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ホーム > 県政情報 > ようこそ知事室へ > 施政方針 > 令和7年第4回県議会定例会提案理由説明要旨

更新日:2025年11月27日

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令和7年第4回県議会定例会提案理由説明要旨

令和7年第4回県議会定例会の開会に当たりまして,当面する県政の諸問題の推移及び今回提案しております議案その他の案件につきまして,概要を御説明申し上げます。

我が国経済は,米国の通商政策による影響が自動車産業を中心にみられるものの,緩やかに回復しております。先行きについては,雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待されますが,米国の通商政策の影響による景気の下振れリスクに留意する必要があります。加えて,物価上昇の継続が消費者マインドの下振れ等を通じて個人消費に及ぼす影響なども,我が国の景気を下押しするリスクとなっております。また,金融資本市場の変動等の影響に引き続き注意する必要があります。
県内経済は,緩やかに回復しておりますが,物価上昇や自然災害などの影響もみられ,改善傾向が弱まりつつあり,今後の動きに十分注意する必要があります。

こうした中,国においては,今月21日に,「生活の安全保障・物価高への対応」,「危機管理投資・成長投資による強い経済の実現」,「防衛力と外交力の強化」を柱とした「「強い経済」を実現する総合経済対策」を決定しました。
私としては,現下の経済情勢に鑑み,速やかに実効性のある施策が展開されることを期待しております。
県としては,国の施策とも連携して,本年度当初予算及び補正予算に計上した,物価高騰対策をはじめとする各種の事業を効果的に展開することにより,県内経済の早期回復に努めてきております。
今後とも,国の経済対策の内容等を踏まえ,速やかに必要な対応を講じてまいりたいと考えております。
また,国は,いわゆるガソリン暫定税率を本年末に廃止することを発表しました。廃止までは移行措置として補助金を使って段階的に価格を引き下げるとしています。軽油引取税の暫定税率は来年4月1日に廃止することも発表しました。これらの廃止により,物価高による生活者や事業者の負担軽減が図られることが期待されます。一方で,これらの引下げに伴う地方の減収に対する恒久的な代替財源については結論が得られておりません。制度の見直しに当たっては,地方の行政サービスの提供に支障が生じないよう,安定的な財源を確保することを前提に検討していただくよう,国に要望しております。

本格的な人口減少や少子高齢化の進行,輸入物価や人件費の上昇等を背景とした物価の高騰,デジタル化の進展,カーボンニュートラルの要請など,昨今の社会経済情勢は大きく変化しております。
私としては,これらに的確に対応しつつ,本県の基幹産業である農林水産業,観光関連産業など鹿児島の「稼ぐ力」の向上,地域や各種産業を支える人材育成,結婚・妊娠・出産・子育てしやすい環境の整備や高齢者が健やかで生きがいが持てる社会の形成など,「かごしま未来創造ビジョン」に掲げた各般の施策に積極的に取り組むことにより,「誰もが安心して暮らし,活躍できる鹿児島」を目指してまいりたいと考えております。
今後とも,「県民の皆様と一緒に鹿児島の今と未来をつくる」ということを基本として,「誠実に」,「着実に」県政の推進に全力を挙げて取り組んでまいります。
県議会の皆様方をはじめ,県民の皆様方の御理解と一層の御支援を心からお願い申し上げます。

(結婚,妊娠・出産,子育ての希望がかなう社会の実現)
次に,最近の県政の展開の中で主な事項について御報告申し上げます。
保育人材の確保については,潜在保育士の掘り起こしや就職支援を行い,働きたい保育士と人材が不足する保育所等のマッチングを行う「保育士・保育所支援センター」を先月1日に設置しました。県保育士人材バンク登録者を対象に,保育士就業支援員が,希望する勤務条件等を確認した上で,約110件の求人情報の中から条件に合う施設等を紹介するなど,マッチングに向けた取組を進めております。
また,潜在保育士等に同センターを周知するため,県のホームページや広報誌,県政広報番組において紹介を行うとともに,ハローワークやショッピングセンター,ふるさと回帰支援センターなどのUIターン希望者が利用する施設等におけるチラシの設置などを行っております。
引き続き,同センターを活用し,保育人材の確保に向けた取組を進めてまいります。

(健康で長生きできる社会の実現と豊かな自然との共生)
季節性インフルエンザについては,例年,冬場に患者数が増加する傾向にあり,昨年末は一定点医療機関当たりの報告数が96.4と,過去最多を記録する大きな流行となりました。
今年の冬も本県,全国ともに,季節性インフルエンザの定点当たりの報告数が増加してきており,今後,年末年始を控え,人の往来・会食など人との接触機会の増加に伴う感染の拡大や,新型コロナウイルス感染症との同時流行も懸念されます。
県では,感染が重症化リスクの高い方々に広がり,医療体制がひっ迫することのないよう,毎週公表している感染症情報で注意喚起を行うとともに,ホームページやSNS等において予防対策を呼びかけております。
県民の皆様におかれましては,手洗いや手指消毒,換気などの自主的な感染防止対策をお願いします。また,ワクチン接種を希望される方は,早めの接種をお願いします。

