更新日:2025年4月2日
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日時:令和7年4月1日(火曜日)午前10時00分~午前11時00分
場所:県庁2階講堂
皆さんおはようございます。
このたび,晴れて鹿児島県職員となられた皆様,誠におめでとうございます。
採用された皆さんを歓迎いたしますとともに心からお祝いを申し上げます。
また,数ある選択肢の中から,この鹿児島県庁を選んでいただいたことに,深く感謝を申し上げます。
皆さんのこれからの御活躍を心からお祈り申し上げます。
現在,我が国は,本格的な人口減少や少子高齢化の進行,不安定な海外情勢による物価の高騰,グローバル化やデジタル化の進展,世界的な要請でもあるカーボンニュートラルの実現など大きな変革期の中にあり,これらへの様々な対応が求められております。
これらに的確に対応しつつ,県勢発展の基盤を確固たるものとするため,本県の基幹産業である農林水産業,観光関連産業など鹿児島の「稼ぐ力」の向上,地域や各種産業を支える人材の確保・育成,結婚,妊娠・出産の希望がかない,子育てしやすい環境の整備や,高齢者が健やかで生きがいの持てる社会の形成など,「かごしま未来創造ビジョン」に掲げた各般の施策に積極的に取り組むことにより,「誰もが安心して暮らし,活躍できる鹿児島」を目指していく必要があると考えております。
こうした考えの下,県民の皆様と一緒に鹿児島の今と未来をつくるということを基本として,県政の推進に全力で取り組んでまいりたいと考えております。皆さんにもぜひその一翼を担っていただきたいと思います。
本日は,皆さんが,人生の新たな第一歩を踏み出すに当たり,県職員としての基本的な考え方について,いくつかお話したいと思います。
まず,一つ目としては,県政の主役は県民の皆様であるということを忘れないでください。
県民の声がしっかりと反映される,県民が主役の,県民の目線に立った行政を実現するために,皆さんが持っている力を存分に発揮してください。
県民の皆様の声をよく聞き,多様な行政需要や幅広い県民のニーズをしっかりと把握し,政策を議論する必要があります。
世の中の実態から乖離した机上の空論になったり,県庁職員の自己満足に過ぎないような政策を作ったりするというようなことにならないようにしてください。
積極的に現場に赴いて,自らの目で見て,耳で聞いて,様々な情報の収集・把握に努め,政策を企画・立案し,それを県民の皆様にしっかりと説明し,また,分かりやすく情報発信しながら,さらに,県民の皆様の声を施策にフィードバックし,改善するといった好循環となるように心がけてください。
二つ目としては,是非皆さんの若く新鮮な目と柔軟な思考で,様々なアイディアを積極的に提案してください。
皆さんが初めて県庁という組織に入っていろいろな仕事をする中で,「どうしてこのようなやり方をしているのだろうか」とか「これはおかしいのではないか」と感じることがあれば,「もっとこうしたらいいのではないか」「こう変えたほうがいいのではないか」といった点をよく考えて,遠慮せずに,どんどん提案をしてください。
長年,県庁で働いている職員にとっては当たり前になってしまっている仕事のやり方,いわゆる県庁文化というようなものが,時代に合わなくなっているところがあるかもしれません。
先輩職員が気づかないこうした県庁文化の改善すべき点が,皆さんの提案で改善され,県民サービスの向上や,行政の効率化に繋がることもあると思います。
最初の頃は,目の前に与えられた仕事をこなすだけで精一杯で,なかなか余裕がないかもしれませんが,ご自身の担当業務以外の仕事や周りの動きもしっかりと見るように心がけてください。
県庁全体として県政の課題にどう取り組んでいくかということを常に念頭に置いて,その中で御自身のやっている仕事の意義をよく理解して,仕事をするようにしてください。
今後,長い県庁生活の中で困難な仕事に直面することもあるかと思いますが,逃げ出すことなく課題に真摯に向き合うことは,皆さんにとって成長のチャンスとなると思います。失敗を恐れず果敢にチャレンジをしてください。
トップダウンで上からの指示に従って仕事をするのではなく,自ら考えて行動し,職位にかかわらず議論をぶつけ合い,よりよい政策を作り上げていく風土,職場づくりに,皆さんと共に取り組んでいきたいと思っています。
