更新日:2023年7月21日
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日時:令和5年7月21日(金曜日)午前10時00分~午前11時55分
場所:5階記者会見室(県庁5階)
「ムーブかごしま」からもご覧いただけます。
(広報課)
ただいまより,知事の定例記者会見を始めさせていただきます。
会見の円滑な進行のため,数値の確認等詳細事項につきましては,追って担当課にご確認くださいますようお願いいたします。
それでは幹事社の方,進行をよろしくお願いいたします。
(幹事社)
よろしくお願いいたします。
会見の冒頭に知事から発言があるということですので,よろしくお願いいたします。
(知事)
おはようございます。
まず,私の方からは,昨日炬火の採火式がございましたが,燃ゆる感動かごしま国体・かごしま大会に向けた炬火リレーの開始についてでございます。
10月に開催いたします燃ゆる感動かごしま国体・かごしま大会の炬火リレーが本日から始まっております。薩摩・大隅・離島の3つのコースで,県内全市町村を炬火でつなぐこととしております。本日は,大隅コースが伊佐市の大口ふれあいセンターを9時にスタートということでありまして,離島コースは三島村の竹島港を12時半にスタートすることとなっております。薩摩コースは,明日,指宿市の指宿港を17時にスタートする予定であります。10月の開催に向けて,県民の皆さまとさらなる気運醸成を図ってまいりたいと考えておりますので,炬火ランナーの皆さまに対し沿道から温かい声援を送ってくださいますようお願いいたします。
(知事)
次に,第47回全国高等学校総合文化祭についてでございます。今月の29日に総合開会式を迎える,第47回全国高等学校総合文化祭2023かごしま総文の開幕まで,残り8日となりました。例年,全国から約2万人の高校生と約10万人の観覧者が集うといわれております本大会は,高校生による国内最大規模の芸術文化の祭典であり,秋のかごしま国体・かごしま大会と併せて,本県を全国に発信する大きなイベントの一つであります。
7月29日から8月4日までの1週間,県内8つの市・町で演劇や合唱・郷土芸能など22の部門が開催されます。
大会初日には,開会行事として,国内外の高校生による趣向を凝らしたパフォーマンスが披露される総合開会式や,約1,500人の高校生による華麗なパレードも実施されます。また,本大会では,国際交流事業としてニュージーランド・ベトナム・韓国の3カ国から高校生をお招きして,本県の高校生との交流も行うこととしております。
総文祭は,高校生が主体となって作り上げる大会であり,大会の企画・運営はもちろんのこと,総合開会式会場の草花の装飾やおもてなしの呈茶,主要施設での総合案内等も高校生が取り組むこととしております。本県では初の開催となる総文祭での高校生の活躍を期待しております。
県民の皆さま方もぜひ会場にお越しいただき,全国の高校生に熱い声援を送っていただければと思います。以上でございます。
(幹事社)
次に,知事から発表事項があるということですので,よろしくお願いいたします。
(知事)
1つ目は,ブラジル鹿児島県人会110周年記念式典等への参加についてでございます。本年8月6日に,ブラジル連邦共和国サンパウロ市で開催されるブラジル鹿児島県人会110周年記念式典に参加することといたします。今回,鹿児島県からお伺いするのは,私と県議会代表のほか,南さつま市などの市町村,鹿児島県海外移住家族会など総勢40名程度と見込んでおります。
今回の訪問では,式典に参加するほか,在サンパウロ日本国総領事館への訪問や,留学生や技術研修員として鹿児島に滞在された方々との意見交換会の開催なども予定しております。
本県からブラジルに移住され,今日の日系社会の礎を築かれた県人会の皆さまの御労苦をねぎらうとともに,今後の県人会を支える3世・4世の若い方々とも親交を図り,本県とブラジルとの交流を一層深めてまいりたいと考えております。
(知事)
まちづくり・建築政策特別アドバイザーの選任についてでございます。本県の,個性豊かで魅力ある景観づくりと活力あるまちづくりを進めるため,県が実施する都市計画や建築に関する政策立案に対し,広く助言をいただきたいと考えております。県のまちづくり・建築政策特別アドバイザーとして,都市デザイナーの国吉直行氏,建築家の坂茂氏のお二方に委嘱をいたしました。
国吉氏は,横浜市で長く都市デザインに関わっており,同市の馬車道地区や横浜みなとみらい21など,横浜のまちづくりに尽力されてきた方でございます。
坂氏は,個人住宅から大規模建築物まで幅広い建築物の設計等を手がけられており,紙の管やコンテナなどを利用した建築や,災害救援活動でも知られる世界的な建築家でございます。本県では,屋久島町にある高塚避難小屋の設計をされたということでございます。
委嘱期間は,本年7月14日から来年の3月31日までとなっております。今年度は,鹿児島港本港区エリアにおける景観形成ガイドラインの策定方針等に関し,これまで都市デザインや大規模建築物の設計等に携わってこられたお二人の助言をいただきたいと考えております。
(知事)
次に,令和4年度県産農林水産物輸出額でございますが,対前年度比5%増の約327億円となり,前年度に引き続き平成23年度の公表開始以降最高額を更新しております。また,農産物・畜産物・林産物・水産物,全ての品目において輸出額が増加しております。
増加した主な要因としては,輸出先国・地域において,外食向け需要がコロナによる落ち込みから回復していることや,小売店における販売が引き続き堅調だったこと,また円安による海外市場での競争環境の改善も追い風となり,県輸出額の約4割を占める牛肉や,約3割を占める養殖ブリを中心に輸出額が増加したものと考えております。
品目別には,畜産物は牛肉を中心に約134億円,前年度比では9%増。農産物ではお茶やサツマイモを中心に約23億円,前年度比で21%の増となっております。林産物は丸太を中心に約34億円,2%の増。水産物が養殖ブリを中心に約136億円,約1%増となっております。
主な輸出先としては,アメリカ(米国)は養殖ブリや牛肉などで約138億円,5%の減。香港は牛肉や鶏肉など約47億円で13%の増。中国は丸太や養殖ブリなどで約37億円,18%の増となっております。
今後も,本年3月に改訂した県の農林水産物輸出促進ビジョンで定める輸出目標額約500億円の実現に向けて,官民が一体となって輸出拡大に取り組んでまいりたいと考えております。
なお,この記者会見の終了後に,引き続き,本会場において担当課から説明会を行いますので,詳細についてはその場で御質問いただきたいと思います。
(知事)
最後に,県のLINE公式アカウント「鹿児島県庁」のリニューアルについてでございます。県民の皆さまの利便性を高めるため,このLINE公式アカウントを本日からリニューアルし,新たな機能を追加することといたしました。
新たな機能の1つ目は,受信設定機能でございます。利用される方に,受信したい県政のテーマ等を自ら設定していただくことで,一人一人の興味・関心等に応じた情報を配信することとしております。
2つ目は,リッチメニューの拡充でございます。各種県政情報や電子申請手続等のサイトに,より手軽にアクセスできるようになります。
この新しい機能は,本日の17時から利用可能となります。利用者の方には17時ごろに,受信設定の方法等についてメッセージで御案内することとしております。
詳細については,まず受信設定機能については,生年,居住地,興味や関心のある県政テーマを設定していただくことができます。また,リッチメニューの表示については,従来の県公式ホームページや防災Webなどに加えて,県民の皆さま向けには,知事へのたよりや電子申請などのサイト,県外の皆さま向けには,鹿児島移住ネットやかごJobなどのサイトを新しく追加することとしております。
さらに,本日から8月31日までの間,受信設定を行った方に,抽選で日本一の鹿児島黒牛や県の特産品等が当たる利用促進キャンペーンを行うこととしております。
ぜひ多くの皆さまに,この新しくなったLINE公式アカウント「鹿児島県庁」を御利用いただきたいと考えております。私からは以上でございます。よろしくお願いいたします。
(幹事社)
それでは,発表事項に関して質問のある社はお願いいたします。
(記者)
よろしくお願いします。
このLINE公式アカウントの件ですが,このタイミングで機能を拡充したというのは何か経緯があるのでしょうか。
(知事)
特にこのタイミングでということもないかと思いますが,LINEの公式アカウントで登録者が約100万人になっておりまして,これまで県政の情報を一斉に発信するというようなことでやってきておりましたが,できるだけ多くの県民の皆さまの関心が高いと考えられる情報を中心に,これからさらに発信力を高めていきたいということでございます。
(記者)
輸出の件でお尋ねします。25年度までに500億円の達成を目指すと設定されていると思いますが,今,アメリカの低関税枠の牛肉の関係の影響や,中国の海産物の全面検査が始まっていると思います。それらの影響についてどうお考えか教えてください。
(知事)
アメリカの,牛肉の低関税枠がすぐ消化されてしまうという課題がございまして,これについては,今回も少なからず影響はあったかと思っております。ただ,日本の和牛については,アメリカの市場でもある程度値段が高くても買っていただけるというのも一方でありますので,引き続きそういった高付加価値な市場に向けての開拓,あるいは様々な部位を売っていくということも含めて,アメリカの市場開拓にはこれからも力を入れていきたいと思っております。