(地域を愛し世界に通用する人材の育成と文化・スポーツの振興)
スポーツ・コンベンションセンターについては,先月7日に,設計業務に係る公募を開始し,今月19日までに9の設計事業者から一次提案書の提出がありました。
今後は,来月16日に第2回の設計審査会を開催し,一次審査通過候補者を選定していただき,その結果を踏まえ,県において,一次審査通過者を決定することとしております。
来年1月26日から30日の期間に,二次提案書を提出していただき,2月14日には,設計事業者によるプレゼンテーション及び設計審査会委員による設計事業者へのヒアリングを公開で実施することとしております。
その後,第3回の設計審査会を開催し,最優秀提案候補者及び次点提案候補者を選定していただき,その結果を踏まえ,県において,最優秀提案者及び次点提案者を決定することとしております。
県としては,引き続き,県議会や県民の皆様へ丁寧に説明を行いながら,スポーツ・コンベンションセンターの整備に向けた取組を着実に進めてまいります。

サッカー等スタジアムの整備については,整備候補地について,鹿児島市が令和6年2月に北ふ頭での検討を白紙に戻して以降,これまで18回にわたり同市と協議を重ねてきました。
具体的には,候補地をリストアップする方法や絞り込む条件などを整理した上で,国有地,県有地,市有地,民有地からリストアップを行い,一定の条件の下,県市一緒になって候補地を検討してきました。
令和6年8月には,鹿児島国際観光株式会社がサンロイヤルホテルの移転新築の方針を発表し,同ホテルの敷地が一定の面積を有することなどから,県としても,候補地の一つになり得るのではないかと考えました。
その後,本年8月に,鹿児島市から,「鴨池庭球場敷地についても,同施設を文化公園へ移設することができれば候補地になり得るのではないか」との提案があり,今月19日に行われた県市意見交換会において,「サンロイヤルホテル敷地等と鴨池庭球場敷地がスタジアム候補地となり得るか調査する」ことについて,県市で確認しました。
引き続き,ホームタウンである鹿児島市と一緒に,整備候補地について検討してまいります。

先般,滋賀県で開催された第79回国民スポーツ大会において,本県選手団については,目標としていた天皇杯10位台には一歩及びませんでしたが,得点は,昨年に引き続き1,000点台を獲得し,陸上やサッカー,弓道,カヌーなど4競技での優勝をはじめ,26競技65種目で入賞を果たすなど,日頃の鍛錬の成果を十分発揮し,活躍していただきました。
また,第24回全国障害者スポーツ大会においては,陸上やサッカーなど9競技で49個のメダルを獲得するなど,優秀な成績を収めました。
今後とも,関係団体と連携を図りながら,県民の競技力向上に努めてまいります。

県立高校については,今後の望ましい県立高校の教育の在り方について検討を行うため,学識経験者などで構成する「県立高校の将来ビジョン検討委員会」を設置し,「生徒の多様な学びのニーズへの対応」及び「生徒数減少への対応」について,協議をしていただいております。
先月20日に開催した第4回検討委員会においては,「生徒数減少への対応」をテーマに,「生徒が行きたいと思える学校づくり,特色化・魅力化」や「少子化が加速する地域における高校教育の在り方」などについて協議していただき,委員の専門的見地から御意見を頂きました。
検討委員会は,今年度全体で7回の開催を見込んでおり,本年度末を目途に,生徒の多様な学びのニーズに応える,時代に即した新しい学校づくりの方向性などについて答申をとりまとめていただきたいと考えております。

県立短期大学については,昨年度の検討委員会からの提言の実現に向けて,県と県立短期大学の教職員で構成する検討会において協議を進めております。
今月26日の第4回検討会では,学生の地域への理解を深め,愛着を育むために,県内各地域の特性や県が行う地域振興策について学ぶ教養科目の新設や,社会人の履修を促進するために,学生の事情に応じて修業年限を延長できる制度の導入等について協議を行いました。
また,検討会でのこれまでの協議を受けて,県立短期大学においては,今月12日に全学生を対象として,生成AIの便利な活用方法や,誤った使い方によるリスクを学ぶための講演会を開催するなど,提言を踏まえた取組を一部実施しました。
今後,更に検討を進め,年度内に具体的な取組をとりまとめることとしております。

(脱炭素社会の実現と豊かな自然との共生)
水俣病対策については,認定申請をされたお一人お一人に,居住歴や魚介類の摂取状況等を聴き取る疫学調査や,医師による所要の検診を実施した上で,今月16日に認定審査会を開催しました。
また,水俣病に関する正しい知識や水俣病で得た教訓について学習する機会を創出するため,水俣病認定患者の方などの御協力を頂いて,今年度新たに児童・生徒向けの水俣病出前授業を,先月16日に出水市立米ノ津小学校,今月19日に阿久根市立脇本小学校でそれぞれ実施しました。
今後とも,水俣病対策の円滑な実施に取り組んでまいります。 

(安心・安全な県民生活の実現)
8月7日からの大雨及び台風第12号により,霧島市,姶良市,南さつま市などの県内各地で発生した被害について,県においては,これまで,国や関係市町村と連携し,公共土木施設等の応急対策を実施してまいりました。
今月9日には,全面通行止めとなっていた国道10号の網掛橋について,国による応急復旧工事が完了し,約3か月ぶりに通行が可能となりました。
14日には,一連の大雨による公共土木施設や農地,農林水産業共同利用施設等の甚大な被害について,国において激甚災害に指定されました。
道路などの公共土木施設等については,現在,国の災害査定を順次受けております。今後,本格的な復旧工事を実施することとしており,必要な経費について今回の補正予算に計上しております。
被災した農業者や商工事業者の生産設備の復旧については,現在,県からの補助金について,事業者からの交付申請を受け付けております。また,被災した障害者福祉施設や保育所などの復旧に係る支援も行うこととし,必要な経費について,今回の補正予算に計上しております。
県としては,引き続き,早期の復旧に向けて取り組んでまいります。
トカラ列島地震や8月の一連の大雨被害に対しては,全国から温かい義援金を頂きました。この場をお借りして,心から感謝し御礼を申し上げます。
頂いた義援金については,避難及び被災された住民の方々を支援するために,対象の市町村に対して,トカラ列島地震関係は2回目,8月の一連の大雨関係は1回目の配分を今月行いました。
県としては,被災された県民の皆様に対して義援金を速やかに配分できるよう,今後とも関係市町村と連携しながら対応してまいります。

