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ホーム > 県政情報 > ようこそ知事室へ > 知事記者会見 > 令和5年度 > 令和5年8月25日定例知事記者会見

更新日:2023年8月25日

ここから本文です。

令和5年8月25日定例知事記者会見

時:令和5年8月25日(金曜日)午前10時00分~午前11時45分

場所:5階記者会見室(県庁5階)

動画版を見る(外部サイトへリンク)

「ムーブかごしま」からもご覧いただけます。

【発表事項】

1.夜間中学の設置

配布資料(PDF:109KB)

2.「燃ゆる感動かごしま国体」鹿児島県選手団結団式

配布資料(PDF:137KB)

3.「燃ゆる感動かごしま国体・かごしま大会」炬火到着式

配布資料(PDF:51KB)

4.2023全国ブロック代表新体操男子団体選手権大会

配布資料(PDF:86KB)

【質問事項】

1.夜間中学の設置

2.ALPS処理水海洋放出に伴う影響(1)

3.原油価格高騰対策(1)

4.奄美群島振興開発関係予算概算要求

5.選挙ポスターの公費負担

6.マリンポートかごしま浮桟橋の利用

7.クルーズ船受入れへの対応

8.グランドハンドリングの人材確保

9.サッカー等スタジアム(1)

10.高病原性鳥インフルエンザへの対応等

11.サッカー等スタジアム(2)

12.スポーツ・コンベンションセンター(1)

13.台風による生活関連物資及び薬剤等の不足

14.ALPS処理水海洋放出に伴う影響(2)

15.新型コロナウイルス感染症対策

16.医療的ケア児支援センターの設置

17.県職員懲戒処分の情報開示(1)

18.ALPS処理水海洋放出に伴う影響(3)

19.林業大学校の設置

20.姶良家畜保健衛生所移転

21.県立高校バス横転事故

22.米軍無人機MQ-9の事故

23.県職員懲戒処分の情報開示(2)

24.奄美群島振興開発特別措置法の延長

25.原油価格高騰対策(2)

26.スポーツ・コンベンションセンター(2)

27.川内原子力発電所の運転延長等

(広報課)
ただいまより,知事の定例会見を開会させていただきます。
会見の円滑な進行のため,数値の確認等詳細事項につきましては,追って担当課に御確認くださるようお願いいたします。
それでは幹事社の方,進行をお願いいたします。

(幹事社)
よろしくお願いいたします。
まず,始めるにあたってのお願いです。発言される方は挙手をしていただいたうえで,お近くのマイクを使って社名とお名前をおっしゃっていただくようお願いします。
また,携帯電話はマナーモードの設定をよろしくお願いします。
それでは,本日は,知事から発表事項があるということですので,よろしくお願いします。

【発表事項】

1.夜間中学の設置

(知事)
おはようございます。
まず発表事項の1つ目が,夜間中学の設置についてでございます。
先週の18日に,教育機会の確保の施策の在り方等に関する検討委員会から,この夜間中学の設置に関して最終取りまとめが示されました。この最終取りまとめにおきましては,夜間中学の設置については,基本的には各市町村教育委員会が行うことが望ましいが,現段階では県が設置した方が効率的・効果的であると考えられることから,県がモデル的に1校設置すべきとされております。場所については,交通の利便性等を考え鹿児島市内に設置されることが望ましく,また,既存の施設の活用等によりできるだけ早期に設置することが求められるとされております。
このことを踏まえて,本県初の夜間中学を令和7年4月の開校を目指し,交通の便も良く夜間課程の運営ノウハウを有している県立開陽高校の敷地内に設置したいと考えております。今後,教育委員会と相談しながらカリキュラムの検討など設置に向けた具体的な準備を進めてまいります。

2.「燃ゆる感動かごしま国体」鹿児島県選手団結団式

2つ目は,特別国民体育大会「燃ゆる感動かごしま国体」鹿児島県選手団結団式の開催についてでございます。10月7日に開幕する,特別国民体育大会「燃ゆる感動かごしま国体」に出場する本県選手団の結団式を,今月29日火曜日に鹿児島市の川商ホールで開催いたします。本県選手団は,正式競技及び特別競技の38競技に出場する監督・選手939人など,総勢988人となります。
この結団式では,団長の私から総合開会式の役員・選手団入場行進で旗手を務める選手に団旗を授与するとともに,本県監督・選手の証である,監督証・選手証を代表者に授与いたします。そのほか,代表選手のあいさつ,ガンバロー三唱などを予定しております。
また今年は,本県において開催される国体の結団式であることから,例年の内容に加え,高校生によるマーチングや書道パフォーマンス,本県ゆかりの著名アスリートからの応援動画の放映も予定しております。出演してくださる皆さまには結団式を大いに盛り上げていただき,県選手団に勢いをつけていただきたいと考えております。
監督・選手・競技団体等の関係者が一堂に会し,一致団結し,かごしま国体での天皇杯・皇后杯獲得に向けて士気を高めたいと考えております。

3.「燃ゆる感動かごしま国体・かごしま大会」炬火到着式

次に,燃ゆる感動かごしま国体・かごしま大会の炬火到着式の実施についてでございます。
この炬火リレーについては,先月20日に県庁で採火式を行った後,薩摩・大隅・離島の3コースに分かれて県内各地で行われ,明日26日,薩摩コースの鹿児島市到着で最終日となります。今月上旬は,台風6号の影響により奄美地方を中心にリレー自体の実施ができなかった市町村もありましたが,代わりの炬火イベント実施により全市町村をつなぐことができました。
来月7日木曜日に,県庁で到着式を実施いたします。到着式では,3つのコースでつながれてきた炬火を持った3名のランナーが3つの炬火受皿に点火した後,それぞれランタンに火を移します。ランタンに入った3つの火は,来庁者など県民の方にも御覧いただけるよう,開会式前日まで県庁1階のエントランスホールに展示いたします。
4月から開始したデモンストレーションスポーツに続き,今月19日からは国体の実施競技の1つである公開競技が始まります。また,来月16日からは国体の会期前実施競技が実施されることとなっております。10月の両大会本番に向け,市町村や関係団体等と連携して,県民の気運醸成を図りながら着実に準備を進めてまいりたいと考えております。

4.2023全国ブロック代表新体操男子団体選手権大会

次に,2023全国ブロック代表新体操男子団体選手権大会の開催でございます。
この大会は,来月25日に鹿児島市の西原商会アリーナで開催することとしております。新体操少年男子は,2023年のSAGA国スポから正式種目として復活することが決定しておりましたが,佐賀の国スポが2024年開催となったことで,新体操少年男子の復活時期も1年延期となりました。そこで,出場機会が失われた選手の思いに応えるため,それに代わる全国規模の大会として,かごしま国体の際に鹿児島・佐賀エールプロジェクトの一環として開催することといたしました。
国体の会期前実施競技の体操競技が終了する翌日に,同じ会場で日本体操協会,鹿児島・佐賀両県及び鹿児島市の主催で開催いたします。開催県である本県及び佐賀県の代表チームのほか,各ブロック大会を勝ち上がった9チームの計11チームが出場します。
鹿児島実業高等学校男子新体操部が本県代表チームとして,佐賀県立神崎清明高等学校男子新体操部が佐賀県代表チームとして出場することとなっております。入場料金は無料となっております。多くの方々に御来場いただき,選手の皆さんへの温かい声援を送っていただければと思います。
詳細については,今後,県実行委員会のホームページ等で案内することとしております。私からの発表は以上でございます。よろしくお願いいたします。

(幹事社)
それでは,発表事項に関して質問のある社はお願いします。

【質問事項】

1.夜間中学の設置

(記者)
よろしくお願いいたします。
ただいま発表のありました夜間中学の設置について,いくつか質問させてください。まず1つは,「令和7年4月の開校を目指し,場所を開陽高校の敷地内」とありますが,これは既存の開陽高校の教室等の利用を想定されているのか,あるいは敷地内に新たに何か施設を設けるというお考えなのでしょうか。

