更新日:2025年8月22日
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日時:令和7年8月22日(金曜日)午前10時00分~10時48分
場所:5階記者会見室(県庁5階)
「ムーブかごしま」からもご覧いただけます。
(広報課)
それでは,ただいまより知事の定例記者会見を始めさせていただきます。
会見の円滑な進行のため,数値の確認等の詳細事項につきましては,追って担当課にご確認くださるようお願いいたします。
それでは幹事社の方,進行をよろしくお願いいたします。
(幹事社)
始めるに当たってのお願いです。発言される方は,挙手をしていただいた上で,お近くのマイクを使って社名と名前をおっしゃっていただくようお願いします。また,ご発言の際は,できるだけマイクに近づいてお話しくださいますようお願いします。
携帯電話は,マナーモードの設定をよろしくお願いします。
会見の冒頭に知事から発言があるということですので,よろしくお願いします。
(知事)
まず,8月7日からの大雨の件でございますが,この大雨により,お一方お亡くなりになられたほか,5人の方が負傷されております。また,県内各地で断水や停電が発生したほか,住宅の浸水被害,道路等の公共土木施設や農作物等への被害が生じております。お亡くなりになった方に対して心から哀悼の意を表するとともに,被災された方々に対してお見舞いを申し上げます。
今回の災害では,8月7日に霧島市や姶良市など4市に災害救助法の適用を決定し,現在も関係市と連携して被災された方々の支援に努めております。8月10日には私自身も現地に行きまして,河川堤防の損壊や水田への流木等の流入,道路の損壊などの被害状況を確認しております。被災箇所については,県民生活に支障が生じないよう直ちに応急対策を取っております。引き続き,被災箇所の復旧に向けて全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
昨日,本県に上陸した台風第12号の影響により,各地で土砂崩れや浸水被害等が発生しております。県では,被害状況を把握するとともに,被害状況を踏まえ,迅速,的確に対応するよう指示しております。
気象台によりますと,本日の昼過ぎにかけて線状降水帯が発生して,大雨災害の危険度が急激に高まる可能性があるとのことであります。県民の皆様におかれましては,引き続き気象台や自治体の発表する災害に関する情報に注意を払いながら,土砂災害等に厳重に警戒し,安全に最大限留意した行動を取っていただくようお願いいたします。
私からは以上でございます。
(幹事社)
次に,知事から発表事項があるということですので,よろしくお願いします。
(知事)
発表事項でございますが,「九州宇宙ビジネスキャラバン2025鹿児島」の開催でございます。
2030年代早期の市場規模の政府目標が8兆円とされる宇宙産業の成長力を県内経済に取り組むことを目指し,県では,令和4年度から宇宙ビジネス創出に取り組んでおります。
県内における宇宙ビジネス参入の機運醸成とビジネスマッチングの機会を創出するために,10月16日(木曜日)にカクイックス交流センターにおいて「九州宇宙ビジネスキャラバン2025鹿児島」を開催します。
「九州宇宙ビジネスキャラバン」は,九州地域における宇宙産業の振興を図り,宇宙人材の育成や宇宙ビジネスの裾野拡大を目指して令和5年から開催されております。鹿児島県での開催は,一昨年の福岡市,昨年の北九州市での開催に続く3回目であり,一般社団法人九州みらい共創と鹿児島県の共催により開催するものであります。
当日は,基調講演やトークセッションを行う「フォーラム」や宇宙関連産業の企業等による「ブース展示」のほか,参加者同士の交流を図る「ネットワーキング」を予定しております。
フォーラムでは,アクシオム・スペース社,アメリカに本社がありますが,この会社の宇宙飛行士兼アジア太平洋地域最高技術責任者の若田光一様の基調講演のほか,「宇宙港」セッション,「ものづくり」セッション,「宇宙利用」セッションをテーマとするトークセッションを予定しております。
そのほか,最先端の技術を有する全国の宇宙関連企業や宇宙ビジネス創出に意欲のある九州各県の企業によるブース展示,参加者同士の交流を図るネットワーキング,翌17日の種子島や内之浦のJAXA射場見学を予定しております。
イベントの来場者数は300名を目指しており,申込みはイベントホームページから行うことができます。ぜひ多くの方にご来場いただき,県内の宇宙ビジネス推進に向けた機運を盛り上げていただきたいと考えております。
(幹事社)
それでは,発表事項に関して,これから質問に移ります。
(記者)
令和4年度から取り組んでいるということなんですが,そしてキャラバンが3回目ということで,これまでの関心の度合いとか,まだ始まって数年ですけれども,どれくらい取組の成果というのを得られていますでしょうか。
(知事)
令和4年度から,県として宇宙ビジネスの創出に向けて,関係の企業等による研究会などを開催して機運の盛り上げに努めてきております。また,2つの射場を有するということから,この射場を活用した地域の振興にも地元の自治体とも一緒になって取り組んできているところであります。
なかなか製造の部分というのはハードルが高くて,まだ十分成果というものは出てきておりませんけれども,宇宙の衛星のデータの利用といったような分野も含めて,あるいは楠隼中高における宇宙に関する人材育成といったようなもの,地域の皆さんの宇宙に対する関心を高めていく,こういったことについては今取り組んでいるところで,徐々にそういった裾野拡大というものが図られてきているのではないかというふうに考えております。
(記者)
今回,鹿児島市でされるのは初めてになるかと思うんですけれども,鹿児島でやること,初開催となったことへの受け止めと鹿児島でやることの意義について,どう考えていらっしゃるか教えてください。
(知事)
この取組が3回目ということでございますけれども,鹿児島県においては,種子島と内之浦の2つの射場を有しているという意味では,九州各県とも宇宙産業の振興ということに今取組をさまざま行っておりますが,やはりこうした射場を有するという意味では,鹿児島がこの宇宙ビジネスというものをしっかりと九州の中でも中心になって進めていくような,そういったきっかけになればいいなと思っております。
(幹事社)
それでは,続きまして県政一般についての質問に移ります。まず最初に川内原発関連以外の質問として,その後に川内原発関連の質問とさせていただきたいと思います。
(記者)
先ほども大雨についての冒頭の発言がありましたけれども,まず,現在の台風について,昨日時点,県の発表ではまだ被害の報告は受けていないような状況ではありましたけれども,取材を通じて,実際に川の近くで床上浸水とか,そういった各自治体の情報も入ってきています。現状の被害の状況というのは,知事としてはどのように今把握されていますでしょうか。
(知事)
昨日,熱帯低気圧が急速に発達をして台風12号に変わって急に上陸をしたということでありますが,かなり地域で大きな雨が降っております。いちき串木野市,あるいは日置市などでも多くの雨が降り,鹿児島市内,南薩,広い範囲で大雨が降って,河川の一部氾濫もあり,床上床下浸水も,まだ現在調査中ではありますけれども,多く発生しているのではないかと思っております。
そのほか,崖崩れなども,土砂崩れも起こっている,そしてまた一部停電,あるいは断水,こういったような被害が生じているということでありますので,この前の8月7日からの大雨の影響も含めて,また,今後の雨がまだ警戒が必要な状況で,土砂崩れ等が今後また発生する可能性もあると思っておりますので,かなりこうした被害というのも大きくなる可能性がまだあるのかなと思っております。
(記者)
霧島,姶良を中心とした大雨被害の後にさらにということでの被害がちょっと心配されますけれども,この霧島と姶良を中心とした大雨被害についても,現在全壊2棟であったり,床上床下浸水が1,200棟余りと,ただ,これも今現状把握している限りということだと思うんですが,このあたりの被害の全容というのはいつ頃判明する見通しかとか,あと,おおむね分かってきている状況なのかという,その辺いかがでしょうか。
(知事)
市町村における調査がいつ,全容といいますか,最終的に確定するかということについては,なかなかいつ頃ということを申し上げられる状況ではないと思っておりますが,発生してから10日余り,それぞれ各地域においても,ボランティアの方も含めて復旧復興に向けてご尽力をいただいていると思っておりますので,今それぞれ地域で調査をしていただいているのも日々,少し増えたりしてきております。
