更新日:2025年1月6日
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日時:令和7年1月6日(月曜日)9時~(ライブ配信)
皆さん,おはようございます。今年もよろしくお願い申し上げます。
皆様,御家族お揃いで,さわやかな新年をお迎えになられたことと存じます。心からお喜び申し上げます。
昨年は,1月に能登半島地震が発生し,道路の寸断,建物の損壊など甚大な被害が発生しました。その際,半島という地形から生じる集落の孤立,避難生活の長期化など様々な厳しい状況が生じました。
また,本県においても,8月の日向灘を震源とした地震や台風第10号,11月の与論町における記録的大雨などにより,大きな被害が発生し,改めて,自然の脅威と不断の防災・減災対策の重要性を認識いたしました。
一方,今後の県勢発展に向けて,明るい展望が持てる取組の成果や出来事もありました。
奄美群島の振興については,3月に「奄美群島振興開発特別措置法」の改正法が成立し,新たに策定した「奄美群島振興開発計画」に基づき,我が国の地域振興の先進地域となるよう,国や市町村等と連携して各般の事業を推進していくこととしております。
また,新型コロナウイルス感染症の影響で大きく落ち込んだ旅行需要が徐々に回復してきております。クルーズ船については,昨年は県全体で過去最高に近い寄港があったほか,鹿児島空港国際線については,コロナ禍前に運航していたソウル,上海,台北,香港の4つの路線全てが再開されるなど,様々な国から鹿児島を訪れていただく環境が整いつつあります。
農林水産物の輸出については,令和5年度の輸出額が約367億円となり,農畜林水全ての部門で輸出額が増加し,公表開始以降,3年連続で最高額を更新しました。
また,令和5年の農業産出額が過去最高の5,438億円となり,7年連続で全国第2位を堅持しました。
更なる販路開拓や輸出拡大を図るため,11月には,「和牛日本一鹿児島」のキャッチコピーと,統一ロゴマークを決定しました。今後とも国内外における県産和牛の一層の認知度向上や販路拡大に努めていくこととしております。
12月には,本県産の本格焼酎を含む伝統的酒造りがユネスコ無形文化遺産に登録されることが決定し,これにより,伝統的技術が次世代に継承されるとともに,本格焼酎が世界の蒸留酒の一つとして広く認知され,輸出拡大や観光などの地域の活性化につながることが期待されます。
さて,我が国経済は,一部に足踏みが残るものの,緩やかに回復しております。
先行きについては,雇用・所得環境が改善する下で,各種政策の効果もあって,緩やかな回復が続くことが期待されますが,欧米における高い金利水準の継続や中国における不動産市場の停滞の継続に伴う影響など,海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっております。また,物価上昇,米国の今後の政策動向,中東地域をめぐる情勢,金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。
県内経済は,足元では,物価上昇の影響がみられるなど,回復の勢いがやや鈍化しつつあります。
こうした中,国においては,「日本経済・地方経済の成長」,「物価高の克服」,「国民の安心・安全の確保」を柱とした「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」を決定しました。
県としては,国の施策とも連携して,これまで補正予算に計上した各種の事業を効果的に展開することにより,原油価格・物価高騰の影響を受けている生活者や事業者の負担軽減に努めており,今後とも,県内経済の早期回復に向けて,速やかに必要な対応を講じていくこととしております。
こうした直面する課題への対応に加え,現在,我が国は,本格的な人口減少や少子高齢化の進行,デジタル化の進展,カーボンニュートラルの実現など,社会経済情勢が大きく変化しており,これらへの様々な対応が求められております。
これらに的確に対応しつつ,県勢発展の基盤を確固たるものとするため,本県の基幹産業である農林水産業,観光関連産業など鹿児島の「稼ぐ力」の向上,地域や各種産業を支える人材の確保・育成,結婚,妊娠・出産の希望がかない,子育てしやすい環境の整備や,高齢者が健やかで生きがいの持てる社会の形成など,「かごしま未来創造ビジョン」に掲げた各般の施策に積極的に取り組むことにより,「誰もが安心して暮らし,活躍できる鹿児島」を目指していく必要があると考えております。
また,今後も必要な行政サービスを安定的に提供していくためには,県政の基本方針である「かごしま未来創造ビジョン」や「行財政運営指針」を念頭に置きながら,職員の皆さんお一人おひとりに,これまで以上に能力の向上を図りながら,意欲を持って業務に取り組んでいただきたいと考えております。