(知事)
生徒の教室については,既存の教室を活用しようと思っております。そのほか職員室等については,若干敷地を利用して増設が必要だと考えております。

(記者)
これは,この前の検討委員会の提言に基づいて出されたことだと思いますが,1つは今後の考え方として,事前のニーズ調査でだいたい136人といった方たちが希望されているということでしたが,どの程度の規模を想定していらっしゃるのかという点が1つと,不登校で引きこもっていらっしゃる方や御高齢の方で戦後の混乱期に義務教育を受ける機会がなかった方,あるいは在留外国人の方たちに対して,どういった形で募集なり広報といったものをかけていかれるのかという点,それから校名についてはどういった形で決められるのか。あともう1点,離島・大隅といった遠隔地やへき地というものが鹿児島県内にはありますが,そういった地域の方たちの受講方法は,何か補完することを考えていらっしゃるかという,この点についてお答えいただければと思います。

(知事)
いっぱいいただいたので,何でしたか,事前のニーズ調査では136人ありましたが,今後募集する中でまだ増えてくる可能性もあると思いますので,とりあえず今の考えでは,だいたい教室の数4つぐらいを用意した上で,ニーズに応えられるようにしたいと思っております。
遠隔地の方については,オンラインを活用した教育機会の提供ということができるように検討していきたいと思っております。
校名については,まだこれからの検討ということになって,どういうふうに検討していくのか,そこは教育委員会と相談してということになろうかと思っております。あとは何でしたっけ。

(記者)
募集方法や周知について,どういった形を。

(知事)
そうですね,募集方法も通常の学校案内等が今あるとは思いますが,具体的にどういった形でやるかということも教育委員会とまた相談して,在留外国人の方もいらっしゃると思いますので,普通の学校の,高校の募集とは少し違った工夫もいるかなとは思いますので,そのへんはまた詰めていきたいと思います。

(記者)
同じく夜間中学に関してですが,改めて,どういった学びの場になってほしいと思われているか,知事のお考えをお聞かせください。
もう1点ですが場所についてです。やはり高齢の方が多いかと思いますが,夜間中学は一般的に夕方の5時くらいから夜9時くらいまで授業があると伺っていますが,夜間終わった後にも無事に帰宅することができるか,このあたりの交通の利便性などについてどのようにお考えかお聞かせください。

(知事)
夜間中学校ということで,先ほどもお話がありましたが,戦後の混乱期において教育機会を得られなかった方,あるいは在留外国人の方などに対しての教育機会ということでありますから,できるだけ多くの皆さんにしっかりと義務教育課程における教育の機会を確保して提供するという意味で,非常に意義のあることだと思っております。
先ほどの委員会の方からの提言にもあったように,やはり交通の利便性ということを考慮した上で鹿児島市内ということで提言を受けております。そういった中で,開陽高校であれば市内の公共交通機関も近いということで,夜の8時・9時といった時点でも通学が可能になると考えております。

(記者)
夜間中学に関して補足的に伺いたいのですが,開陽高校なので,先ほど利便性ということを1つ挙げられたと思いますが,なぜ開陽高校なのか。たしか普通科や定時制もある施設,学校だと思いますが,そういう施設的な観点からの,なぜ開陽高校なのかということを聞かせてください。

(知事)
この委員会でも「既存施設の活用等により」ということで,新たな施設整備があまり必要ないということと,先ほど申し上げたような電車・バス・車等でのアクセスがいいということに加えて,今現在,定時制高校がありまして夜間でのそういった学校運営というノウハウがあるという点が,この開陽高校が適当であると考えた理由でございます。

(記者)
開設時期が令和7年4月ということで,1年半くらい先ですかね。開設時期をここに定めた理由というのは何になるでしょうか。

(知事)
やはり募集をして,ニーズ調査でもいろんな方がいらっしゃって,高齢者の方や在留外国人の方ということが考えられますので,かなりカリキュラムというものも工夫がいるのではないか,あるいはそういった教えるスタッフあるいは先ほど申し上げたような施設の一部整備といったような準備期間として一定の期間が必要ですし,また募集の期間も周知等必要ではないかと思っておりますので,そういった意味では,令和7年4月というところが適当ではないかと考えております。

(幹事社)
ほかに質問のある社はありますでしょうか。

(記者)
夜間中学に関連して確認です。入学対象としては,基本的にはいわゆる高齢の義務教育未修了の方,それと外国籍の方で,先ほど不登校の方も入るようなお話でした。その不登校の方を対象にすると,かなり増えるのかなと。そこは対象は,原則的にはどのように考えていらっしゃるのか。

(知事)
現在の学齢期の不登校の方というのは,今回の夜間中学の対象にはならないと考えております。不登校の方については,別途の学習室を活用したり,あるいはフリースクール等々の別の支援枠の方で対応するということで,この学齢期の不登校の方が夜間中学に通う場合には,中学校の修了の資格というのは得られませんので,そういう意味では別途の対応をするということで整理したいと思っております。

(記者)
では,基本的には,やはり,戦後の混乱期などで。

(知事)
戦後の混乱期等ですね,高齢の方でない方でもいらっしゃるかもしれませんが,何らかの理由により教育機会のなかった方ということで基本的には考えております。

(幹事社)
ほかに質問のある社はありますでしょうか。

(記者)
先ほど聞きそびれてしまったのですが,開陽高校の生徒さん,新しく入学される方の教室は既存のものを活用して,新たに新設整備するものというのはどういったものがあるのでしょうか。

(知事)
職員室・校長室など,そういったものを想定しております。

(記者)
教員の方というのは,やはりそういう夜間中学専門の教諭という方がいらっしゃるのでしょうか。どういうふうに先生を配置される予定でしょうか。

(知事)
これから具体的に人員については,誰をというのは教育委員会の方で検討することになると思いますが,基本的には通常の先生の中から選ぶことになるのではないかと思っております。

(記者)
引き続き,夜間中学について,開陽高校の敷地での整備ということで1つ確認です。基本的には先ほどおっしゃった校長室・職員室も含めて,開陽高校の敷地内で整備が可能という認識でよろしいでしょうか。

(知事)
はい。

(記者)
もし,敷地内での整備が難しい場合は,開陽高校の敷地を拡げたり,隣接する敷地を少し活用したりといったことは考えられるのでしょうか。

(知事)
今のところそういったことは想定しておりません。

(幹事社)
ほに質問のある社はありますでしょうか。
それでは,県政一般についての質問に移ります。
まず最初に川内原子力発電所関連以外の質問とし,その後に川内原子力発電所関連の質問とさせていただきたいと思います。

2.ALPS処理水海洋放出に伴う影響(1)

(幹事社)
それでは最初に幹事社から質問させていただきます。
福島第一原子力発電所の処理水の海洋放出が昨日から始まっていますが,開始を決めた国の判断に関する知事の受け止めをお願いします。

(知事)
国全体の課題として政府の方で判断されたということではあると思いますが,鹿児島県も水産業のたいへん盛んな地域でありますので,そういった点での懸念の声というのがあると思います。実際に中国が,日本からの水産物輸入を禁止したりと,そういった面で鹿児島県にもいろんな意味での影響があると思っておりますので,そこは政府の方で責任を持って対応するというようなことをおっしゃっていますので,そこの対応というものはしっかりしていただきたいと思っております。

3.原油価格高騰対策(1)

(記者)
ガソリンの補助についてですが,政府が9月末で終了予定だったガソリン補助金の期間を延長する方針を固めたということです。この政府の方針に関しての受け止めをお願いします。

