第4章 - 3 海辺のにぎわいとうるおいの創出

1魅力ある海辺空間の整備

ウォーターフロントは，湾岸各地における地域づくりを推進する上で，にぎわいやうるおいの創出など多面的な役割を果たすことが期待されている空間です。このため，湾岸の各地域の特性等を踏まえるとともに，海への眺望や親水性に配慮しながら，うるおいと活力に満ちた魅力あるウォーターフロントの整備を推進します。

（にぎわいのある空間の整備）

湾岸の市街地と隣接する場所においては，背後地との連続性に配慮しながら，適切な都市機能の集積を図り，街と一体となった空間の形成を図ります。また，交通の利便性が高く，オープンスペースの確保等が可能な場所では，人々が集い，にぎわいを創出できる空間の整備を推進します。

項目	内容
にぎわいの拠点づくり	県民や県内外からの観光客を錦江湾のウォーターフロントに誘導し，錦江湾の優れた景観や海辺の雰囲気等にふれながら，買い物や飲食，イベントや交流等を楽しむことができるように，フィッシャーマンズワーフ等の整備を促進するなど，魅力あるにぎわいの拠点づくりを推進します。また，都市空間との連続性やオープンスペースの確保などに配慮しつつ，商業施設の適切な集積を図り，にぎわいを創出するよう努めます。
海外に開かれた交流の拠点づくり	国内にとどまらずアジア地域をはじめとする世界各地の人々が活発に行き交う，海外に開かれた交流拠点づくりを目指し，大型観光船ふ頭や国際級のマリーナ，国際会議場，展示・交流施設，多目的広場等の整備を促進します。
公園や緑地等の整備	湾岸の交通の利便性が高い適地において，各種イベント等にも活用可能なスポーツ広場や公園，緑地等の整備を推進します。 また，海辺の雰囲気を生かしたレストランなど飲食機能等の導入を促進します。

（うるおいのある空間の整備）

湾岸の各地において，海岸線の形態や背後地の利用状況を踏まえ，親水性を高めた空間の整備を推進するとともに，周遊性に配慮したプロムナードの形成や，海辺の魅力を生かした居住空間づくりを促進します。

項目	内容
人工海浜等の整備	適地における人工海浜の整備や養浜，オートキャンプ場の整備など，県民が海辺で快適に過ごすことのできる親水性を高めた空間の整備を推進します。
湾岸プロムナードの形成	湾岸に点在する海水浴場や港，公園等を結び，連続した湾岸地域というイメージを形成するため，既存道路等の活用を図りながら，錦江湾岸の散策等ができる湾岸のプロムナードの形成を促進します。 また，湾岸プロムナードの適地において，海への眺望を生かした休憩施設等の整備を促進します。
湾岸の立地環境を生かした住宅地づくり	湾岸の適地において，交通等の立地条件や恵まれた海辺の環境，温泉等の特性を生かすことにより，多様な生活スタイルに対応した住宅地の整備を促進します。

2自然環境に配慮した良好な景観の形成

「鹿児島県景観形成基本計画」や「錦江湾ウォーターフロント景観形成マニュアル」等を活用しながら，海岸構造物等の修景，植栽の整備，案内板等のデザインの改善に努めるなど美しい海岸づくりや，海からの眺望も意識した魅力ある湾岸景観の形成に努めます。
また，自然海岸や海岸の背景となる樹林地の保全，海岸のゴミの除去など，湾岸の豊かな自然環境に配慮しながら，錦江湾らしさを生かした親水性の高い景観の形成を目指します。

3利便性の向上と活用の促進

魅力ある海辺空間の整備や自然環境に配慮した景観形成と併行して，海辺へのアクセスの改善や安全性の確保に努めるなど利用しやすい環境づくりを推進します。また，県民や県内外の観光客等の利用促進を図るため，イベントの開催や適切な情報提供などを推進します。

項目	内容
アクセスの整備や安全性の確保	ウォーターフロントへのアクセス道路の整備や修景，案内板等の改善，駐車場の整備などによりアクセスの向上を図ります。 また，背後空間の整備や水際線を生かした周遊性の確保，照明灯の整備による安全性の確保など，周辺環境の整備を推進します。
海上交通網の整備	需要の動向や港湾施設の整備状況等を踏まえ，錦江湾内航路の整備を促進します。
イベント等の開催と情報の発信	湾岸地域におけるにぎわいを創出するとともに，広域的な交流を促進するため，海洋レクリエーションに関するイベントや，ウォーターフロントを活用した帆船まつり，花火大会，コンサートの開催等を促進します。また，これらに係る適切な情報提供に努めます。
利活用の促進のための環境整備	様々な主体によるウォーターフロントを活用したイベントや文化活動，交流事業等の促進が図られるよう，野外ステージや休憩所などの施設の整備を促進します。