更新日:2007年12月5日

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3 甑島地域

(1) 国土保全施設の整備

ア 河川

本地域の2級河川は,上甑島に中津川と小島川,下甑島に長川と浜田川の4河川があるが,いずれも流路が短く,勾配が急なため,短時間に多量の雨があれば急激に増水氾濫し,たびたび人家,耕地等に大きな被害をもたらしてきた。そのため緊急度の高いところから逐次河川改修事業を実施してきた。
2級河川については,平成4年度までに改修事業を完了している。
市町村が管理する準用河川は,堂ノ元川(里村),江石川(上甑村)等があり,江石川は平成8年度までに,堂ノ元川は平成11年度までに改修事業を完了している。

イ 砂防

本地域の山地部は,かなり急峻で,河川は短く,また平地も少ないので土砂災害が発生しやすいため砂防事業が必要である。
そのため,木ノ口川,桑ノ浦川,尾の上川,長浜北谷等で通常砂防事業により堰堤工,渓流保全工等を実施し,土砂災害の未然防止に努めた。

ウ 治山

本地域は地形が急峻であり,森林土壌の保水能力が低いため,山地災害の防止と水資源の確保等を図ることが必要である。このため山地治山事業や水源地域整備事業等を実施している。
水源地域整備事業等については,里・長浜・藺牟田地区において取り組み,水資源のかん養を図った。

エ 海岸保全

本地域は,特に山が海岸線に迫っているため,ほとんどの集落,耕地は,海岸沿いに点在している。
また,外海に位置しているため,季節風時の波浪は激しく,加えて台風常襲地帯でもあるため,海岸保全事業の必要性が高い。
このため,背後地の保全目的に沿って,河川局海岸保全事業,港湾海岸保全事業,漁港海岸整備事業を実施している。
港湾海岸事業では,里港西地区,江石港地区で高潮対策により離岸堤及び護岸を整備した。また,里港東地区,江石港地区,桑之浦港地区で局部改良事業により突堤,護岸等を整備した。更に長浜港地区では,局部改良事業により,護岸を整備中である。
漁港海岸保全事業では手打漁港を「さわやか漁村海岸整備事業」で整備中であり,中甑漁港は海岸環境整備事業で養浜及び付帯施設を平成8年度に整備完了した。更に,河川局海岸事業は長浜地区で局部改良事業を実施した。

(2) 交通基盤の整備

ア 道路

本地域は,上甑島の一般県道桑之浦里港線,上甑島と中甑島を結ぶ一般県道黒浜水深線,及び下甑村の一般県道手打藺牟田港線が南北に縦断し,上甑島北部を横断する一般県道瀬上里線,及び下甑島の西岸を走る一般県道長浜手打港線により道路網を形成している。
県道については,これまでの整備の結果,改良率は79.3%となっており,これは県全体の県道の改良率75.3%を上回っているが,下甑島の長浜手打港線や上甑島の瀬上里線については未改良区間が多く残っている。また,上甑島の桑之浦里港線の一部(里港から中甑漁港間)と上甑島から中甑島に至る黒浜水深線及び下甑島の手打藺牟田港線の3路線については甑島を縦貫する道路として位置づけている路線であり,概ね整備を終えた県道黒浜水深線を除く2路線の整備を重点的に進めているところである。
また,下甑島と中甑島を結ぶ藺牟田瀬戸架橋については,平成5年度から,自然条件等の基礎的な調査を行ってきており,今後は,事業化に向けた検討を進めることとしている。
村道については,主な整備路線として,2級村道鍬崎線,その他村道波乗ライン,2級村道長浜芦浜線,2級村道市の浦線,1級村道西部2号線,1級村道西部1号線等がある。住民に密接する生活道路として整備を進め,隘路区間の解消及び舗装工事を進めている。

道路現況(平成13年度末) (単位:m,%)

区  分

実延長A
規格改良 
済延長B 
うち   
5.5m以上C
改良率 
B/A
5.5m以上
改良率C/A

舗装延長D
舗装率
D/A
一般県道  70,874   56,215   40,177   79.3   56.7   70,840   99.9
市町村道 128,808   84,134    9,488   65.3    7.4   120,656   93.7
道 路 計 199,682   140,349   49,665   70.3   24.9   191,496   95.9
出典:平成14年度道路現況調書(平成14年4月1日現在)

