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更新日:2020年6月12日

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令和2年度県指定文化財の新指定について

令和2年4月28日付けで,次の8件が鹿児島県指定の文化財となりました。

加計麻のアシャゲ(かけろまのあしゃげ)

種類:有形文化財(建造物)

所在地:大島郡瀬戸内町阿多地,須子茂,三浦

所有者:阿多地集落,須子茂集落,三浦集落

特徴等

「アシャゲ」とは,ノロ信仰に伴う祭儀を執り行う空間として古くから用いられてきた建築物です。沖縄由来の「神アサギ」が奄美大島に伝わり,独自の変化を遂げて奄美大島特有の「アシャゲ」建築のスタイルになりました。加計呂麻のアシャゲは三棟それぞれが奄美のアシャゲの典型例であり,後世に伝えるために欠くことができない貴重な文化財です。

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廣泉寺の木造阿弥陀如来立像紙本納入品(こうせんじのもくぞうあみだにょらいりゅうぞうつけたりしほんのうにゅうひん)

種類:有形文化財(彫刻)

所在地:南さつま市坊津町久志6552番地

所有者:古宝山廣泉寺

特徴等

本像はかつて,枚聞神社の別当寺院,瑞応院に祀られていたと伝えられています。像高は96.8cm,ヒノキ材を用いた寄木造で,表面は漆箔仕上げとしています。鎌倉時代初期の仏師快慶によって創始された作風である安阿様(あんなみよう)を踏襲した仏像であり,制作時期は鎌倉時代後期(13世紀~14世紀)と考えられています。県内では類例が極めて少ない鎌倉時代の仏像であり,廃仏毀釈や戦災を免れ,歴史的にも信仰的にも貴重な文化財です。

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中甫洞穴出土品(なかふどうけつしゅつどひん)

種類:有形文化財(考古資料)

所在地:知名町教育委員会,和泊町歴史民俗資料館,鹿児島県立埋蔵文化財センター

所有者:知名町和泊町鹿児島県

特徴等

中甫洞穴は知名町久志検字水窪に所在し,沖永良部島の西部にある標高240mの大山を囲んで分布する標高約100mのドリーネ(すり鉢状のくぼ地)に開口しています。遺物は,下層から縄文時代早期後半以降の縄文土器,上層から弥生時代~古代並行期の土器,その他石器や貝類,動物骨などが出土しています。類例の少ない土器やそれに伴う石器や牙器,貝器など学術的価値が高く,奄美群島の考古学研究において重要なものです。

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入来舞(いりきかんまい)

種類:無形民俗文化財

所在地:薩摩川内市入来町浦之名

保護団体:入来神舞保存会

特徴等

入来神舞は,大宮神社の例祭(11月23日と大晦日)に,五穀豊穣を願い奉納されている神楽です。舞は種類によって異なりますが,1~12名の男女で構成され,楽は太鼓1名,笛1名です。元々,36番ありましたが,現在は7番ほどが舞われています。国指定無形民俗文化財「高原の舞(たかはるのかんめ)」(宮崎県)との類似性や系譜性が指摘されており,特別な舞の場を設けることや,剣を持っての勇壮な舞などに特色があり,旧島津領内における神舞の芸態を研究する上でも,貴重な文化財です。

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王子踊り(おうじちょうかねおどり)

種類:無形民俗文化財

所在地:鹿屋市王子町

保護団体:王子町鉦踊り・銭太鼓保存会

特徴等

王子町鉦踊りは,宝暦3(1753)年の新田開発をきっかけに,水神への感謝をこめて奉納されてきました。かつては水路の流域にある集落でそれぞれ鉦踊りは奉納されていたようですが,今は王子町と川東町(光同寺鉦踊り)のみとなっています。王子町鉦踊りは,鉦などを用いた「鉦踊り」と,カラスが飛ぶような所作が特徴的な「からす舞」の2種類から構成されています。大隅半島の水神祭では,鉦踊りと八月踊りがセットで奉納されることが多く,八月踊りとは質的にも異なる「からす舞」が奉納される貴重な文化財です。

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阿久根市光礁と五色浜(あくねしひかるぜとごしきはま)

種類:天然記念物

所在地:阿久根市波留6123番1の一部,五色浜海岸

所有者:阿久根市,国(管理:鹿児島県)

特徴等

阿久根市の戸柱公園・護国神社境内からは光礁と呼ばれる岩礁が望めます。この岩礁は侵食に強いチャートの硬さが作り出した景観です。公園・神社境内の下の海岸は五色浜と呼ばれ,光礁や海岸に露出しているチャートが波に洗われ,様々な色をしたチャートのになっています。五色浜のチャート層や泥岩からは化石が見つかっており,化石から堆積時代がわかった鹿児島県本土でもっとも古い地層です。また,このチャート層は大洋底に堆積した地層が海溝部で陸側に剥ぎ取られた堆積物で,プレートテクトニクスの概念を理解する上でも貴重な文化財です。

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指宿市林ヶ島のトンボロ(いぶすきしちりんがしまのとんぼろ)

種類:天然記念物

所在地:指宿市

所有者:国(管理:鹿児島県)

特徴等

知林ヶ島は鹿児島湾(錦江湾)の入口付近に浮かぶ,湾内で最大の島で,指宿市本土の田良岬の沖約800mに位置する無人島です。その知林ヶ島と田良岬を結ぶ砂州をトンボロといい,干潮時に現れ,満潮時には水没します。このトンボロは北側と南側で流向が異なる沿岸流の境目に砂が堆積してできると考えられ,日本でも有数の規模を誇る貴重な文化財です。

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久島早崎海岸の鉱脈群(やくしまはやさきかいがんのこうみゃくぐん)

種類:天然記念物

所在地:熊毛郡屋久島町早崎

所有者:国(管理:鹿児島県)

特徴等

屋久島空港の南にある早崎海岸では,切り立った崖に多くのタングステン鉱脈を観察することができます。この鉱脈は明治末に発見され,早崎鉱山として昭和30年代まで稼行され,廃坑後もその全容を知ることのできる数少ない鉱山跡です。早崎鉱山は,約1,600万年前(新第三紀中新世)の花崗岩マグマの活動に伴って,周辺部の堆積岩中に生成された鉱床です。その露頭は屋久島の成り立ちを学ぶことのできる場所として学術的価値が高いとされています。

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