(知事)
鹿児島県内のガソリンの価格も190円を超えていて,特に離島は更に十何円高くなっているということで,かなり国民生活や産業活動への影響というものも継続的になってきているのかなと思っておりますので,そういった点でいいますと,政府の方でそういったガソリン価格対策をしていただけるということであれば,速やかにそれを実施できるようにしていただければと思います。

4.奄美群島振興開発関係予算概算要求

(記者)
昨日,政府の奄振関係予算の発表があったところです。実質延長に向けた動きが進んできたのかなというところですが,概算要求に奄振予算が盛り込まれたことへの受け止めをお聞かせください。

(知事)
そうですね,今年度で奄振が期限を迎えるということで,これまで県の方で総合調査を行ったりしながら,政府の方にも延長及びその内容の充実ということを要望してきているところであります。
そういった中で,県の要望も踏まえた形で政府の方で概算要求を取りまとめていただいたということで,これからまた年末の予算案の策定へ向けて継続的にしっかりと要望していきたいと思っております。

(記者)
延長が,もちろん決定したわけではないですが,現時点でどういうふうに,前進度合というか,その辺はどのように概算要求の中で思われましたか。

(知事)
そうですね,全体の額として7%増で,公共事業そして交付金の内容的にも,我々の方の考えているような,沖縄との連携というようなことも含めて充実した内容にしていただいているという意味では,非常に奄振の今後の改定に向けて国交省の方でも御尽力いただいていると考えております。

5.選挙ポスターの公費負担

(記者)
4月に行われた県議選の公費負担分のポスター代についてですが,選挙ごとに上限単価が5,060円から最低では750円とかなり開きがあります。この現状の単価設定に対する県の評価を,条例で規定されているものなので知事に伺いたいと思っております。

(知事)
この上限額については,国の方の選挙での経費を準用する形で条例で決めていると承知しております。選挙区によって,一律の一定の積算方式で決めておりますが,企画の費用プラス印刷代ということで,その辺の印刷代のところが,何でしょう,枚数によって割り戻すときに,1枚当たりの単価という形でいけば開きが出てくるということだろうと思っております。
そういったことでいいますと,個別の印刷代も実態としては,いろいろあろうかとは思いますが,一定の平均的な状況といいますか,実態を踏まえた上で,国の方で決めておられるのだと思いますので,その辺の物価の上がり下がりいろいろある中で,国が改定すれば,県としてもその対応を見ながら検討することになるのではないかと思っております。

(記者)
国の規定に準じる形で県も考えていくと。

(知事)
そういうことになると思います。

(記者)
今回取材していく中で,今回の県議選のポスター代だけで何千万円と使われているというところが,それが県費から支出されているという部分で,それが「税金の無駄遣いになっていないか」という指摘もあります。今後,国の方針に則って変えるというお話ですが,ほかの自治体ではそういった公費負担制度自体をなくしたり,あるいは明細を出すよう,追加で企画費と印刷代等の内訳を詳細に求めるというやり方をされている自治体もあります。新しくそういったやり方というのを,申請の仕方を検討するというお考えは,現状されないのでしょうか。

(知事)
この補助自体が,補助といいますか,支給の額の上限を決めているのは,一定の考え方に沿って決めているということだと思います。実態として,印刷物を発注したときに,枚数の単価と企画とで分かれてやっている実態があるのかどうかという,そのへんの実態も踏まえた上でそういった形でやることが可能かどうか,他県の事例があれば,またそういったことも参考にしながらということになろうかとは思います。

6.マリンポートかごしま浮桟橋の利用

(記者)
マリンポートの浮桟橋について伺います。現在,「ジェットフォイル型の高速船が使えない」という声が関係者から上がっていまして,そもそも2019年に浮桟橋を設置した時点で岸壁の延伸工事が控えていることは分かっていたはずであり,その時点でも「しゅんせつや掘り下げが必要じゃないか」という声が出ていたと聞きます。それなのに今,県の方として浮桟橋に向かうルートの水深などを把握していないと聞いております。
そこで,このような事態になったことを知っていたのかと,どのような引継ぎがあったのか。今後の調査・利用促進の呼びかけ,今後どのように活用していくのかお伺いしたいです。

(知事)
マリンポートの浮桟橋を造るということと岸壁を延伸するという話は,私も聞いて承知しておりましたが,今御指摘のような,この岸壁が延伸されたときに,陸側を通る際にジェットフォイルが通るだけの,7メートルくらいですか,水深が確保されていないと,こういうことは最近になって知ったところであります。
当初,どうしてこうなったのかなというのが,ジェットフォイルをあまり想定していなかったのかもしれないですね。今実際に岸壁の方の近くを通っている,もう少し小さな箱型の船が来ることは想定しつつ,ジェットフォイルのトッピーなどまで想定はしていなかったのかなと。
今後,そういった最近のマリンポートの現状を見ても,海上輸送ということをもっと充実を図っていくということは,非常に効果的なことだろうと思いますので,今後,しゅんせつして通れるようにしていくということも検討しなければいけないと思っております。

(記者)
最初の試験運航はジェットフォイルを使っていたと思うのですが。

(知事)
最初ジェットフォイルも桟橋には着けるということで,一回は着岸したという,そのときはまだ岸壁の延伸ができていないときだったのだろうと思いますが,そこで今後,日常的にそれを活用していくという段階では,やはりまた岸壁の延伸を前提とすると新たな対策も必要になってくるということだと思います。
あとは,費用・予算的なところをどのように国と調整するかというようなことが,今後の課題としては出てくるのだと思っております。

(記者)
まずは,水深の調査に入るということでよろしいのですか。

(知事)
どういった段取りでするのか,そこは港湾の担当部局と相談していくことになろうかと思います。

7.クルーズ船受入れへの対応

(記者)
関連してですが,中国の団体旅行が解禁され,今後,クルーズ船寄港も更に増えてくることが想定されていますが,運転手不足によるバスやタクシーが十分ではなくて,交通機関での市中心部などへのアクセスも悪いと思います。渋滞などのイメージは鹿児島のマイナスイメージにもつながると思います。臨港道路等もまだ完成まで3年かかるということで,コロナ明けのこの復活の好機を逃しかねないと思うのですが,どのように対策されていくのでしょうか。

(知事)
クルーズ船の観光客の方がたくさん来られたときに,それぞれ県内の観光地への移動という二次交通の部分が非常に混雑して時間がかかる,というような御指摘だと思います。
一つは,やはり船社の協力もいただきながら,できるだけシャトルバスを用意するような形で,とにかくあのマリンポートを脱出というか出るのに,個別にタクシーで皆さん移動するというよりは,まずはある程度まとまった形で,シャトルバスなり,観光バスなりで,中央駅,天文館,仙厳園あるいは知覧など,それぞれの目的地にスムーズに出られるような工夫というのが必要になるのではないかと思っております。また,水上交通も,もっと浮桟橋を活用した形で運ぶようなこともこれからしっかり対策をしていく必要があるのではないかと思っております。

(記者)
先日,クルーズ船寄港の場に初めて訪れられたと思いますが,そのときの印象と,3月の再開以降クルーズ船がたくさん来ているのですが,気になってプライベートで行かれたことはありますでしょうか。

(知事)
マリンポートはこの前初めてでありまして,北ふ頭の方はお伺いしておりますが。気になったことは,非常に混雑していて,5千人近い方々が来たときに,上陸の手続き,そしてまた,観光案内所もごった返していて,その後バス・タクシーに乗るのにまたかなり,特にタクシーが長蛇の列になっているということで,その辺の観光地への足という意味では,先ほど申し上げたようなもう少しスムーズにする工夫がいると思いますし,観光案内の所も船社との協力が必要だと思います。また,船内で鹿児島のいろんな観光地の案内や,どういった所へ行くにはどういう方法があるかアクセスの仕方,そういったものは観光案内の所でなく,上陸するまでの間に少し皆さんに知っていただくような工夫も,船社との間で協力することで,鹿児島での滞在時間を有効に使えるようにできないかなというふうなことは考えております。

