更新日:2024年7月4日
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犬の飼い主が,必ず守らなければならない法律が「狂犬病予防法」です。
この法律により,生後91日齢以上の全ての飼い犬は,生涯1回の犬の登録と毎年1回の狂犬病予防注射を必ず受けさせなくてはなりません。また,市町村から交付される登録時の鑑札と狂犬病予防注射接種時の注射済票を犬に必ず装着するよう決められています。
恐ろしい病気である狂犬病が再び日本国内で流行しないように,犬の飼い主は責任をもって毎年狂犬病予防注射を受けさせましょう。
放し飼いは論外ですが,ただ係留していればいいわけではありません。周囲に通行人がいないか安全面での配慮が必要です。また,犬小屋の場所は適切ですか?犬が暑さ寒さをしのぎやすい場所を選ぶと共に,近隣に吠え声や臭いで迷惑がかからないような場所を考えましょう。さらに犬小屋周辺は犬が健康に気持ちよく過ごせるように常に清潔に保ちましょう。梅雨時は手入れを怠ると不衛生になりがちです。
首輪が抜けたり,チェーンが切れたり,気づいたら愛犬が家からいなくなっている・・・,
放れて迷子の犬はご近所の方,警察,保健所で保護されている可能性があります。しかし多くの犬には所有者を示す名札がなく家に帰ることができません。
保護された時,我が家に帰れるよう電話番号などを記した名札を付けてあげましょう。
狂犬病予防法では鑑札や狂犬病予防注射の注射済票を犬に装着することが定められています。刻印された番号から犬の所有者がわかり連絡をすることができます。名札代わりにもなる鑑札と注射済票は必ず装着しましょう。
体内に埋め込む「マイクロチップ」は外すことができない確実な身元証明です。保健所または動物病院にご相談ください。
犬は約10ヶ月で成熟を迎え繁殖が可能になります。
繁殖を防ぐには不妊,去勢手術が最も有効な手段です。
不妊手術や去勢手術などの繁殖制限にはたくさんのメリットがあり,飼い主との落ち着いた健康的な生活を楽しめるようになります。
メリット1:生まれたけどもらい手がつかない・・・という不幸が起こりません。
メリット2:発情期の鳴き声や騒動が起こりません。
メリット3:シーズン中の逃亡がなくなり,交通事故やけんかによる怪我などを回避できます。
メリット4:オスは前立腺癌,前立腺肥大,メスは子宮蓄膿症,乳腺癌などの病気を低減できます。
メリット5:オスは攻撃性が減り,温厚な性格になります。
犬や猫は自分の意志で繁殖のコントロールをすることができません。ペットがより幸せな生涯を送れるよう,飼い主が責任を持って不妊・去勢手術をしてあげましょう。
愛情を持って命を終えるまで大事に飼いましょう。
体の大きな大型犬や闘犬等を目的として品種改良した犬等については,人へ危害を加えた際に重大な事故に発展する可能性が高いため,飼養の際には以下の点に注意してください。
吠える・咬むなどの問題行動のない犬,人に友好的な性質の犬に育てるには,3ヶ月齢までの社会化期が必要です。
この時期に母犬にやさしくたしなめられたり兄弟犬とじゃれあいながら育つことで,咬んだら痛いことなど犬同士の様々なルールを学びます。そしていろんな人と触れ合いかわいがられ,人に対する友好的な気持ちを学びます。また,生涯で出会う可能性のある様々な物や環境(子ども,老人,猫,他の犬,傘を持った人,コートを着た人,玄関のチャイム,雷,体のお手入れ)に慣れさせることで,物怖じしない社交的な性格に育ちます。
また,3ヶ月を過ぎても生涯学ぶことはできるのでいろいろな刺激を体験させ,しつけを継続することが大切です。
人間の食べ物でも,犬には害を及ぼす場合があります。
タマネギやチョコレートなどは犬に食べさせないようにしましょう。
詳しくは,「飼い主のためのペットフードガイドライン」(外部サイトへリンク)
健康管理と安全確保の観点から,室内飼いは有効な飼い方です。しかし,室内飼いにすることにより,人の生活と動物の距離が近づくことによる弊害も起こり得ますので,下記事項について注意しましょう。
詳しくは,環境省「住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン」(外部サイトへリンク)
狂犬病の発生状況
国内では昭和31年を最後に動物での発生は認められていません。
人での発症は,1970年ネパールを旅行中の日本人が現地で狂犬病に感染し,帰国後に発症し死亡しました。それ以降は2006年フィリピンで犬に咬まれた日本人2名が帰国後に発症し死亡しています。
WHOによると,世界では毎年およそ5万5千人が狂犬病で死亡していて,その半数以上がアジア地域であると言われています。
2013年には今まで狂犬病の発生がないと思われていた台湾で,野生動物や犬での狂犬病発生が確認されました。
アジア地域での狂犬病清浄国は唯一日本だけとなりました。
感染と発症
狂犬病ウイルスは唾液中に多く存在し,狂犬病にかかった動物に咬まれることによって感染します。狂犬病は感染(咬まれて)から発症するまでの潜伏期間がたいへん長く数週間から数ヶ月にもおよびます。咬まれてすぐには症状が出ないため感染したことに気づかず,しかし発症したらほぼ100%死亡する恐ろしい病気です。狂犬病の汚染国では咬まれた直後から狂犬病のワクチンを複数回接種することで,発症の危険を低減しています。
予防
国内で狂犬病が蔓延
しないために,日本ではすべての飼い犬に狂犬病予防注射を受けさせることが「狂犬病予防法」で定められています。また接種した犬には狂犬病予防注射の済票を装着することが定められています。
参考:狂犬病について(厚生労働省ホームページ)(外部サイトへリンク)
国内で犬に咬まれた場合
・流水と石けんで傷口をよく洗って,医療機関を受診してください。
・最寄りの保健所に咬傷事故を届け出てください。
海外(狂犬病発生地域)で犬に咬まれた場合
・流水と石けんで傷口をよく洗うとともに,すぐに現地医療機関を受診してください。
・現地医療機関への受診の有無にかかわらず帰国後に検疫所(健康相談室)に相談してください。
・渡航中に動物と不用意に触れ合わないでください。
・受傷原因動物が狂犬病に感染していても,発症予防措置としてできるだけ早く暴露後ワクチン接種を開始することで,発症を抑えることができます。世界で毎年1,000万人が暴露後ワクチン接種を受けています。
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