イ 港湾

甑島地域の港湾は,県管理港湾が上甑島に里港,下甑島に長浜港の2港があり,村管理港湾が上甑島に江石港,桑之浦港の2港ある。
里港は,甑島の玄関港として昭和34年度から改修事業を実施中であり,東地区においては,防波堤,岸壁,可動橋等の整備を進め,定期船の安全な接岸が可能となった。また,東,西地区において,漁船対策事業として物揚場,船揚場,道路,防波堤等の整備を進めている。
長浜港は,下甑島の定期船寄港港であり,昭和40年度から改修事業を進め,岸壁,物揚場等が完成しており,現在,夜間停泊基地港として更に船舶の安全な航行の為,防波堤の整備を進めている。
また,甑島周辺は好漁業が多いため,漁船対策として江石港を改修事業で,桑之浦港を局部改良事業で整備を進めてきた結果,平成7年に整備を完了した。

主な港湾の整備状況(単位:m)

島 名

港湾名

種別
管理者
平 成 4 年 度 末 平 成 14 年 度 末
岸 壁 物 揚 場
防波堤
接岸能力及び
バース数
岸 壁 物 揚 場
防波堤
接岸能力及び
バース数
水深 延長 水深 延長 水深 延長 水深 延長

上甑島



地方
-5.5
-4.5
 90
140
-3.5
-3.0
-2.0
180
70
300
  
1,207

700G/T
3B
-5.5
-4.5
 90
140
-3.5
-3.0
-2.0
180
300
280
   
1,328
2000D/W
1B
700G/T
2B


下甑島


長 浜


地方


-5.5
-4,5


90
160


-3.5
-2.0


55
300


1,167

2000D/W
1B
700D/W
2B


-5.5
-4.5


90
160


-3.5
-2.0


55
450
  

1,259
2000D/W
1B
700D/W
1B
700G/T
1B
(注)物揚場-2.0の数値は,-2.0m以深

(3) 産業基盤の整備

ア 農業農村整備

各島とも地形は急峻で耕地は点在している。農業は,野菜,米等の自給生産が主であり,特産の鹿の子百合のほか草地を利用した肉用牛の生産も行われているが,農業人口の流出,高齢化が進み経営規模は零細である。
上甑島・下甑島においては,生産性の向上を図るため農免農道(里村里地区・下甑村手打地区)・県営一般農道(下甑村手打地区)等農道整備事業を実施した結果,農道の整備率は97.1%と高い整備率になっている。
また,用水確保のため,上甑村瀬上地区及び下甑村手打地区でそれぞれため池等整備事業を実施した。

農業基盤の整備状況(単位:ha,km,%)

区   分
ほ 場 整 備 農 道 整 備 畑地かんがい かんがい排水
要整備
面 積
整備済
面 積
整備 
率 
要整備
面 積
整備済
面 積
整備 
率 
要整備
面 積
整備済
面 積
整備 
率 
要整備
面 積
整備済
面 積
整備
平成4年度末 242 46 19.0 84 55 65.5 63 27 42.9 151 74 49.0
平成14年度末 86 46 53.4 69 67 97.1 27 27 100.0 124 75 60.4


イ 造林

本地域の森林面積9,051haのうち,そのほとんどは天然広葉樹林である。また,約86%が,水土保全林に位置づけされる。
これまでに,森林機能の向上や広葉樹林の有効利用を図る観点から育成複層林整備(複層林改良)を中心に施業を実施し,地域内森林の水源かん養,土砂流出防止等の機能の向上が図られた。

ウ 林道

林道は,多面的機能を有する森林の適切な整備及び保全を図り,生活環境の基盤整備を図るため大内浦線をはじめ5路線,19,132mを開設した。また,既設林道の機能向上を図るため舗装,改良事業を実施した。
当地域における林道の整備状況は,平成14年度末で127,308m,林道密度14.9m/haとなった。

