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更新日:2022年6月1日

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第5号日本語要約版

鹿児島県環境保護課

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記事1(屋久島世界遺産登録10周年記念シンポジウム開催)

ごあいさつ鹿児島県知事須賀龍郎

屋久島は,黒潮の流れがもたらす豊富な雨や温暖な気候と標高差により,亜熱帯から冷温帯までの多様な植生の垂直分布がみられ,特に樹齢数千年に及ぶヤクスギなどの巨木群が特徴的であることなどから,平成5年12月,白神山地(青森県,秋田県)とともに我が国初の世界自然遺産に登録されました。今年で登録10周年を迎えますことから,記念事業としてシンポジウムを開催することといたしました。島内外から御参加いただきます皆様を心から歓迎いたします。
屋久島においては,自然環境の保全を図るとともに人と自然が共生する屋久島ならではの個性的な地域づくりの試みである「屋久島環境文化村構想」を推進しており,今後更に関係機関と密接な連携を取りながら,自然環境の保全や環境学習の充実,エコツーリズムなどによる観光振興などを図り,個性的な地域づくりに向けた取組を推進してまいりたいと考えております。
世界自然遺産登録後のこの10年間をみますと,屋久島への入り込み客数は増加し,地元経済の活性化など経済的には好ましい変化が起きておりますが,一方では山岳地域におけるオーバーユースによる自然への影響が懸念されております。
本シンポジウムは,このようなことを踏まえ,これからの屋久島の取り組むべき課題について具体的方向性を見いだすことを目的としております。このシンポジウムの開催によって,世界自然遺産屋久島への関心が高まり,その保全とそれを生かした地域づくりが更に推進されることを念願しております。終わりに,開催に当たりまして,御尽力を賜りました関係の皆様に厚くお礼を申し上げます。

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記事2(屋久島NOW)上屋久町体験的環境学習推進事業報告

屋久島では,県内で唯一,島内の高校(屋久島高校)に環境コースが設置され,専門的な環境学習が学べるようになっているが,環境教育の実践が進むにつれ,地域ぐるみの環境学習のシステムが構築されていないことによる地域内の連携不足,世代間交流の不足という課題が指摘されている。また,教材や指導者も不足していることなどが認識されるようになってきた。こうした問題に対処するため,上屋久町では環境省からの委託を受け「体験的環境学習推進事業」を実施した。

●実施事業の内容

☆高校生環境研修会

・高校生がリーダーとしての役割を学び,環境問題の現状や環境学習,環境保全の取り組みの必要性を認識し,今後の個別事業における主体的な参加につなげる。

☆屋久島フィールドワーク講座

・屋久島の自然をフィールドに,現地調査を行ってきた研究者を講師に迎え,フィールドワークの基礎を体験する。この講座に高校生が参加することにより,屋久島の自然環境や生活環境についての認識を深め,研究手法などを習得する機会を得る。

☆地域交流会

・この地域交流会では,高校生,住民,事業者代表等世代も立場も違う人間が,地域の環境問題について再認識し,問題解決に向けたアイデアを提言・具体化することを目的とする。

☆環境リーダー実践研修

・これまで高校生が学んだ成果を小中学校等の現場において発揮してもらうことにより,本年度実施した体験的環境学習事業の検証を行い,併せて環境リーダーとしての意識向上に寄与する。

記事3(屋久島世界自然遺産登録10周年記念事業実施計画)

1.趣旨
屋久島が日本初の世界自然遺産として登録(平成5年12月)されてから10年を経過するという節目にあたり,屋久島の自然環境の保全をテーマとしたシンポジウムを開催し,これまでの取組の評価及びこれからの取組(特に地元の取組)についての提言等を得る機会とする。

2.シンポジウム開催日程等

期日:平成15年10月28日(火曜日)及び29日(水曜日)
会場:屋久島離島開発総合センター(鹿児島県上屋久町宮之浦)
 
時間(分) 項目 内容

28
17時30分~18時00分
18時00分~19時00分
19時00分~20時00分
20時10分~
30
60
60
開会とあいさつ
基調報告
基調講演
交流会
主催,来賓あいさつ,アトラクション
小・中学生,高校生,青年団立松和平氏

29
9時00分~16時00分
17時00分~19時30分
19時30分~20時00分
20時00分~20時05分

150
30
5
見学会等
パネルディスカッション
総括セッション
閉会
エコツアー体験等


3.基調講演者:立松和平氏(作家)

4.基調報告者:テーマ:「世界自然遺産と屋久島の将来像」
○小・中学生:やくしまエコ・キッズのメンバー○高校生:屋久島高校環境コース生徒○青年団:上屋久町,屋久町青年団

