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更新日:2011年12月26日

1月のちょっといい話~個別の課題から~(外国人)

    「本当に困っている人の小さな声を大切にしたいです。」

  県内で国際交流の仕事に携わるAさんにお話を聞きました。

    Aさんの勤務先では,『外国人のための日本語教室』を開いています。日本に来て間もない人や学校に通う子どもがいる母親,ALT(外国語指導助手)の方などを対象に,日本語の習得はもとより,料理や歌などの活動を通して,日本の文化や鹿児島の風土を理解してもらうために,週に2回,様々な工夫を凝らして行われています。中には,自分たちのコミュニティーのネットワークを広げることはもちろんのこと,子どもが持ち帰ってくる「学校だより」が読めるようになりたいという願いで,毎回楽しみに通っている母親も。

    そんな受講生の様子を見ていると,以前から日本に住んでいる人を頼れるネットワークなどもあり,特に困った様子もうかがえず,楽しそうに参加している姿しか見えてこないそうです。

    「教室という特別な空間だからそう見えるのかも知れないですね。」とAさん。

    ある日,受講生の数名でカラオケボックスに行ったときのこと。日本人の男性と結婚され本県で生活することになった女性は

    「Aさん,私,日本に来て3か月。はじめて笑ったよ。」

とおっしゃったそうです。教室内ではなく,カラオケボックスの打ち解けた雰囲気の中,仲間のつながりを感じ合えた瞬間に,作り笑いではない心の底からの思いがこみ上げてきたのでしょう。それまでは,「生活をしている感じがなかった。」とまで言われ,夫婦間のつながりだけでは自分の存在を確認できなかった様子がうかがえます。

    言葉も習慣も違う,身寄りもない国で人の顔の表情を気にしながらの生活の連続は,大海の小舟に一人,ただ船縁をつかみ続けるしかないような気持ちだったのではないでしょうか。

    それからは,日本語教室に来るのは,ただ日本語学習のためだけではなく,「みんなで一緒に笑い合いたいから」,似たような境遇のクラスメートや同じ母語・同郷のクラスメートたちと,「共有の仲間意識を感じ合いたいから」という他の受講生の声も聞こえて来るようになったそうです。

    Aさんの職場では,受講生のそのような思いに触れ,一人でも多くの在住外国人の方々に寄り添うことができないかと,昨年から,3か国語分,それぞれ違う言語で書いた手作りによる相談窓口の案内カードを,県内のスーパーに置かせてもらう取組を展開されています。スーパーに置く理由は,日用品など生活必需品が比較的安くて豊富であり,より多くの方々にカードの存在に気付いてもらえるから。

    一人の受講生への思いから,他の受講生の思いにつなげ,地域の在住外国人の生活背景まで思いを巡らす実践に,本課がすすめる人権尊重の3つのキーワード『見つめる,思いを巡らす,向き合う』との重なりを感じます。そして,「本当に困っている人の小さな声を大切にしたいです。」の言葉に,単に語学習得の苦悩に向けた見方だけでない,慣れない地に暮らす外国人に対する人権尊重の姿勢とは何かを教えられた気がしました。

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