また,水産物の中国での全数検査については,冷凍ブリなどを中国にも一定程度輸出しております。冷凍品であるために全数検査をするとおそらく1カ月ぐらいかかるのではないかと思いますが,そこについては,さほど大きな影響はないのではないかとは考えております。
(記者)
よろしくお願いします。
建築政策特別アドバイザーの件ですが,景観のガイドラインとスポーツ・コンベンションセンター,それと本港区の県の検討委員会という3つの議論が同時に進むことになっていたと思いますが,それについては知事としてどのようにお考えですか。
(知事)
同時に3つということではありますが,本港区エリア,これはどういう機能を整備するかということであります。スポーツ・コンベンションセンターについては,今後PFI方式によって実際に具体的な設計等が進んでいくことになると思います。景観のガイドラインもこれからするわけですが,実際の設計等の前にこのガイドラインというのはできると思いますので,その辺のタイミング的なところについては十分配慮しながら,実際にスポーツ・コンベンションセンターあるいは本港区エリアの中での具体的な建築物の設計や建築といったことには,当然反映ができるようにしていきたいと考えております。
(記者)
PFIの手続きで,秋には要求水準書案が出て,年内にも要求水準書が固まると思いますが,そういった中にもうまくここの議論が盛り込めると,ほかの議論というものが盛り込めるとお考えだということですか。
(知事)
はい。そこの関係にも十分配慮しながら議論を進めていきたいと思っております。
(記者)
やはりガイドラインを作って,1つずつ進めていくべきではないか。県の検討委員会の方でも,長崎等に視察に行くと,長い年月をかけて街並みのデザインをやっていっている実績がありましたが,そういう「一つ一つやっていったほうがいいのではないか」「同時並行はどうなのか」という指摘については,知事はどうお考えですか。
(知事)
同時並行ということで,その辺に齟齬が生じるということであればですが,そこはタイミング等もよく見ながら,中身に齟齬がないように進めていきたいと思っております。
(記者)
よろしくお願いします。
県産農林水産物の輸出額についてお伺いします。この数字自体を知事はどのように受け止めていらっしゃるのでしょうか。
(知事)
今回,311億円から327億円ということで,それぞれ農林水産物の各分野でも最高額にはなっておりますが,500億円という目標に向けてはさらに様々な努力をしていく必要があると考えております。
(記者)
今おっしゃった500億円というのは,かなり高い数値,目標として高く設定していると思いますが,伸び率として今回の数字は想定の範囲内なのですか。順調にきているかどうかということです。
(知事)
今回の数字は,500億円に向けてという意味では若干,少し届かないところがあるのではないかと思っておりますが,今後また様々な要因の分析などをしながら,達成に向けて必要な対策を検討していきたいと思っております。
(記者)
よろしくお願いいたします。
農林水産物の話と,アドバイザーの件で伺えればと思います。今の質問にもありましたが,「令和7年度に500億円という高い目標を達する,目指す上では若干届かない」というお話もありました。知事としては,想定より伸び悩んだというような御認識なのでしょうか。
(知事)
伸び悩んだというか,500億円に向けての毎年度の達成状況ということからすると,もう少し伸びが,いまひとつ伸びなかったかなというところはあるかと思いますが,先ほど申し上げたようにアメリカが5%減になった,あるいは全世界的な物価高の影響といったような消費への影響といったようなものもあろうかと思います。
そういった中で,今後また県の輸出促進の体制もこれから整えていきますので,500億円という目標に向けてさらに加速していければと思っております。
(記者)
令和7年度に500億円という目標は変わらず,今後達成するにはどういったことが重要になってくるとお考えでしょうか。
(知事)
それぞれ,コロナの経済状況がこれからまたさらに好転していくということを期待しているわけですが,県内の輸出体制も今年度の予算で少しまた整えることにしておりますので,生産・流通・販売のあらゆる面でそういった体制を強化していきたいと思っております。
(記者)
まちづくり・建築政策特別アドバイザーにお二人を委嘱されたということですが,改めて,どうしてこのお二人の方を選ばれたというか委嘱されたかという,決めた理由について伺えればと思います。
(知事)
お二方ともこれまでの素晴らしい実績のある方だと思っております。
国吉氏については,元々が鹿児島の御出身でもあり,鹿児島のまちなみについてもよくご存じであり,また先ほど申し上げましたように,横浜市における港の景観も含めた街づくりについて非常に素晴らしい手腕を発揮され,また,鹿児島でもデザインについて関わっていただいているということから,国吉氏にお願いしたところであります。
また,坂氏ですが,建築分野では世界的な賞であるプリツカー賞も受賞されて,世界的にも活躍されている建築家でもあります。九州でも,大分県の県立美術館や,木材で造っているような由布市のツーリストインフォメーションセンター,そういったようなことも手がけられているということで,鹿児島県にとっても十分まちづくり等について有益なアドバイスをしていただけるのではないかと期待しております。
(記者)
このお二人との関わりは,どういったことをそれぞれ特に改めて期待されていて,調整会議等に出られるというイメージなのか,適宜何かアドバイスをされるのか,どういう役割を想定されていますか。
(知事)
本港区エリアの景観デザイン調整会議につきましては,これはかなり実務的な検討が中心になると思いますので,お二方には,大所高所からまちづくり・デザイン・景観,そういったことについての助言をいただければと思っております。
(幹事社)
ほかはありませんか。
では続きまして県政一般についての質問に移ります。
まず最初に川内原発関連以外の質問とし,その後に川内原発関連の質問とさせていただきたいと思います。
(幹事社)
それでは最初に幹事社から質問させていただきます。
今月で知事は就任3年目を迎えられますが,3年を迎えるに当たっての所感,そしてマニフェストの達成度についてお聞かせください。
(知事)
今月の28日をもって就任後3年になろうとしております。この3年を振り返ってみますと,就任時がちょうどコロナの感染が拡大する局面でございましたが,その後いくつかのコロナの波が来ては収まりということを繰り返して,ようやく5月8日に感染症法上の扱いが5類に変更になったということで,コロナ対策を最優先に取り組んできた,感染防止対策・医療提供体制の充実強化と併せて,経済対策,需要喚起策などに取り組んできたということがございます。
その間において,いろいろと大きなイベント等もありまして,奄美の世界自然遺産登録が実現したということや,和牛の共進会が開催されてチーム鹿児島の団結の下,これが日本一が獲得できたということもございました。そのほかにも今年はいよいよ,2020年の開催予定であって延期されていた,かごしま国体・かごしま大会が開催されるということで,その準備を行ってきたなど,様々な県政の課題に取り組んできたと思っております。
そのほかにも大きな,国策との関係でいえば馬毛島の問題もございましたし,川内原子力発電所の延長の問題など,いろんな課題があり,そのほかにも福祉・教育,様々な分野において,その時々に応じた施策を県庁の職員の皆さんとともに行ってきたと考えております。
また今後も,物価高の影響などがあったり,家畜防疫の問題など,様々なことがあり,また災害等もありますが,県民の皆さまの安心・安全の確保,ビジョンに掲げている,誰もが安心して暮らし活躍できる鹿児島の実現に向けて,今後も取り組みを進めていきたいと考えております。
また,マニフェストの関係では,今整理しておりますが,昨年も申し上げましたが,マニフェストに挙げている項目についてはおおむね着手はできていると考えておりますので,今月中には,マニフェストの進捗についても整理して公表したいと考えております。
(幹事社)
点数をつけるとしたら何点ですか。
(知事)
点数は,まだ採点中でございますので,皆さまの方で採点していただければと思いますけれども。
(幹事社)
では,4年目に向けた抱負をお願いいたします。
(知事)
先ほど少し申し上げましたが,今,足元ではコロナ禍からの経済の回復,それに対して様々な物価の問題もございますし,人手不足といったことが非常に大きな課題になってきていると思いますので,そういった人材の確保などを含めて,経済の回復といったことにしっかりと取り組んでいきたいと思っております。
また国の方でも,子ども家庭庁もできていますが,少子高齢化社会の中での子ども・子育て政策ということについても,国の施策と併せて強くしていきたいと思っております。
(幹事社)
残り1年となったわけですが,2期目の出馬についてはどうお考えでしょうか。
(知事)
まだ,当面の課題について取り組みをしていきたいと思っております。
(幹事社)
それでは,新型コロナウイルスとインフルエンザ患者ですが,鹿児島県が非常に多い状態ということになっていますが,知事はこれをどのように御覧になっていますか。また,どんな対策が必要でしょうか。
(知事)
インフルエンザがかなりはやっているということで,季節が例年とは違う季節,夏に非常に増えているということではありますが,これまでのコロナ禍においてはインフルエンザの流行がなかったところで,集団免疫がなかなか図られていないということと,例年ですと1月頃からインフルエンザのワクチン接種が始まりますが,この時期インフルエンザのワクチン接種がされていないということもあるのかなと思っております。
