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更新日:2022年6月1日

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第3号日本語要約版

鹿児島県環境保護課

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記事1(屋久島環境文化村構想と屋久島環境文化財団)

1.屋久島環境文化村構想

屋久島環境文化村構想は,平成2年6月鹿児島県が県政運営の指針となる県総合基本計画の戦略プロジェクトのひとつとして立案,世界自然遺産に登録される前年の平成4年11月,そのマスタープランを発表した。この構想は,屋久島の優れた自然の中で何千年にもわたって歴史的に積み重ねられてきた屋久島特有の生活文化を手がかりとして,屋久島らしい個性的な新しい地域づくりを進めるもので,その屋久島環境文化村構想を推進する中心的な組織として,屋久島環境文化財団が平成5年に設立された。

2.屋久島環境文化財団

屋久島環境文化財団は,屋久島環境文化村構想を推進する中心的な組織として,平成5年3月に鹿児島県・上屋久町・屋久町の出捐により設立された財団法人である。財団の行う主な事業は,

1「環境学習事業」2「環境保全支援等事業」3「自然保護事業」4「文化事業」5「地域づくり支援事業」6「屋久島環境文化村中核施設管理運営等事業」
 
連絡先〒891-4205鹿児島県熊毛郡上屋久町宮之浦823-1財団法人屋久島環境文化財団

tel09974-2-2911FAX09974-9-1018http://www.yakushima.or.jp

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記事2(屋久島百選)

日本には自然などのすばらしい物を、団体や協会などで選定した「百選」がある。屋久島でも、普段何気なく目にしている自然が百選に選ばれている。来島された際にちょっと立ち寄られたらいかがか。

名水百選A屋久島宮之浦岳流水水源の森百選A宮之浦岳国有林
九州の名水百選B淀川源流の水日本百名谷C宮之浦川
日本の重要湿地C屋久島(宮之浦川),D一湊川のカワゴケソウ類自生地,E屋久島西部海岸,F屋久島栗生塚崎,G栗生川,H屋久島花之江川周辺
日本の滝百選I大川の滝残したい日本の音風景百選J千頭川の渓流とトロッコ
森の巨人たち百選K縄文杉,L弥生杉,M紀元杉
かおり風景百選屋久島の照葉樹林と鯖節森林浴の森百選屋久杉林
日本の自然百選屋久島の自然林,照葉樹林とヤクスギ日本百名山Q宮之浦岳
女性のための百名山Q宮之浦岳九州百名山Q宮之浦岳新かごしま百景R白谷雲水峡,S千尋滝,T永田集落といなか浜

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記事3(屋久島NOW-第3回高校生自然環境サミット)

全国の高校生が「自然との共生」をメインテーマとして,自然との豊かなふれあいを体験し,自然と人間との関わりについて考える「第3回高校生自然環境サミット」が7月31日から3日間屋久島で開催された。このサミットは2000年に群馬県尾瀬高校で始まったものである。

(第1日目)

サミット初日には,アルピニストの野口健氏による基調講演の後,屋久島環境文化村センターの見学,地元の屋久島高校環境コースの生徒による屋久島の自然保護の紹介などを行い,夕べの集いでは親睦を深めた。

(第2日目)

ヤクスギランドから太忠岳への登山を行った。参加者は登山を通して屋久島の自然を体感し,太忠岳頂上までたどり着いた達成感と雄大な景観に感動を覚えた。登山の後,屋久島在住の兵藤昌明氏から屋久島が世界自然遺産となっていることの意味や自然保護の基本理念などについて講話があった。

(3日目)

最終日は代表5校が日頃の研究成果の発表を行い,それぞれの地域のおかれている実状や問題点に鋭く向かい合い,高校生らしい斬新な考え方を提起していた。

屋久島のすばらしい自然環境を舞台に自然の逞しさや優しさを体験し,自然環境を次世代に継承していくことや自然と人間との関わりについて高校生が積極的に意見交換を行い,意識の高揚が図られたことは大変有意義なことである。第4回サミットは北海道標茶高校において開催される。次回もまた次世代を担う高校生の取組に期待したい。

記事4(「世界自然遺産会議」参加地域遺産コーナー・・・インドネシア国「東ヌサテンガラ」)

東ヌサテンガラ自然遺産の概要

東ヌサテンガラはインドネシアの州のひとつで、566の島があり、そのうち約42の島が有人島。コモドオオトカゲ(Varanuskomodoensis)が見つかったコモド国立公園で有名なフローレス島、天然の風変わりな3色の湖で知られているケリムツ国立公園、17島海洋自然リクリエーション公園、チモールにあるムティス・チマウ自然保護区などが主なところである。

コモド国立公園

コモド国立公園は、世界自然遺産です。スンバワ島とフローレス島の間にあり、この公園のいちばん有名な住人はコモドオオトカゲ(Varanuskomodoensis)である。地球上で最大の爬虫類で,地元では「オーラ」として知られており、長さ3m、体重90kgまで大きくなることができる。また、国立公園では、広いサンゴ礁地域の保護もしている。

ケリムツ国立公園

この公園はフローレス島の南央部にあり、特筆すべき点は1690メートルのケリムツ山の峰に3色の火口湖があるということである。それぞれの湖の色が火山活動のために異なっていて、周期的にその色が変化する。これらの湖は地元の人々にとって文化的な意味合いを持っており、精神的な重要性にちなんだ名称がついている。チウ・アタ・ムブプは老人の魂の湖で、チウ・ヌワ・ムリ・クー・ファイは若者の魂の湖、そして、チウ・アタ・ポロは地元の占い師の魂の湖である。しかし、森林伐採や砂の採掘といった活動のため、その周辺の地域社会では環境管理という点で、地元政府にとっては重大な問題が起こっている。

17島海洋自然リクリエーション公園

この海洋公園の地上部分はフローレス島にある。ここでは、小区画のサンゴやとても多様性に富んだ海の魚、そして広大なマングローブの森を保護している。17島のうちの1つであるオントロー島にはオオコウモリ(Pteropsusveropirus)のコロニーが、島の北側にある草丈の高いマングローブにたくさんある。

17島海洋自然リクリエーション公園は典型的な乾燥森(ドライフォーレスト)で、植生は、アーモンドの木(Terminaliacattapa)、スペード(Hibiscustiliacius)、パンダーヌス(Pandanustectonia)、チーク(Tectonagrandis)、炭用の収穫の多い木材(Schleicheraoleosa)、ビャクダン(Santalumalbum)、シナモン(Mangiveraindica)、タマリンド(Tamarindusindica)などがある。ここで見られる動物はコモドオオトカゲ(Varanuskomodoensis)、ヤマアラシ(Zaglossussp),サル(Macacasp)、オオジャコウネコ(Paradoxurushaemaproditus)、デカス(Phalanger,sp)、モニタートカゲ(Varanustimorensis)、ヤケイ(Gallussp)、ワニ(Crocodylusporosus)、そしてさまざまな鳥類のワシ(Elanus,sp)、シラサギ(Egrettasacra)、クロサギ(Ciconiaepiscoupus)、インコ(Loriusdomicella)、オオキジバト(Streptopeliachinensis)、アナコウモリ(Pteropsusveropirus)などです。

17島海洋自然リクリエーション公園では各種のサンゴ礁や海洋生物生態系も保護している。ジュゴン(Dugongdugon)のような海の哺乳動物やクジラ目の哺乳動物(Dolphin)やクジラ(Physistercatadon)などをはじめ、魚類もいる。現在,地元の人が漁業をする際の爆発性の材料を用いたダイナマイト漁法が、東ヌサテンガラ州の政府にとっては重大な問題となっている。

ムティス山自然保護区

この保護区はチモール島にある。この自然林は同種の植生が高地部分に広がっていて、種としてユーカリ・ウロフィラがその特徴となっている。東ヌサテンガラの有名な木であるビャクダン(Santalumalbum)などのある広い地域に自然に生育している。

ここで見られる動物は、チモール・シカ(Cervustimorensis)、デカス(Phalanger,sp)、イノシシ(Susvitatus)、モニタートカゲ(Varanustimorensis)、チモール・ニシキヘビ(Phytontimorensis)など。その動植物の多様性のほかに、西チモールの集水池としても重要な役割を果たしている。これは、ここがノエルミナ、ベネナイン、オエベシといったいくつかの川の上流地にあたるからである。

すばらしい自然景観に恵まれているので自然レクリエーションや観光用に開発することができる。ここは自然保護区となっていますが、現在、国立公園として昇格する途中段階である。地方自治体と世界野生生物基金が関係者のニーズや興味にあわせるために、すべてのレベルで何度も会合をもっている。

よって、東ヌサテンガラの地方自治体としては、この独特で独自の自然を世界の自然遺産の一部として考慮してもらうよう、次回の世界自然遺産会議を通じて国際社会に希望をつなぎたいと思っている。

(原稿執筆:インドネシア,東ヌーサ・テンガラ州)

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記事5(編集後記)

編集後記

今号では,「屋久島環境文化村構想」と「屋久島環境文化村財団」について記載した。県としては,今後とも屋久島環境文化村の基本理念などに対する理解を広めていきたいと考えている。なお,屋久島環境文化財団は,「屋久島環境文化村センター」と「屋久島環境文化研修センター」の二つの施設を中心として活動しているが,これらの活動については,次号でお伝えする。

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