(記者)
プライベートで見に行かれたことはありますか。

(知事)
プライベートでは行っておりません。

8.グランドハンドリングの人材確保

(記者)
話題は変わりますが,グランドハンドリングの数がなかなか十分な数に戻っていなくて,国交省がこのほど示した「持続的発展へ向けたビジョンの中間まとめ」では,地方自治体の空港業務支援も誘致支援の一環と位置づけた上で,それを求めています。何か,今も対策されているのは一つありますが,そのほかに対策やお考えはないでしょうか。

(知事)
なかなか,行政としてどこまでできるかということで,人材募集のいろんな経費などを支援したりといったことはしております。
またあとは,今,県内の1社で請負っているところでありますが,他に全国でこういった業務ができる会社・事業者はないかというようなことや,他のエアラインの協力,いろんなことはこれまでも当たってはきておりますので,引き続き,そういった形でなんとかグランドハンドリングがうまく回るような形でマンパワーを確保できないかということは,行政としても取り組んでいきたいと思っております。

(記者)
その他の所でできる会社というのは,誘致されているということですか。

(知事)
そうですね,やっていただける所がないかということで,いくつか実際に鹿児島空港を見てもらったり,そういったこともしています。ただ,なかなか全国的にもこういったことを他の所でやっている会社も,そこで手一杯という感じで,今まで実現には至っていないというところではあります。

(記者)
鹿児島空港レベルで,グランドハンドリングを1社でやっているというのが珍しいと思いますが,それを解消したいというお考えでしょうか。

(知事)
解消といいますか,今請負っている1社でできないということであれば,その他の会社・事業者,そういった方でできる方がいれば,そういった会社なりにしていただくというのも一つの方策ではないかとは思っております。

(記者)
これまで何社か見に来られたり視察されたりしているのでしょうか。

(知事)
何社だか,私もあれですが,いくつかは来られたのではないかと思います。

(記者)
まだ決定というのは今のところなく。

(知事)
先ほど申し上げたように,他の空港で手一杯で,鹿児島でのグランドハンドリング業務に参入するという余裕はないということで,これまで実現には至っておりません。

9.サッカー等スタジアム(1)

(記者)
まずサッカースタジアムについてであります。今月開かれた鹿児島市議会の特別委員会において,県から8つの項目について系統立てて,市に対して質問を投げかける文書が送られていたというのが,先月の時点で送られていたということが分かりました。この文書に込められた思いというのは,これは知事はどのようにお考えでしょうか。

(知事)
文書に込められた思いというか,これまでもドルフィンポートに整備したいという話があったときから,共通してお願いしていることでもあるわけですが,主としてやはり,北ふ頭も本港区エリアにありますからグランドデザインとの整合性ということをどのようにお考えなのか,あるいは港湾としての機能を今現に果たしている北ふ頭における機能の維持,あるいはそれを移転するというのであればどういうふうに考えているのかというような,その辺のお考えがやはり必要だということで,これまでも繰り返し,市には投げかけてきているところであります。

(記者)
この文書の各項目がクリアできないとなかなか整備は難しいということなのかなと思うのですが,この8つの項目がもしクリアできない場合は,どうなってしまうのかということと,併せて来月検討委員会が開催される予定と伺っていますが,その検討委員会の開かれるいつまでに,この8つの項目をクリアする必要があるのかどうかということ,2点お聞かせください。

(知事)
なんでしょう。鹿児島市の方が,北ふ頭への整備ということを考えていて,私どもの方で検討している本港区エリアの利活用の検討委員会でゾーニングの議論が始まる,そのタイミングを逸することなく説明したい,とおっしゃっているわけですから,そういったことを踏まえて,そういうことであれば今後,今回の委員会があるので,ぜひそういったところで御説明いただきたいということをお願いしているということです。
それで,クリアできるのかできないのかよく分かりませんが,そこら辺はそのことを踏まえて,鹿児島市の方でまたお考えになることかと思います。

(記者)
この示された8つの項目というのは,いずれも整備にあたっては必須条件というふうになるとお考えでしょうか。

(知事)
やはり,港湾機能の維持やグランドデザインとの整合性なり,お願いしていることについては必要なことではないかと思っております。

(記者)
昨日市長会見が行われまして,下鶴市長から「この北ふ頭での整備については,面積上可能」という発言があったように伺っておりますが,こちらの市長会見の概要について既にご存じかと思いますが,どのように捉えられましたでしょうか。

(知事)
この前,配置のイメージ図みたいなものが出ましたが,あのイメージ図ですと,今ある航路の上屋あるいはターミナル,そういったもののスペースが位置づけられておりませんので,面積的にどういったふうにきちんとそれが配置がなされるのか。そのスタジアムの規模がどれくらいの中身でこうなる,あるいは鹿児島市が言っている「多機能複合型」ということですから,そういった意味では通常のスタジアムとは違う配置なり規模なりというものも想定されると思いますので,その辺の具体的な図面の配置案がなければ,単純に面積的にこうだというようなことにはならないと思います。また,航路を持っていらっしゃる船社と具体的にこれくらいのスペースがあれば大丈夫だというようなことを,まだしっかりと話している段階にもないと思いますので,単純に「面積的に大丈夫だ」ということを言われても,本当にそうなのかということについては,これから市の方でしっかりとまた検討されて,示していただけるのではないかと思っております。

10.高病原性鳥インフルエンザへの対応等

(記者)
もう1点,出水市の鳥インフルエンザの処理した鶏の埋め直しの作業についてです。今月,出水市の地元の住民説明会がありまして,今年の11月中に埋め直しの作業を完了するという方針が示されました。そもそも,この埋め直しの作業については,これまで2度にわたって延期されているわけですが,これだけ長くにわたって延期されてしまったという,この事実については,県政を預かる知事の立場としてどのようにお考えでしょうか。

(知事)
昨年末から続いて,この埋め替えの問題というのが非常に長く時間がかかっていて,地元の住民の皆さんをはじめ大変御心配・御迷惑をおかけしているということで,その点については率直におわびを申し上げたいと思います。その上で,やはり環境保全をしなければならないということでありますから,できるだけしっかりとした形でこの事業を行っていきたいと思っております。
昨年,埋めてから液体が流れ出したりということで,水道やため池の洗浄等もしながら,ただ根本的な解決に向けては埋め替えが必要だということで,地権者の皆さんとの調整をしたりというようなこと,あるいは地元の皆さんからの処理方法についての御意見等があり,埋却の仕方等も技術的にそれで大丈夫かということでの検討もしたり,そういったことに時間を要したり,あるいは埋め替え作業を行う上での道路の敷地を確保したりというような調整等々に時間がこれだけかかっておりますが,できるだけ早く住民の皆さんに安心していただけるように対応していきたいと思っております。

(記者)
地域住民からは説明会の中でも,2度にわたって延期になったという経緯を踏まえて,11月頃という目途に対しても「本当に守れるのか」というような不安の声や指摘がかなりあったように思います。一つ,雨の影響などがあったと伺っていますが,今後も長雨になればそういった影響というのは9月・10月と続いていくリスクはあると思います。そういった中で,必ず11月中に達成できるかという見込みについては,どのようにお考えでしょう。

(知事)
これまでの,延期になったというのは,先ほど申し上げたように一つは,住民の皆さんと意見交換をする中で「しっかりとした対策を講じてほしい」ということで,技術的な検討等に時間を要していたということ。それから地元の皆さん,地権者の皆さんとの道路の使用等についての調整に時間を要したということであります。
今回も11月ということで考えておりますが,台風等の影響といったものがある可能性もありますので,そういったことも含めて11月末ぐらいと現時点では予定しております。