また一方で,新型コロナウイルスの感染も,5月8日以降も県内でも増えてきているということでありますが,やはりお子さん達の間でもかなりはやっているということと,地域的には離島が割と多いような気がしております。
感染防止対策ということでは,基本的にはやはり手指消毒をしたり,換気が重要だということを専門家の皆さんからもお聞きしておりますので,非常に暑い時期で締め切ってエアコンを使用するというような状況かと思いますが,定期的な換気ということを励行していただくということ,また,場面に応じて適切なマスクの着用ということも効果があるということでありますので,そういった形での感染防止対策を皆さんにもとっていただければと思っております。
(幹事社)
幹事社からは以上です。
それでは各社から質問をお願いいたします。
(記者)
よろしくお願いします。
今の新型コロナウイルスの関連で質問ですが,全国の状況としては専門家の「感染流行の第9波に入っている」というような指摘もありますが,知事としては県内の状況を御覧になっていて,この第9波に入ったというような認識がおありでしょうか。知事の認識をお教えください。
(知事)
第9波というのか,ずっとここしばらく8週間ほどですか,増えてきておりますので,波の大きさがどうかあれですが,増えている局面にはあると思っております。
(記者)
まだ第9波だという認識ではないと。
(知事)
第9波というのかどうか,そこはよく分かりませんが今後の推移がどうなるのかと思いますが。
(記者)
あともう1点,感染対策についてですが,今の定点把握での感染者の発表というのが,県民の方からは「どの程度増えているかというのが分かりにくい」というような声も聞かれています。分かりやすい注意喚起というのはどのように考えて,どのように実施されているか教えてください。
(知事)
従来は,全数把握で何人ということで非常に分かりやすかった。それに比べると定点観測で,一部の医療機関に限っているということで,絶対数でなかなか分かりにくい,ということかと思います。傾向として見たときに,前週よりもどれぐらい増えているかというようなこと,それと水準としてインフルエンザなどでいえば「10」という数値を超えれば注意報ということが発令されるわけですが,新型コロナについては,国の方で注意報ということを検討しているとは聞いておりますが,まだそれが実施されていないということで,県民の皆さまにそういったことが伝わりにくいということかと思います。
県の方では,各医療圏ごとに注意報といいますか,「これぐらいの水準でかなり増えているので注意してください」というようなことは関係の機関にも周知するようにはしておりますが,また今後,国のそういった警報・注意報といったような仕方をしていただけるように,要望等をしていきたいと思っております。
(記者)
よろしくお願いします。
10日から行かれたベトナム訪問の総括といいますか,そちらの認識を伺ってもよろしいでしょうか。
(知事)
10日から13日にかけてベトナムへお伺いして,本県で包括連携協定を結んでいるハイズオン省との交流ということをしてまいりました。
なかなか,協定を締結してから,新型コロナウイルスの影響で対面での交流ということがあまり十分にはできていなかったと。昨年はベトナム側が鹿児島に来て,ベトナムフェアを行ったり,ベトナムセミナーを行ったりということがありましたので,今回はこちらからハイズオン省を訪問して,連携協定の現状と課題について整理した上で,今後どのようにしていくべきかということを協議してきたところであります。
われわれ鹿児島側としては,やはり人手不足という中で,ベトナムの人材確保をこれからも積極的にしていきたいということで,協力をお願いしてきました。鹿児島県においては,約9,900人の外国人労働者のうちの4,600人がベトナムから来ているということですが,ハイズオン省からは30人程度の人が来ているということが把握されています。今後さらにハイズオン省との協定に基づく人材確保ということを行っていきたいということで,こちら側と向こう側の人材の供給と受入れのニーズのマッチングのようなことも,これからしっかりとしていこうということでございました。
一方でハイズオン省側からは,工業団地の非常に広い敷地があるということで投資,あるいは先方の主な産物であるライチ等の特産品についての貿易を促進してほしいというようなこと,あるいはお互いの伝統文化の交流といったような,幅広い関係をしてほしいというような要望をいただいたところであります。それからもうひとつ,農業に関しての技術支援ということを先方からは言われておりまして,ベトナム側からの技術者を鹿児島で受け入れて,技術の交流といいますか助言といいますか,そういったことも行っていこうということにしております。
また,ベトナム政府の方も訪れまして,チン首相と会談する機会をいただきました。チン首相からは,やはり幅広く,特に農業の技術についての期待ということを言われていたような気がいたします。
そのほかに,ベトナムの国立農業大学校を訪問いたしまして,協定を結んで,鹿児島県からの求人情報を提供し,先方において人材育成して鹿児島県側に人材派遣するというようなことが合意いたしました。
また,ちょうどジャパンフェアを行っていたイオンを訪問してトップセールスを行ったり,あとは食のスーパーマーケットに行って,また鹿児島の特産品の販売へのトップセールスを行うことと,あとは人材の送り出し機関も意見交換を行って,鹿児島への人材派遣についての理解を求めるというようなことがございました。
最後に,鹿児島県とベトナムとの間の交流をさらに活発にするための直行便の開設に向けて,ベトナム航空とベトジェットという2つの航空会社を訪問して,要請をしてきたところであります。ベトナム航空も非常に前向きに検討していただいているというような感触はいただきました。ただ,なかなか路線が実際どこまで需要があるかというような課題もありますので,当面は鹿児島県という地域を,プロモーションをしっかりとベトナムで行い,また,こちら側も,アウトバウンドも需要をしっかりと生み出す必要があると思っておりますので,「当面チャーター便から始めて,数年後の定期便へ向けて検討をしていければ」というようなお話でありました。だいたい以上です。
(記者)
今,「チャーター便の運行」という,「数年後」とおっしゃっていました。
(知事)
いえ,「チャーター便はすぐでも」というふうに。「今年度中にでも」というような感じでは考えていただいていると聞いておりますが,そういった「チャーター便をお互い行き来する中で,数年後の定期便につなげられれば」というような感じでありました。
(記者)
今回,量販店などいろんな所でトップセールスをされて,知事自らが海外に,ベトナムに行かれてそういった要望活動をしたり協力を求めたり売り込みをしたり,県の魅力を発信されたわけですが,こうやって知事自らが実際に県の魅力等を発信することについて,その意義や重要性を知事はどのように捉えておられるのでしょうか。その認識を伺ってもよろしいでしょうか。
(知事)
先方のハイズオン省あるいはベトナム政府あるいはそのほかの民間の企業に対しても,事務的な打合せも重要ではありますが,トップセールスを行うということも併せてするということが,効果としてはあるのではないかと思っております。
(記者)
実際に行ったからこそ首相との会談の機会もあったりと,実際トップが動くことで動かせる力もあるというような認識なのですか。
(知事)
そうですね,特に,国によってもいろいろ意思決定のパターンはあると思いますが,ベトナムなどああいう国の場合は,そういったトップダウンみたいなところも効果的なのではないかなと思っております。
(記者)
現在,先ほどのお話の中で,県内経済は足元ではかなり物価高や人手不足で,まだまだ厳しい経営環境にある事業者さんもいらっしゃるということで,中小企業の支援に向けては待ったなしでしなければいけないのかなと思っています。知事として,これから中小企業の稼ぐ力の向上に向けて,どのような姿勢で取り組んでいきたいというような意気込みや決意があれば教えてください。
(知事)
中小企業,企業ということでいうと,やはり人手不足あるいは事業承継といったのが大きな課題になっていると思います。そういう中では,生産性を上げるためのAIの活用や,ロボットIoTの活用というようなことを引き続き支援していくということと,人材の確保という観点からU・Iターンの促進あるいは県内への子どもたちの定着・就職といったようなことを行うなど,いろんな人材確保,今のベトナムなどを含めた人材の確保というようなことも含めてしっかりと支援をしていくということ。
また,原油等の価格・資材価格が高騰しているということについては,国の施策も活用しながら事業者の負担を減らしていくというようなことをしっかりと取り組み,また新たなスタートアップなどの支援も行い,鹿児島県全体の中小企業が元気になるように力を入れていきたいと思います。
(記者)
今,お話のあったスタートアップの支援は,先日も推進協議会があり,そちらでいろいろ意見交換や情報共有がされたと思います。開業率が,全国的に鹿児島県は低いという現状があると思いますが,それを打開するために県として,残り任期が1年というタイミングで,どうやって加速化させていきたいのか,という知事のお考えはありますか。
(知事)
これも早急に何かが劇的に変わるかというと,難しいところもあろうかと思いますが,やはり若い人たちの起業マインドをいかに醸成していくかということが重要かと思っておりますので,これまでもビジネスプランコンテストを行ったり,あるいはIoTガールのイベントを行ったり,様々なスタートアップに向けた取り組みをしてきております。県内でも,コワーキングスペースもだいぶ増えてきておりますし,そういった気運というのが高まりつつあるのではないかと思っておりますので,鹿児島だけではない,都市圏・首都圏のスタートアップの関係の皆さまも含めて鹿児島にお招きしたりしながら,そういった刺激を県内に広めていければと思っております。