政策の議論をする上で,縦割りの弊害に陥らないよう,広い視野で多様な見方ができるよう,経験を積んでいただき,各部局間でしっかりと連携を図って政策を検討してください。
三つ目としては,公務員としての自覚と誇りを持って,公正公平かつ適正に職務を執行し,県民の皆さんに信頼されるようにしてください。
県民の皆様の信頼を得るためには,県民の皆さんが満足できる行政サービスを提供することはもちろんでありますが,綱紀の粛正や保持に努めることが極めて重要であります。倫理規程などをよく読んでしっかりと理解して,適切に行動してください。
また,あらゆる政策には説明責任が伴います。法令等を正しく理解,解釈し,これに基づき,適切に運用する必要があります。
併せて,政策決定過程の透明性も確保する必要があります。
四つ目としては,ぜひ健康には十分留意してください。
慣れない業務に加えて,災害発生時や高病原性鳥インフルエンザといった危機事象への対応など,ときには残業が多くなることもあります。
そのような時は,特に精神面での健康管理には気をつけてください。大変困難なことに直面した時,あるいは職場の人間関係で悩んだとき,決して一人で抱え込むことなく,早めに上司や同僚,家族など,いろいろな方に相談をしてください。
また,一番頼りになるのは,今日一緒に入庁した同期の仲間だと思います。困ったときには,強い絆で結びついた,何でも相談できる仲間の存在が大きいと思います。今後,県庁での人生を一緒に歩んでいく仲間として,お互いに困ったときには助け合える関係,絆をしっかりと作ってください。
最後に五つ目として,キャリアパスについて申し上げます。
皆さんは,今日から県庁のそれぞれの部署に配属になりました。みなさんが希望したところに配属された方も,そうでない方もいると思います。どの部署も県民にとっては必要な部署であります。そのことを忘れずに,県民の皆様の役に立つ仕事をしっかりと行うようにしてください。
皆さんこれから,いろいろな部署で経験を重ねていくことと思います。
本庁や出先機関,離島,国等への機関への出向,市町村,民間企業,団体との交流や外国勤務など,この先幅広い経験が待っています。
県政の課題は多岐にわたり,どの部署の経験も全て,今後県庁で仕事を続けていく上で,皆さんにとってはかけがえのない経験となります。
与えられた部署で,県民の皆様のためにしっかりと仕事に励むことで,専門性も身に付き,次のステップに繋がることと思います。皆さんの配属部署での活躍を大いに期待しております。
以上5点,県職員としての基本的な考え方について申し上げました。
県では,若手を含めた職員が主体的に議論を重ね,昨年3月,目指すべき職員像や人材育成の取組の方向性などを盛り込んだ「鹿児島県人財育成ビジョン」を策定しました。
このビジョンでは,「挑戦」「共感」「誠実」をキーワードとした目指すべき職員像を示しております。
これは私が先ほど申し上げました県職員としての基本的な考え方と同様の趣旨であると思います。
また,県民サービスの更なる充実に向け,県にとって貴重な「財産」である職員の皆さんお一人お一人が「人財」として更に成長し,その力を最大限発揮できるよう,多様な研修メニューの提供や民間企業・市町村等との人事交流の推進,キャリアパスの提示など,人材の育成・成長に向けた取組を更に充実していくこととしております。
また,働きやすい職場環境づくりの取組として,在宅勤務や育児休業取得の促進などに加え,勤務間インターバルの確保などにも取り組んでいます。
皆さんも,この人財育成ビジョンについて,その趣旨や内容をしっかりと理解して,研修の機会なども積極的に活用しながら,主体的に学び,自身の更なる成長につなげていただきたいと思います。
私としても,皆さんとともに「誰もが安心して暮らし,活躍できる鹿児島」の実現に向けて県政の課題に全力で取り組んでまいりたいと思っております。よろしくお願い申し上げます。
終わりに,本日入庁された皆さんの今後の御健勝と御活躍を心から祈念しまして,私のあいさつといたします。
本日は,誠におめでとうございます。
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