馬毛島における自衛隊施設の整備等については,今月6日に,県議会議長とともに吉田防衛大臣政務官にお会いし,住民の安心・安全の確保に必要な対策や環境保全措置などに万全を期すこと,住民生活や産業に影響を与える事項等が生じた場合は,県及び地元市町に対して速やかな情報提供と必要な対応を行うことなどを要請しました。
馬毛島においては,9月と10月に工事中の事故が起き,負傷者が発生しております。事故の再発防止を徹底するとともに,今後,事故等が生じることのないよう,安全確保等に万全を期すことについても,併せて要請しました。
吉田政務官からは,「御要請については,今後とも,地元自治体と緊密に連携を取りながら,必要な対応を行う」との回答を頂きました。
県としては,今後とも,地元市町と緊密に連携を図りながら,住民の安心・安全が確保され,また,環境保全措置等が適切に講じられるよう,国に対応を求めるなど,しっかりと取り組んでまいります。

川内原発については,先月24日,九州電力が原子力規制委員会に対し,川内原発の使用済燃料乾式貯蔵施設の設置に係る原子炉設置変更許可申請を行いました。
今月25日に開催した県原子力安全・避難計画等防災専門委員会においては,同申請の内容について九州電力から説明がなされ,委員による御議論を頂きました。
県としては,原子力規制委員会において,乾式貯蔵施設の設置に係る原子炉設置変更許可申請について厳格な審査を行った上で,県原子力専門委員会で審査結果について御説明いただくなど,県民への分かりやすい情報発信・説明等に努めていただきたいと考えております。
原子力防災対策については,内閣府において,県及び関係市町の地域防災計画や避難計画のほか,国の緊急時における対応をとりまとめた「川内地域の緊急時対応」について,能登半島地震を踏まえた対応や,原子力防災アプリを含む「原子力災害時住民避難支援・円滑化システム」の開発・導入といった近年の原子力防災対策を盛り込むなどの見直しを行うこととされております。県原子力専門委員会においても,内閣府から改定案のポイントについて説明がなされました。
また,来年2月7日に実施予定の今年度の原子力防災訓練については,能登半島地震で得られた教訓等を踏まえ,新たに,通信環境を確保するための可搬型衛星通信設備の設置訓練やキッチンカーの派遣等による炊き出し訓練を実施するなど,より実効性のある訓練となるよう,現在,関係市町や関係機関等と検討・調整を進めております。
今後とも,原発の立地県として,常に事故の発生を念頭に置き,県民の生命と暮らしを守る観点から,川内原発の安全対策・防災対策の充実・強化に取り組んでまいります。

(快適な生活環境の向上と世界につながる県土の創造)
住吉町15番街区の利活用については,鹿児島港本港区エリアコンセプトプランを踏まえて,MICE・バンケット・ホテル等として利活用するとしており,「住吉町15番街区利活用事業提案評価委員会」により最優秀提案者とされた鹿児島国際観光株式会社を,先月8日付けで事業予定者として決定しました。
現在,評価委員会や議会からの御意見を踏まえ,今回の提案がより優れた内容となるよう,事業コンセプトや事業内容・施設計画,収支計画などについて,県と事業予定者との間で協議を行っております。
また,今月25日に,事業予定者から,評価委員会等からいただいた御意見の内容をしっかりと検討し,建設計画に反映させることが必要であると考えており,当初提案した定期借地権の期間を約1年後ろ倒しする内容で見直したいとの申し入れがありました。
県においては,申し入れ内容を精査し,定期借地権設定契約締結までの手続などを定める基本協定の内容を検討しております。
引き続き,エリアコンセプトプランの具体化に向けた取組を着実に進めてまいります。

鹿児島港本港区エリア一帯の利活用については,エリアコンセプトプランに基づいて,北ふ頭エリア等において,同エリアへの参画意向や具体的な導入機能,望ましい事業手法等について民間事業者から意見を頂くため,先月10者に対して,サウンディング調査を行いました。
その結果,具体的な導入機能として,「北ふ頭エリアにイベントスペースや飲食店併設の休憩所」,「ウォーターフロントパークエリアにカフェやマルシェ」といった提案がありました。また,その他に,「北ふ頭エリアについて,事業性を確保するには,旅客ターミナルや,他エリアを含む駐車場や緑地など事業範囲に含めることが必要」,「ウォーターフロントパークエリアについては,スポーツ・コンベンションセンターの今後の設計プラン等に影響を受けるため,現時点での利活用の検討が難しい」といった意見がありました。
今後,これらの調査結果を踏まえて整理した,事業者公募に係る対象範囲や事業手法等について,今議会にお示しし,御論議いただきたいと考えております。
また,北ふ頭エリアのしおかぜ通りについては,トライアル・サウンディング事業によるコンテナハウスを活用したカフェを今月14日から開始しており,今後の取組の参考とするため,集客性や採算性等を確認することとしております。
県としては,鹿児島港本港区エリアまちづくり懇談会における御意見等を参考に,県議会での御論議も踏まえ,エリアコンセプトプランの更なる具体化に向けた取組を着実に進めてまいります。

