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更新日:2011年12月26日

10月のちょっといい話~個別の課題から~(犯罪被害者)

 朝の出勤前,新聞の社会面を読むと,そこには毎日のように様々な事件の記事が載っています。なかには,眉をひそめてしまう事件や,強い憤りを感じる事件も少なくありません。凶悪事件の記事であっても,「またか」と嘆きつつ,次のページをめくると,もう前の記事は忘れて,時計を見て,あわただしく出かける支度をすることが日常になってしまっています。
 私の心に対岸の火事のような思いがあったのでしょう。事件に巻き込まれた人が知っている人や家族でなくてよかったと安心している。その心にげんこつでコツンとするだけの自分が恥ずかしい限りです。
 
 「被害者は一人ではないんですよ。」
 犯罪被害に遭われた方々や家族・遺族の心身の回復をサポートする目的で平成17年に設立された,社団法人かごしま犯罪被害者支援センターの事務局長の湯又勝雄さんの言葉です。 
 「例えば,遺族の方がお墓参りに行って『また,今日もお墓参りをしていたよ。』と周囲の人の声を聞くのも,その方にとってみれば,気になり,苦痛なんですよね。」
 痛み,恐怖,失意,失望などの苦しい状況にあるのは,被害者のみではなく,その家族や遺族の方々も,被害者と同様に苦しんでいらっしゃるということを語ってくださいました。
 

 犯罪被害直後は,気が動転して状況判断もできない状態であるので,同センターでは,裁判の手続きから,治療のための通院や家庭訪問など,被害に遭った方や家族・遺族の方の「こうしてほしい」という思いを察知してサポートしてくださっています。「あの時,こうしていれば,助けられたかもしれない。」とか「もっと,話を聞いていたら,こんなことには・・・。」などと,自責の念や罪悪感にさいなまれる家族・遺族の方もいらっしゃるそうです。また,行き場のない怒りや不信感は,加害者に対してはもちろんのこと,時として,家族にも向けられ,その強い絆にさえ亀裂が生じたりもします。だから,「被害者は一人ではないんですよ。」
 どのようにすれば社会生活に復帰できるかを親身になってサポートされる相談員の方々。そんな相談員の方々も,被害者と思いを同じにするので,重い心を引きずる状態にもなっていきます。だから,「職員のメンタルケアも大事なことなんです。」と職員への心遣いにサポートとは,どういうものかを教えられます。
 「人によって傷つけられても,また人によって支えられることでしょう。遺族の方が,『今,会社が終わったところです。今から,家に帰ります。』と電話をくださったり,『近くまできたので,寄ってみました。』と,元気な顔を見せてくださったりすると,このセンターが,心のよりどころになってくれているのかなと安心もします。」
    自分自身が犯罪に遭ったとしてどう生きていけるか,生きていきたいかに思いをめぐらすと,犯罪被害者の問題は,決して対岸の火事ではありません。心ない噂や好奇心の声や過剰な取材が第二の被害者を作っていることに気付き,被害に遭った方と家族の思いに共感し,それぞれの思いに寄り添うことが大切なことだと,あらためて教えられました。

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