「第4回あなたが選ぶかごしま景観大賞」について
第4回あなたが選ぶかごしま景観大賞では,応募総数9件のうち大賞1件,優秀賞2件を決定しました。受賞された皆様に深く敬意を表しますとともに,本賞に御応募いただいた皆様,投票審査に御協力いただいた皆様に心から感謝を申し上げます。
【募集案内】令和6年6月10日~令和6年9月13日募集案内チラシ(PDF:613KB)
【投票案内】令和6年11月12日~令和6年12月13日投票案内チラシ(PDF:2,683KB)
【審査会】令和6年12月23日
【表彰式】令和7年2月13日
なお,景観大賞の概要については,コチラのページをご覧ください
受賞者の紹介
大賞「屋久島シドッティ上陸地展望タワー」
【活動者名】NPO法人やくしま未来工房
【所在地】屋久島町小島
活動概要 |
江戸時代中期に屋久島に上陸した,イタリア人宣教師であるシドッティ(シドッチ)の功績を後世に引き継ごうと,パネル展や講演会などの普及・啓発活動を行いつつ,屋久島シドッティ記念館設立を目指している。
屋久島シドッティ記念館の設立予定地からシドッティ上陸地が展望できることが判明し,記念館の展望エリアを設定し,活動のシンボルとして展望タワーを建設した。
展望タワーは,エコロジカルで温かみのある素材を使用することを意識しており,鹿児島県産で節が少ない杉を使用した木造らせん階段仕様のタワーとなっている。曲面の壁に太陽の光が当たることにより,光や影の変化を見て楽しむことができる。周囲の木々の高さに調和するよう設計されており,周囲に溶け込みながらも過去の歴史に光を当てるデザインをコンセプトとしている。
安全柵や手すり,デッキ,ベンチを設置しており,安全にシドッティ上陸地の入り江を展望できるようにしている。タワーには,写真付き説明板を設置しており,シドッティについて学ぶことができる。
展望タワー周辺は月1回草刈りを行っているほか,小島区住民の田んぼや,記念館建設予定地で,ひまわりの播種を行っている。稲刈りが終わった12月,辺りの水田は一面ひまわり畑と化し,住民や観光客が写真を撮りに訪れる。
|
活動者の声 |
屋久島シドッティ記念館の設立を目指すなか,活動のシンボルとして展望タワーを建設した。パネル展や講演会などの普及・啓発活動を今後も続けながら,イタリア人宣教師シドッティの功績を,屋久島の文化遺産として後世に遺していきたい。
|
講評 |
- タワーの建設だけでなく,タワー建設に至ったこれまでの活動や地域住民との連携,今後の展開等,活動全体が評価できる。
- 節の少ない杉の木を活用した,木造らせん階段構造が美しく,自然の風景と調和している。新たな観光スポットとして,地域活性化に繋がっていくことが期待できる。
- イタリア人宣教師シドッティの功績を普及・啓発する活動の一環として整備されており,シドッティ上陸地が展望できるタワーとして,シドッティの物語に触れることができる。
|