高規格道路については,先月17日に,宮崎県などとともに「東九州自動車道建設促進中央大会」を,また,今月5日に,熊本県とともに「南九州西回り自動車道建設促進大会」を東京において開催しました。両大会ともに,県関係国会議員や県議会議員等の出席の下,予算の確保と整備推進がなされるよう国に対して強く働きかけました。
また,南九州西回り自動車道については,着実に整備が進んでおり,熊本県と本県をつなぐ県境の境川橋(仮称)において,上部工本体に最終コンクリート打設を行う連結式が来月7日に開催される予定となっております。
大隅縦貫道については,吾平道路4.2キロメートルを来年3月20日に供用開始することとしました。
今後とも,高規格道路の早期供用に向け,国と一体となって,整備に努めてまいります。

日南線については,人口減少,少子化の進行等に伴う利用者の減少等を踏まえ,油津・志布志間における将来の在り方を検討するため,関係自治体や鉄道事業者,有識者等で構成する検討会議を設置し,先月31日に第1回の会合を開催しました。
同会議では,路線の存廃を前提とせず,どのような公共交通が望ましいかという視点から議論を進めることが重要であり,まずは,現状把握を行うために,地域の方々の声を聴いていく必要があるといった意見が出され,今後,鉄道利用者や高校生へのアンケートを実施していくことなどが確認されました。
県としては,引き続き,関係者と連携し,同路線の将来の在り方について検討を進めてまいります。

8月7日からの大雨により被災し,運休が続いている肥薩線の吉松・隼人間については,今月11日に,県や沿線市町,経済団体等で構成する「鹿児島県鉄道整備促進協議会」において,JR九州鹿児島支社に対し,一刻も早く利用者の不安や負担が解消されるよう,運転再開の目途を示すとともに早期の全線復旧や代替輸送バスの柔軟な運行について要望を行いました。
同社によると,現在,工事機材の搬入に必要な進入経路の確保など復旧に向けて取り組んでおり,施工計画を策定後,速やかに運転再開の目途を示したいとのことでした。
県としては,引き続き,同社に対し,同線区の早期復旧等について対応を求める等,関係者と連携して取り組んでまいります。

(多様で魅力ある奄美・離島の振興)
先月6日,約10万年前から現在に至る世界的な気候変動等が発達させた何段もの隆起サンゴ礁段丘や,石垣などの特色ある景観,サンゴ留学等の次世代育成といった地元におけるジオパーク活動などが評価され,喜界島ジオパークが日本ジオパークとして認定されました。大変喜ばしいことと考えております。
今回の認定により,隆起サンゴ礁が育んできた地域文化の継承や交流人口の増加などにより,地域の活性化が一層図られることを期待しております。
県としても,これまでガイドの養成など受入体制の整備等への支援を行ってきており,引き続き,地元の御意見も伺いながら,喜界島ジオパークの取組を支援してまいります。
令和8年度末に期限を迎える有人国境離島法については,今後,与党において法延長に向けた具体的な検討が進められると伺っており,先月30日に,法延長や離島航路に就航する船舶の更新など地域の実情等を踏まえた支援の拡充について,関係都道県協議会の会長として,関係国会議員等に要望を行いました。
引き続き,関係都道県等と一体となって,法の延長・支援の拡充がなされるよう,取り組んでまいります。

(農林水産業の「稼ぐ力」の向上)
米国の相互関税措置など海外市場が不確実性を増す中,人口動向や経済状況から今後成長が見込まれる中東市場への県産品の販路拡大を促進し,県産品の仕向先の多角化を図るため,先月11日から15日の日程で,サウジアラビア及びアラブ首長国連邦を訪問しました。
サウジアラビアのリヤドでは,在サウジアラビア日本国大使館,環境・水資源・農業省や,現地の高級レストランを訪問し,県産食材の可能性等について意見交換を行うとともに,全国商工会連合会主催の「Japan Delicious Food Festival 2025」に参加し,本県産品をPRしました。
アラブ首長国連邦のドバイでは,在ドバイ日本国総領事館と共催でレセプションを開催し,招待した政府関係者やレストラン関係者,マスコミ等約80名に対して,和牛,ブリ,お茶など県産食材を活用した料理を提供し,県産食材の魅力をPRしました。また,ドバイの高級ホテル内の日本食レストランにおいて,現地商社や量販店の代表,高級レストランシェフなどに県産和牛をはじめとする県産食材を使用したメニューを提供し,県産食材の可能性等について意見交換を行いました。
今回の訪問では,生産者とともに私自身,中東市場の現状を見聞きし,現地商社や量販店の代表など現地商流の関係者に対して直接セールスを行うことを通じて,日本食が家庭にまで浸透していない市場特性を踏まえ,まずはBtoBの販路開拓の必要性を認識するとともに,具体の商流構築・拡大のきっかけをつかむことができたと考えております。
今回の渡航で得た人脈や知見,今後実施する市場調査の結果を生かして,中東市場への県産品の販路開拓に取り組んでまいります。

