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更新日:2024年11月8日

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利用にあたって

  1. 景気動向指数(ディフュージョン・インデックス:DI)について
  2. 景気総合指数(コンポジット・インデックス:CI)について
  3. 採用指標一覧(PDF:93KB)

1景気動向指数(ディフュージョン・インデックス:DI)について

(1)景気動向指数(DiffusionIndexes=DI)は,採用個別指標の中で景気に対応する時期からみて,先行的に変化する先行系列,ほぼ同時に変化する一致系列,やや遅れて変化する遅行系列の3系列に分類される。

採用指標名 経済部門 概要
先行系列
新規求人数
(除学卒)
 
労働 新規求人数は,将来の業務繁忙に対応するための労働需要の増加を予測する雇用側から労働者側へのアプローチであり,景気動向に先行して動く。
日経平均株価
投資 投資家は,将来のミクロ・マクロ経済環境の動向を予測して株の購入・売却を行うことから,株価は景気動向に先行して動く。
消費者態度指数 消費 「雇用環境」,「収入の増え方」,「暮らし向き」,「耐久消費財の買い時判断」についての,消費者側からの今後の6か月間の消費動向の見通しを表す指標であり,景気動向に先行して動く。
金属製品工業出荷指数
投資 建設財・鉱工業用生産財を含む財であり,生産工程の川上に位置する製品であることから,川下への経済波及効果が期待される。資本投下は将来の効率改善を促進するため,景気動向に先行して動く。
窯業・土石製品在庫率
※在庫指数/出荷指数
在庫 将来需要に応じて,景気拡張期には在庫を取り崩して出荷され,景気縮小期には出荷が減り在庫が積み上げられる。そのため,同指数は景気に逆行して先行的に推移する。(逆サイクル)
業況DI(四半期,全産業)
経営

景況感・業況判断の方向感を示し,企業側からの今後の景気動向の見通しを表す指標であり,景気動向に先行して動く。

 
一致系列
生産財生産指数 生産 本県において全生産の約7割を占める財であり,生産工程の川上に位置する財であることから,経済波及効果が期待される。本県にあっては景気動向に一致的に推移する。

有効求人倍率 (除学卒)

労働 現在において就労を希望している者の,有効求人数に対する倍率であり,労働供給側からの景気動向を表す。本県にあっては景気動向に一致から遅行的に推移する。

日経商品指数 (42種,原数値)

生産 需給や競争によって価格が変動する品目が採用されており,一般的には景気動向に先行して動く。本県にあっては,生産財のウエイトの高さの影響を受け,景気動向に一致的に推移する。
輸入通関実績 (除原油・馬) 貿易 生産活動が活発になると原材料の輸入が増加の動きをすることから,輸入実績の動きは景気に一致して動く。原油は中継備蓄基地用,馬は他県への経由地であることから除く。
所定外労働時間 
 (製造業:規模30人以上)
労働 求人から雇用までの採用フローにかかるタイムラグを考慮すると,現在の労働需要に対しては,既存の人員の労働時間の調整によって対応すると考えられることから,景気に一致して動く。
建築着工床面積
(6か月平均,除住宅)
投資 建設投資の動向を着工時点で捉えた指標であるが,着工ベースであるため経営マインドに影響を受けやすい。季節調整の上,不規則成分を抑えるため,6か月平均のデータを使用する。
スーパー・百貨店販売額
消費

消費者の消費マインドは景気変動に応じて拡張・縮小していくと考えられることから,スーパー・百貨店販売額は消費マインドに応じて,景気変動に一致して動く。

遅行系列
窯業・土石製品在庫指数 在庫 在庫調整は,景気後退期には拡張期に過剰に生産された財がプールされるなど,一定のラグが発生すると考えられるため,景気動向に遅行して動く。
定期給与(30人以上,製造業)
労働 定期給与は,企業の当期の業績に伴って増減すると考えられ,景気動向に遅行して動く。とりわけ製造業は,特に景気動向を敏感に捉える。
鹿児島市消費者物価指数(総合) 消費 マクロ経済の短期モデルにおいては,物価は硬直性がある(変化しづらい)とされており,一般的には景気動向に遅行して動く。
完全失業率
労働 業績の悪化にはまず労働置換の調整で対応し,雇用調整はその後に行われることから,非自発的失業は景気動向に遅行して動く。
第三次産業活動指数(直接調整法,季調値)
生産 第三次産業は,経済波及効果の最も川下にあるサービス業等第三次産業の活動についての指標であり,相対的に景気動向に遅行して動く。
設備投資実施企業割合(製造業)
投資 設備投資は一般的には,企業が将来の需要に対する生産拡張手段として景気動向に先行して推移する。本県にあっては,小規模事業者が多く,資金繰りが良くなってから設備投資を実施する企業も少なくないと考えられ,景気動向に遅行して動く。
(2)DIの計算式は次のとおり行っている。
ア毎月の各個別指標の数値を3か月前と比較して(不規則変動の除去),増加したとき「+」(拡張系列),横ばい(保合い)のとき「0」,減少したとき「-」(収縮系列)の変化方向をつける。

イDI=拡張系列数/採用系列数×100(%)
(ただし,保合い系列には0.5のウエイトをつけて拡張系列と考える。)

ウ累積D.I(当該月分)=前月の累積D.I+(当該月のD.I-50)

(3)採用系列は,季節調整済みの数値について変化方向をみているが,日経商品指数(一致指数)については原数値により変化方向をみている。

(4)DIは計算式から,指数が50%ラインの上方にあるときは景気の拡張局面を,下方にあるときは景気の収縮局面を示す。累積D.Iはその山と谷がそのまま景気の山,谷に対応しているので景気の動きを一目で把握できる。

(5)令和6年2月分から景気動向指数の改定を行い,採用指標の見直し等の変更を行った。

(6)景気変動にはある程度の振幅を伴うが,この変動の度合いを知るには後述のCIを参照することが望ましい。
なお,DIは変化率を合成したものではないので,DIの水準自体の変化は景気変動の大きさないし振幅とは直接的には無関係である。

2景気総合指数(コンポジット・インデックス:CI)について

※景気総合指数(CI)については,平成12年1月分より,景気動向指数(DI)の参考として作成し,公表しています。

(1)景気総合指数(CompositeIndex=CI)とは,景気に敏感な指標の量的な動きを合成した指標であり,景気変動の大きさやテンポ(量感)を測定することを目的としている。

(2)CI作成方法
CIは,まず採用個別指標の量的な変動を求める。各指標には,月々の量的な変動に大きな違いがあるため,一定の統計的手法で調整した後,先行,一致,遅行の3指標ごとに合成する。最後に,合成された量的な変動を累積し,基準年(令和2年)を100とする指数を作成する。
本県では,CIの採用指標についてはDIと同じ採用指標を使用している。

(3)利用の仕方
CIでは一般に,一致指数が上昇している時が景気の拡張局面,低下している時が後退局面であり,一致指数の山,谷の近傍に景気の山,谷が存在すると考えられる。

また,CIは景気局面を2局面に分割するものではなく,変化の大きさが景気の拡大または後退のテンポを表しており,その時々の景気の量感を観察することができる。
ただし,採用系列の変化率を合成した指標であるため,個別の採用系列の変化が全体に大きく影響を与える可能性があり,また,月々のCIの動きには当月の不規則な動きも含まれることから,DIと相互補完しながら利用することが望まれる。

 
参考:CI計算式
採用指標一覧

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