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更新日:2011年12月26日

7月のちょっといい話~「すごい!」と思うことで...~

 十数年前のことです。養護学校(当時)に交流学習に行くことになり,私は,この行事の担当をすることになりました。
 全校生徒約千人のマンモス校です。生徒全員で参加できるはずもありません。そこで,校内で様々な検討を重ね,ボランティアクラブの生徒約40人が行くことになりました。このことが決まってから,私はクラブの一員である真也さんのことが,ずっと気にかかるようになりました。
 真也さんは,やや短気な面があり,周りの生徒に暴言を吐きトラブルを起こすことが多く,いじめ行為について指導を受けることも何回かありました。しかし,一方では,人懐っこく友達が多い生徒でした。私は,交流学習の際,どのような言動をするか心配で,彼に個別の事前指導を繰り返していきました。
 
 当日を迎え,いよいよ交流学習が始まりました。最初はどのようにしてコミュニケーションをとればよいのか分からず戸惑っていた生徒たちでしたが,時間とともに慣れてきて,一緒に絵を描いたり,ボールで遊んだり,体全体で意志を伝え合ったりするようになっていきました。そして,「どうしているのかな?」と思って姿を探すたび,私の視線の先には笑顔で交流している真也さんの姿がありました。
 

 交流学習の数日後,参加した生徒から感想文が提出されました。私が真也さんのものを真っ先に読んだのは言うまでもありません。そこには,次のような文章がしたためられていたのでした。
 「僕はこれまで,障害のある人たちを『かわいそう』と思っていました。それどころか,僕より劣っていると思っていました。だけど,一緒に活動してみて,その考えが間違っていたことがわかりました。○○養護学校の人たちは障害があっても,それに負けずに自分のできることは何でも自分でやろうとして一生懸命でした。本当に『すごい!』と思いました。
 それにひきかえ僕は,困難なことや苦手なことを最初からやろうとしなかったり,やっても途中で投げ出したり,きついことは人にさせたり,文句を言ったりしてきました。ほかの人が傷付くようなひどい言葉を言ったり,弱いと思う相手をいじめたりしたこともありました。だけど,今度のことで,これまで僕がどんなに甘えていたのか気が付きました。僕も○○養護学校の人たちに負けないように一生懸命がんばります。いじめもやめようと思います....」
 何度となく作文を読み直しながら,私は,真也さんの豊かな感性に感激するとともに,これまで彼本来の姿を何一つ見ていなかったことに気付き,深く反省しました。見ようとする努力すら怠っていたのかもしれません。

 
 世の中には様々な人権問題があり,差別の現実があります。その解決は,差別する側の心がどう変わるかにかかっています。困難な状況の中でも,精一杯がんばろうとしている姿を知ったとき,その生き様に「すごい!!」という尊敬の念が生まれ,差別する心があることに気付き,自分が変わっていく...
 このことを十数年前,真也さんは私に教えてくれていたのでした。
(名前は仮名です)

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