ただ,おおまかには大体今の1,200,1,300戸ぐらい,床上床下浸水合わせてという状況ではないかなと思っておりますが,今回のまた雨の影響もありますので,しばらくまたいろんな被害の状況というのは,判明するまでには少し時間がかかるんではないかなと思っております。
(記者)
2025年産の一番茶の生産量が初めて全国1位になったということがありましたけれども,昨年の通年での荒茶生産での日本一に続くいいニュースかなと思うんですが,知事の受け止めをお願いします。
(知事)
これまで鹿児島県,静岡に次いで荒茶生産量が2位だったところを昨年1位になったと,これまでのパターンでは一番茶は静岡のほうが多くて,二番茶,三番茶で鹿児島は頑張ると,こういったことであったわけですが,今年は今回一番茶で静岡県を上回ることができたということでは,二番茶,三番茶を含めて,また荒茶生産量が1位になるという可能性が非常に高いのではないかなと思っております。
この一番茶で1位になったということは,非常にこれまでの関係の皆さんのご尽力のたまものだと思っておりますので,今後の鹿児島県のお茶のブランド価値の向上,知名度の向上,販路開拓,こういったことにつながっていければいいなと思っております。
(記者)
霧島と姶良の豪雨の被害について,姶良でお一人亡くなられた,そういったときに県からの公表の仕方について,その亡くなられた方についてお名前だったり,年代,性別というものが非公表だったんですけれども,これはどういった判断でのそういった公表の仕方になったんでしょうか。
(知事)
こういった災害のときの被災者の氏名公表ということについては,一定の考え方の下にこれまでも対応してきております。多くの方々が被災をしていて,行方不明等の方が多くいて,そうした中で生存されているのかどうかという,救出作業を一日も早く,一刻も早くということに役立てるという観点からは,「この方は無事です。」「この方は亡くなられました。」というような情報は関係の皆さまにもそういった意味で発表することはあり得ると考えておりますけれども,今回は御一方で,場所も特定をされているという中で遺族の皆様などの心情も慮ってということで,原則としては被災者の遺族の方の同意が得られた場合ということで整理をしておりますので,今回は非公表というような扱いになっております。
(記者)
ご遺族の方の心情を配慮するというのはすごく分かるところがあるんですけれども,やっぱり災害のたびにどういう人が犠牲になられてしまったのかとか,どういう人をこの社会が守れなかったとか,そういう観点でもお名前だったり,年代だったり,性別だったり,そういうところを公表するというのも一つ意義があるというところをちょっと踏まえて,今後こういった災害があって被害に遭われた方が出てしまった場合,公表の在り方についてどう考えていかれるのか,改めてお聞かせください。
(知事)
特段変更のつもりは今のところはないわけですけれども,今の土砂災害に遭われた方が女性だったから被害に遭ったとか,男性だったから助かったとか,そういうようなことでもありませんし,そういったような公益性といいますか,どこまでそれがあるかというようなことを踏まえたときに,今のところ変更するということは考えておりません。
(記者)
今,全国で自民党の総裁選の臨時総裁選だったり,そういった前倒しが議論されていると思うんですけれども,そこについて何か知事としてのお考えだったり,受け止め等あればお聞かせいただきたいなと思います。
(知事)
いや,特に,一政党の総裁あるいは総理がどうなるか,それはその関係の皆さまの中で議論をしていただければいいと思いますし,いずれにしても,どなたがなられるにしても,日本の国の発展のためにしっかりと地方創生などの取組を進めていただきたいと思っております。
(記者)
今回の大雨で,稲を中心に農業被害も多数出ました。まだ情報把握に努めていらっしゃる途中だとは思いますけれども,現時点で農家の方々に何か助成ですとか,何か対応を考えておられることがありましたらお教えください。
(知事)
今のところ米がどういうふうに影響があるかということは,はっきりはしておりません。農業被害については,農業用水など,これから成長する段階で大変水が重要な時期でありますから,応急措置を今行っております。そういった意味での復旧等については,しっかりと取り組んでいきたいと思います。農業被害がどうなるか,その辺についてはまた様子を見ながら検討していきたいと思います。
(記者)