鹿児島港への寄港が増加している国際クルーズ船への水産物等の県産品の供給体制の構築を図るため,9月29日から先月1日にかけて国際クルーズ船との取引事業者をベトナムから招聘し,水産物や畜産物,青果物について県内の産地視察を行いました。
先月13日には,国際クルーズ船へ県産水産物を納品する際の輸送経路や手続きなどを検証する実証事業を実施しました。併せて,船内のビュッフェにおいて,約1,200人の乗客に対して納品したカンパチやカツオなどの寿司や刺身を提供し,乗客やシェフから鮮度の良さや品質について高い評価を頂きました。
年度内に更に複数回,県産水産物等を納品する実証を行うとともに,年明けにはクルーズ船内における県産品フェアを実施することとしております。
また,先月14日には,関係機関・団体と連携して「南の宝箱 鹿児島輸出商談会2025」を鹿児島市で開催し,県内企業60社と,アジアや欧米などに商流を持つバイヤーが過去最多となる43社参加した商談会を行いました。翌15日には,県産和牛やカンパチ,お茶などの県内の産地視察を行いました。参加したバイヤーからは,本県の多彩で魅力的な食品や伝統的工芸品等に対して高い評価を頂きました。
先月27日には,フランスのパリ市内の高級レストランにおいて,現地シェフやバイヤーに対してブリやウナギなど,県産農畜水産物のプロモーションを行いました。
引き続き,関係団体等と密接に連携しながら,農林水産物をはじめとした県産品を海外マーケットへ積極的に展開してまいります。

県産和牛については,先月18日,19日に国内最大の和牛取扱量を誇る東京食肉市場において,鹿児島黒牛を推奨銘柄牛として東京食肉市場まつりが開催され,両日で約2万3千人が来場しました。
初日には,私も会場を訪問し,「和牛といえば,鹿児島県産。」をキャッチコピーに「和牛日本一鹿児島」の定着を図るため,鹿児島黒牛のしゃぶしゃぶを振る舞うなどPRを行いました。
来場者には,きめ細やかな美しい霜降りがおりなす,まろやかなコクとうま味を堪能いただき,「鹿児島黒牛は甘く柔らかくて美味しい」といった声が聞かれました。また,鹿児島黒牛を販売した市場関係者からは,「他のブランド牛ではなく,鹿児島黒牛を指定して購入するお客さんもおり,過去最高の売り上げになるなど大盛況」といった評価を頂きました。
併せて,同会場において,かごしま黒豚や,黒さつま鶏の販売のほか,生産量・品質ともに日本一のかごしま茶を提供する百円茶屋や,蔵元数・銘柄数日本一の本格焼酎,本県の特産品であるさつま揚げなど水産加工品の販売や観光PR等を行い,本県の豊かな自然や食,歴史・文化,特産品など「南の宝箱 鹿児島」の魅力を発信しました。
県としては,東京食肉市場まつり後も引き続き,首都圏の食肉事業者や消費者に対して,鹿児島黒牛をはじめとする県産和牛の強みである品質や供給力をPRし,「和牛日本一鹿児島」の認知度向上や県産和牛の販路拡大に努めてまいります。

先月23日から24日にかけて,本県で初めて開催された「第27回全国農業担い手サミットinかごしま」については,三笠宮寬仁親王妃信子殿下の御臨席を仰ぎ,県内外から農業者をはじめ,関係機関・団体等約1,900人の皆様に御参加いただき,盛況のうちに大会を終えることができました。
本県農業者からは,全国の意欲ある農業者と交流することで,県外農業者との新たなネットワークが生まれ,経営改善に向けた意欲が高まったとの声が聞かれました。また,県外の参加者には,日本一の和牛やお茶をはじめ,野菜,果樹,花きなど多様な本県農業の魅力はもちろんのこと,豊かな自然や食,歴史・文化,特産品など「南の宝箱 鹿児島」を満喫していただいたものと考えています。
今後とも,認定農業者をはじめとする経営感覚に優れた農業者の確保・育成に努めてまいります。

家畜防疫対策については,先月22日,北海道の養鶏農場において,過去2番目に早く高病原性鳥インフルエンザの発生が確認され,これまで3道県で計5事例発生しております。
県では,農家や関係者における防疫意識の向上を図るため,渡り鳥の飛来が本格化する先月から来年5月までを県の飼養衛生管理基準遵守強化期間に設定し,これまでに全ての養鶏場を対象に巡回指導するとともに,防疫対策会議や防疫演習を実施してきました。
このような中,今月7日に,出水市で採取された「ねぐらの水等」から高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出されました。県では,直ちに,知事メッセージを発出し,県民の皆様に注意喚起を行うとともに,県内全農場に対し侵入防止に万全を期すように依頼しました。また,同日,ねぐらの水等の採取地点から半径3キロメートル圏内の農場について,家畜防疫員が飼養鶏に異状がないことを確認するとともに,各農場に消毒の徹底等を指導しました。さらに,10日には防疫対策会議を開催し,関係機関・団体に対して,飼養衛生管理基準の遵守など侵入防止対策の徹底を重ねて依頼しました。
14日,20日,24日に出水市で,17日には鹿屋市において,野鳥等から高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出されたことから,対象となる農場について,改めて異状がないことを確認するとともに,消毒の徹底等の指導を行いました。
豚熱については,本年9月に宮崎県において,本県との県境から約3キロメートルの地点で,野生イノシシの豚熱感染が確認され,その後も感染事例が複数確認されたことから,県においては,野生イノシシを介した養豚場への感染リスクの低減を目的として,9月と10月の計2回,豚熱経口ワクチンの緊急散布を実施してきました。
このような中,今月19日に霧島市において,本県で初めてとなる野生イノシシの豚熱感染が確認されました。
県では,直ちに県内の養豚場や関係団体に発生情報を周知するとともに,発見場所から概ね半径10キロメートル圏内にある10農場について,異状がないことを確認しました。また,同日,県豚熱等対策本部会議を開催し,野生イノシシの捕獲と検査の強化などの対策に全庁一丸となって取り組むことを確認したほか,養豚場への侵入リスクを低減させるため,これまで以上に散布範囲を広げて経口ワクチンの緊急散布を行うことを決定しました。
翌日20日には,本県での1例目から約3.5キロメートル離れた地点で,2例目が確認されました。県では,直ちに近隣の農場について,異状がないことを確認するとともに,同日開催した県豚熱等緊急防疫対策会議の中で,適時・適切なワクチン接種や,野生動物の侵入防護柵の再点検などの飼養衛生管理基準の遵守徹底を強く指導しました。
同日には,県内の31地点で経口ワクチンの緊急散布を実施しました。
また,25日には,1例目と2例目の間の地点で,3例目が確認されたため,直ちに近隣の農場について,異状がないことを確認するとともに,生産者に対し,高い防疫意識を持って,防疫対策に取り組むよう,改めて指導しました。
本日も,県内の28地点で経口ワクチンの緊急散布を行う予定としております。
アフリカ豚熱については,台湾において,先月21日に初めて発生事例が確認されました。本県には,台湾から航空機の定期便が就航しており,本県への侵入リスクが非常に高まっていることから,先月24日から県内養豚場に対して,飼養衛生管理基準の遵守徹底を改めて指導しました。県では,日頃から鹿児島空港やマリンポートかごしまにおいて,家畜伝染病の侵入防止ポスターの掲示や靴底の消毒などを行っております。これらに加えて,今回の台湾での発生を受けて,県ホテル旅館生活衛生同業組合やゴルフ協会等の関係機関・団体に注意喚起の周知を行いました。
引き続き,市町村や関係機関・団体と一体となって,最大限の警戒感を持って,家畜伝染病の農場への侵入防止対策に万全を期してまいります。