(記者)
ですから達成できる見込みが極めて高いとみてよろしいのでしょうか。

(知事)
11月末ということで,できると思っております。

11.サッカー等スタジアム(2)

(記者)
サッカースタジアム関連で,先ほどあったように県から市の方に8項目の質問状が出ていると思いますが,今やっている県の本港区の利活用検討委員会というのは,本港区の全体像を話し合う場であって,個別の施設の是非を議論する場ではないのではないかと思いますが,それでもこの8項目というのは,やはり鹿児島市の方から示されないといけないと知事はお考えですか。

(知事)
本港区の利活用の検討委員会というのは,この本港区エリアにおける機能を,どういったことをどういった形で整備していくかということを議論する場ではありますが,そういった中で,鹿児島市の方で,一つの整備の在り方ということで,サッカースタジアムを考えているということで,説明したいということで,これまで委員会の場でも市の構想について御説明いただいてきているということであります。
また,そのゾーニングを決める際に,そういった一つのアイデアというものも委員の皆さんに聞いてほしい,ということでありますので,そういったことであれば,この場所に整備する場合どういった形でできるのかということは市の方で機を逸することなく説明したいということでありますから,そういったことも踏まえて,こういった地域にどういった形で機能を整備するかということを御議論いただくということになるのだろうと思っております。

(記者)
ただ,昨日の市長会見を見ていますと,「その時点で答えられるものを答えていく」という認識を下鶴市長は示しているみたいです。ですから,この前の県から出した文書だと,次の検討委員会までにできれば全部答えろというようなニュアンスだったと思いますが,そういう意味で言うと全部は一気に答えられないのかなというような理解をしたのですが,そこについてはどのようにお考えですか。

(知事)
鹿児島市からは,県・市のやり取りの中では,「次のときにちゃんと回答します」とは聞いてはいますが,ですからそこが熟度があるのかどうかというような趣旨で昨日は何か話をされたのですかね。そういう意味では,県としては,やはりきちんとした形でのできるだけ精度の高い回答といいますか,御説明をいただきたいとは思っております。

(記者)
どちらが先になるのか分からないですが,場所がある程度ゾーニングなどでスタジアムが生き残ってこないと,鹿児島市の方も予算を付けて詳細な調査もできないのではないかなというのも思ったりしますが,そのあたりの精度や熟度というのはどのくらいのものを知事としては考えていますか。

(知事)
今のお話でいきますと,それは県と市の関係というよりは,市と議会との関係のような気がします。どの程度の熟度といいますか,場所というものが決まっているということで,ここでもう決まったということでなければ調査ができないというのか。ある程度の何といいますか,エンターテインメントゾーンと言っていますかね,そういった形でのゾーニングさえできれば,そこから先は将来どうなるか分からないけれども,そこにスタジアムを建てることについての各種の調査というものを市としてできるのかどうか,市と議会との関係なのではないかと思います。
ただ,具体的に,北ふ頭にスタジアムを建設整備をするということであれば,どういった形でどういったものを整備するのかということや,多機能複合型というのは具体的にどういったもので,中心市街地への経済的効果というものが本当にどれくらいあるのか,航路の港湾機能というものをどのように維持するのか,人流・物流との錯綜する部分についての課題をどう解決するか,そういったことを詰めていく必要があると思っています。

12.スポーツ・コンベンションセンター(1)

(記者)
景観形成ガイドラインのアドバイザーの方々との意見交換の中で,県が本港区に造る体育館のPFI手法についていろいろ苦言が出ていたかと思いますが,知事はそこはどうお考えですか。

(知事)
苦言・疑問ということではなくて,前にも坂さんとも意見交換したことがありますが,PFIというと,ともすると経済効率性などが優先されて,デザインというものがないがしろにされるといったことになりかねないので,そこはPFIという手法をとる場合であっても,いかにデザインを優れたものとして整理するか,といった観点での要求水準書の作り方や進め方,そういったことを工夫してほしいといったことだと思っております。
どういった形でデザイン性を確保するかということをこれからも御相談しながら検討していきたいと思っております。

(記者)
PFIや体育館のデザインにまで助言するというのは,アドバイザーの役割だと理解していいのですか。

(知事)
具体的にこんなデザイン,あんなデザインということをアドバイスしていただくということではなくて,それは実際に設計したり,事業者として事業体としてPFIを整備を行う事業者なりが行うことではありますが,その際にいろんなデザイン,優れたものが出てくるような形,あるいはそれを審査する上でしっかりデザインの視点を持って審査するといったようなやり方・考え方,そういったことについてのアドバイスをいただくということだと思っております。
また,お二人には,スポーツ・コンベンションセンターの建築のデザインについてのアドバイスということではなくて,まちづくり全体ということで広くいろんなことの御助言をいただきたいと思っております。当面は,景観のガイドラインについてのいろんな御意見をお伺いしたいということではありますが,幅広く,大所高所からいろんなアドバイスをいただければと思っております。

(記者)
知事としては,PFI手法を導入してもデザイン性というのはある程度確保できるとお考えでしょうか。

(知事)
やり方によってできると思っております。坂さんも,フランスの方でPFIで,たいへん良いデザインのものもできているというようなことも御指摘いただいておりましたので,そういったことは可能になるように,また御指導いただきながら進めたいと思っております。

(記者)
鹿児島市のスタジアムの中で知事がよく「グランドデザインとの整合性」というのを挙げられていると思いますが,その意味では,本港区に整備しようとしている総合体育館というのは「365日にぎわう」というそういう視点からいうと,整合性はあると考えていますか。

(知事)
はい。スポーツ・コンベンションセンターの場合は,365日のうちの7割はスポーツ利用,残り3割がコンベンション利用というふうに需要を算出しておりますし,またこれからの具体的な設計において,観光客の皆さんなど住民の皆さんにも広く開かれた施設として,利用者以外もここに集いにぎわうような形で整備をしていきたいと思っておりますので,十分グランドデザインとの整合性は確保できると思っております。

(幹事社)
ほかにいかがでしょうか。

(記者)
今もありました新総合体育館についてお話を伺いたいと思います。元々,2020年にかごしま国体が開かれる予定で,その10年ほど前から,新しい体育館を整備しようという話が持ち上がったと思うのですが,それから建設予定地が二転三転し,そのたびに反対意見もあり,結局整備されないまま10月のかごしま国体を迎えることになりましたが,現職の知事としては,今このような状況をどのように捉えていらっしゃいますでしょうか。

(知事)
最近,佐賀でSAGAアリーナができたりというようなことで,山口知事は盛んにPRして,来年のSAGA国スポと合わせて非常にいいタイミングでできたということだと思います。
鹿児島においては,先ほどいろんな経緯もあり,国体には間に合わなかったということかと思いますが,それはそれで,これまでの経緯でありますから,やむを得ないことかと思います。
ただ一方で,今の県体育館が非常に老朽化しているということも踏まえますと,できるだけ早く整備をするということには変わらないと思っておりますので,この基本構想を踏まえてしっかりと整備に向けて進めていきたいと思っております。

(記者)
今もありましたように,SAGAアリーナに私も伺ったのですが,本当に映像・音響も最新鋭の機器をそろえていて,周りのにぎわいというのも創出できていると思います。純粋に一県民として,なぜ鹿児島でできなかったのかなと思うのですが,土地の問題だったのか,費用の問題だったのか,それとも反対意見との調整が難しかったのか,そのあたりはいかがでしょうか。

(知事)
今までの経過を見ていると,場所についてのいろんな御意見というのが大きいような気はしております。あと,進め方として,まず場所を決めてそこに建てるということを決めてから,ではどういうものをという話でしたので,私が就任してからも「まず場所ありきではなくどういったものが必要なのか,どういったものを造るのか,そういったことを議論しましょう」ということで,基本構想検討委員会でいろんな方の御意見をお聞きしながら,スポーツ・コンベンションセンターという形での整備を今の候補地において整備するというふうにしてきたということで,若干,そういった手続き的なところの問題というのも,これまではあったのではないかと思っております。