(記者)
よろしくお願いします。
公共交通機関や物流において,運転手不足や24年問題というものの影響がいわれていますが,県内でも公共交通機関の,民間のバス会社が県立高校のスクールバスなどについて,今後運行の継続が困難である,あるいは減便をする,というようなことが県の教育委員会から各高校の方に打診があったということです。一部ではもうすでに減便も始まっているのですが,現在,定員割れが続いて非常に厳しい状況が,地方の特に離島や山間部の県立高校では続いているかと思います。通学距離が特に長距離になっている高校生にとって,こういった公共交通機関,バスやスクールバスがなくなっていくということは,今後の生徒募集においても非常に大きな影響を与えるのではないかと思いますが,その辺のことについて県として,知事はどういったことを考えていらっしゃるか,お考えをお聞かせいただければと思います。
(知事)
御指摘のように,一部バス会社の人員不足あるいは乗客数が減少しているということで,スクールバスあるいは路線バスの減便ということが,今課題として出てきているということでございます。特に高校生が通学しているところで,これまで特別に通学の時間帯にそういったダイヤを組んでいただいていたところが維持できなくなり,一部減便をするあるいはもう減便したということで,高校生たちが今までのスクールバスではない通常の路線バスを利用したりするということで,待ち時間が少し長くなったりというようなことで,学校の帰りの時間が遅くなったり,あるいは通うのがなかなか難しくて,保護者の方が送迎したりというような,そういった場所も出てきたり,あるいはバイク通学を認めるようにしたり,いろんなことが生じつつあると思っております。
高校生が,やはり安心して学校に通えるということは大事なことだと思っておりますので,今のスクールバスの減便ということの各学校への影響がどのようになっているのかということを,まず教育委員会の方で実態を把握していただこうと思っております。その上で,地元の自治体とも一緒になって,コミュニティーバスのようなものができないかなど,様々な支援,地域交通の確保に向けた検討をしていきたいと思っております。
(記者)
観光関連で2点お伺いします。まず1点目ですが,先日の議会の委員会で,国体期間中のバスの運行台数を,延べ7,000台運行するという話が出ているようです。先ほどの質問とも関連するかもしれませんが,バスの運転手不足というところで,もし国体に7,000台必要となれば,通常の観光の方にも多大な影響が出るのではないかと思います。例えばクルーズ船の観光客の輸送等。なので,特定期間中のバス不足あるいはタクシー不足,これらがどのぐらい不足するのかという,県として何か試算を出されているのか。
また,バス不足がもたらす観光への国体期間中の影響は,どのような点が考えられるのかというところをまず1点目,お聞かせください。
(知事)
非常に多くの方が鹿児島を訪れるということで,できるだけ渋滞等がないように,バスの活用ということをお願いし,シャトルバスのような形でピストン輸送したりということで,バスを活用したいと考えているわけでありますが,鹿児島県内だけではそういったバスの調達もできませんので,九州各県から応援をいただきながら,国体をなんとか円滑に開催したいと思っております。
そういった中で,そのほかへのしわ寄せというものが,観光面を含めてどれぐらいあるかということについては,私も今手元にはそういったデータを持っていませんので,またこのあたりも確認したいとは思います。
(記者)
もう1点あります。マリンポートの話ですが,おもてなし隊のボランティアの方々からは「知事の姿がなかなか見えない」という話も聞いたりしますが,実際,マリンポートは今おもてなし隊の方が熱烈な歓迎をされるというような良い面も出ていれば,周辺道路の交通渋滞等の悪い面も出てきているというところで,そういう受入れの状況をこれまで視察されたことがあるのかというところ,また今後視察の予定があるのかというところをお聞かせください。
(知事)
私が行ったのは,クルーズ船ではマリンポートではなくて北ふ頭の方は1度お伺いしております。予定としては,確か夏に1回,マリンポートの方もお伺いする予定が入っていたと思います。
(記者)
夏に1回というのは,具体的にはいつぐらいの御予定なのでしょうか。
(知事)
スケジュールを確認してみないとあれですが,かなり大きな船が入って来るというときだったと思いますが。
(記者)
その視察の目的はどういったところなのでしょうか。
(知事)
やはりマリンポートにどういった船が入ってきているのか,どういった方々が乗られているのか。あるいは降りてこられた方々がどういうふうに,タクシーなのか歩いて行かれるのかバスなのか,あとは受入れの環境が,手続き等も含めてどのようになっているのかということを総合的に見るということかと思います。
(記者)
私からは大きく2点ありまして,まず1点目が県庁の人材育成,働き方改革についてです。今年度ではフリーアドレスのオフィスの試行,人財育成ビジョンを今年度策定する予定だと思います。あと育児休暇の促進も引き続きやられているかなと思いますが,ここに関して,特に働き方改革のワーキンググループは去年設置ということで,知事の就任後に設置したということになるかと思いますが,人材育成・働き方改革に関して,知事の思いをお聞かせいただけますでしょうか。
(知事)
働き方改革は,やはり人材育成の上で非常に重要な視点であると思っております。やはり県庁職員が生き生きと仕事ができるということで,県の政策の検討もしっかりと推進できるということで,それはあらゆる組織において人材というものが一番重要なファクターだと思っておりますので,この県庁の職員をいかに育成していくかという観点で,また働き方改革も含めて行っていく必要があると思っております。
そういった観点では,やはりいろんな政策を,縦割りを廃しながら県庁全体で議論できる雰囲気作りというのも大事だと思っておりますので,若手で部署を超えた政策提言のチームを作ってコンテストを行ったりというようなことも行ってきておりますし,そういった若い人たちの目で見て,今の県庁のあり方がどうなのかということで,先ほどのワーキングチームからも提案のあった上司の360度評価ということで,管理職の皆さんの気づきということも得られるようにしていきたいと思っております。
そういった様々な,フリーアドレスというのもその一環のひとつだと思いますが,人材の育成ということで,これは県庁の組織としてしっかり取り組んでいく必要があると考えております。
(記者)
働き方改革が業務効率化に大きくつながるという認識ということでしょうか。
(知事)
そういうことにつながると思っております。
(記者)
今おっしゃったように,フリーアドレスを視察されたときも「より良い政策提言を挙げてほしい」とおっしゃったかと思いますが,実際に知事が就任されてから若手からボトムアップで意見・提言が出てくる機会が増えたというふうに考えておられますでしょうか。
(知事)
増えたのか減ったのか,前がどうだったか私も分かりませんが,先ほど申し上げたような,若い人たちでチームを作って政策の提言をしていただくということを行っておりますので,どういうふうにしてチームで政策を議論するかというようなことは,皆さん取り組んできているのではないかと思いますし,また庁内でも試行錯誤しながら,今,総合政策会議という形で,各部署からいろんな政策的な議論も進めていただいていますので,皆さん方,私のところでもそうかもしれませんし,各部の中においても若い人たちが自由にいろんな発想で政策提言なりができる機会というのは増えてきているのではないかと考えております。
(記者)
知事としては,県庁職員に求める人物像・人材というのは具体的にどういったものだと考えていらっしゃいますか。
(知事)
県庁職員というのは,やはり県民の皆さんのために奉仕するということですから,鹿児島県においてどういったことが課題になっているのかということを,いろんな住民の方あるいは企業の方,団体の方,様々な声を聞きながら課題を発見して,その解決に向けていろんな政策を検討して取り組んでいく,そういうことが基本だと思いますので,そういったことに敏感で取り組んでいく,そういったマインドを持った職員というのは必要かと思っております。
(記者)
2点目ですが,地域振興局の再整備についてです。南薩地域振興局に関しては8月中に候補地を決めるとなっているかと思いますが,決め方の方針に関して,改めて知事の方からお聞かせ願えますでしょうか。
(知事)
各地域の地域振興局については,かなり老朽化している所があり,南薩地域振興局が最も老朽化が激しい,進んでいるということで,早く再整備する必要があると考えて検討しているところであります。この検討に当たっては,やはり南薩地域振興局だけではなくて,今後ほかの地域振興局を再整備するに当たっても,共通の指標といいますか客観的な指標に基づいて候補地の選定等を進める必要があると思っておりますので,これまで様々な御意見をお伺いしながら,地理的なことや人口の状況など,地域の県民の皆さんの利便性,こういったことも含めて検討してきているところであります。
そういった中で,南薩地域振興局については,地元の方からの候補地として2ヵ所が挙がってきているということでありますので,先ほど申し上げたような客観的な指標に照らして,どちらがいいのかというようなことをこれからしっかり検討したいと考えております。
(記者)