春先からのセグロウリミバエですとか,あとミカンコミバエですとか,非常に農作物に影響を与える害虫が離島のほうでよく発生をしております。県の取組としても,初動対応としてトラップの設置ですとか,あと殺虫剤の散布とか住民への呼びかけ等々いろいろ取組をされていると思いますが,この現状に関してのまず知事の受け止めと,あと,今後の初動対応で対応し切れなくなった場合のさらにもう一歩踏み込んだ対策を検討されているのかどうかということについてお聞かせください。
(知事)
ミカンコミバエとか,最近セグロウリミバエ,これが奄美大島ぐらいまで来て,この前は徳之島でも発見をされたということで,基本的な対応としては,トラップを仕掛けて,見つかったところの周辺の寄生果実等を除去してもらうという対応かと思っております。それをしながら様子を見るということで対応するしかないのかなと思っております。
(記者)
先ほどのお茶に関連しまして,非常に鹿児島にとっていいニュースということだと思うんですが,今,てん茶を含めて海外での人気が非常に高いということで,さらに県の茶業振興に関する今後の取組に関して教えていただければと思います。
(知事)
お茶については,今,海外の抹茶を中心とした需要が非常に強いということで,県内のお茶の皆さんも抹茶を生産する方向で,てん茶生産に向けて取り組んだ成果,それが一番茶の全国1位ということにもつながっていると思っておりますので,県としては,海外の販路開拓,あるいはそこに向けた生産設備の増強,こういったところをしっかりと支援をしていきたいと思っております。
(記者)
8月7日から相互関税が発動されたということで,この前の県産の農林水産物の輸出額発表もありましたが,特にこれまでは無税だったお茶ですとか,ブリですとか,これが15%になったということもあります。牛肉なんかも一時上がったんですが,今後大統領令が発令されれば下がるという見通しではあるんですけれども,少なくともブリですとか,お茶ですとか,県内の主力の産品がありますけれども,そこへの影響も今後出てくるかとは思いますが,それに対する知事の見解ですとか,今後もし影響が出てきた場合は何らかの支援策があるのかということをお聞かせください。
(知事)
輸出額が471億円のうちの半分ぐらいがアメリカ向けで,その主力としてブリ,牛肉,そしてお茶と,こういうのがあるわけです。そういった意味では,今回のトランプ関税の影響ということが懸念をされるわけですが,現在のところ大きな影響というのが生じているという話は聞いておりません。今後も,アメリカの市場というのは非常に重要な市場で,西海岸だけではなく中部も含めた市場開拓ということは続けていきたいと思っております。
一方で,アメリカ以外への販路の多角化といったことにも取り組んでいく必要があると思っておりますので,EU,東南アジア,あるいは中東といった方面にもしっかりと販路開拓の努力をしていくということだろうと思っております。
いろんな影響が出てきたときに備えて,今,相談窓口も設置をしておりますので,そういった中で金融的な支援等,あるいはコロナのときみたいな在庫がたまったときの滞留した在庫への支援,いろんなことが今後は考えられるのではないかと思っております。
(記者)
地方審議会のほうで議論が続く中,他県への人材流出というのを念頭に置いて審議会に知事自らが引上げを要請するケースというのが見られますが,鹿児島県知事としては,そういった要請を今後する予定はあるのでしょうか。また,もしある場合とない場合でそれぞれ何か理由を教えていただければ,お願いします。
(知事)
それぞれの地域の最低賃金については,使用者,そしてまた労働者,労働側,そして中立的な委員の皆さんの3者の審議会の中で,それぞれの地域の経済状況等を踏まえた上で検討していただくと,こういう仕組みになっていると思っております。
そういう中で,今,審議会の中でそれぞれ議論を尽くされていると思っておりますので,そういった中で私自身がもっととか言うというのもなかなか,根拠を示して,じゃ,何円,64円,今示されている中で,いや,もっと5円だ,10円だというような根拠も持ち合わせているわけではございませんので,基本的な枠組みの中でしっかりとした議論をしていただければと思っております。