(記者)
改めて,具体的な建設予定,完成予定の時期はいつ頃を考えていらっしゃいますでしょうか。

(知事)
たしかあれは令和11年でしたかね。令和11年に供用開始だったと思っております。

(記者)
令和11年。

(知事)
はい。

13.台風による生活関連物資及び薬剤等の不足

(記者)
奄美関係でお尋ねします。台風6号の影響が長期化して,奄美では生活物資が不足する事態となりました。備蓄の問題については,これまでも地元から要望がありましたが,県としては今後どのような対策をお考えでしょうか。

(知事)
いつも台風が来ると,生鮮食料品を中心に離島での物資が足りないというようなことが繰り返し起きてきていて,今回は台風6号がイレギュラーな形で2回にわたって襲来するというようなことで,非常に長期間にわたって船が来なかったということが非常に大きなことだったと思います。
そういった中で,どういう形で必要な物資というものを確保するかということについて,またいろんな調査を県の方でもしたいと思っております。生鮮食品その他必要な物資について,どういった形で確保するのかということを検討していきたいと思います。今,具体的にこうというものがあるわけではありませんが。

(記者)
関連して,この台風6号の影響長期化で,奄美では輸血用の血液製剤が不足する恐れも生じました。この問題についてもこれまで県議会で取り上げられてきましたが,島の人たちにとっては命に関わる問題であり,知事としては今後どのようにこの問題を解決すべきか,お考えをお示しください。

(知事)
血液製剤をいかに確保するかということで,これまでも赤十字としっかり議論してきておりますが,なかなか実現しないということで,血液製剤をそれぞれ備蓄して,通常であれば全体で17本のところを今回は27本ということで,台風が来ることを見越して少し多めに血液製剤を用意していたところであります。そういった中で,A型について残り3本ということで,あといくつか大きな手術があれば足りなくなるという状況。ただ,O型の血液製剤はまだ相当残っているということで,なんとか今回はそれほど大きな影響はなかったと聞いております。
また,例年でも,数件は血液製剤ではない実際に供血を募集するという例もあると聞いておりますので,そういったことも含めて,今回のように長期間にわたって物資が運べないというような状況の中で,どのように住民の皆さんの安心・安全を確保するかという,そういった備蓄についても,また引き続き考えていきたいと思っております。

14.ALPS処理水海洋放出に伴う影響(2)

(記者)
福島第一原子力発電所の処理水の海洋放出についてですが,先ほど冒頭では「政府が対策をとる」とおっしゃいましたが,あとは「県内にも影響が多少なりともある」ということでした。具体的にこういう心配をしているというような声が,昨日の放出を受けて県の方に入ってきたりはしているのでしょうか。

(知事)
担当のところには来ていると思いますが,私直接というところではないですが,それほど今鹿児島県が大きな輸出量があるということではないわけでありますが,それであっても日本全体でいけばかなり大きなシェアを中国あるいは香港が占めているという中で,国内全体での魚の需給バランスが崩れるほどの値崩れといったようなこともあるということでありますから,できるだけ販路開拓をしたり,需要喚起をしたりというような対策が必要なのではないかとは考えております。

(記者)
県としては,具体的に補償といいますか,そういう支援というような形を今後検討されることは考えていらっしゃいますか。

(知事)
水産への風評被害等についての補償ということについては,事業者がすると聞いておりますが,そうではない新たな販路開拓に向けての,今日の報道にもありましたが,HACCP対応の施設を造ることで中国以外のほかの市場を開拓するとか,あるいはコロナの時期のいろんなお魚レスキューなど,いくらか需要喚起策のようなものもあったと思いますが,政府もいろいろお考えになるかと思いますので,そういった政府の対策も踏まえながら,県としてもそういったできることをしっかり検討していきたいと思います。

(記者)
また,県としては2025年度までに農林水産物の輸出額500億円を目指していますが,これへの影響はあるでしょうか。

(知事)
それは少なからずはあると思います。今,ブリの輸出も全体で5%くらいではありますが,これからさらに,アフターコロナで中国へ向けても一定の市場開拓ということも考えていたところだと思いますので,いろんな意味でその他の農産物はまだないですが,これからというときにいくらかは影響があるのではないかと思います。

15.新型コロナウイルス感染症対策

(記者)
新型コロナウイルス感染症についてお伺いします。お盆前にかけて,定点医療機関当たりの感染者の増加傾向が続いていたかと思います。そのときを振り返ってですが,外来や入院の対応,医療機関の受入れを巡る対応で,何か混乱が見られなかったか,知事がどのように評価されているかをお伺いします。

(知事)
外来の取り扱いあるいは入院ということでいいますと,確保病床についての病床使用率というのは4割から5割くらいで推移していて,外来もかなり多くの医療機関で対応していただいて,大きな混乱ということはそれほどなかったのではないかと思っております。

(記者)
今後に向けて,鹿児島では高齢者と妊婦対象の宿泊療養施設と,今フォローアップセンター鹿児島での相談対応を9月まで継続していくということで取り組まれているかと思います。その仕組みは予定どおり9月末までされるという認識でよろしいでしょうか。

(知事)
宿泊療養施設は9月末まででおしまいということであります。その後の相談等については,引き続き実施していく方向で検討していたと思います。

(記者)
今後,国の公的支援について議論が進められていると思いますが,何か,医療体制の充実や新型コロナウイルス感染症関連で,そういった国の動きに合わせて県独自で何か取り組みをしていくという計画があれば教えてください。

(知事)
今のところ,おおむね国の方針に沿って対応しているということで,特に県独自で何かをしていくということは今後はないかなと思っております。

16.医療的ケア児支援センターの設置

(記者)
別件ですが,9月に開所予定の,医療的ケア児支援センターについてです。9月開所ということでしたが,開所日は決まっているかということと,センターの人員体制等の体制をどのようにされるか,というところが決まっているか。
また,知事として,どのようなセンターとして運営,運営は看護協会だと思いますが,どのようなセンターにしていかれたいかという思いを改めて聞かせてください。

(知事)
医療的ケア児支援センターは,たしか9月5日に開所する予定だったと思います。
人員体制は,看護協会の方で2人体制があり,中身としてはこれまでいろんな医療的ケア児の皆さんがいろんな相談をしたりする所の調整や御紹介をしたりというワンストップサービスをするということや,医療的ケア児に係るコーディネーター等の人材育成のための業務,といったいろんなそういった医療的ケア児の皆さんの生活をしっかりと支えるようなセンターになっていければと思っております。

17.県職員懲戒処分の情報開示(1)

(記者)
先日17日に,県の職員の方が補助金の不正受給に関わったということで,停職6カ月という処分を受けたという発表が県の方からありました。公務員としてはかなり重い処分だと思いますが,公表するときに当該職員の氏名・年齢・性別・所属部署・処分の日付,いずれも県の方から公表されていないのです。こういう公表基準を置いている理由について,改めて知事の方から説明いただけますか。

(知事)
いずれも公表してない。

(記者)
してないですね。

(知事)
年齢は40歳代と。

(記者)
歳代は年齢そのものではないと。

(知事)
年齢が何歳ということは,従来から言っていませんね。何歳というとすぐ分かってしまいますよね。
この懲戒処分というのは,処分の事案の概要ということはしっかりと説明をする必要があると思っておりますので,そういったことで必要な部分でいろんな属性等についても公表はすることにしておりますが,この公表にあたっての基本的な考え方としては,本人というものが特定されないということを基本としております。懲戒免職等の重大な案件については,氏名等も含めて公表するということはありますが,それ以外のものについていえば,今申し上げたように,個人を特定できないような形での必要な情報を公開するということでございますので,今の分でいえば,事案の概要そして処分の量定・時期,そして所属・階級といったようなことについては公表しているということです。