以前の資料で「振興局の分庁舎については,原則集約する方向で検討を行う。」となっているかと思いますが,まずこの方針が変わっていないかということと,ただ原則となっているので,実際には個別具体的に,その場所によって検討されるかとは思います。最終的に集約をしない場合というのは,例えばどういう場合が考えられるのでしょうか。
(知事)
原則という意味では変わっておりませんので,基本は原則に従って進めていくということかと思いますが,そこの再整備する場所がどこになるのかということや,地域の皆さんの利便性などを考慮したときにどうかということも含めて,しっかり検討していきたいと思っております。
(記者)
6月議会で,南薩に関しては,次の9月議会では候補地の案が出ているという状況ですので,委員会等で「6月の議会中に,当局からもう少し説明がほしかった」という意見が県議の方から出たのですが,それに関しては知事はどのようにお考えでしょうか。
(知事)
そこらへんは,説明というのがどこまでの説明かがよく分かりませんが,まだ考え方自体はいろいろ整理をしつつあったと思いますが,具体的な候補地がどうかというのは議会後になりますから,そこら辺のお話なのかもしれませんが,いずれにしても,どういう考え方で場所等を検討するかということについては,またしっかり引き続き説明していきたいと思います。
(記者)
最後に,南薩だけではなくて地域振興局全体に関して,今後の地域振興局のあり方はどうあるべきとお考えていますか。
(知事)
それは地域振興局自体がどうなるかということですか。
(記者)
業務の内容など。
(知事)
各地域振興局というのは,県庁の組織においては,やはりその地域の皆さんと一番近い位置にあるということでありますから,そこが市町村に比べるとまだなかなか,存在感という意味では十分評価していただけていないところもあろうかと思いますが,やはり,県庁の組織の中では最前線の組織として,住民の皆さん方に県庁の施策についての御説明をしたりPRをしたり,また地域のニーズ・課題,そういったものを吸い上げて本庁の施策につなげるといったようなところは,一番の大きな役割だと思っておりますので,そういったことを今後もしっかりと行っていただきたいと思っております。
(記者)
南薩地域振興局に関連してですが,候補地が2ヵ所挙がってきて,南薩という地域は人口的にも非常に分散した地域で,立地的には一番綱引きが起きやすい土地だと思います。現状の課題,老朽化などではなくて,立地を選ぶに当たっての課題というのはどのようにお考えですか。
(知事)
老朽化ということが一番の課題だとは思っておりますが,立地場所をどうするかということについては,課題というよりは先ほど申し上げたような指標ということになろうかと思います。南薩地域全体の皆さんに御利用いただくに当たっての利便性,地理的な場所がアクセスがどうかといったようなこと,あるいは人口が多いかどうかと,基準がどのへんに中心があるかということ,また行政の中心ということであれば,災害等のリスクが大きくないことというような,いくつか挙げている指標に沿った形での検討ということが必要になってくると思っております。
(記者)
2ヵ所から1つを選ぶという形になるとは思うのですが,逆に言えば選ばれない所が1ヵ所出てくるということで,そこに対する説明というのはどのようにお考えなのでしょうか。
(知事)
説明というのは,今申し上げたような客観的な指標に照らして評価をこういうふうにしたということを丁寧に御説明するということかと思います。
(記者)
就任3年の関係で何点かお伺いしたいと思います。先ほど3年間の振り返りというのがありましたが,特にこの1年間の進展・成果というのはどのようにお考えでしょうか。
(知事)
この1年という意味では,コロナ対策という意味では5類になったということで,コロナについては大きな一区切りができたのかなと思っております。
また県の一番大きなイベントとしては,全国和牛能力共進会が成功裏に開催でき,また鹿児島県の和牛が前回宮城大会を上回る成績で日本一になり,またそれを契機としてさらに農林水産業のブランドの確立,あるいは販路拡大・輸出拡大といったことに今後結び付けていけるような,そういう環境ができてきたかなというふうには思っております。
(記者)
先ほど自己採点で「採点中」というお話でしたが,昨年は「20点から30点」という謙虚というか辛口の採点でした。改めてもう一度伺いますが,マニュフェストを100としたときにどれぐらいですか。前回20・30点でしたが。
(知事)
○○さんに採点していただければと思います。
(記者)
昨年よりは進展している。
(知事)
そうですね,それは進んではきていると思います。
(記者)
昨年の状況でいえば,楠隼関係は表向きはほぼ進んでいないという状況だったと思うのですが,その辺の進展は,楠隼に関していえば進展を御自身の中でどのように捉えていますか。
(知事)
楠隼中高の通学生の受入れと共学化ということについては,これまでアンケート調査をしたり,あるいは周辺の自治体・教育委員会,こういったところへの御説明,そして意見聴取,こういったことを行い,また教育委員会とも意見交換を行う,といったようなことでこれまで進めてきていたわけでございますが,そういった中で,それぞれからいただいた御意見等を踏まえて,時期の問題あるいは中学校からの中学生をそのまま高校ということで,高校生からの募集を停止するというようなことも含めた方向性ということを,教育委員会の方で5月に決定していただいたという意味では,ひとつ目に見える形で,物事が進んでいるということかと思っております。
(記者)
保護者・生徒・OBからやはり反対があるようですが,その辺についてはどのように説明していきたいと。
(知事)
保護者・生徒の皆さん,楠隼に対する非常に熱い思い入れというものは,私も直接お会いしたときにの感じたところでありますが,やはり楠隼校という学校の特色というものが,全寮制であること,男子校であること,ということにとどまらずその教育の中身ということだと思っておりますので,そこは通学生を何人か受け入れる,あるいは女子生徒が入って来るということで,その中身というものが大きく変わるということではないというふうに私自身は思っておりますので,そういった教育の機会を広げるということで,引き続き寮生活を楽しみたい,あるいはそこでの絆を大事に学生生活を送りたいという方は,引き続き寮は一応全員分あるわけですから,そういったことは可能になるというようなことを丁寧に,またこれからも説明を続けていければと思っております。
(記者)
話は変わりますが,コロナが5類に移行した後,知事の外出の機会が非常に多いなと感じています。たぶん意図してのことだろうとは思いますが,依頼があったら積極的に報告していくようにと,何か指示を出されているのですか。
(知事)
指示をというのは。
(記者)
要は,積極的に出るための,依頼があったら情報を自分のところに上げなさいというような指示というか。
(知事)
いや,特にそういう指示をしているわけではありませんが,いろんな御案内をいただくと,それは言わなくてもだいたい「こういうのがあります」ということは,これまでもコロナの期間中もずっといただいたものは来ております。ただ,来るものが増えたということはあろうかと思います。コロナで,いろんな総会等も中止になったりいろんな会議が書面会議になっていたところが,実際に開催されるものは多くなってきているのではないかとは思います。
(記者)
御自身もそこに対しては,積極的に行きたいというお考えの下で出席されている。
(知事)
はい。時間の都合がつけば,いろんな会合にもお招きいただければできるだけ出席するようにはしております。
(記者)
けっこう職員の方も知事室に入ったり,レクの時間が取れないのではないかと思ったりすることもありますが,その辺の不都合というのはいかがですか。
(知事)
そうですね,ここのところはベトナムに行ったり東京に行ったりと,ここのところはあれですが,秘書官を通じていろいろ資料をいただいたりというようなことで対応はしているつもりであります。
(記者)
あと,外出のことでいえば,楠隼の保護者が「ぜひ学校まで来てほしい」と,また昨日もありましたが姶良の家畜保健衛生所の人たちからも「現地を見てほしい」ということがありましたが,これは行かない理由というのは,改めてお聞かせ願えますか。
(知事)
行かないというか,昨日の姶良の家畜保健衛生所の場所は前にも見たことがありますので,改めて見るということの必要性はないかなと思っております。
(記者)
楠隼については。
(知事)
楠隼も,私も何度か足を運んだことがあります。
(記者)
何回かあるんですか。
(知事)
はい,もう知事に就任する前に,議会でも申し上げましたが,開校間もない頃にお伺いしたことがありますし,その後も就任してから1度,寮も含めてお伺いしたことがありますので,施設自体は,そのものは見てはおります。
(記者)
デジタル化の促進についてお聞きします。チャットGPTと呼ばれる生成AIの技術がありまして,例えば三重県や鳥取県が活用を検討するというような話がありましたが,知事としてはこれを活用するお考えはあるでしょうか。
またはどういう立ち位置で付き合っていったらいいとお考えでしょうか。
(知事)
チャットGPTは最近話題で,先日の議会でも文章をチャットGPTで作りましたという披露がありましたが,あれはたまたま,なんとなくそれっぽい感じでできていましたが,いろいろ試してみた話を聞くと,全然違う文章が出てきたりと,いろいろあると思いますので,そこがどういうふうに実際に実用的に使えるのかどうか,それがきちんと正確なものなのかどうかと,いろんなリスクもあると伺っていますので,そこはどういったことで活用できるのかは,検討はしていきたいとは思います。
(記者)
実際に,検討を指示されるというようなお考えはありますか。
(知事)
