ計画的な調整を推進するとともに,土地取引・開発の規制に関する措置等を的確に実施し,適正な土地利用の確保と地価の安定を図る。
 その際,土地利用の影響の広域性を踏まえ,関係行政機関相互間の適切な調整を図る。
 

(3) 地域整備施策の推進

 
 地域の個性や多様性を生かしながら,都市機能の集積,農山漁村の活性化,ゆとりとうるおいのある環境の形成,地域産業の振興など総合的な地域整備施策を推進し,県土の均衡ある発展を図る。
 

(4) 県土の保全と安全性の確保

 
ア 水系の管理
 
 県土の保全と安全性の確保を図るため,水系ごとの治水施設等の整備と流域内の土地利用との調和や集中豪雨・台風による被害を受けやすい本県の自然条件への対応に配慮しつつ,適正な土地利用への誘導を図るとともに,県土保全施設の整備を推進する。
 
イ 森林の管理
 
 森林のもつ県土の保全と安全性の確保に果たす機能の向上を図るため,保安林及び治山施設の整備を進めるとともに, 流域を基本的な単位として,地域特性に応じた管理を推進しつつ,森林の管理水準の向上を図る。
 その際,林道の整備,山村における生活環境の向上,林業の担い手の育成確保を進めるとともに,森林整備への県民の理解と参加を図るなど,森林管理のための基礎条件を整備する。
 
ウ 安全性の向上と火山対策
 
 県土の安全性を高めるため,災害に配慮した土地利用への誘導,オープンスペースの確保,電気や通信等のライフラインの多重化・多元化,災害に強い交通基盤や地域防災拠点の整備を促進するとともに,危険地域についての情報の周知や災害時の情報伝達システムの整備等を図る。
 また,県内には7つの活火山があり,各火山及びその周辺の地域は,火山災害の危険区域であると同時に,生活の場でもあることから,ハザードマップ等により危険地域についての情報の周知を図るほか,土石流対策など住民が安心して快適な生活が営めるよう火山災害対策の充実を図る。
 

(5) 環境の保全と美しい県土の形成

 
ア 生活環境の保全と二酸化炭素等の排出抑制
 
 生活環境の保全を図るため,騒音等の著しい交通施設等の周辺において,緑地帯の設置,倉庫・事業所など騒音による影響が少ない施設の誘導等により土地利用の適正化を図るとともに,緩衝緑地の設置や住居系・商業系・工業系等の用途区分に応じた適正な土地利用への誘導を進める。
 二酸化炭素や窒素酸化物等の環境への負荷の低減に資する交通システムや都市等の形成に配慮した土地利用を図る。また,二酸化炭素の吸収源となる森林や都市等の緑の適切な保全・整備を図る。
 さらに,公害の未然防止に努めるとともに,ダイオキシン類等有害化学物質対策を推進し,県土利用の質の劣化を防ぐ。
 
イ 健全な水循環の確保
 
 健全な水循環の確保を図るため,農用地や森林の適切な維持管理,雨水の保水機能の保全,公共下水道・合併処理浄化槽・農漁業集落排水施設の整備の促進,水辺地等の保全による河川・湖沼・沿岸域の自然浄化能力の維持・回復,地下水の水質保全や適正な利用等を通じ,水環境への負荷を低減する。
 特に,湖沼等の流域において,水質保全に資するよう,緑地の保全その他自然環境の保全のための土地利用制度の適切な運用に努める。
 また,土壌汚染の防止に努める。
 
ウ 廃棄物の適正処理の推進
 
 廃棄物の減量化とリサイクルを一層進めるとともに,廃棄物処理施設の整備に当たっては,環境の保全に十分配慮する。
 また,排出事業者及び処理業者に対する適正処理の監視・指導を行い,不法投棄等の不適正処理の未然防止に努める。
 
エ 多様な自然環境の保全
 
 高い価値を有する原生的な自然については,厳格な行為規制等により厳正な保全を図る。
 野生生物の生息・生育,自然風景,希少性等の観点からみて優れている自然については,行為規制等により適正な保全を図る。
 農山漁村地域における二次的な自然については,適切な農林漁業活動や保全活動の促進,必要な施設の整備等を通じて自然環境の維持・形成を図る。
 都市的土地利用等により,自然が減少した地域については,緑地や公園などの整備による自然の創出と量的確保を図る。
 この場合,生物の多様性を確保する観点から,生態系のネットワーク化に配慮する。また,それぞれの自然の特性に応じて自然とのふれあいの場を確保する。
 
オ 景観の維持・形成と歴史的風土の保存等
 
 ゆとりとうるおいのある環境を形成するために,都市においては,景観に配慮した歩道・橋りょう・広場の整備など美しく良好な街並みや緑地・水辺景観の形成を図り,農山漁村においては,田園空間を整備するなど二次的自然としての景観の維持・形成を図るとともに,景観を楽しむ場の形成を図る。
 また,歴史的風土の保存,文化財の保護等を図るため,関係法令等を適切に運用し,開発行為等の規制を行う。
 
カ 各種事業における環境への配慮
 
 環境汚染を未然に防止し,良好な環境を確保するため,開発行為等について環境影響評価法等に基づく環境影響評価を実施することなどにより,土地利用の適正化を図る。
 公共事業の実施に当たっては,環境に配慮した技術や工法等を積極的に導入し,環境保全上の配慮を行う。
 

(6) 土地の利用転換の適正化

 
ア 自然的・社会的条件の変化に対応した利用転換
 
 土地利用の転換を図る場合には,その転換後,復元させることが困難であること及び影響の大きさに十分留意した上で,人口及び産業の動向,周辺の土地利用の状況,社会資本の整備状況その他の自然的・社会的条件を勘案して適正に行い,また,必要に応じて見直し等の適切な措置を講ずる。
 