5.パネルディスカッション:テーマ:「エコツーリズムと環境キップ制度」
○コーディネーター・日下田紀三氏(屋久町立屋久杉自然館長)
○パネリスト・大山勇作氏(屋久島野生植物研究所主宰,屋久島環境文化財団特別顧問),岡田愛氏(女性ガイド,屋久島野外活動総合センター),小澤紀美子氏(東京学芸大,環境教育),加藤峰夫氏(横浜国立大学,自然環境法),兵頭昌明氏(「屋久島島人会議21」代表),宝珠山恭子氏(独立行政法人国立青年の家国立赤城青年の家専門職員)

6実施主体:屋久島世界自然遺産登録10周年記念事業実行委員会

(構成:上屋久町,屋久町,(財)屋久島環境文化財団及び鹿児島県)

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記事4(「世界自然遺産会議」参加地域遺産コーナー・・・バングラデシュ国「ジュンダバンス」)

前号では,バングラデシュにおける唯一の世界自然遺産地域,「シュンダバンス」の概要などについて説明した。今号では,エコツーリズムのスポットと遺産地域の現況と問題点について概説する。

1.エコツーリズム

シュンダバンスは荘厳な美しさ,豊富な生物多様性と静けさから,バングラデシュのエベレストと言われています。シュンダバンスの森全体からは,さまざまな方面で学ぶことができ,楽しむこともできます。シュンダバンスの主なエコツーリズムのスポットは世界遺産地域にあり,観光客や訪問者を楽しませてくれています。以下にその場所を紹介します。Katka:Katkaは心を引きつける静かな島で,シュンダバンスの北西部ベンガル湾の堺に位置しています。
Kachikhali:Kachikhaliは,ベンガルトラにとって歩きまわたっり繁殖場としては最も安全な場所であるため,「タイガー・ポイント」としても知られています。Nilkamal:Nilkamalはベンガル湾のすぐそばにある美しい場所です。世界遺産の指定を受けたことで,Nilkamalの有名な場所であるHironPointの存在が明らかになりました。
DublarChar:DublarCharは,冬の時期である11月2月にかけて,乾燥魚で知られている島です。ここは,11月末に行われる“Rashmela”というヒンズー教の宗教的祭りでも有名です。

2.現況

シュンダバンスは国土の営利用森林の全面積の45%にあたり,森林関連の収入の約半分を生み出している。主要な伐採事業は1989年に自然林の伐採を禁じて依頼,中止しているが,5~6万人が常時約6ヶ月間連続して勤務し,年間に少量の林産物や漁業のためにシュンダバンス内の森に入る人の数は350万人近くに及んでいる。このうち,約2万5千人は魚の乾燥を仕事としており,20万人はエビの稚魚をシュンダバンス近辺の川や入江で集めている。約250万人の人がシュンダバンス周辺の村に住んでおり,シュンダバンス境界線の20km以内には314万人の人々が住んでいます。主な林産品は材木(立ち枯れあるいは,不法伐採時に押収されたもの),薪材,屋根葺き材料,新聞用原材料,ハチミツや蜜蝋,魚や蟹,エビの稚魚およびその他の燃料用木材など。漁業は森の非木材部分としては最も重要な部分であり,バングラデシュの水産物の全体の5%を占めています。1994年の調査によると,シュンダバンスの水産業は,2億990万US$/kmと推定され,この地域の魚の貯蔵量は2.9~3.7ton/kmと推定されています。

3.シュンダバンス世界遺産地域の問題点

シュンダバンスは100年以上も科学的な管理をしている。今までのところシュンダバンスでは,主に植物資源の管理を行ってきていますが,規制は適切とはいえなかった。野生生物などの生態系の面では,漁業,観光,生物多様性の保護,周辺の住民の社会経済的面などが考慮されておりません。世界遺産地域への指定の後は,遺産地域におけるすべての商業活動が禁止されたにもかかわらず,世界遺産地域を実際に管理し,保護し,開発する,解決すべき問題はたくさんある。そのような問題として,遺産地域の保護への地域社会の意識の低さ,遺産地域を違法な伐採や密漁から守るための人材や基金の不足,また,同時に遺産地域の管理や保全をするための適法な書類の不足もあげられる。世界遺産地域の管理能力を改善するための必要な手段を常に強化し,施行していかなければならない。

原稿執筆者
Md.AbdulLatif
DFO,MymensinghforestDivision

記事5(編集後記)

屋久島が,日本国で初めて世界自然遺産に登録されて10周年が経過した今年,3月から5月にかけて,日本国においては,日本国としての次の「世界自然遺産候補地」の選定を行いました。その結果,3ケ所が選定されましたが,その中に,鹿児島県の奄美群島を含む琉球列島がある。

次号では,この件について詳細にお伝えする。

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