スマート林業の推進については,木材生産の更なる効率化・低コスト化を図るため,販売価格が最大となるよう木の長さや太さを自動で判断し切断する「ICTハーベスタ」の普及に向けて,先月9日に実演・操作研修会を開催しました。
今後も,ICT等先端技術を活用した木材の効率的な生産管理などに取り組み,原木の安定供給体制の構築を図ってまいります。
県産材の利用拡大については,品質や性能の確かな「かごしまJAS材」等の需要獲得に向けて,今月,全国に事業展開する企業4社を訪問し商談を行いました。
今後も,CLTやJAS構造用製材などの木造建築物の部材4種類全てを九州で唯一揃えられる強みを活かし,関係団体と連携して,かごしま材の販路拡大に取り組んでまいります。

(観光の「稼ぐ力」の向上)
観光の振興については,香港線の欠航や新燃岳の噴火等に加え,8月の一連の大雨の影響を踏まえて,来月から来年2月までの間,県内での宿泊を伴う旅行に対し,宿泊代金の20パーセント,上限5,000円の割引助成を行う「南の宝箱 鹿児島 冬のあったか宿泊割キャンペーン」を実施することとしており,今月10日から予約販売を開始しております。キャンペーン期間中に約26万人泊分の旅行需要を喚起することとしており,県内外の多くの方々に利用していただきたいと考えております。また,県内の観光施設等を複数訪れた観光客を対象に,抽選で本県の特産品が当たるデジタルスタンプラリーを実施し,本県観光の周遊促進に取り組むこととしております。

クルーズ船については,先月までに県全体で163回の寄港があり,平成17年に国が全国的に統計を取り始めて以降,過去最高となりました。
これまで,鹿児島の自然景観や豊かな食のセールス,温かいおもてなしを行ってきたことが,クルーズ船社や観光客に評価されたものと考えております。
今後もクルーズ船の誘致に努め,寄港の継続及び新規の寄港増加を図ってまいります。また,クルーズ船による経済効果の県内各地への波及に向け,地元自治体や関係者と連携しながら,寄港地ツアーの広域化に取り組み,本県の観光の「稼ぐ力」の向上を図ってまいります。

鹿児島空港国際線については,先月26日から,大韓航空及びチェジュ航空によるソウル線がそれぞれ週7便に増便されたほか,今月21日から,イースター航空によるソウル線が週7便で再開されました。
7月から全便欠航となっている香港線については,観光需要や経済交流など,本県にとって重要な路線であることから,先月27日に,副知事が香港にある航空会社本社を訪問し,運航再開について意見交換を行いました。
また,鹿児島・香港交流会議を通じて,40年以上にわたり交流のある香港特別行政区政府や香港総商会,在香港日本国総領事館に対し,香港線の運航再開に向けて支援・協力をお願いしました。併せて,県内の市町村,観光関連事業者とともに,現地旅行会社を訪問して,官民合同セールスを行い,本県の魅力のPRや新たな旅行商品の造成を働きかけてまいりました。引き続き,あらゆる機会を通じて,航空会社をはじめとした関係機関への働きかけ等を行ってまいります。
国際定期便の拡充に当たって課題となっていた,グランドハンドリング体制については,既存の事業者において,県の採用支援事業等を活用し,積極的な採用活動等に取り組んだ結果,業務に従事する職員数は回復傾向にあります。さらに,先月には鴻池エアーホールディングが,新たに鹿児島空港へ参入し,国際線の受入体制の充実が図られております。こうした体制整備を踏まえ,県としては,既存路線の増便や新規路線の開設に向けた取組を更に推進してまいります。