(記者)
その中で,性別については今年度から非公表としているということ,運用されているということらしいです。17日に人事課長から記者説明があったのですが,「そもそも県民は,被処分者の性別に関心がないのではないか。関心があるのか。」という発言があったのですが,それについては知事も同じ御意見ですか。

(知事)
関心があるかどうかは,それはもう県民の皆さんのあれですからそこはよく分かりませんが,性別について公表するかどうかということが,先ほど申し上げた個人を特定することにつながるのか,つながらないのか,そこだと思うのです。性別を言うことで個人が特定されるということではないかと思うので,そういった意味で最近,性別については公表の対象にしないということにしたということです。

(記者)
今は,公表基準については,性別もそうですが,例えば処分日付・所属,そういったのは改めるという検討というか予定は特にありませんか。

(知事)
処分の日付は出していないでしたっけ。

(記者)
今後公表していくということもないですか。

(知事)
どうなのでしょう,処分の,個人の識別ができるようなものかどうかということですよね。

18.ALPS処理水海洋放出に伴う影響(3)

(記者)
3点ほどお伺いさせていただきます。1点目が,福島第一原子力発電所処理水放出における中国の水産物禁輸についてです。香港でも7月から水産物や農産物の検疫が強化されているという報道がありますが,県内生産者などへの影響がありますでしょうか。

(知事)
香港の影響ですよね。香港も一定の水産物を輸出しておりますので,そこで検査が強化されるということになりますと,冷蔵の水産物が事実上輸出ができなくなるということになりますので,その部分については影響が生じるものと考えております。

(記者)
県としては,中国や香港というのは輸出先としてどういった位置や存在に当たるものになるのでしょうか。

(知事)
香港は,鹿児島にとっては水産物あるいは畜産物などの輸出先としては非常に大きな市場だと考えております。中国はまだそこまで水産物の輸出等も大きくはないということではありますが,ただ,人口も非常に多いですし,先般も上海などでも鹿児島の物産のPRなども行って,これからの市場開拓という意味では,非常にこれから大きくなる可能性もあるのではないかなと思っております。

19.林業大学校の設置

(記者)
2つ目が,林業大学校についてです。28日に,林業大学校の設立を含めた4回目の林業担い手確保に向けた協議会が開かれます。9月に最終的な方針を決めるとのことですが,改めて知事のお考えをお願いします。

(知事)
林業もほかの産業と同じで,担い手をいかに確保するかということは非常に大きな課題になっております。そういった中で,これまで県としてはスーパーきこり塾など,人材の研修・資格の取得,そういったことを支援してきたところでありますが,これまで県議会などでも非常に強い要望が出されており,この前も県の森林組合連合会でも,林業大学校の整備についての要望が決議されているということもありますし,また,県の方で行った林業の事業体へのアンケート調査においても,設置に対しての一定の数の要望ということがありますので,そういった観点から,改めて他県の事例など,あるいは事業体の皆さんとの話・意見交換等で,「協力していただけるのか」「必要かどうか」等のいろんな御意見をお聞きしたところです。
今後,最終的にこういった人材の確保に向けて林業大学校をどういうふうにしていくのか,その他の人材確保も含めて検討していただいているということでございます。

(記者)
仮に林業大学校が設立となると,講師の派遣・実習場の確保といった課題がありますが,県としてどのように対応していくか,お考えはありますでしょうか。

(知事)
やはり,実習場所という意味では,林業の事業体の皆さんの協力ということが必要になってくると思っております。

20.姶良家畜保健衛生所移転

(記者)
姶良家畜保健衛生所の移転についてお話を伺います。先月の住民説明会では,「8月にも県の候補地に造成を始める」とのお話がありましたが,着手はもうされたのでしょうか。

(知事)
いや,まだですね。住民の皆さんとの話し合いがまだ続いておりますので,この前の住民説明会のときは,早ければこういうようなスケジュールということで,仮定のスケジュールとしてお示ししたということであり,実際にそのスケジュールでやっているということではありません。

(記者)
着手の判断材料というのは,どういったものになるのでしょうか。

(知事)
1つは,姶良の家畜保健衛生所が非常に老朽化しているという中で,これからまた鳥インフルエンザのシーズンもやってくる,あるいはその他の家畜伝染病対応ということがいつ来るか分からない中で,畜産県である鹿児島県としては,できるだけ早くきちんとした家保の整備ということが非常に重要だということで,これについては先般の県議会でも陳情が採択されていますので,県としてはできるだけ早期の整備ということを目指してはおります。ただ,住民の皆さんの御意見もありますので,丁寧に今説明をしている状況かと思っております。

(記者)
現時点で,着手のスケジュールはもう決まっていたりするものですか。

(知事)
いや,まだ決まっているとは聞いておりません。

21.県立高校バス横転事故

(記者)
2点伺いたいのですが,まず1点目が,先日ありました国分高校の生徒さんを乗せたバスの横転事故についてです。県立高校の生徒さんということで,率直に知事としてどのように受け止めていらっしゃるかというのが1点目。
もう1つが,部活動の際の生徒の輸送のあり方について県教委に聞きましたところ,「学校によってそれぞれ。部活の顧問と保護者の方の了解があれば,顧問の先生が例えばバスなどに同乗しなくても大丈夫というような形で運用されている」ということでした。今回こういった事故がありますと,やはり未成年の方がけがをされて大人がいないという状況であると,命の危険などもあるかと思うのですが,何か改善をされるというような動きがあるのか,2点お伺いしたいです。

(知事)
国分高校生の乗ったバスの横転事故で,多くの生徒さん,重症も含めてああいう事故が起きたということは大変残念なことで,けがをされた皆さんの早い回復をまずはお祈りしたいと思います。
いろいろ聞くと,「保護者なり指導者なりが連れて行くよりは,公共のバスの方が安心・安全だろうということで手配をされた」というようなことを聞いております。そういった中で,ああいう事故が起きたということで,今回こういったことが起きましたが,今後こういうことがないように,しっかりとバスの運行事業者等もしていただきたいと思っております。
その観点で,先ほどの生徒だけではなくて保護者なり指導者なりも一緒に,大人が付いて運転手1人に任せないで,というようなことも課題としては出てくるのかもしれませんので,その辺のあり方は教育委員会によく話をお聞きしながら検討していきたいと思います。

22.米軍無人機MQ-9の事故

(記者)
もう1点,昨日ありましたMQ-9のオーバーランについてです。県として,いつの時点でどういった情報が得られていたかということと,知事の率直な受け止め,安全運用に関してどのようなことが求められるか,という点をお伺いしたいです。

(知事)
22日のたしか11時くらいに,オーバーランの事故があったと承知しておりますが,県庁の方に連絡があったのは,たしか11時半くらいではなかったかと思っております。ただ,詳しい内容については,そのときにはまだ入っておりませんで,現地もおそらくまだよく分かっていないところもあったのではないかと思います。第一報として,「オーバーランをして止まった。そのほか,周辺への被害というものはない。」と,それくらいの情報だったと記憶しております。
やはり滑走路を外れるということで,原因等についてはまたこれから詳細な検討がなされると思いますが,今回,幸いにも大きな事故あるいは周辺住民への被害というものはなかったわけではありますが,こういった安心・安全の,皆さんが不安になるような事故ということについては大変遺憾なことで,しっかりと原因究明・再発防止対策ということをしていただく必要があると思っております。

(記者)
鹿屋のMQ-9について関連ですが,知事が知ったのはいつ頃になるのですか。

(知事)
県に来たのが11時半で,その直後くらいだったと思います。

(記者)
すぐ知事には入ってきたと。結果として,一日遅れの事案の発覚というか公表になったわけで,九州防衛局としても,自ら公表するわけではなくて,報道各社からの問合せに応じる形で事案を発表・説明しているのですが,現時点で知事が把握している事故の内容というのは,どれほど知っていらっしゃるのか,まずそれをお聞かせください。

