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更新日:2015年4月6日

11月のちょっといい話~個別の課題から~(HIV患者等)

あるラジオ番組で,HIVに感染した方の手記を聴きました。

自分の誕生日に保健所での検査で「陽性」の告知を受けたAさんの話です。

一生忘れられない誕生日になったことでしょう。はじめは現実を受け入れられずに,自暴自棄になりました。生きていてもこれからの幸せを信じられずに,湖に身を投じて死んでしまうことまで考えたそうです。これまでの自分の生き方から,自業自得としてあきらめかけていました。しかし,自分が「陽性」の告知を受けたことを家族や恋人に思い切って打ち明けたところ,そのままの自分を受けとめてくれて,父親は,「おれの大事な子どもだよ」と抱きしめてくれたそうです。今は,「妙に充実していて,不思議と幸せだ」という内容でした。

 
私はかつて,急性の感染症のために入院したことがあります。血液の検査数値が急激に上昇したことによる緊急入院でした。検査のために看護師さんが入れ替わり立ち替わり病室を行き来し,入院当初は何とも言えない不安が襲ってきて,ある種の覚悟を持たなければ落ち着いて寝ていられないような状況でした。しかし,その一方で,不思議と,どこか他人事のような感覚もあり,心をどこに置けばいいかわからないような数日間を過ごしました。
その後,病名が分かり,安静と投薬治療により数値が回復してきたり,自分の病気のことを調べたりするうちに,心が落ち着いてきましたが,何よりもありがたかったのは,自分の家族や友人が,私の気持ちを察して,これまでと同じように接してくれたことでした。
この手記でも,「HIV感染症は,正しい知識に基づいて通常の日常生活を送る限り,いまはそんなに怖くないということもわかった。・・・今,僕と同世代の感染者が増えているらしい。でも,不安に思わずに支えてくれるみんながいるから大丈夫。失う物より,得る物のほうが多いと思う。なぜなら,今の自分がそうだし,この病気になって一番何を得たか,取り戻せたかというと,親との絆だし,それこそが一番僕にとっての宝物だ」と語っておられました。
この放送を聴いて思ったことは,様々な病気をめぐる差別意識は,まず患者自らにも生じることがあり,それは,夢や希望までもむしばんでいくものであるということ。治療については,科学的治療方法はもちろんのこと,家族や友人,周りの人々の理解や支えが,新たな生きる希望までも芽生えさせるということ。そして,最大の病魔は,病気に対する無知や無関心から生まれる偏見であるということでした。
 
絶望の淵に立たされたとき,「おれの大事な子どもだよ」という父親の言葉に込められている愛情から,Aさんは,自分は「生きていていいんだ」「大事にされているんだ」と心の底から実感し,大切な自分を取り戻すことができたのではないでしょうか。

HIV患者等に係る月間・記念日等

□「世界エイズデー」(12月1日)

□「鹿児島レッドリボン月間」(11月16日~12月15日)【リンク先:いずれも,健康増進課】

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