国際交流の促進については,先月15日に,駐日ベトナム大使館との共催により,ファム・クアン・ヒエウ駐日ベトナム大使によるベトナムの経済や日本との協力関係に関する講演会を開催しました。また,ベトナムの農業人材の育成など,今後のベトナムとの交流について,ヒエウ大使と意見交換を行いました。引き続き,人的交流の促進など,ベトナムとの関係強化に取り組んでまいります。
今月3日には,鹿児島市日中友好協会創立40周年並びに鹿児島県日中友好協会創立20周年の記念式典等に参加し,来県された呉江浩中国駐日本特命全権大使をはじめとする中国関係者の方々に,本県の本格焼酎や県産和牛,カンパチ,かごしま茶をPRしました。
翌日にも,呉大使とお会いし,地域間交流の在り方など,今後の中国との交流について,意見交換を行いました。
その後,日中関係の情勢変化により,日本への渡航自粛の呼びかけや日本産水産物の事実上の輸入停止の動きが見られます。
中国からは本県にも多くの観光客の方に訪れていただいております。また,米国の関税措置による本県産品の輸出への影響が懸念されることから,輸出先の更なる多角化を図るため,水産物や県産和牛の中国市場への販路開拓の準備を進めていた中で,このような状況となっていることは非常に残念であります。
中国は,鹿児島にとって地理的,歴史的に深い繋がりがある地域でもあります。
県としては,特産品などの本県の魅力のPRや地域間交流の推進を図るなど,中国との関係強化に取り組んでまいりたいと考えており,日中関係が一日も早く改善されることを期待いたします。

「鹿児島県国際戦略(仮称)」については,関係団体・事業者へのヒアリング等により把握した本県と海外における人的・物的交流の現状や課題等を踏まえ,9月に骨子を取りまとめました。
その後,米国や中国,インドなどの現地日本大使館等へのヒアリングを重ねてきました。
それらの結果も参考にしながら,国・地域別の特性・ニーズ等を踏まえた今後の取組の方向性等を盛り込んだ素案を今議会にお示ししたいと考えております。
今後,県議会での御論議を頂き,本年度中の策定に向けて引き続き検討を進めてまいります。

(企業の「稼ぐ力」の向上)
企業立地の推進については,先月30日に,東京都において,本県進出企業と市町等とともに一体となって「企業立地懇話会」を開催し,私自ら,関東圏などに本社を置く企業85社に対して本県の優れた立地環境をPRしました。また,当日は,本県に立地する企業の代表者から,本県の事業環境の優位性等を紹介していただくとともに,併せて,鹿児島黒牛のステーキやウナギの蒲焼き,ブリ大根など,県内の食材を使用した料理や本格焼酎の提供を行い,本県の豊かな農畜水産物等の魅力を発信しました。
また,9月30日には,台湾の大手ベンチャーキャピタルなどにより,薩摩川内市に国内最大級のAIデータセンター群の立地の準備を行う会社の設立発表がありました。この他にも,本県へのデータセンター立地について,問合せを頂いております。
国は,電力インフラが整っている地方へのデータセンターの分散を推進するため,データセンター立地の有望な地域をGX戦略地域として選定し,必要な支援を実施することとしております。
県としては,このGX戦略地域の指定を目指すとともに,円滑なデータセンターの立地に向けて,市町村とも連携して取り組んでまいります。

宇宙関連産業については,九州地域における宇宙産業振興の機運を高め,宇宙ビジネスの裾野拡大を目指すため,先月16日に「九州宇宙ビジネスキャラバン2025鹿児島」を開催し,全国の宇宙関連企業,大学,自治体等から500名を超える関係者の参加がありました。同キャラバンでは,本県にゆかりのある宇宙飛行士の若田光一氏による講演をはじめ,射場を中心とした産業振興などについて,各分野で活躍されている専門家によるトークセッションが行われました。併せて,県内外の宇宙関連企業・研究機関等によるブース展示や交流会などを実施し,宇宙産業への参入を目指す県内企業との関係構築を図る機会となりました。
また,先月28日から31日に東京で開催されたアジア最大級の宇宙ビジネスイベント「NIHONBASHI SPACE WEEK2025」に,県と県内企業の共同ブースを出展し,県外の宇宙関連企業に向けて,県内企業の製品・技術のPRを行いました。
今後とも,県内企業の宇宙ビジネスへの参入支援や関連企業の誘致等に取り組み,本県における宇宙産業の振興を図ってまいります。

(多彩なキャリアをデザインできる働き方の創出)
若年者の県内就職については,県内企業等への就職の促進を図ることを目的として,本年3月に就職支援に関する協定を締結した鹿児島大学において,今月25日,主に1,2年生を対象に,県内で働くことの魅力を発信するキャリアデザインセミナーを開催しました。また,来月14日には,県内企業,大学,短大,専修学校等が出展し,展示や仕事体験,就職・進学相談を通して,県内で「学ぶこと」,「働くこと」の魅力を発信する進学・就職応援フェア「みらいワークかごしま」を開催することとしております。
UIターンについては,移住相談と連携して,本県での就職を希望する県外の方々を対象に,県庁内に設置しているふるさと人材相談室の相談員による出張相談などを行っており,今月15日,16日に東京の移住相談窓口で就職相談会を実施しました。
今後とも,関係機関と連携しながら,新規学卒者の県内就職やUIターンの促進に努めてまいります。