職員の皆さんにおかれましては,地方自治運営の基本原則である「最小の経費で最大の効果を挙げる」ことを十分に意識しながら,新たな課題を把握した上で,新たな施策を積極的に立案していただくとともに,デジタル技術の活用等による行政事務の効率化にも積極的に取り組んでいただきたいと思います。
また,昨年3月に,「鹿児島県庁働き方改革ワーキンググループ」を中心に,職員の皆さんに主体的に議論をしていただき,「鹿児島県職員人財育成ビジョン」が策定されました。同ビジョンに掲げる「挑戦」「共感」「誠実」をキーワードとした目指すべき職員像とも関連しますが,県政の推進に当たって,改めて,職員の皆さんに心がけていただきたいことを5点,お話いたします。
まず1点目が,部局横断的な議論についてであります。
部局を越えて,県庁全体として部局横断的な課題に,どのように取り組むかを,常に念頭に置いて,主体的に庁内で,しっかりと議論していただきたいということです。政策立案・政策調整機能の充実・強化に向けて,縦割りではなく,地域振興局・支庁を含め,各部局間でしっかりと連携を図って,課題に対応した政策の検討を行っていただきたいと考えております。
2点目は,政策立案のための活発な議論についてであります。
職位にかかわらず,若手職員を含めて,県政の課題などについて自発的に様々な考えやアイデアを提案し,職員の間で活発に議論を交わしながら,より良い政策を作り上げていくことが重要と考えております。
そのためにも,職員の皆さんには,様々な課題を把握し,それをよく分析した上で政策を提案していただきたいと思います。
上司の皆さんには,部下職員が自発的に提案し,活発に議論できる風通しの良い職場づくりに努めるとともに,日々の業務での実践等を通じて職員の成長を促し,それがさらに活発な職員の提案や議論を生み出すという好循環をつくっていただきたいと思います。
上司の皆さんは,部下職員からの提案に,これまで以上に寄り添い,その実現に向けて一緒になって検討していただきたいと思います。
3点目は,県民の目線に立った県政についてであります。
私は,県民の皆様と率直に意見交換を行う「知事とのふれあい対話」を全市町村で開催し,多岐にわたる地域課題やその対応策について意見交換を行い,政策・事業に適切に反映するよう努めてまいりました。
職員の皆さんにおかれましても,多様化・複雑化する県民ニーズにしっかりと対応するため,県民の皆様や,市町村,関係団体の意見を積極的にお聞きし,各分野や地域の課題等を的確に把握し,その解決を目指していただきたいと思います。
また,県政の推進に当たっては,本庁と地域振興局・支庁,各単独出先機関が連携することが重要であります。
特に地域振興局・支庁は,各地域における県政の総合拠点であります。地域の方々にとって一番身近な存在であり,地域における様々な要望等の窓口としての役割を担っていただいております。
引き続き,市町村と連携し,本庁と情報を密に共有するとともに,地域の実態の的確な把握と県の施策等に関する説明責任を果たしつつ,県政の推進に取り組んでいただきたいと思います。
4点目は,県民への情報発信についてであります。
県政の推進に当たっては,政策決定の透明性を確保し,政策立案の過程における判断の根拠などを明らかにし,説明責任を果たしていくことが重要であります。
職員の皆さんにおかれましては,このことを十分に認識し,県の施策に関する情報発信に心がけていただきたいと思います。
5点目は,公務員としての自覚についてであります。
職員の皆さんにおかれましては,県民の皆様の信頼を損なうことのないよう,勤務時間の内外を問わず,公務員としての自覚を持ち,地方公務員法をはじめとする各種法令を遵守し,公務員としての倫理の保持に努めてください。
年頭に当たり,改めて県庁の職員としての心構えを申し上げました。
私としても,現場の実態を把握した職員の皆さんとの政策論議を重ねながら,皆さんと一緒に,よりよい政策をつくり上げてまいりたいと考えております。引き続き,庁内一丸となって県政の推進に取り組んでまいりましょう。
今年の干支は,『乙巳(きのとみ)』であります。
『乙(きのと)』は,十干(じっかん)の二番目で「困難があっても紆余曲折しながら進むこと」を意味し,『巳(み)』は「再生と変化」という意味があるそうです。
このようなことから,『乙巳(きのとみ)』は,「努力を重ね,物事を安定させていく」という縁起の良い干支だそうです。
そういう意味では,皆様の取組の成果が実る1年になるのではないかと考えております。
最後になりますが,仕事をする上で,様々な御苦労も多いと思いますが,何よりも健康が基本でありますので,健康管理には,十分御留意いただきたいと思います。
今年1年が良い年でありますように,また,職員の皆さんと,御家族の御健勝と御多幸を心からお祈り申し上げまして,私の新年のあいさつといたします。
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