エ 漁港

甑島周辺海域は,県内でも有数な好漁場を有していることから,水産業が基幹産業となっており,今後とも水産業に期待するところが非常に大きい。
本地域には,上甑島に中甑漁港(4種),里漁港・小島漁港(いずれも1種),中甑島に平良漁港(2種),下甑島に手打漁港(4種),藺牟田漁港(2種),青瀬・芦浜・片野浦・瀬々野浦漁港(いずれも1種)の10漁港があり,漁業の拠点として,また,甑島近海で操業中の漁船の避難港として,あるいは定期船寄港港としてそれぞれ重要な役割を果たしているので,これらの漁港の積極的な整備を図ってきた。
中甑漁港は,甑島北側の避難港及び定期船寄港港として,修築事業により防波堤,泊地,物揚場等の整備を行ってきた。平成5年度からは安全性の高い避難港として機能充実を図るとともに蓄養漁業に対応する静穏な水域を確保するため,防波堤,護岸等の整備を行っている。  手打漁港は,甑島南端の避難港及び定期船寄港港として,修築事業により整備を行ってきており,平成5年度からは小泊地区の係留施設不足解消のための防波堤,物揚場等の整備を行っている。
藺牟田漁港は,漁船の増加,大型化に対応するとともに定期船の安全接岸対策を進めるため修築事業により,防波堤,岸壁等の整備を行ってきた。平成5年度からは引き続き防波堤の整備を進め,漁港機能の充実を図るとともに,活魚生産や出荷調整機能の促進を図るため小牟田地区に蓄養基地を整備中である。
片野浦漁港は平成8年度まで局部改良事業で防波堤の整備,平成9年度からは総合整備事業で新たに集落環境施設にも着手し,整備を進めている。
このほか,改修事業で里,平良,青瀬,瀬々野浦漁港,局部改良事業で芦浜,小島漁港の防波堤,物揚場,岸壁,護岸,船揚場,道路等の整備を行っている。
また,平成13年度からは,平良漁港において漁業集落環境整備事業に着手し,整備を進めている。

主要漁港の整備状況(単位:m,平方m)

漁港名

管理者
平 成 4 年 度 末 平 成 14 年 度 末
けい留施設
泊 地

防波堤
けい留施設
泊 地

防波堤
水深 延長 水深 延長
小 島 上甑村 -1.0
-2.0
 55
130
  -  189.4 -1.0
-2.0
 55
130
  -  314.4
中 甑 -2.0
-3.0
-4.5
 390
360
80
85,841  505 -2.0
-3.0
-4.5
 440
360
80
91,351  670
平 良 -0.5
-1.5
-2.0
-3.0
-4.0
-4.5
 57
120
170
220
70
160
 8,460  308 -0.5
-1.5
-2.0
-3.0
-4.0
-4.5
 57
120
240
220
70
160
15,582  494
芦 浜 下甑村 -2.0  75  2,413  187 -2.0  75  2,413  227
青 瀬 ±0.0
-0.5
-2.0
-3.0
 41.1
16.9
110
95
 3,751  502.6 ±0.0
-0.5
-2.0
-3.0
  0
0
165
95
 5,619  612.6
瀬々野浦 -2.0 104.7  4,800  305.5 -2.0  159  4,621  340.5
片野浦 -2.0  185 11,689  210.9 -2.0  180 11,389  340.9
手 打 -1.0
-2.0
-3.0
-4.5
 385
160
190
80.2
29,423  683.5 -1.0
-2.0
-3.0
-4.5
 385
280
190
80.2
39,350  876.3
藺牟田 -1.0
-1.5
-2.0
 32
150
180
 9,275  1.161 ±0.0
-1.5
-2.0
-3.0
-4.0
-4.5
  32
150
230.3
330
50
80
 9,275 1,361


オ 漁場

本地域は対馬暖流と沿岸水との混合水帯を形成しており,ブリ,アジ等を対象とした定置網漁業をはじめ,キビナゴ流し刺網漁業や一本釣等の漁業が営まれているが,近年,アジ,サバ,イワシ等の青物資源の減少等で漁家経営は厳しい状況下にある。
今回,漁港事業と一体となった事業として上甑村地先に1,319空m3の魚礁を設置し,漁業資源の回復と漁業生産の増大を図った。