担当の部局ではいろいろ,もうすでに検討はしているとは思いますが,改めて具体的にここをこうということをするということではないとは思っています。
(記者)
大きく2つありますが,1点目が,昨日,姶良家畜保健衛生所の関係で住民団体の方が来られたと思いますが,急きょ面談に応じられたのはなぜなのかということと,住民の方のお話と県の説明とで,ずっと平行線をたどっているのかなという気がするのですが,これはどの時点で県として次に進むのか,どのように考えているのかということを教えてください。
(知事)
この前の議会で陳情が2件出ていまして,1件は「計画どおりに,早くこの家畜保健衛生所の建設・新築を進めてほしい」という陳情と,昨日来られた方たちから出ている「直接話を聞いてほしい」というような陳情と2つ出ていて,一方が議会で「採択」され,一方が「継続審査」となっていて,「議会としてもこれは家畜防疫ということでは早急に進める必要がある」ということで採択されたということで,執行部としても,これは議会の意志として非常に重く受け止める必要があると思っておりました。
一方で,直接お話を聞くということについては,継続審査になっているということでありましたので,我々としても議会のそういった2件の陳情の状況を踏まえると,お話を聞くということは必要だろうと考え,お会いしたということであります。
昨日もいろいろお話をお伺いしたところでありますが,臭いがする・しない,あるいは煙が出る・出ないというようなことで,事実がどちらが正しいかというようなことで,私どもとしては,臭いもないし煙も出ない,そういう施設で何ら問題がないというふうに認識しているわけです。今の姶良にあるのは古いものですから,それを前提としているわけではなくて,肝属の方の最新鋭のもので考えたときには,そういった皆さんがおっしゃるような迷惑施設ということではないと考えてはいるわけです。そこの事実認識のところがだいぶ,昨日もお話をお伺いしていると違うということなので,その辺をどのように確認し,また丁寧に説明していくかということかと思いますので,その辺を確認した上で,引き続き住民の皆さんにも丁寧に説明をしていきたいと思っております。
(記者)
知事としては,昨日,新たな場所も提示されたと思いますが,今の場所を見直す御意向はないということですか。
(知事)
今挙がっている,最初の検討した候補地の中では,今の所が最適地だと判断したということでありますので,そこを変えるということではないと思いますが,昨日は別の土地が急に候補と言われて,そこは霧島市から上がってはきていないわけですので,そこが今どのように使われているのか,あるいは取得の費用がどうかというようなことも含めて考える必要があると,確認する必要があると思っています。
(記者)
では,確認した上で,もしそこが費用が予算内に収まりそうなら変更するということもあり得るのですか。
(知事)
そこはどうなのか確認した上で,担当の部署でも相談しながら考える必要があると思っています。
(記者)
姶良以外にも老朽化している施設がたくさんあると思いますが,姶良が動かない限りはなかなか先に進めないのかなと思います。知事としては,どの期限までにこの問題に決着をつけたいと,何かそういうものはあるのでしょうか。
(知事)
次の施設がというよりは,今の姶良家畜保健衛生所自体を早く,家畜防疫体制を万全にするために移転・新築をしなければいけないというのが課題だと思っております。そういう意味では,できるだけ早くということでしかないと思うのですが,住民の皆さんにもまたなるべく早めに,丁寧に説明をしていきたいと思います。
(記者)
あと1点,出水の鳥インフルエンザの,埋却地の問題ですが,今まだ,7月に入っても着手できていないということです。県としては「近々着手する予定」ということはおっしゃっていますが,まだ実際は動いていないのです。いつ頃着手するのかということと,今,着手できない障壁になっているものは何なのかということを教えてください。
(知事)
4月ぐらいですか,「7月上旬ぐらいには」という話をして,住民の皆さんにもいろいろと御説明をしたりしている中で,1つは稲作の補償の話などもありまして,それがあるまではなかなか進められないというような状況もあり,新しく埋める場所,新たな土地の樹木の伐採や整地は住民の皆さんからもご了承いただいたということで工事は進めてきて,それは5月ぐらいに一応終わってはいます。その後,埋め替え作業の安全性を確認するために一部掘り起こしたりして確認作業などを行っていたわけですが,実際の埋め替えにあたっては,元の埋めた場所から新しい場所への林道といいますか道路がありまして,そこを重機が通れるように拡幅しなければいけないのですが,そこの地権者の方の御了解を得なければいけません。そして,また「新しく埋め替える先の付近の住民の皆さんに対する説明あるいは理解,こういったものを求めるように」ということは地元の餅井地区の皆さん方からも言われていて,その作業といいますか説明などを今ずっと調整を続けてきているということです。
そこの地権者の方の御理解というところが,今まだ十分得られてはいないというような状況と聞いておりますので,そこができたら,埋め替えの作業に着手できるのではないかとは思っておりますが,時期がどうなのかということは,まだ見通しは立っておりません。できるだけ住民の皆さんにも御説明した上で着手できればとは思っております。
(記者)
では,地権者の理解というのは,道路の土地を持っていらっしゃるお一人ですか。
(知事)
そこら辺はいろいろ状況があるのだと思います。地権者の方あるいは地域の住民の皆さん。
(記者)
では7月中に着手するのも難しそうな感じでしょうか。
(知事)
そこはよく分かりません。
(記者)
埋却地の関係です。勉強不足であったら申し訳ないですが,今後も鳥インフルエンザの発生は十分見込まれるわけで,今回も多数起きて,同時に起きていない農場もたくさんあるわけですが,全埋却予定地の点検といったものはどのように考えられているのでしょうか。
(知事)
そこも農政部の方で,埋却地についてはチェックをすると確か聞いたような気がしますが。
(記者)
来シーズン,また秋になれば。
(知事)
そうですね,シーズン前にはしておかなければいけないですよね。
(記者)
その辺の見通しはどうですか,何か指示は出されていますか。
(知事)
今,進捗がどうかということは,手元には情報がないです。確認したいと思います。
(記者)
指示は出されていますか,来シーズンまでにと。
(知事)
来シーズンまでにと特に具体的には言っていませんが,当然そういうマインドでする必要はあると思っています。
(記者)
明日から,北ふ頭の旅客ターミナルで,本港区の利活用アイデアのポスターセッションやプレゼンテーションがあると思いますが,知事はどこかのタイミングで視察する予定はありますか。
(知事)
プレゼンテーションの日は,月曜日は全国知事会があるためお伺いできないので,映像でと思っております。ポスターセッションについては,土日のどこかの時間を見つけてお伺いしたいなと思っております。
(記者)
ということは,プレゼンテーションは直接見られずに,後で録画みたいな形で見るということですか。
(知事)
そうですね。
(記者)
知事は結局,アイデアの234件というのはもう目を通されていますか,どうですか。
(知事)
234件は,全部が全部を詳細に見ているわけではなくて,ファイルがこれぐらいのものをパラパラとめくって,主なものについて見ているという感じですね。
(記者)
改めてですが,プレゼンテーションやポスターセッションというのを踏まえて,県の検討委員会の方にはどういった生かし方をしてほしいと知事は考えられていますか。
(知事)
234件,いろんなアイデアがあると思いますので,本港区エリアの利活用についての,「ここにはこんな機能があったらいいな」という具体的なこと,あるいは包括的な御意見,いろいろあろうかと思いますので,そういったことを,要素を丁寧に拾い上げて活用していただければと思っております。
(記者)
土日のポスターセッションはどこで行くというのは,今はっきり決まっていないですか,どうですか。
(知事)
まだ時間ははっきりとはしておりません。
(記者)
先ほどのチャーター便のハノイ線の話がありましたが,元々ハノイ線は定期便が運航する予定で,コロナの関係で1回も飛んでいないという状況だったと思います。先ほどの知事のお話では「チャーター便から始めて,数年後には定期便につなげたい」というお話でした。元々定期便をやる予定だったのに若干後退したのかなという印象を受けたのですが,状況を見てやり直しだというような認識でしょうか。
(知事)
2020年に,ベトジェットが定期路線を就航させるという話が,コロナの関係で凍結といいますか延期といいますか,そういうふうになっていたと理解しております。
ただ,今回訪問した感じでは,先ほど申し上げたのは,ベトジェットではなくて,ベトナム航空の方ですが,ベトジェットは今日本との間でいくつか路線を持っていて,今度広島便をという話もあったようですが,やはり延期というような形で,少し難しいところもあるのかなと。グランドハンドリングの関係もあるのかと思いますが。ですから,すぐにそこが再開という感じではないかなと思っております。
一方で,ベトナム航空の方は,これまでもチャーター便を飛ばしたという実績もありますが,また今後,チャーター便から飛ばしながら,そして地域のプロモーション活動も含めて定期路線につなげていけないかなということで,前向きにお話をいただいたと受け止めております。
(記者)
関連で,現在,香港が定期便を再開しています。あとソウル・台北・上海と,ここはまだというところですが,定期便再開のめどはだいたいどのようにお考えですか。
(知事)