外国人材については,県内企業における外国人材の安定的な確保を図るため,先月15日に,有望な送り出し国として期待されているインドについて,最新の現地情報などを提供するセミナーを開催しました。同セミナーでは,インドのラムクマール在福岡総領事に御講演を頂いたほか,送り出し機関と県内企業との個別相談会を行いました。併せて,インドからの人材受入れや県産品の輸出など,今後のインドとの交流について,ラムクマール総領事と意見交換を行いました。
また,本県で就労予定の外国人材等の不安を解消するため,本県の地域の魅力や特色,生活環境などの情報をまとめた動画を作成し,10月から12月にかけてインドネシアの送り出し機関で研修中の外国人材を対象にこの動画を活用したオンライン授業を実施しております。
さらに,県内企業における外国人材の受入れ環境の向上を図るため,県内の企業2社を,外国人材が働きやすい職場づくりに取り組む優良企業として,9月25日に表彰しました。今後,受賞した優良企業の取組をまとめたデジタルパンフレット等を作成し,県内外に広く発信してまいります。
今月12日には,外国人材が安心して働くことができる環境の整備を図るため,外国人材を雇用している県内企業等を対象として,適正な労働条件の確保に関する説明や,県内における受入事例紹介など,外国人材の適切な雇用管理に関するセミナーを開催しました。
県としては,引き続き,外国人材の安定的な確保や受入れ環境の整備に取り組んでまいります。

本県の最低賃金については,今月1日から,これまでの953円から73円増の1,026円となり,全ての労働者に適用されております。
県では,企業の賃上げ環境の整備に向けて,製造業・サービス業における自動化・省力化や中小企業のDX化など,生産性向上等の取組を集中的に支援するとともに,円滑な価格転嫁を促進するため,企業間で望ましい取引慣行の遵守等に取り組む「パートナーシップ構築宣言」企業の拡大やセミナーの開催等に取り組んでおります。
引き続き,県内中小企業の状況を注視しつつ,国の総合経済対策も踏まえて,必要な対応を講じてまいります。

(デジタルテクノロジーを活用した県民の暮らしの質の向上)
デジタル化の推進に向けては,県内の各地域が直面する課題を,デジタル技術の活用により解決する優れた取組等を表彰する「鹿児島Digi-1グランプリ2025」を開催しました。民間企業や自治体等から52件の応募があり,審査の結果,今月16日に,3部門9件の表彰を行いました。これらの取組については,ホームページやSNSなどを通じて,県民の皆様に広く周知してまいります。
中小企業のデジタル化については,DXによる競争力向上等を図るため,取引データの一元管理や顧客情報の分析を行うデジタル技術の導入等を行う県内企業の93件の取組に対する支援を行うこととしております。
引き続き,県民の暮らしの質の向上や県内産業の稼ぐ力の向上に資するデジタル化の推進を図ってまいります。

行政のデジタル化については,県民の利便性の更なる向上を図るため,収入証紙を用いた手数料等の納付において,令和8年4月から電子マネーやクレジットカード等に対応したキャッシュレス決済を導入します。これに伴い,現行の収入証紙制度については,令和9年3月末をもって廃止することとしております。
今後,収入証紙制度の廃止後の新たな取扱いについて,県民や関係者への周知に努めてまいります。

(持続可能な行財政運営)
地域振興局・支庁庁舎の再整備については,南薩地域振興局庁舎について,令和10年度はじめ頃の供用開始を目指して,引き続き,実施設計を行っております。
また,大島支庁庁舎について,先月8日から今月12日にかけて,地元市町村から本庁舎の具体的な整備候補地の提案を募集し,奄美市から現在の本庁舎敷地を整備候補地とする提案を頂きました。
今後,頂いた提案の内容について,令和5年8月に示した「地域振興局・支庁庁舎の再整備の考え方」に基づき,管内市町村の人口や公的機関の集積,交通事情,安全性などを勘案し,実現可能性を検討するとともに,駐在機関等についても,区域の特性等を勘案しつつ,その役割を検証の上,統合・再編の検討を行ってまいります。

「知事とのふれあい対話」については,今月8日に,観光の「稼ぐ力」の向上をテーマとして与論町の皆様と意見交換を行い,鹿児島県と沖縄県との観光における更なる連携や,持続可能な観光地域づくりの推進の重要性などについての御意見を頂きました。
また,大雨の影響により開催を延期しておりました,日置市・いちき串木野市の皆様との意見交換については,来月13日に開催することとしております。また,大崎町・東串良町の皆様との意見交換については,年明け1月12日の開催を予定しております。
今後も,県内各地域において順次開催し,県民との対話を通じて,県民の皆様の声を県政に反映するとともに,透明で開かれた県政運営を行ってまいります。
県議会の皆様方をはじめ,県民の皆様方の御理解と一層の御支援を心からお願い申し上げます。

次に,補正予算の概要について御説明申し上げます。
今回の補正予算は,8月の大雨等による被害に対する災害復旧事業等に要する経費のほか,県人事委員会の勧告を受けた職員の給与改定に要する経費等を計上しております。
補正予算の総額は,一般会計で195億76百万円であり,この結果,補正後の一般会計の予算額は,8,875億36百万円となっております。この財源については,地方交付税,国庫支出金,繰越金などをもって充てることとしております。
特別会計の補正予算額は,病院事業特別会計の4億62百万円などとなっております。
また,県有施設の指定管理者の更新に伴う債務負担行為を70億4千万円,公共事業及び県単公共事業の発注・施工時期の平準化等を図るための債務負担行為を74億28百万円計上しております。
このほか,予算外の議案として,「鹿児島県職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例制定の件」など,条例案16件,その他の議案23件,報告2件となっております。
何とぞよろしく御審議の上,議決していただきますようお願い申し上げます。

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