(4) 生活環境施設の整備

ア 簡易水道

本地域では,水需要の増加に伴う水源水量の不足と施設の老朽化に対応するため,平成10年度までに上甑村の中甑簡易水道施設及び下甑島の長浜,瀬々野浦,片野浦簡易水道施設の新増設及び導配水管の更新事業を実施した。
このため平成14年度末の普及率は里村,上甑村,鹿島村については全域で普及し,下甑村97.5%となっている。

イ 廃棄物処理

ダイオキシン類の規制強化に対応して,平成11年度に上甑島衛生管理組合(里村,上甑村)が,また,平成12から13年度に鹿島村,平成13年度に下甑村が焼却施設の基幹改良を行った。
また,し尿処理については,平成9から10年度に鹿島村が,し尿及び生活雑排水を併せて処理するコミュニティプラントの整備を行うとともに,平成13年度から下甑村が合併処理浄化槽の整備促進を図っている。

ウ 下水道

快適な生活環境の確保や公共用水域の水質保全を図るため、上甑村において平成8年度より特定環境保全公共下水道事業を実施中である。処理場建設・管渠整備を効率的かつ計画的に行い、平成12年度終末処理場(中甑・中野浄化センター)を供用開始し、平成15年度の事業完了を目指している。
  処理区域人口
(A)
整備面積
(ha)
下水道処理
人口普及率
  備 考
全体計画    760   26.0    
平成8年度    -    -    -  
平成12年度    366   15.9    -  *供用開始
平成14年度    723   24.7   36.4%  
*下水道処理人口普及率=処理区域人口/行政区域人口

(5) 離島振興事業による投資実績(一括計上事業)(平成5から14年度)

(単位:千円)
区    分 事 業 費 国  費 県  費 市町村費 そ の 他
河     川
砂     防
治     山
建 設 海 岸
港 湾 海 岸
漁 港 海 岸
道     路
港     湾
漁     港
水産基盤整備
農業農村整備
造     林
林     道
都 市 下 水 路
廃 棄 物 処 理
簡 易 水 道
  429,000 
2,885,243 
1,988,840 
82,400 
3,488,660 
3,850,364 
19,690,365 
10,295,051 
16,459,081 
4,956,368 
2,105,282 
202,983 
4,142,772 
1,353,600 
657,072 
1,093,220 
  143,000 
1,444,621 
987,804 
41,200 
1,892,830 
2,001,085 
10,696,051 
7,912,828 
12,243,418 
3,651,080 
1,105,610 
62,639 
2,040,419 
694,100 
246,398 
546,610 
  58,000 
1,440,622
1,001,036
35,020 
1,073,650 
1,427,090 
8,189,429 
2,070,478 
2,594,806 
491,288 
698,160 
21,173 
947,070 

2,604   
  228,000


6,180
522,180
422,189
804,885
311,745
1,620,857
814,000
301,512
100,366 
1,155,283
659,500
408,070
546,610











18,805



合     計 73,680,301  45,709,693  20,050,426   7,901,377     18,805

(6) 特定離島ふるさとおこし推進事業

本地域における特定離島ふるさとおこし推進事業の実施状況は,上甑島では,産業の振興事業で県民自然レクリェーション村やキャンプ場整備,ユリの原種圃整備,パッションフルーツ栽培施設整備及び藻場造成等を実施し,生活基盤の整備では,定住促進住宅,X線テレビ等の医療機器,水路,道路等を整備し,観光パンフレット等の制作やマラソン大会も実施している。
中甑島では,船・バス待合所や漁船上架施設を整備している。
また,下甑島では,産業の振興事業で,スクーバダイビング施設及び漁場造成等を,生活基盤の整備では,飲用水施設,CTスキャナー等の医療機器,ヘリポート,ごみ焼却施設,排水施設及び道路環境整備等を実施し,生涯学習対策等各種イベント等も開催している。
地域全体の事業件数は,産業の振興が138件,生活基盤の整備が164件,みんなの参加・島づくり対策が32件である。
投資実績は次のとおりである。

特定離島ふるさとおこし推進事業による投資実績(平成5から14年度) (単位:千円)
区    分 事 業 費 県  費 市町村費 そ の 他
産業の振興    1,883,576   1,348,005   518,069   17,502
生活基盤の整備    3,399,014   2,536,038   862,974  
みんなの参加島づくり対策     150,395    80,296   70,099  
合    計    5,432,983   3,964,339 1,451,142   17,502

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