なかなかまだ,やはりグランドハンドリングのところが十分ではないということでありますので,まだ具体的にいつということが言える状況ではないと思っております。
(記者)
今の質問と関連しますが,先ほどベトナムの航空便の関係で,「年度内にもチャーター便を」というようなお話があったと思いますが,それはベトナム航空さんの方,ベトジェットさんではなくて,ベトナム航空さんからそういうお話があったということですか。それともベトジェットさんからも同じようなお話があったのでしょうか。
(知事)
先ほど申し上げたのはベトナム航空です。
(記者)
ベトナム航空さんは,年度内にもチャーター便をまず飛ばして,定期便については数年内にできるかどうかというようなことを調整していこう,という感じだったということですか。
(知事)
はい,そういうことです。
(記者)
ベトジェットさんの方も,一応チャーター便については検討というような回答だったのですか。
(知事)
べトジェットはどうだったか,そういう話が具体的にあったかどうかあれですが,ベトジェットの方としては,ベトジェットから言われたのは,チャーター便なのか定期路線なのかはあれですが,要するに「鹿児島に飛行機を飛ばす場合の支援策ということについて相談したい」ということでありました。なので,これからいろんな条件を話す中で,そういった話もつながる可能性はあると思っています。
(記者)
そのほかの定期便はまだめどが立っていないということですが,この前に定期路線があった上海便は,まだチャーター便も飛んでいないような気がするのですが,その上海便について何かチャーターの話などがあるのでしょうか。
(知事)
前飛んでいた定期路線の中では,チャイナエアラインが6月に往復4便チャーター便が飛び,また大韓航空,そしてティーウェイ航空という韓国の路線はチャーター便が飛んでいたということで,香港が今,定期路線になりましたが,上海は若干まだ中国との間の往来といいますか旅行ということが制約がある状況なのかなと思っております。
(記者)
よろしくお願いします。
馬毛島に関連する話です。知事は今週,防衛省に大臣に要請に行かれたと思いますが,改めて,要望で宿泊施設の不足や廃棄物の処理といったものにどれぐらい善処されそうか,感触をお聞かせください。
(知事)
この前,19日ですか,開発促進協議会での中央省庁要望の一環で,防衛省の方にも別途要望にお伺いしたわけであります。これまで,1月に着工してから宿泊施設の観光産業への影響,あるいは廃棄物の処理の問題,治安に対しての不安というような,いくつか住民の皆さんから出ている懸念の声などを含めて,2月に防衛省に要請をしたのが5月に回答がありましたが,その回答の中でも,これからさらに人員が増えていくということで,1年後には種子島・馬毛島合わせて6,000人ということでありますから,それに向けてのどういった形で住宅が,住居が整備されるのかというようなことをできるだけ早く示していただきたいということや,焼却炉なども計画としては示されていますが,そういったことをしっかりやっていただきたい。交通誘導員の配置など,いろいろと,前回の回答でいただいたことについてはしっかりと,住民の皆さんの不安がないように安心・安全のためにしっかりとお願いしたい,というようなことをお願いし,防衛大臣の方からは「本件については,防衛省としても大変重要と考えていて,しっかりと対応します」というようなお話をいただいたと受け止めております。
(記者)
知事としては,防衛大臣の反応をどのように受け止めていらっしゃいますか。ポジティブに受け止めていらっしゃるのか。
(知事)
はい。防衛大臣は,こういった私どもの要望に対しては非常に真摯に受け止めて,ポジティブに対応していただけるという感触をいただきました。
(記者)
7月・8月は夏休みシーズンということで,種子島も本来であれば観光客の方が来たり,ロケットの打ち上げも8月下旬にありますので,本当なら観光で稼ぐベストシーズンだと思います。そういった中でなかなか,宿泊・レンタカー等々を予約しづらい状況であることについては,今どのようにお考えでしょうか。
(知事)
やはり観光への影響という意味で,馬毛島の影響もあるでしょうし,元々の人手不足の問題,両方あいまってということかと思いますが,観光への影響がどうなのかということは,また地元の自治体・経済団体等を含めて,よく状況を見ていきたいと思いますし,政府に対して要望すべきことが出てくれば,またしっかりと要望していきたいと思います。
(記者)
よろしくお願いいたします。
馬毛島の関連で,馬毛島の東側の部分では係留施設などが少しずつできてきて,島の姿が少しずつ変わりつつありますが,着工から半年がたって改めて島の姿を知事は見られた時に,どのように感じていらっしゃいますか。
(知事)
報道等の空から写している写真で港湾の桟橋が少しずつできてきているということと,島に住居が整備されているという状況は拝見しております。
また,環境保全上の取扱いということについては,節目節目で防衛省からも対応についてはお伺いしているところなので,そういったことは引き続きしっかりと見ていきたいと思っております。
(記者)
先日,防衛大臣に要望書を提出されたと思いますが,その要望書に具体的にいつ頃回答があると,そういったお話はあったのでしょうか。
(知事)
特に回答がいつあるかということではなくて,その場で審議官から,取り組みの方向性については御説明をいただきましたので,改めて回答があるということでは必ずしもないかと思っておりますが,ただ,今後いろんな動きがあるわけだと思いますので,そこについては随時,いろんな情報提供をいただけるようにしていきたいと思います。
(記者)
毎度の質問になりますが,知事が設置したいと言っておられた協議会に関しては,今,進捗はどのような状況でしょうか。
(知事)
ここは,まったく状況は変わっておりませんので,地元の方がなかなかまとまらないという状況でありますから,それに代わる形で地元の状況を個別あるいは事務的な連絡会の中で把握しながら対応していきたいと思っております。
(幹事社)
ほかにありませんか。
幹事社から,あと少し聞かせてください。
来週の本港区のプレゼンテーションですが,7人の方が決定されたと伺っています。知事はその方を把握されているのでしょうか。どういう提案をされている方が選ばれたという。
(知事)
はい。どなたがということは聞いております。
(幹事社)
その選定の方法ですが,検討委員会の方で選ばれたということでしたが,県の方はその選定基準については,どのように把握していらっしゃるかということと,県がその選定するにあたって絡んでいらっしゃるのか。
(知事)
いや,県というよりはもう委員の先生方の投票といいますか点数といいますか,それで選んでいただいている。
(幹事社)
あと1点,ビッグモーターの保険金の不正請求が問題となっていますが,県に何か相談が寄せられたりといった状況はあるのでしょうか。
(知事)
どうでしょう,私はそこは聞いておりませんが,消費者相談の窓口に来ているかどうか,まだ私のところには届いておりません。来ているか確認しておきます。
(幹事社)
では,続きまして川内原子力発電所関連の質問のある社はお願いいたします。
(幹事社)
幹事社から最初に質問させていただきます。
よろしくお願いいたします。
14日に,運転延長に関する意見募集を締め切り,99件の意見が県に寄せられました。まず,知事はこれに目を通されていますでしょうか。
(知事)
99件全部は,私はまだ目を通してはおりません。概要について,こんな意見がということは報告を受けました。
(幹事社)
知事としては,この数や,様々な意見が寄せられたことに対する受け止めとしてはいかがでしょうか。
(知事)
そうですね,多くの皆さんがやはり関心を持っていただいていると考えております。
(幹事社)
知事としては,この寄せられた意見をどの程度,知事意見や意見書に反映させるお考えでしょうか。また,反映させた上で,いつ頃意見表明をするお考えかもお聞かせください。
(知事)
中身によって,いろんな御意見をいただいています。この意見募集にあたっては,原子力規制庁,そして九州電力に対して要請する,その要請文に対しての御意見ということで募集したところでありますので,その要請文に対してのいろんな御意見ということについては,どういった形で反映できるのかということを,委員の先生方の御意見もお伺いしながら検討していこうと思いますが,それ以外の原子力全般についての安全性等についての御意見というものもありますので,それについて,どのように取り扱うのかということについては,今後の専門委員会での議論になるのか,あるいは要請文とは別に規制庁なり九州電力に対して伝えるのか,どういう取扱いにするかはこれからまた検討したいと思っております。
また,時期的なことで申し上げれば,これまでも申し上げているように,原子力規制庁が判断する前にということですので,この作業を終えて今月の下旬には要請文を持って行きたいと思っております。
(幹事社)
今月の下旬には。
(知事)
来週ぐらい,26日あるいは28日,それぐらいに,原子力規制庁・九州電力に対して要請したいと思っております。
(幹事社)
ではその26日か28日頃までに,この寄せられた意見はおおかた精査した上で意見書を報告する御予定ということでよろしいでしょうか。
(知事)
はい,そう考えております。
(記者)
関連で。
今の要請書の提出は,直接持って行かれる御予定でしょうか。
(知事)
持って行こうと思っています。
(記者)
よろしくお願いします。
原子力発電所の関連で,おっしゃっていたように要請書の予定はお聞きしましたが,一方では住民投票の手続きを進めている状況もあります。それが今月いっぱいで,届くかどうかは分かりませんが,そういうことをされている方もいらっしゃると。そういうことを踏まえて,その前に要請書を持って行くというところで,そこを待つというお考えはなかったのかなと思うのですが,いかがでしょうか。
