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更新日:2010年3月29日

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夏秋スプレーギク(電照)の年間栽培体系(大隅地域)

1.栽培上の特性

 夏秋スプレーギクは,輪ギクのような主力品種は少なく,品種の変遷も大きいですが,一般的に花容のバリエーションは秋スプレーギクに比べて少ないです。ここでは,電照抑制による7~9月出荷の栽培体系について記します。

2.適地

 排水性,保水性に優れた腐植に富む膨軟な土壌で,pHは6~6.5が適しています。

3.作型

主な栽培体系については,以下のとおりです。無摘心栽培する場合は,下記の栽培体系表で摘心する頃に定植します。
夏秋スプレーギク 7,8,9月出し栽培作型表

4.主要品種

主な品種と栽培特性については,以下のとおりです。

品種名

花色

特性

セイパレット 中輪で一重咲き。緑芯。揃いが良く,輪数が多い。
セイライラ 中輪で一重咲き。高温期でも花弁の退色が少なく,草姿も良い。
イエローシューズ 中輪で一重咲き。緑芯。高温期でも花弁の退色があまり見られない。
セイサットン オレンジ 中大輪で一重咲き。緑芯。草丈伸長性が高く,品質も良い。
ロアール 中輪で半八重咲き。

5,定植

(1)ほ場準備

台風シーズンと重なる作型ですので,できる限り風当たりの少ないほ場を選定しましょう。栽培歴の浅いほ場等では,完熟堆肥(牛ふん)や有機物(調整ピート,ヤシがら等)の施用と深耕を実施して,物理性改善を中心とする土づくりを行いましょう。

(2) 定植の時期

定植の時期は,出荷時期から逆算(一般的に無摘心栽培では,収穫から100~110日前)して決めましょう。

(3)定植の方法

一般的にさし芽(ボラ土さし苗)利用の場合は,根が2cm程度に伸びたら定植します。定植は,日中の高温時を避け,朝夕の涼しい時に行いますが,日差しが強い場合は,必ず寒冷紗を張ってから実施しましょう。定植を行いながら随時かん水し,あまり乾燥させないようにします。この時の活着の良否が,後の生育に大きく影響するので注意しましょう。

(4) 施肥

ほ場ごとに適正な施肥量が異なるため,年に1度は土壌診断を行い,診断結果に基づき施肥量を決めて下さい。摘心栽培の場合は,追肥は整枝時に,また無摘心栽培の場合は活着時に行い,その後は生育に応じて施用していきます。
夏秋スプレーギク 主な施肥設計の例

(5) 作式

例:15cm角5目ネット利用4条植え,畦間135cm,外側株間10cm,内側株間15cmの中1目空け(24,700株/10a植え)

 
夏秋スプレーギク 作式例

6.栽培管理

(1)ネット張り

定植時,または草丈20cmの頃を目安に張ります。ネットは両サイドに丈夫なひもを通し,茎が曲がらないように生長に合わせて引き上げていきましょう。

(2) かん水

土壌の乾燥状態や天候を見ながらかん水量を調節していきますが,生育全般にわたって極端な乾燥や過湿を避けましょう。かん水ムラは,生育不揃いの大きな原因となりますので,かん水器具等の目詰まりがないよう,十分注意しましょう。

(3)摘心,整枝

摘心栽培する場合は,摘心,整枝作業は計画的に速やかに行いましょう。

ア.摘心

目安として,セル苗は定植後5日目,ボラざし苗は7日目ですが,日数にこだわらず新葉が展開し始めたら摘心します。しかし,活着しないまま摘心を行うと,萌芽数が少なくなり,個体間の揃いが悪く,秀品率が低下するので注意しましょう。
摘心の方法は,浅くする方法と深くする方法がありますが,前者は萌芽が少ないと予想される場合や側枝の揃いが悪い品種等で行います。逆に,腰高の苗を植えた場合や側枝の発生や揃いが良い品種では,本葉4~5枚程度残して深めに摘心します。この方法であれば,整枝作業も軽減されます。深く摘心する場合は,摘心前の生育が旺盛である必要があるので,できれば液肥等を施用しておきましょう。

イ.整枝

整枝は,全体の揃いをよくして,秀品率を向上させるための重要な作業です。したがって,生育の悪いものを整理するばかりではなくて,全体の揃いを念頭において行いましょう。
側枝が10~15cm前後の頃までに,草勢の強いものや細いものを除きます。整枝は2回程度に分けて行い,最終的に目標の仕立て本数にすしていきます。整枝は遅れるほど分枝の生育が悪く,消灯までに目標草丈を確保しにくくなるので適期に行いましょう。

(4)温度管理

生育前半(定植から消灯まで)は,外気温が低い時期での定植となるため,極端な低温にあたらないよう注意します。また,生育後半(消灯から収穫始めまで)は,施設内の温度が上がりやすいため,換気や風通しをよくし,高温になりすぎるのを防ぎましょう。

7.日長管理

(1)電照

品種によって日長反応は異なりますが,一般的に日長が15~16時間の時期でも開花し,限界日長は17時間以上とされています。本ぽでは定植と同時に電照を開始しますが,特に温暖な地域やハウスで母株養成を行っている場合は,花芽を持ちやすくなるため,母株床でも可能であれば2月下旬から電照を行った方がよいでしょう。
花芽分化を抑え,草丈を確保するために,定植直後から深夜5時間の暗期中断を行います。
花芽分化を抑制できる照度は,一般的に50Lux以上あれば良いです。また,3日以内の電照中断であれば問題ないといわれていますが,それ以上の中断は花芽分化の危険性が高まるので,少なくとも3日に1度は正常に電照されているか確認しましょう。

8.主要病害虫

気温が高くなると,病害虫の発生が比較的多くなるため,定期的な予防散布に努め,早期発見,早期防除を心掛けましょう。その際は薬害を防ぐため,農薬散布は朝夕の涼しい時間帯に行いましょう。
主な病害は白さび病,黒斑病,褐斑病などがあり,また害虫では,マメハモグリバエ,ハダニ類,スリップス類,アブラムシ類,カメムシ類,ヨトウ類などが発生しやすいので,注意が必要です。
また夏秋ギクでは,ウイロイド(CSVd)によるわい化病が大きな問題となっています。特徴としては,草丈が低く,葉がやや小ぶりとなり,開花がやや早くなる等の症状が見られ,秀品率が大きく下がります。伝染経路は,刃物の利用など人為作業等によるものと,根の接触伝染が主です。発生した場合は,ほ場外へ早期に持ち出す,また発生ほ場からの親株利用を避け,種苗を更新する等の対策が必要です。

9.収穫・出荷

切り花はできるだけ涼しい時間に収穫し,極端に萎れさせないように丁寧に扱います。品目に応じた選花選別を行い10本1束とします。調整した切り花は,十分に水揚げを行ってから箱詰めし,出荷します。

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大隅地域振興局農林水産部曽於畑地かんがい農業推進センター

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