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更新日:2022年6月1日

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屋久島会場・分科会

開会行事から明けて5月19日午前中は、三会場に分かれて分科会が行われた。各分科会は、海外参加者と日本側専門家との共同議長形式で行われた。各会場には屋久島の全中学校・高等学校の生徒も参加し、熱心に耳を傾けていた。また、第3分科会では、子どもたちの代表5名(青森県・秋田県と屋久島の中高校生)も発表を行った。

日時
平成12年5月19日(金曜日)9時00分-12時00分

内容
第1分科会
場所:屋久島離島開発総合センター
テーマ:世界自然遺産の保全

第2分科会
場所:屋久島環境文化村センター
テーマ:世界自然遺産を生かした地域づくり

第3分科会
場所:屋久町体育館
テーマ:子どもたちと世界自然遺産

第1分科会

第1分科会は、屋久島離島開発総合センターにおいて、「世界自然遺産の保全」をテーマに開催され、屋久島高等学校の生徒を含む約250名が参加した。会場では、上屋久町立宮浦小学校の児童による歓迎の合唱も行われた。

各自治体からは、それぞれの世界自然遺産地域の保全策について発表があり、その保全については遺産地域の外も含めた全体的な視点が必要なことや、地域の人々の意識を高めることが重要であるとの指摘があった。

議論では、増加する観光客への対応が取り上げられ、各自治体それぞれの取組みが発表されるとともに、屋久島のヤクスギランドについて「自然遺産地域に入らなくても観光客が世界自然遺産を体験できるようなシステムを実現している」と評価する声があった。また、「自然遺産をどのくらい観光客に開放するかが大事であり、観光客の受け入れは地域社会の意思決定が重要である」との主張もあった。

この外、移入種への対応についても議論が行われ、問題になっている事例と対応策が発表され、更には、遺産地域への入域料についても議論がなされた。
第1分科会出席者
座長 田川日出夫(鹿児島県立短期大学長)
アラン・ウィリアムズ(オーストラリア・クイーンズランド州公園・野生生物局企画研究課長代行)
アドバイザー レス・モロイ(国際自然保護連合・世界保護地域委員会委員)
発表者 ルオ・ジャミン(中国・四川省楽山市政府秘書長)
パワン・クマール(インド・ウッタープラデッシュ州森林省森林保護官)
ドゥドゥ・ペーダタ(インドネシア・西ジャワ州環境影響管理局長)
内山一(青森県自然保護課総括主幹)
ネベル・ピート(ニュージーランド・オタゴ地域評議員)
ウェアチャイ・ナクイブンウォン(タイ・ウタイタニ県森林地域保全開発統合プロジェクト・ファイカケン担当管理官)
アラン・ウィリアムズ(オーストラリア・クイーンズランド州公園・野生生物局企画研究課長代行)(再掲)

第2分科会

第2分科会は、屋久島環境文化村センターにおいて、「世界自然遺産を生かした地域づくり」をテーマに開催され、屋久島高校の生徒を含む約250名が参加した。

各自治体からは、それぞれの取り組んでいる地域づくりについて発表があり、世界自然遺産の保全に役立つ持続可能な開発は、住民の参加なくしては達成できないという意見が多く出された。同時に、地域住民への環境教育が大事であることも指摘された。

議論の中では、「遺産地域の観光は外貨獲得の一つの手段にもなっているが、観光客によって多くの資源が消費されている」といった報告がなされるなど、自然保護と観光のバランスの難しさが浮き彫りになった。また、遺産地域のより良い保全のためには、地域住民への啓蒙活動や情報提供が重要であるといった主張がなされた。

さらに、会場との質疑で、観光客が持ちこむはゴミ問題の解決策としての保証金制度の提案や、保全活動に対する財政支援についての現状説明などが行われた。
第2分科会参加者
座長 石田尾博夫(第一工業大学教授)
バージニア・カテイン(フィリピン・パラワン州持続可能な開発委員会地域担当課長)
発表者 黒木丞(秋田県自然保護課長)
アニエル・チトラッカ(ネパール・カトマンズ市都市計画委員会委員(遺産・国際関係担当))
ドリー・タイカ(ソロモン諸島・レンネルベロナ州環境大臣)
アソカ・ジェヤワディナ(スリランカ・サバラガムワ州地方自治・環境・青少年・スポーツ・観光大臣)
ブンニ・ルングルーグサクル(タイ・カンチャナブリ県森林局森林拡張開発課長)
エドウィン・ペティーズ(アメリカ・ハワイ州土地天然資源局森林野生生物課カウアイ島管理官)
グエン・ヴァン・トゥアン(ベトナム・クァンニン省ハーロン湾管理部長)
バージニア・カテイン(フィリピン・パラワン州持続可能な開発委員会地域担当課長)(再掲)

第3分科会

第3分科会は、屋久町体育館において、「子どもたちと世界自然遺産」をテーマに開催され、屋久島の全中学校と屋久島高校の生徒を含む約1,000名が参加した。会場内には、子どもたちの環境問題に対する取組みや、海外の遺産地域との交流の成果なども展示された。

各自治体からは、世界自然遺産の保全活動に子どもたちをどう参加させ、子どもたちに自然保護の重要性をどう教えるかということなどについての発表があった。

子どもたちからは、自然の体験や酸性雨調査、ゴミ問題などの身近な環境問題に取り組んだ事例が報告され、自然保護を学ぶには実際に体験することが大事であるということが明らかになった。また、屋久島の生徒が発表したインターネットによる遺産地域間交流が注目を集めた。

議論は、さらに文化まで話が及び、「前の世代の地域が次の世代に受け継がれるように、地域のアイデンティティが失われないようにすべきだ」などの意見が出された。
第3分科会出席者
座長 浜本奈鼓(くすの木自然館副館長)
ナタラヤン・イシュワラン(ユネスコ世界遺産センター自然遺産首席企画官)
アドバイザー ハン・クアンリ(ユネスコ・ジャカルタ事務所環境科学専門官)
ナタラヤン・イシュワラン(ユネスコ世界遺産センター自然遺産首席企画官)(再掲)
発表者 ロス・オーシェー(オーストラリア・ニューサウスウェールズ州地域調整官)
サイエッド・ムシュタック(バングラデシュ・環境森林省事務次官補)
ヒマンシュ・サカー・ダス(インド・アッサム州文化・企画開発局長)
エストン・フォネー(インドネシア・東ヌサテンガラ州地方開発計画局長)
牛ノ濱道久(鹿児島県環境生活部長)
マイケル・ロス(ニュージーランド・サウスランド地区首席行政官)
石岡沙野(青森県・鯵ヶ沢町立鯵ヶ沢第ニ中学校3年生)
夏井将俊(秋田県・藤里中学校2年生)
永野真理美(上屋久町立宮浦中学校2年生)
市橋真紀子(屋久町立岳南中学校2年生)
岩川志津乃(鹿児島県立屋久島高等学校3年生)

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