べっ甲釉酒注(平佐系)

平佐焼の歴史は,1776年,川内平佐の今井儀右衛門は,天草石を購入し,出水の脇本に窯を築き染付白磁を焼いたことにはじまるが,長続きしなかった。その後,1786年伊地知団右衛門は,平佐領主北郷家の援助を受け平佐皿山に北郷窯を築いて磁器を焼いた。1810年には,平佐大窯が築かれ盛況を呈した。また,1848年には平佐新窯で長与焼の技術を導入し独特の平佐べっ甲が焼かれた。この作品は,うみがめの一種である「たいまい」の甲らから作られる鼈甲に似ているところからこの名がつけられているが,その素地,釉の流れのすばらしさと共に鋭くのびた注ぎ口,胴,取っ手とバランスのとれた姿が美しい酒器である。
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