更新日:2018年11月2日
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鶴丸城の御楼門は,本丸の入口にあり,いかにも武の国・薩摩を象徴するような威風堂々のたたずまいで,天守のない「屋形づくり」の鶴丸城のシンボルであったとされています。
明治6年(1873年)の火災で居館とともに焼失し,以後,再建された記録は残されていませんが,火災で焼失する前の明治初期に撮影された古写真の解析や,現存する礎石に残る痕跡等から,御楼門の大きさは,国内最大級の武家門であったものとされています。
【二重二層の武家門(木造2階建て】
・高さ:約20メートル(鯱まで)
・幅:約20メートル(2階部分の柱間)
・主柱(鏡柱):約90×約70センチメートル
また,敵から内部を守る役割を果たす門扉は堅固かつ重厚で,鏡柱(かがみばしら)や冠木(かぶき),大扉など御楼門の前面部には,華美さを強調する部材が使われたと考えられています。
御楼門の特徴からも,門の主要な柱となる大径木(直径1メートル規模の原木)は一般市場に流通していないことから,県内外の現地調査等により広く情報を収集するため,鹿児島県木材協同組合連合会に調査業務を委託し,平成27年8月にその結果をとりまとめました。
その後,この調査結果を踏まえた木材調達方針等に基づき,確保に向けた取組や情報収集を行ってきました。
鶴丸城御楼門建設に係る大径木調査等報告書(PDF:4,848KB)
門の主要な柱となるケヤキの大径木は,県内での入手が困難なことから,社寺建築用のケヤキを専門に扱う県外の材木商への依頼や,岐阜県からの情報提供によるセリへの参加を通じて,確保を進めてきました。その結果,建設工事の発注までに必要な木材の本数27本のうち,12本を調達しました。
なお,工事発注後,工事請負業者により木材の調達はすべて完了しています。
県ホームページや県広報誌による募集,新聞報道等を通じて,県民の皆様から木材提供のお申し出や情報を多数いただきました。提供の申し出をいただいた木については,専門家による現地調査を実施し,その結果や設計条件などから,活用の可能性を判断させていただいたところです。
提供のお申し出,情報をお寄せいただいた皆様,誠にありがとうございました。
島津義弘公に縁のある湧水町から,御楼門建設のために町有林のケヤキ15本を贈呈いただくこととなり,平成29年12月4日,湧水町においてケヤキの贈呈式及び伐採式を開催しました。
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