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更新日:2010年3月29日

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夏秋ギクの育苗体系(大隅地域)

1 親株養成

※便宜上,切り下株から冬至芽を養成するまでを「親株」,冬至芽植付けから本ぽ定植用の挿し穂養成までを「母株」と表現しています。

(1)親株床の準備

日当たりが良く,排水の良いほ場を選びます。10a当たり完熟堆肥を3~4トン,基肥を有機化成肥料等で窒素成分1kg程度施用します。

(2)親株の確保の方法

切り花収穫後,株を据え置き養成しその後親株床に移植する際は,収穫後の切り下株を低い位置で切り戻し,側枝が5~10cm以上伸びてきたら,親株床に移植します。作式は,床幅60cm×通路60cm,株間20cm×条間30cmの2条植えを基準とします。あとで土寄せを行うので,通路はあまりせまくしない方がよいでしょう。

収穫終了後株を据え置き養成し,その後かき芽をして親株床に定植用する際は,収穫の終わった株を台刈り後,10~20cmに伸びた側枝を分枝点からかき取ります。かき取った穂はさし芽を行う方法と,穂冷しておき2~3週間後に親株床に直ざしする方法がありますが,この際,穂冷蔵を行わずすぐに直ざしを行うと,活着率が悪くなるので注意します。
作式は,床幅60cm×通路60cm,株間15cm×条間15cmの4条植えを基準とする。

(3)追肥,土寄せ

追肥は有機化成等を用い,株を移植する方法では9月下旬と10月下旬に,かき芽を利用する方法では10月中~下旬に行います。施用量は,1回につき窒素成分で10aあたり2~3kgとします。
追肥と同時に土寄せを必ず行いましょう。土寄せは1回に2~3cm程度とし,最終的に冬至芽を発生させる部位が十分埋まるようにします。

(4)蕾摘み

親株床で随時発蕾してきますが,開花させると株が消耗してしまうため,開花させないように適宜蕾摘みを行いましょう。蕾摘みは,剪定バサミ等で蕾のみを除去するのが望ましいですが,作業性から刈り込みバサミ等で行う場合もあります。
発蕾を抑え,株の充実を図るために,親株に電照をする場合もあります。電照方法は本ぽと同様に行い,電照時間は深夜4~5時間程度とします。

(5)かん水

親株を充実させるために,定植直後から充分かん水を行い,株を老化させないように努めます。

(6) 病害虫防除

親株管理の時期は,特に白さび病が下葉に発生しやすいので十分注意し,母株以降に持ち込まないように努めます。

2 母株養成

 母株養成には,親株養成により発生した冬至芽をハウス内に定植して母株とする方法と,親株をそのまま据え置き母株にする方法があります。いずれも,冬~春にかけて冷涼な地域では,ハウス内で母株養成する必要があります。

(1)7月出し用の母株管理

 (ア)穂の確保

7月出しは定植時期が早く,母株の養成期間が短いので,多量の穂をいかにして確保するかがポイントになります。母株育苗を良く理解した上で採穂計画をたてましょう。

 (イ)冬至芽からの採穂,あるいは一回摘心後の穂を使用する場合

多くの母株本数が必要です。2月中下旬頃,冬至芽が伸長し始めた時期に1回目の採穂を行い,穂冷蔵をしておきます。2回目の採穂は3月中旬頃に行い,直ちにさし芽を行います。電照は,冬至芽の採穂時から開始します。電照時間は暗期中断の5時間とします。この場合の注意点として,冬至芽からの採穂は,茎が太く,また節数も多く,定植後は摘心後の穂と比べて若干伸長性があり,冬至芽からの穂と摘心後の穂を混ぜて植えると生育不揃い,開花不揃いの原因となるため,さし芽~定植は分けて行いましょう。

 (ウ)冬至芽からの2回摘心後の穂を使用する場合

必要母株本数は,比較的少なくて済みます。1回目摘心は1月下旬~2月上旬頃,冬至芽が伸長し始めた時期に行います。2回目摘心は2月下旬頃,側枝が8~10cm程度伸びたら2~3節残して行います。採穂は2月下旬に行い直ちにさし芽を行います。電照は2月下旬から開始します。電照時間は暗期中断の5時間とします。露地母株では間に合わない地域や,母株を少なく済ませたいときには,ハウス内での管理となりますが,ハウス内の温度が高いと,早期発蕾の危険があるので注意します。

(2)8月出し用の母株管理

 (ア)親株に発生した冬至芽を植え付けて母株を養成する場合

12~1月頃,親株から発生した冬至芽をハウス内に移植します。ハウス内は無加温でも構いませんが,昼温はあまり上がりすぎないように注意します。
冬至芽が節間伸長を始めたら,1回目の摘心を地際から5cmの位置で行なう。その後,側枝が8~10cm程度伸びてきたら,2回目は2~3節残して摘心します。採穂予定日の約25日前に最終摘心を行います。
摘心後,追肥を10a当たり窒素成分で2~3キログラム程度施します。
温暖な地域では,気温の上昇とともに花芽を持ちやすくなるため,2月下旬頃から電照を行います。電照時間は,暗期中断の深夜5時間,設置間隔は照度50ルックスを確保できる間隔とします(約9~10平方メートルに1球)。さらに本ぽでの早期発蕾が多い品種の場合,母株の摘心時にエテホン処理(「エスレル10」500倍液を10aあたり60リットル)散布すると効果的です。
気温が上昇する時期なので,害虫の発生(特にスリップス類,マメハモグリバエ)が増えてくるので注意します。穂冷蔵を行う場合は,冷蔵中の腐敗,芯つぶれ防止のため,病害虫防除を徹底し,健全な穂を養成する。特に,スリップス類は芯つぶれを助長するので徹底防除する。
母株を老化させると,さし穂の発根の悪化や本ぽでの早期発蕾,やなぎ芽等の発生の危険性があるので,極端な乾燥や過湿を避け,採穂まで適度の水分を保持します。
側枝が10~12cmになったら,伸びすぎないうちに採穂を行います。

 (イ)親株をそのまま据え置き母株とする方法

冬至芽が地上に見えてきたら,地上部の古枝は除去する。除去は地際から行うが,株が充実しておらず,冬至芽が十分出ていないうちに除去すると,株全体の冬至芽本数が少なくなるので注意します。
1回目の摘心後発生した側枝を採穂する場合は,1回目の摘心時に電照を開始します。
その他の管理は,「ア,親株に発生した冬至芽を植え付けて母株を養成する場合」と同じです。

(3)9月出し用の母株管理

早期発蕾が発生しやすい作型なので,4月末までの採穂とし,穂冷蔵を行うか8月出し用母株の採穂終了後,直ちに台刈り・エテホン処理を行い採穂します。

 (ア)2回摘心後の穂を使用する場合

9月出しの母株は,8月出しと同様の管理を行います。採穂は4月までのなるべく早い時期に行い,穂冷蔵・苗冷蔵を組み合わせて栽培します。

 (イ)台刈り後の穂を利用する場合

8月出しと同じ母株を連続して使う場合が多く,高節位からの採穂を避けるため,前作の採穂が終わったら直ちに,1回目摘心位置から5cm程度に低く台刈りを行い,エテホン処理する。その後20日目頃に採穂を行い穂冷蔵を行います。

 (ウ)新母株を作る場合

できれば母株を更新して,新母株から採穂を行うのがよいですが,5月以降の採穂は早期発蕾や奇形花の要因になる品種もあり,その場合は4月までに採穂を終わらなければならないので,2月上旬頃までに摘心した冬至芽をさし芽して仕立てる必要があります。

その他の管理は,(2)8月出し用の母株管理「ア,親株に発生した冬至芽を植え付けて母株を養成する場合」と同じです。

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大隅地域振興局農林水産部曽於畑地かんがい農業推進センター

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