イ 農用地の利用転換
 
 農用地の利用転換を行う場合には,食料生産の確保,農業経営の安定及び地域農業や地域景観等に及ぼす影響に留意し,他の土地利用との計画的な調整を図りながら,無秩序な利用転換を抑制し,優良農用地が維持され,確保されるよう配慮する。
 
ウ 森林,原野の利用転換
 
 森林の利用転換を行う場合には,森林の保続培養及び林業経営の安定に留意しながら,県土の保全,水資源のかん養, 保健休養の場の確保,自然環境の保全等に配慮して,周辺の土地利用との調整を図る。
 また,原野の利用転換を行う場合には,環境の保全に配慮しつつ,周辺の土地利用との調整を図る。
 
エ 大規模な土地利用転換
 
 大規模な土地利用の転換については,その周辺地域や河川の下流域に及ぼす影響が大きいため,事前に十分な調査を行い,県土及び環境の保全に留意するとともに,鹿児島県土地利用対策要綱等の適切な運用により,適正な土地利用の確保を図る。
 また,地元市町村の意向等地域の実情を踏まえた適切な対応を図るとともに,市町村の基本構想などの地域づくりの総合的な計画,公共用施設の整備や公共サービスの供給計画等との整合を図る。
 
オ 混住化が進行する地域の土地利用
 
 農山漁村における農地と住宅地の混住化が進行する地域については,土地利用の混在による弊害を防止し,良好な生産基盤の整備や住みよい環境づくりを進めるため,無秩序な利用転換を抑制し,農地は農地としてのまとまりを,住宅地は住宅地としてのまとまりを確保すること等により,地域の環境を保全しつつ,農地と住宅地相互の土地利用の調和を図る。
 

(7) 土地の有効利用の促進

 
ア 農用地
 
 農用地については,土地改良等の農業生産基盤の整備を計画的に推進するとともに,農地流動化を促進し,効率的かつ安定的な農業経営への農用地の集積を図る。
 また,中山間地域の農地については,生産条件の不利性を緩和するため,立地条件に応じたほ場整備の推進等により有効利用を図り,県土保全や自然環境保全等の多面的機能を確保する。
 利用度の低い農用地については,地域に応じた合理的な作付体系を推進し,農用地の利用増進を図る。
 
イ 森林
 
 森林については,その多面的機能が総合的に発揮されるよう,保安林の整備拡充,林地開発許可制度の適切な運用等を通じて他の土地利用との調整を図りながら,必要な森林を確保するとともに,地域森林計画に基づく林道網の整備拡充,造林・間伐等の計画的推進,治山施設の整備等によって,森林資源の充実を図る。
 その際,自然とのふれあいの場,青少年の教育の場等としての総合的な利用を促進するため,多様な森林の造成・管理と利用施設等の整備を図る。
 
ウ 水面・河川・水路
 
 水面・河川・水路については,治水及び利水の機能発揮に留意しつつ,生物の多様な生息・生育環境としての機能の発揮のために必要な水量・水質の確保や整備を図るとともに,地域の景観と一体となった水辺空間や水と人とのふれあいの場の形成を図る。
 
エ 道路
 
 道路については,公共・公益施設の共同溝への収容,電線類の地中化,道路緑化等を推進して,良好な街並み景観の形成を図る。また,ゆとりある道路空間の形成を図るとともに,バリアフリー化を推進する。
 
オ 宅地
 
(ア) 住宅地
 
 住宅地については,安全性の向上とゆとりある快適な環境の確保に配慮しながら居住環境の整備を推進するとともに,長期的な需給見通しに基づき,良好な宅地を適正な価格で計画的に供給できるよう公社等の公的機関により公共・公益施設を備えた宅地の供給を促進する。また,民間の宅地開発事業への適正な指導により優良な宅地の供給を促進する。
 なお,市街地においては,良好な居住環境を確保するため,土地区画整理及び民間活力の導入による市街地再開発を促進するとともに,建築協定や地区計画制度などの活用により,地域住民の自主的な街づくりを促進する。
 さらに,住宅のバリアフリー化を推進するとともに,環境共生住宅の普及促進など多様な住宅の供給を促進する。
 
(イ) 工業用地
 
 工業用地については,地域社会との調和,公害防止及び環境の保全等に配慮しながら,産業構造の変化や企業の立地動向を踏まえ,優れた立地条件を備えた工業用地の整備を図る。
 
カ 低未利用地の利用促進
 
 低未利用地のうち,耕作放棄地や低利用の農用地については,県土及び環境の保全の観点から,それぞれの生産条件を踏まえつつ,改良や流動化を促進して,農用地としての利用を図る。農用地としての利用が困難な土地については,地域の振興と県土の保全を図るため,地域の実情に応じて森林や地域の活性化のための施設用地等への転換を図る。
 また,都市地域における低未利用地については,県土の有効利用及び良好な都市環境の形成の観点から,都市計画制度や国土利用計画法による遊休土地に関する制度の適切な運用等により計画的かつ適正な活用を促進する。
 
キ 有効な土地利用への誘導等
 
 土地の所有者が良好な土地管理と有効な土地利用を図るよう誘導するとともに,定期借地権制度などの活用を図る。
 

(8) 県土に関する調査の推進及び成果の普及啓発

 
 県土の科学的かつ総合的な把握を一層充実するため,県土に関する情報の整備,国土調査,土地基本調査,自然環境保全基礎調査等県土に関する基礎的な調査を推進するとともに,その総合的な利用を図る。
 また,県土に対する県民の理解を促し,計画の総合性及び実効性を高めるため,調査結果の普及及び啓発を図る。
 

(9) 指標の活用

 
 適切な県土の利用に資するため,計画の推進等に当たって各種指標の活用を図る。

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