賃金が上がるということは,消費の拡大であったり,あるいは今おっしゃられたような人材流出を止めるというようなことにもつながるということで,これを引き上げていくということは非常に重要なことだと思っておりますが,一方で,中小・零細企業におけるその負担能力というのも,なかなか経営上厳しい問題というのもあると思っておりますので,県としては,こうした中小・零細企業がしっかりと賃上げを行っていけるような環境整備という意味で,適正価格にこの価格,コストをしっかりと転嫁できるような状況をつくっていく,あるいは生産性を向上していく,こういったことを支援しながら,できるだけ賃上げというのが実現できるように進めていきたいと思っております。
(記者)
例えばなんですけれども,昨年徳島県のほうで,引上げ人数に応じてそういう一時金みたいな形でお金をそのまま支給したような施策があったと思うんですけれども,先ほどちょっと知事がおっしゃったように,今の現行の補助制度では,そういう価格転嫁の支援とか,あるいは設備投資に関してすれば,そういう助成を出すというところで,一時金支給のような何か新しい支援というのは今後考えられるのでしょうか。
(知事)
いや,まだ県としてそういったことまで考えておりませんで,本来やはりそれぞれの企業において,経営努力の中で賃金上昇というのは図っていくというのが基本的な考え方だと思いますので,そういった経営努力をしているところ,していないところ,差があってそれはしかるべきであって,それを一律に県が幾ら上げた分を負担しますよというようなやり方というのは,必ずしも合理的なものかというと,そうではないんじゃないかなと私は思っております。
(記者)
必要性は,あまりないという認識でよろしかったでしょうか。
(知事)
必要性といいますか,そういった考え方でやるということが果たしていいかどうかということですね。しっかりとした企業活動,これを支援していく,生産性を上げていけるように支援をする,あるいは価格にそれを転嫁していくような取組,こういったことを進めていくということがやはり必要なんじゃないかなと思っております。
(記者)
公募に応じた事業者が県内の1者のみだったという結果について,知事の受け止めをお願いいたします。
(知事)
これまでいろんな形で,サウンディング調査等で関心を持っていただいた事業者というのは複数あったわけですが,今回公募に応じた事業者が1者ということでありますので,それはそれぞれこれまでいろんな関心を示していただいた事業者の中で判断をされた,そういう結果だろうと思っております。
(記者)
事業者登録の段階では県外の事業者を含む2者だったというふうに伺っていますけれども,この1者という結果について率直にどうでしょうか。残念だったとか何か。
(知事)
複数いろんな選択肢があったほうが,いろんな意味では検討する上で複数というほうがよかったのかもしれませんけれども,いろんなそれぞれの経営判断というのもあろうかと思いますので,そういった意味では1者ということになったということでありますから,この1者について,しっかりと基準なりに合致をするかどうかということを審査していただきたいと思っております。
(記者)
15番街区,桜島ですとか鹿児島湾など景観に優れた立地でして,魅力も高い県有地かと思うんですけれども,そういった中でこの事業者が1者だったということで,公募要領ですとか周辺の環境面とかで事業者が参加しづらい部分があったというような認識,そういった認識というのは知事はおありですか。特段その公募要領については問題がなかったという受け止めでしょうか。
(知事)
公募要領自体に何か問題があるということではないと思っております。
(記者)
参加しづらい部分があったという認識は特にないということですか。
(知事)
特に参加しづらいということではないんじゃないかなと思います。
(記者)
バンケット機能というのが必要だということですけれども,それはやっぱり鹿児島県,あの地域にとってはMICE機能,バンケット機能というのはやはり重要だという。
(知事)
そうですね。やはり鹿児島の中心部において,そういったMICE機能というものがあるのと宿泊だけだということだと,やはりMICE機能があるほうが望ましいということでエリアコンセプトプランの中にも位置づけられておりますから,それに沿って,その地域に必要な機能,これを公募要領として定めておりますので,そういったことを踏まえてしっかりとにぎわい創出につながるような,そういった事業,これを選択していく必要があると思っております。
(記者)
