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更新日:2021年5月20日

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令和3年度県指定文化財の新指定について

令和3年4月23日付けで,次の4件が鹿児島県指定の文化財となりました。

門之浦伝来絵幕(かどのうらでんらいえまく)

種類:有形文化財(絵画)

所在地:ミュージアム知覧

所有者:南九州市

特徴等

絵幕とは氏神祭り等の神事の際に,壁に掛けて用いられた絵巻物を指すものです。門之浦伝来絵幕は幅37.4cm,全長は9m11cmもあり,15の場面に分けられた内容の物語が描かれています。室町時代の「素朴絵(そぼくえ)」に似ており犬追物(いぬおうもの)や流鏑馬(やぶさめ)など中世の武士の様子が描かれているほか,義経記(ぎけいき)や物語(そがものがたり)などを題材にした場面もあります。戦国時代の頃に描かれたものであることが分かっており,牛若丸と弁慶,犬追物の様子を描いたものとしては最古のものではないかともいわれています。近年評価が高まっている室町時代の素朴絵が,地方にどのように伝わり受け入れられたかを示すものとして貴重な文化財です。

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出水貝塚出土品(いずみかいづかしゅつどひん)

種類:有形文化財(考古資料)

所在地:鹿児島県立埋蔵文化財センター,鹿児島女子短期大学,埋蔵文化財作業室・収蔵室(出水市)

所有者:鹿児島県,出水市

特徴等

出水貝塚では,大正9年から平成10年までの間に計6回の発掘調査が行われました。縄文時代早期,中期~後期の遺物が出土しており,出水式土器の標式遺跡となっています。縄文時代早期の層からは押型文(おしがたもん)土器がまとまって出土したほか,縄文時代中期~後期の層からは高(あたか)式土器や寺(なんぷくじ)式土器・出水式土器・市来式土器などが出土しました。そのほか,石器・貝製品・骨角器も出土しています。中でも転用したと考えられる石製垂飾品は再利用の例として重要です。また,縄文時代の人骨も出土しています。出水貝塚出土品は,縄文早期及び中期~後期の九州における文化などを考える上で貴重な文化財です。

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サキシマヌマエビ

種類:天然記念物

所在地:地域定めず

特徴等

サキシマヌマエビは,体長20~30mmで,県内では喜界島,沖永良部島及び与論島で生息が確認されています。主な生息場所は,泉や湧水池などで,洞窟内にも生息しています。限定された場所に生息していることから,エビ類の進化や種分化を研究する上でとても重要です。また,鹿児島県が分布の北限であることから,喜界島のサキシマヌマエビは地理的な分布を考える上でも貴重なものです。なお,平成18年11月17日には,鹿児島県指定希少野生動植物にも指定されています。

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大隅石(オオスミライト)標本(おおすみいしオオスミライトひょうほん)

種類:天然記念物

所在地:鹿児島県立博物館

所有者:鹿児島県

特徴等

姶良カルデラの外輪山周辺に分布する流紋岩(噴出年代4万年~3万年前)の割れ目などに黒っぽい2~3mmの大きさの鉱物が見つかることがあります。この鉱物は,桜島と大隅半島の付け根の部分である垂水市早崎において世界で最初に発見されたことから,「大隅石(オオスミライト)」と命名されました。「おおすみ」の名前が付けられ登録された貴重な鉱物です。大規模な火砕流が起こった姶良カルデラの最後の噴火は約2万9千年前とされており,それよりも前に噴出した流紋岩に含まれる「大隅石(オオスミライト)」は,カルデラ形成を伴う大噴火のメカニズムを解明する上でも極めて貴重な文化財です。

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