更新日:2026年1月14日
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県では,障害のある方の雇用に対する企業等の理解を促進するため,障害者雇用の優良事業所表彰等を行う障害者雇用支援・激励大会の開催や県内企業における障害者雇用体験事業等を実施しております。
今回は,障害のある方の雇用促進の取組事例として,「ヘルスキーパー」の導入企業にお話をお聞きしました。
ヘルスキーパーは,企業に雇用され,職場においてマッサージ,鍼,灸,運動療法などの物理療法を行って,従業員の疲労の回復や心身の不調を調整し,業務の効率向上と従業員の健康の保持,増進に役立つような仕事をしている方々で,医学的知識や臨床経験を持ち,国家試験に合格して免許をもった健康に関するプロフェッショナルです(厚生労働省・日本障害者雇用促進協会(現JEED)ヘルスキーパー導入のすすめ(改訂版)より)。
訪問日令和7年12月17日

左:同社でヘルスキーパーとして勤務する奥田氏
右:総務局総務経理部有村部長
~ヘルスキーパーとして勤務する奥田寛氏のご紹介~
先天性の視神経萎縮による視覚障害(身体障害者手帳2級)をお持ちで,鹿児島盲学校において,あん摩マッサージ指圧師,はり師,きゅう師の国家資格を取得されました。
卒業後は鹿児島市内の病院に就職されましたが,在職中に脳卒中を発症し,痛みも伴う苦しい日々が3年程続きましたが,治療を重ね,徐々に回復されました。
再就職を検討する中,ハローワークを訪れ,現在のお勤め先であるKTS鹿児島テレビ放送株式会社とつながりました。
(有村部長)
ハローワークからの働きかけもあり,前任者が就職面接会に参加するなど,障害者雇用の促進について模索していたところ,「ヘルスキーパー」を導入することで,業務効率の向上と従業員の健康維持・増進の両立を図り,従業員からも好評を得ている企業があると聞きました。そんな折,ハローワークを通じて奥田さんと出会い,ヘルスキーパーとして勤務していただくこととなりました。
(有村部長)
導入して1年半ほどになります。採用当初は,奥田さんの体調面に配慮し,半日勤務から始めていただき,徐々に勤務時間を増やしていきました。現在は,週に30名程度の従業員が利用しています。
施術は予約制で,予約システムを導入しており,数ヶ月先まで予約が埋まるほどです。
元々休憩室だったスペースを施術室として利用しています。施術室のレイアウトや必要な設備については,奥田さんと話し合いながら整え,また,1週間あたりの利用回数や利用料,施術中は勤務時間として取り扱うかなど,利用にあたってのルールについては,社内で協議し決定しました。
利用する従業員の年齢は,20代から70代までと幅広く,事務職に限らず,現場職の従業員も利用しています。
夜勤や支局で勤務する従業員もいますので,そうした従業員も利用しやすい仕組み作りが今後の課題です。

~施術の様子~
(有村部長)
従業員からは,「職員の心身のリフレッシュにつながり,仕事の効率もあがる」といった声が多数あり,企業の福利厚生の向上にも繋がっていると考えています。
*その他,従業員から「施術室は身体と心を癒やしてくれるオアシス」「デスクワークで背中の痛みが出た時などに施術をしてもらうと楽になり,その後の仕事に影響がでませんでした」「身体の接触がありますが,奥田さんの人柄もあり,安心して利用できます」といった声も寄せられているようです。
(奥田氏)
施術を受ける従業員の年齢等に応じた施術を心がけていますが,資格や技術,前職での経験など全てを活かせていると感じています。
また,施術を受ける従業員の方からお聞きする体の不調に関するお悩み等に対し,適切なアドバイスが行えるよう,現在も知識を深めるなど自己研鑽に務めています。
施術後には,「ありがとう」と感謝の言葉もいただき,この仕事が天職だと考えています。
(有村部長)
導入にあたっては,従業員が気持ちよく,また,偏りなく利用できるよう,利用回数などのルール作りと周知が必要だと考えています。
(奥田氏)
仕事を行う環境や労働条件などについて,合理的配慮を踏まえた検討をいただくことが必要ではないかと考えています。
鹿児島盲学校の職業教育課程(理療科,保健理療科)には,高卒生から中途で視覚障害になった社会人経験者まで多様な生徒が在籍し,あん摩マッサージ指圧師,はり師,きゅう師の国家資格取得と社会参加・貢献を目指して日々勉学に取り組んでいます。学習の一環として企業でヘルスキーパー実習を行うこともあり,施術を受けられた方から「午後からも頑張れそう」「定期的に受けたい」といった好評の声が寄せられ,生徒の大きな励みとなっています。
現在,鹿児島県内5社で6名の卒業生(本校確認分)がヘルスキーパーとして活躍中です。課題に対する訓練や補助具の活用,企業による合理的配慮によって障害を補い,確かな専門技術を活かして働いています。
今後も地域企業との繋がりを一層深め,実習をより充実させることで,視覚障害者への理解と生徒の職域を広げていくことができれば幸いです。
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