日曜日に事業者による公募プレゼンがあると思うんですけれども,応募は1者のみで,まだ決定していないという県側のご説明でしたけれども,今後評価を進める中で,県民理解が得られる公平性の担保というのが大切だと思うんですけれども,その公平性の担保というのをどういうふうに図っていきたいというふうに思っていらっしゃいますか。
(知事)
公平性という意味では,これまでの手続の中で公募ということで,そういった事業をしたいという方は自由に手を挙げられる,そういった環境の中での公募手続を進めてきたということであります。また,その公募要領についてもしっかりと事業者の関心のある方にもご説明をした上でここまで来ていると,実際に公募に応じたところがしっかりとした事業の構想を持っているのかどうか,こういった点については,公開のプレゼンテーションをした上で皆さんにも見ていただいて,そこでいろんなアンケート調査もして,皆さんのご意見も審査委員の皆さんにフィードバックをし,また,それを踏まえて議会のほうでもご論議をいただいた上で最終的に決定をすると,こういうふうな手続の中で,そういった今おっしゃるような透明性とか,公平性とかいうことは担保し得るのではないかと考えております。
(記者)
7月末に知事のマニフェストの進捗状況というのが発表されました。知事は,このご自身のマニフェストというのの意味,どういったものとして捉えていらっしゃいますか。
(知事)
マニフェスト自身は,今後の県政において私自身が取り組んでいく,そういった取組について県民の皆さんにお示しをしているものでありますから,今後の県政の推進に当たっても,こうしたマニフェストを十分踏まえた上で政策を進めていく,そういったものだと思っております。
(記者)
進捗状況ということだったんですけれども,具体的な数値目標とかがほぼない中で何をどこまでやっているのか,非常にちょっと発信として分かりにくいのかなという印象を持ちます。今後,その発信,進捗状況について,何か改善をお考えになったりはしませんか。
(知事)
今まで取り組んでいることをやっていますというのが今回の取組状況ということで,じゃ,全部突き合わせて,やっていない分があるかないかというのを見ないと分からないという部分が多分分かりにくいということかなと思いますので,何かその辺が,もしご要望があれば,またもう少し分かりやすく,対比するようなやり方とか,その辺はまた考えたいと思います。
(記者)
改善をお考えになって,検討いただけるということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。
就任から6年目に入られたわけですけれども,今後,このマニフェストも踏まえて,特に力を入れていかれたいと思っていらっしゃる項目などございましたらお願いいたします。
(知事)
これまでも申し上げておりますとおり,いろいろ課題は多岐にわたるわけでありますが,この人口が減少していく中で,いかに地域の活力を維持させ,また,地域を発展させていくかということが大変重要な課題だと思っております。
そうした中では,やはり鹿児島県の稼ぐ力の向上,そしてまたそれを支える人材の確保,育成,長期的には子育ての支援といったようなことが大きな部分を占めるんではないかなと思っております。
(記者)
今のこの達成状況について,ご自身では点数はつけられないと私にはお答えいただきましたけれども,それはお変わりないでしょうか。
(知事)
はい。それはお任せします。
(記者)
先ほどのちょっと最低賃金とも似ていて,経済セクター間でちょっと利害が必ずしも一致しない問題としては,お米の価格で,鹿児島県は温暖なので,もう既に新米が出回ってはいるんですが,やはり早場米のプレミアムということもあって,価格は一昨年以前に比べると,やっぱり高いということがあって,ただ,知事も報告を受けられたときに生産者の方も終わった後にちょっと伺いましたが,やはり生産者の方からすると,これまでのなかなか経営的に厳しい状況の中で,生産者にとっては必ずしも高過ぎるということはないという声はあります。一方で,消費者にとっては時系列的に言って高いというだけじゃなくて,やはり小売りの方に聞いても,この価格だとお客さんがやはり炭水化物,主食をお米以外に切り替えてしまうということもやっぱりあるのではないかということで,このあたりというのは国政レベルでも増産のほうにかじを切るということを言われています。そのときにどうやって高齢化する農家の方に事業継承とか新規就農をしていくかということで,やっぱり食べていけるかということが大きいと思うんですが。
まず知事は,鹿児島県の農林水産業の中でお米というのを,畜産に比べると全国的に量的に有名な産地というわけではないと思うんですが,どう考えておられるかということと,あとは幾らということではなくて,お米を作る方の経営の在り方として成り立つような価格だったら高くてもしようがないということなのか,あるいは,消費者が納得して買える値段と営農継続ができるような収入の確保ということに差があるとしたら,それは国の補助とか助成的なもので何らかの制度的に担保していくほうが望ましいとお考えなのか,どういうご見解なのかというのをちょっとお聞かせいただければと思います。
(知事)
お米は,鹿児島県にとっても重要な,主食でありますから,産業だと思っております。ただ,鹿児島県内の需要の全てに対応できるだけの生産というのは,まだ本県においてはできていない状況で,一方で加工用米等の需要も,焼酎などさまざまあるわけであります。鹿児島県も非常においしいお米の産地だと思っております。評価の高いお米も作られておりますので,こういった稲作というのも大事にしていかなければいけないと思っております。
価格については,これまで非常に安い状況から,最近急激に価格が高騰したということで,消費者の間ではやはり割高感というものがほかの物価高騰等もあって見られると,こういうことだというふうには思っておりますが,一方で,農家の皆さんからすると事業の継続性,こういった観点からはやはり今までが安かったのではないかと。こういうことで,その農家の皆さんの持続可能性と消費者の皆さんの意識,こういったものがどの辺が落ち着きどころなのかということは,これからこの今の状況の中でいろいろとすり合わせができてくるんではないかなと思っております。
価格自体が非常に急激に上がったということが消費者の皆さんのその割高感ということもあるかと思っております。そのことであまりに米離れを加速させるようなことになっては,また農家の皆さんにとってもマイナスになりますので,その辺の価格がどの辺がいいのかということでこれからまた市場の価格動向等が働くのかなと,一方で消費者の皆さんも,今回の件でやはりお米というものも守っていかなければいけないという意識も出てきているんではないかなと思いますので,その辺は消費者の皆さんの理解も得ながら,一方で生産者の皆さんからすれば,ちゃんとお米の消費を皆さんにしていただけるような,そういった折り合う部分というのを見つけていければと思っております。
国全体の制度として,一定の価格水準に抑えて,それを補塡するというようなことについては,それは国のほうでどういうふうに政策をしていくか検討していただければいいのではないかなと思っております。
(記者)
関連して,新規就農を含めて,どうやって営農を継続していって,いわゆる田畑を荒らさないようにするかというのは基礎自治体でも取り組まれていると思うんですが,米について,県内の需要にも長年追いついていない,いわゆる移入県であったということと,あとは国として現時点では増産のほうへかじをもう一回切り直すということを受けて,何か県として,来年度以降も含めて何か米のいわゆる水田の継承とか,新規就農とか,そういう増産に向けた後押しをするような取組というのは何か必要があるとか,あるいはもう既に検討されているというものはございますか。
(知事)
増産といいますか,本県における需要が約9万トンぐらいある中で,実際に県で生産されているのが8万トンを今回少し超えるぐらい,9割ぐらいということでありますから,そういった意味では必要な量をまずは確保するということを目指していきたいと思っております。
(記者)
スポコン体育館の件について,9月,10月頃が設計の公告だったと思いますけれども,今,進捗等々含めて,現状いかがでしょうか。
(知事)
今,スポーツ・コンベンションセンターについても,設計に向けていろいろ議論をしているということで,特段まだこれと決まっているというわけではない状況だと私は認識しております。
(記者)
特にスケジュール感的には,想定どおりにいきそうな感じでは。
(知事)
そうですね,今年度中に設計事業者を決めて,そこから設計に入っていただくということになろうかと思っております。
(記者)
改めて,今後どういうこの設計,公募ありますけれども,前回の議会では陳情も多く出されて注目の多い案件でありますが,改めて今後,公募に向けてどういうふうに知事として進めていきたいか教えてください。