(知事)
住民投票の手続きは,今署名活動をされている方が一定の期間後に到達した場合には,条例で求める請求が出てくるということかと思いますが,それをまた議会を通してということに,そして,また投票を実施してということになりますと,かなり時間的に,規制庁の審査・判断というのをにらみますと,厳しいのではないかなと思いますので,そういった意味では,まず,まとめていただいた意見書を基にした要請を,少なくともしておく必要があるのではないかと思っております。
(記者)
まだ結果は出ていないのですが,署名が一定数に到達すれば手続きに入るとは思いますが,その辺についてはどのようにお考えでしょうか。
(知事)
それは,法令の手続きに沿って適切に対応していくということになると思います。
(記者)
よろしくお願いいたします。
まず,知事は99件の意見を全部そのまま御覧になったわけではないということでしたが,概要の報告はあったということで,おおむねどういった内容の報告があったのでしょうか。
(知事)
いろんな御意見があり「今,九州電力が基準地震動についての審査を受けていますが,その地震の結果がまだはっきりしない状況の中で是非を検討するのは適当ではないのではないか」というような御意見や,「原子炉容器の照射脆化についてもっと細かに点検すべきではないか」など,いろんな専門的な「高圧ケーブルの絶縁抵抗値についての測定法を書くべきだ」などいろいろそういった技術的な話もあったかと思います。
一方で,「火山灰での腐食劣化の状況の有無はどうか」ということもありましたし,地元の自治体の皆さんからは「規制庁においてしっかりと審査してほしい」あるいは「丁寧に分かりやすい情報提供をお願いしたい」というような,そんな意見があったというふうに整理しております。
(記者)
一般の方からの技術的な話等いろいろあったということですが,99件の意見の概要,要約したものの報告があったということで,傾向といいますか特徴的なものは何かあったのでしょうか。
(知事)
特徴的なものというのは,やはり原子力の延長に対して不安に思う方からの御意見というのが数的には多かったと思います。一部に「電気料金の問題もあるので,延長してほしい」というような御意見もありましたが,これは要請書に対する意見ということではないとは思いますが,そういった御意見もありました。
(記者)
原発延長への不安の意見が多いというのは,厳密にいうと,今回は要請書案に対する意見の募集だったと思いますが,それとは切り離してなのか,延長自体に不安に思うような意見が結構あったということなのでしょうか。
(知事)
そういういろんな技術的な観点も含めて,あるいは幅広く原子力に対する考え,不安な気持ち,そういった御意見というのも多かったような気がいたします。
(記者)
その「多かった」というのは何か,99件中どれぐらいか,何かグラフのようなものがあるのかどうか分かりませんが,何かそういう,何割と言えたりするのですか。
(知事)
どうでしょうね,改めてそこは数えてみないとあれですが,あまりそんなに,全ての人が賛成というような,そういう声よりは不安なという方の方が多かったとは思いますが。
(記者)
あとは自治体から,先ほど「丁寧な説明を」という意見があったということですが,もう少し具体的に,傾向としてどういった意見が多く見られたというのはありますか。
(知事)
具体的と,それ以上具体的なということではないですが,あとは「避難対策をしっかりと」あるいは中には「交付金をもっとできないか」というような御意見もあったと思います。
(記者)
そういった,一般の方からはけっこう不安な声があったということで,来週,それを踏まえて要請書案を練られるということですが,県としてはどういったことを意識されて,要請書を作成していきたいとお考えですか。
(知事)
やはりそういった御意見も踏まえて,原子力規制庁に対してはきちんと厳正な審査をお願いしたいと思いますし,事業者である九州電力に対しても同様に,安全ということをしっかりと確保できるように,まずは対応をお願いしたいと思っておりますので,そういった観点から専門委員会の方でまとめていただいた留意事項の対応をきちんとしていただけるようにお願いしたいと思います。
(記者)
最後に,先ほど「直接持って行く」というお話がありましたが,知事が誰かにお渡しするということなのでしょうか。それとも担当課の方が。
(知事)
いえ,私から渡そうと思っています。
(記者)
では,東京に行かれるということですか。
(知事)
はい。東京あるいは福岡ですね。
(記者)
その要請書,来週は全国知事会もあると思いますが。
(知事)
全国知事会がありますので,帰りに寄って。
(記者)
帰りに寄ると。なので26日,なるほど。
(知事)
24日・25日行きますから,26日にお会いできればと思っております。
(記者)
何度もすみません。
要請の際の意見表明ですが,県としての考え方,知事としての考え方として,運転延長を受け入れる・受け入れないということで考えてよろしいのでしょうか。
(知事)
これまでも委員会の後のぶら下がりでも申し上げましたが,県の専門委員会の方では「九州電力はおおむね適正に対応している」ということではありましたが,現在,規制庁の方で審査を行っていますから,その審査結果がどうなるのかというようなこと,また,私どもの方から要請する事項に対しての規制庁そして九州電力の対応がどのようなことになるのか,きちんとやっていただけるのかどうか,あとは今後の県議会での議論といったことを踏まえて,県としての考え方を整理したいと思っております。
(記者)
「県としての考え方を整理する」というのは何度もお聞きしているのですが,それが「受け入れる」「受け入れない」という文言が入るのかどうか,はっきりとそれが分かるのかどうかというと,どうなのですか。
(知事)
それはこれから検討したいと思います。
(記者)
今の要請の関連です。先ほど知事が「26日ぐらいに持って行く」とおっしゃって,それまでに,原子力発電所全般のことについて,要請とは別に九州電力や原子力規制委員会に伝えるかどうかというのがあると。そうすると,要するに今の受入れの表明や意見表明と少し重なるのですが。例えば26日に要請書を出されるというのは,やはりあくまでも今回の科学的・技術的な,いわゆる特別点検と,劣化評価についての科学的な安全性について要請されて,それとは別の機会にそういう受け入れるか,受け入れないかという表現は別にして,県の意見はまた後日発表する,表明すると,そういう,変な言い方ですが,二段構えのような感じで今考えていらっしゃるのかどうか。今,検討中ということで,言いにくいのかもしれませんが。
(知事)
先ほど申し上げたように,今回要請をしますが,これは専門委員会の方で安全性の確保の観点から,要請する事項ということでいただいているわけですが,それは要請します。
ただ,今,専門委員会の方での意見だけではなくて,規制庁が審査でどういう判断をするのかということと,その要請を踏まえてきちんとそれに沿って九州電力なり規制庁が対応してくれるのかどうかというようなことや,県議会での議論,そういったものを踏まえて,県としてのこの延長に対しての考え方を整理するということなのです。
先ほど「原子力全般について」というのは,いただいた意見の取り扱い方ということで,要請文に反映するのか,それともこれは要請というのは原発全体ではなくて延長に関しての要請でありますから,それについては別途こういう意見も原子力全般についていただいたので,それをお伝えするかどうかというようなことも含めて,今後検討したいということです。
(記者)
それで,再三ですが,県の意見の整理,それに関する知事表明ということは,今のお話を聞いていると,規制委員会の結果が出る後で,規制委員会の審査を見なければいけませんので,後というような感じにも受け止められるのですが,いわゆる知事表明というのは。規制委員会の審査の後,時期として。
(知事)
後ですね,はい。
(記者)
そういうような理解でよろしいのですか。
(知事)
そうですね,はい。
(記者)
関連で質問させていただきます。「26日に東京か福岡」と先ほど知事の御発言がありましたが,それは東京で原子力規制庁の方に,福岡で九州電力の方にという解釈でよろしいでしょうか。
(知事)
そうですね,そう考えております。たぶん26日に東京で,28日に福岡でという。(九州電力の池辺社長は)電事連の会長もしておられますから,ひょっとして東京にいていただければ1回で済みますが,おそらく26日東京・28日福岡ぐらいの感じで今考えております。
(幹事社)
では,質問はないようですので,これで終わらせていただきます。
(記者)
川内原子力発電所関連ではないのですが,本港区のところで1点だけ。来週,市が協議会を開くというところで,具体的にどういったことを期待して,どんな議論を進めてほしいと思っているかお願いします。
(知事)
市の方で協議会を開いて,彼らは今,北ふ頭での整備ということを検討するということでありますから,私どもとしては北ふ頭での整備ということについては,引き続きグランドデザインとの整合性あるいは港湾計画という,港湾用地であるということとの関係等,いろんな課題があると思っております。そういった中で,どういったスタジアムを考えるのかという,その辺の姿をできるだけ明らかにしていただく必要があるのではないか,と思っております。
(進行)
では,これをもちまして,知事の定例記者会見を終了させていただきます。
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