更新日:2012年1月20日
国の無形民俗文化財(民俗技術)の新選択について
国の文化審議会(会長:西原鈴子)は,平成24年1月20日(金曜日)に開催された同審議会文化財分科会の審議・議決を経て,下記の文化財について,国の無形民俗文化財(民俗技術)に選択することについて文化庁に答申を行いました。この後,官報告示をもって決定となります。
1答申された文化財
無形民俗文化財「西之表の種子鋏製作技術」(にしのおもてのたねばさみせいさくぎじゅつ)
2特徴等
所在地:西之表市
特徴:良質な砂鉄の産地であり,島外との文化的交流も盛んであった種子島特有の技術であるうえ,ヤキイレ・ヤキモドシ,タメシなどといった鋏製作ならではの技術を伝えており,我が国の刃物鍛冶の技術を考える上で注目されるものです。
県内の無形民俗文化財国選択は,本件を含め21件
3詳細
本件は,布を切るための裁ち鋏や切り花用の鋏など,支点が持ち手と刃の中間に位置する中間支点式の鋏を製作する技術です。
もともと良質な砂鉄を産する土地であった種子島に,鉄砲伝来の際,ポルトガル船に同乗した明の鋏鍛冶が伝えた技術といわれており,種子島氏の居城のあった旧赤尾木城下に,江戸時代は鉄砲鍛冶や刀鍛冶の副業として,明治時代以降は刃物鍛冶の本業として伝承されてきました。
製作工程は,細かく分けると30工程以上にもなります。大きくは,軟鉄の棒を粗作りするタードリ,刃に鋼をつけるワカシツケ,全体を成形するアラヅクリ,刃に微妙なひねりをつけるナラシ,持ち手を作るウデマゲ,かみ合う2枚の刃を同じ強度にするヤキイレ・ヤキモドシ,刃の湾曲を微調整するタメシ,2枚の刃を組み合わせて鋏にするカッテなどの工程からなります。すべての工程を1人の職人が,ほとんど勘だけを頼りに行います。
刃の強度を決定づけるヤキイレ・ヤキモドシでは,勘だけで火床からの出し入れと冷却を行い,ナラシやタメシではクリネギと呼ばれる独特の用具を使用するなど随所に熟練した技術がみられます。
(上記については,種子鋏のうち全ての工程を手作業で行っているものが,選択の対象となります。)


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