(知事)
このスポーツ・コンベンションセンターについては,スポーツ利用だけではなく,これまで開催できなかった各種イベント等も開催できるようなもので,また,災害時の避難所であったりとか,バリアフリーとか,あるいはカーボンニュートラルに資するようなものとか,あるいは中心市街地への回遊性を確保することで地域のにぎわいを創出するような開かれた施設として,デザイン性にも優れたような,そういったものにしていきたいと思っておりますので,そういったことを踏まえたような設計をできる事業者にぜひ手を挙げていただきたいなと思っております。
(記者)
先日,サッカーの日本代表の森保監督が鹿児島にお越しになられて,天文館でまちなかにサッカースタジアムを造ろうという機運を高めるイベントが開かれたんですけれども,サッカースタジアムについては,県はオール鹿児島で建設に向けて取り組んでいるという立場ではあると思うんですが,このまちなかに造ろうということに関して,知事の賛否といいますか,あれば教えてください。
(知事)
今,サッカースタジアムについては,Jリーグのほうでも「まちなかスタジアム」ということを推奨しているということで,そこで,町なかに整備をすることで中心市街地のにぎわいを創出する,そしてまた地域振興にもつなげていこうと,こういう流れだと思っております。
先般の森保監督が来られたときのシンポジウムなども,そういった観点からの議論が行われたと聞いておりますので,今,鹿児島市と一緒になって,そういった方向での検討を続けているところであります。
(記者)
それと,県の知事の立場としても,まちなかにあったほうがいいというような理解でよろしいでしょうか。
(知事)
そうですね。今,鹿児島市と議論している中では,そういった場所を一緒になって検討していこうということで取組をしているところです。
(記者)
シンポジウムといいますか,トークセッションのようなものがありまして,そこで登壇された県の参事の方のご発言の中でも市と連携して候補地選定に取り組んでいるというふうなことだったと思うんですけれども,実際にそのまちなかというところの定義というか,イメージというか,何かお持ちでしょうか。
(知事)
どうなんでしょうね。まちなかというのが今の鴨池辺りの,あの辺りも含めてまちなかということだろうと思いますけれども。
(記者)
あと,候補地選定に当たっての進捗といいますか,今現状はどのようになっていますでしょうか。
(知事)
まだ鹿児島市といろいろと候補地のリストアップ作業などをしているところでありまして,絞るような段階にまではまだ来てはいないと聞いております。
(記者)
今のに関連して,スタジアムのことでいうと,サンロイヤルが移転した場合の跡地も,言葉は忘れましたけれども,候補地の一つというか,可能性としてあるみたいなご発言があったと思いますが,そのあたりのお考えは特に変わっていないですか。
(知事)
そうですね。そういった移転が実現すれば,あの辺もまちなかだろうとは思いますので,そういったことも含めて検討はすることになるんではないかというふうに思います。
(記者)
今月10日に鹿児島空港にイギリスの戦闘機が緊急着陸したということがあったかと思うんですけれども,それで鹿児島空港も一時滑走路が閉鎖されたというところがあったと思うんですが,これについての知事の受け止めであったりだとか,もし何か原因究明とか,その対策として県として何か動かれていることがあれば教えていただければと思います。
(知事)
10日の日にイギリスの戦闘機が緊急着陸ということで,鹿児島空港に来たわけで,いまだ駐機している状況だと聞いております。これについては,やはり安全性の件についてでありますから,これはやむを得ざるものかなと思っております。ただ,住民への説明とか,そういったことについては,また防衛省等を通じて説明をしていただければと思っております。
(幹事社)
ほかにないでしょうか。
それでは,県政一般に関しての質問は終了したいと思います。
続きまして,川内原発関連について質問のある社はお願いします。ございませんでしょうか。
ないようですので,これで終わりにしたいと思います。
(広報課)
それでは,これをもちまして知事の定例記者会見を終了させていただきます。
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