優秀賞「石垣群の里大当」
【活動者名】大当かんむっ・にいむっ会
【所在地】南さつま市笠沙町
活動概要 |
旧笠沙町に人を呼び込み,地域を活性化させたいという思いで,大当集落のガイドを元々行っていた。正式にガイド活動を開始したいと,会を結成した。現在は一人で活動をしている。
ガイドでは,集落内の植物や地名についての説明や,野間岳と金峰山の昔話などを鹿児島弁で語っている。ガイド無しで自由に探索することも可能で,その場合は,集会所の入口に置いているマップや資料の案内をしており,現地にはコースがわかるように案内表示を設置している。なお,集会所の入口に設置しているマップは,大当集落を紹介する内容となっており,会の説明をもとに,南さつまサロン化プロジェクトを活用して大学生が作成している。
30分コースと1時間コースを設定しており,真ん中にある小川を挟んで,集会所から向かって左側の「かんむっ(神様と向き合う)」を歩く30分コースと,「かんむっ」と,小川の右側の「にいむっ(仏教が生まれた西側,仏教と向き合う)」を歩く1時間コースがある。帰り道は,旧笠沙町時代に整備された石畳を通るようコース設定をしている。
また,集落の風景を守るために保全に向けた備えをしており,過去に石垣が大雨で崩れてしまったことを受け,石垣の維持管理や経費に充てることができればと,集会所入口に大当川(善川,銭川とも呼ばれる)で浸した五円玉と,賽銭箱代わりのお気持ち箱を置いている。
|
活動者の声 |
旧笠沙町に人を呼び込み,地域を活性化させたいという思いから,地元である大当石垣群の順路を考案し,道歩き案内を開始した。大当集落の素晴らしさを皆さんに知っていただきたい。
|
講評 |
- 市街地から離れた場所にあり,地域住民が減少し厳しい状況の中,道歩きのガイドを開始し,努力している点を評価するとともに,表彰を契機に大当地区が周知され,今後の活動が広がることを期待したい。
- 集落全体に広がる石垣の風景は,石畳の道と一体になって美しい景観を作り出している。旧笠沙町時代に整備された石畳を活用したコース設定など,大当集落でかつて整備されたものを引き継いでいる点が評価できる。
- 南さつま市観光協会を通じて,大学生による大当集落のマップ作成に協力するなど,地域を超えた連携にも取り組んでいる。
|

優秀賞「吹上妙見神社と巨石群」
【活動者名】長野勝悟氏,中之里地区有志
【所在地】日置市吹上町
活動概要 |
吹上妙見神社は,島津氏が戦の前に勝利を祈願したとされる神社。神社の歴史を知ったことをきっかけに,妙見神社と巨石群は守るべき場所であると確信し,竹が生い茂り景色が見えない状況だったところを,中之里地区有志や,長野氏が代表を務める吹上未来研究所(地域活性化グループ)の会員等20人程に協力してもらい,竹を伐採して巨石周辺を整備した。
神社の清掃は定期的に実施しており,長野氏が個人的に週1,2回ほど,中之里地区有志等で2ヶ月に一度の清掃を行っている。
神社のパンフレットは長野氏が手がけており,神社の由来や「すべらない,落ちない岩」「努力,祈,成功岩」などの紹介,巨石の前で開催したバイオリン演奏会の動画QRコード等を掲載している。日置市が運営する,実在の場所を3Dで再現し,ネット交流ができる「ネオ日置」の総選挙で1位となっており,1位になったことを理由に,地域活性化のために地区公民館からパンフレットの作成費用を負担してもらっている。合格祈願や必勝祈願の聖地として,テレビやラジオ,新聞でも紹介されようになった。
|
活動者の声 |
中之里地区の住民による清掃や整備等の協力もあり,多くの方がその魅力を知り、訪れるようになったと感じている。吹上が好きという人や住む人が増え、地域に対する誇りや愛着につながるよう活動を続けたい。
|
講評 |
- 地域住民等,多くの人々の協力により整備され,神社の維持にも繋がっていることが評価できる。
- 「すべらない,落ちない岩」や「努力,祈,成功岩」,伐採した竹のお札など,新たな地域の魅力として話題性があり,訪れた方の評価も高い。地域活性化に繋がる努力をしていることが評価できる。
- バイオリン演奏会などのイベントも実施しており,今後のさらなる情報発信が期待できる。
|

審査会
「第4回あなたが選ぶかごしま景観大賞」における県民等の投票では,たくさんのご投票ありがとうございました(投票期間:11月12日~12月13日)。投票で上位5位に入ったものを審査対象に,下記のとおり審査会を実施しました。
日程:令和6年12月23日(月曜日)9時30分~11時30分
場所:県庁7階会議室

表彰式
令和7年2月13日(木曜日)に,知事応接室にて表彰式を行いました。
左から,大当かんむっ・にいむっ会,知事,NPO法人やくしま未来工房,長野勝悟氏(中之里地区)


受賞者の位置図

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください