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更新日:2022年9月20日

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屋久島サミット宣言

世界自然遺産に関する屋久島サミット宣言

1. 私たち、アジア・太平洋地域の世界自然遺産を有する地方政府・自治体の代表は、20世紀最後の年である2000年の5月18日から21日までに日本国鹿児島県で開催された「世界自然遺産会議」に参加し、世界自然遺産の保全と世界自然遺産を生かした地域づくりについて討議し、21世紀に歩むべき方向を示したこの「世界自然遺産に関する屋久島サミット宣言」を採択する。

2. 私たちは、世界自然遺産を取り巻く世界の現状を以下のように認識する。

(1) 人類共通の遺産である優れた自然地域が世界的に少なくなりつつあり、世界遺産条約に基づき登録された世界自然遺産の保全が人類にとって今後ますます重要になる。
(2) 世界自然遺産の保全は世界遺産条約上の国の義務であるが、21世紀の世界自然遺産の保全のために国と地方自治体がそれぞれの役割を効果的かつ積極的に果たすことが重要である。
(3) 世界自然遺産の価値を減ずることなく、その魅力を生かした世界自然遺産と共生する地域づくりを進めることが世界自然遺産の保全と地域住民の生活向上を図るために極めて重要である。

3. 私たちは、21世紀の世界自然遺産の保全と世界自然遺産を生かした地域づくりを進めるために、以下の取組みをそれぞれの地方政府・自治体において積極的に行う決意を確認する。

(1) 世界自然遺産の保全価値についての環境教育の推進と、世界自然遺産の管理・情報提供・保全活動支援の面におけるすべての関係者との連携により、地域社会の積極的な参加を得ながら世界自然遺産の保全を進める。
(2) 地方政府・自治体の振興計画や資源利用計画の中で世界自然遺産の国際的な重要性が認識され、世界自然遺産やその周辺地域の保全方策が明確に示されるように努める。
(3) 中央と地方政府、各省庁、広域自治体と基礎的自治体など、世界自然遺産に関わる関係行政機関の連携・協力関係の強化を図る。
(4) 世界自然遺産の管理能力の向上に努める。
(5) 環境に十分配慮した観光、特に自然環境への配慮だけでなく、地域社会に利益をもたらし、自然保護の理解者増加につながるエコツーリズムなどの振興を通じて、地域づくりを促進する。
(6) 生態系に対する負荷の少ない一次産業の育成や薬草利用など、地域社会が伝統的に育んできた自然に優しい生活の知恵や文化を役立てた地域づくりを進める。
(7) 世界自然遺産の周辺地域においてクリーンエネルギーの利用、ゴミや汚水の処理、リサイクルなどを促進し、環境産業としての育成も視野に入れながら、循環と共生の地域づくりを進める。

4. 私たちは、21世紀を担う自然を愛する子どもたちが世界自然遺産の保全に大きな役割を果たすことができるように、子どもたちと情報を共有し、共に考えながら、世界自然遺産保全のための取組みを進めることを約束する。

5. 私たちは、各国の中央政府並びに国際社会に対して、地方政府・自治体が行う世界自然遺産の保全に資する取組みをそれぞれの立場で支援するように要請する。

6. 私たちは、この宣言を効果的に実施するため、今後とも相互に連携を図るとともに、宣言の実施状況を相互に確認し、世界自然遺産の保全をより確かなものとする取組みを話し合うため、2003年にオーストラリア・クイーンズランド州で再会することを約束する。

2000年5月19日 日本国鹿児島県屋久島

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