(知事)
まだ詳しいことについては分かっておりませんで,先ほど申し上げた22日の11時くらいにMQ-9が滑走路をオーバーランしました。基地の中の施設に当たって止まったと。人的被害や周辺住民への影響というものはなくて,一時,タイヤの所から白い煙が出たということではあったが,別にそれが燃えたとか,草が燃えたとそういうことではなく,摩擦による白い煙が発生したと。それくらいのことで,あとは報道等でもいろいろ出ていますが,その原因ということはこれからの詳細な検討がなされると理解しております。

(記者)
先ほど「遺憾である」とおっしゃっていましたが,今回の事案の重大性については,知事としてはどんなふうに,軽微であると受け止めているのかそれとも重大であると受け止めているか,どういうふうに受け止めていらっしゃいますか。

(知事)
幸いにも先ほどのような,基地の中での事故であり,物損だけというか大きな被害は出ていないということではありますが,場所によっては重大なことにもなりかねない,そういう大きなこととして受け止めて,原因究明等をしていただく必要があると思っています。

(記者)
専門家に聞くと,オーバーランというのは基本的には重大インシデントか事故であるという,普通民間機であれば詳しい調査が入って詳細が明るみになるということですが,今回,どれだけ明るみになるかというのは少し見えないところで,3日間たってもどれくらい逸脱しているか,どれくらい損傷しているかは,結局知事も分かっていらっしゃらないと思うのですが,それについてはいかがでしょうか。

(知事)
3日というのが,民間の場合だとそれが早いのか分かりませんが,今後の再発防止対策あるいは原因究明についてはできるだけ早くお願いしたいと思います。

(記者)
今回,結果として県民が知るのは1日遅れたわけですが,この情報公開のあり方については,他の基地立地自治体は一報が入った時点で県民の安全に資するということで,そのまま発表する例もあるようです。今回は県としてもかなりイレギュラーなケースだったとは思うのですが,情報公開のあり方についてはいかがですか。

(知事)
情報が,この第一報がきたときに中身がそれほどはっきりしていなかったのですが,公開・公表するのかどうかという中で,「防衛省・米軍の方で対応を公表する」ということでありましたので,そちらの発表に委ねたということではあります。

(記者)
今後も,防衛局や防衛省に委ねるお考えですか。

(知事)
案件によって,ということかなと思いますし,あるいは防衛省なりの対応がどうなるかということによるかなと思います。

(記者)
今回は防衛局が対応するということで,県は委ねて発表しなかったということですが,結果として1日遅れて,自ら発表することもなかった,これ自体はどのように捉えていますか。

(知事)
そこら辺の,先方といいますか,防衛省なり米軍の方の今後の対応ということも含めて,また考えたいと思います。

(記者)
発表のあり方については,今後個別・具体でそれぞれ判断していくという感じになりますか。

(知事)
そうですね,個別案件によって,米軍であったりあるいは防衛省の対応がどうなるのか,鹿屋の地元の市とも相談しながら県としても住民の皆さんの安心・安全という考え方から,どういったことが良いのかということは考えていきたいと思います。

(記者)
結果として1日遅れた対応が適切だったとは思われますか。

(知事)
そこが,1日遅れということが,前の日に発表することと,防衛上の何かあったのかどうか,そこはよく分かりませんが,住民の皆さんにとってはできるだけ早い周知ということが望ましいとは思います。

(記者)
伺っていると,県民ではなくて,少し防衛省が優先のようにも受け取られかねないと思うのですが,その辺いかがですか。

(知事)
いや,そういうことではないと思いますけれども。

(記者)
個別・具体で判断する際は,「国防」とおっしゃいましたが,国防の影響などを考慮した上で,県民の安全に資するかどうかで判断するということなのでしょうか。

(知事)
中身によると思います。

23.県職員懲戒処分の情報開示(2)

(記者)
先ほど出ました,先日の懲戒処分のときの性別などの個人情報の公表についてです。懲戒処分があった後に改めて人事課の方から青潮会を通して個人情報等の公表についての説明があったのですが,その中で「他県の状況を調べたらどうか」というのがその懲戒処分の会見のときに出まして,調べたところ結果として,全国で11県が公表していないという説明があったのです。ということは公表している県の方が多数派ということで,あくまでも事実としてこういう記載をされたのかもしれませんが,公表している県の方が多いということに関しては,知事はどのように思っていらっしゃいますでしょうか。

(知事)
こういうのも多数決で決めるというのがどうか分かりませんが,それぞれの自治体においてどういうふうに考えるか,ということかと思いますので,本県としてはやはり,性別を公表するということで個人が特定される,そういう可能性というものがあるということで,やはり個人の特定がされないようなという公表の仕方を基本とする,ということは変わらないと思っております。

(記者)
性別だけではなくて,懲戒処分の公表基準,内規もあるかと思いますが,これを見ますとけっこう抽象的というか,公表される情報の具体例があまり載っていないという印象を受けるのですが,そこについてはどのように思っておられますか。

(知事)
具体例というのは何の具体例ですか。

(記者)
例えば,「その当時の所属部署や年齢・年代など,これこれこういうものを公表する」というようなことが基準にあまり載っていない,けっこう抽象的な基準という印象を受けるのですが。

(知事)
その基準というかなんでしょう,「個別・個人が特定されないような情報」というふうに書いてあって,個別・具体的に氏名だとか,何だとかが書いてないということですか。

(記者)
そういうことです。

(知事)
それは,書いてないということではありますが,実際の運用としては,先ほど申し上げたような事案の概要,処分の量定,所属・階級等については公表する,という方針でずっとこれまでもやってきております。

(記者)
知事としては今そういうふうにおっしゃっているところではあると思いますが,ただ,今回の懲戒処分だけに限らず,災害時の氏名公表など,そのほかにもけっこう個人情報・情報公開というところで,いくつかどうなのかなと思われる部分もありますし,抽象的な基準だと恣意的な運用になりかねないというところは一般論としてあると思いますので,今後この公表基準をもう少し今申し上げたような具体化したり,修正するというお考えはあるのでしょうか。

(知事)
この公表基準というのがどういう位置付けのものかでありますが,内規なのかあるいは対外的に出しているものなのか,そこらをもっと具体的にしっかりと整理して皆さんにお知らせする必要があるということであれば,何らかの形でそういったこともできるのではないかと思います。

24.奄美群島振興開発特別措置法の延長

(記者)
何点か確認させてください。冒頭に質問のあった奄振関係ですが,格差是正と自立的発展という2つ大きな目的がある法律だと思います。自立的発展という方向に向けて,自立的発展ですから住民の主体性というものもある程度発揮されなければならないのではないかと思うのですが,知事として地元に求めること,国への要望はあろうかと思いますが地元に対して求めたいこと,要望したいことはありますか。

(知事)
地元も県あるいは国も一緒になってということだとは思いますが,今回の奄振の延長においては,やはり教育・文化というところが一つのキーワードとして入っていると思っております。やはり地域を支える担い手・人材,これをどういうふうに育成するか,確保するかということが大事だと思っておりますので,そういった点については地元の方でもしっかり対応していただく必要があると思いますし,農業についても農業の振興というような,産業ですね,地域で育成していくというような取り組みも,地元はもちろんですが,私どもも一緒になって取り組んでいく必要があると思っております。

25.原油価格高騰対策(2)

(記者)
話題を変えますが,ガソリン代が190円台になったということですが,国はある程度対策をするということですが,県として単独事業で何か予定というのはありますでしょうか。

(知事)
今のところ,県単独で何かそれについてやるということは,予定は今のところありません。

(記者)
まだ状況の変化があればすることもあり得るのですか。

(知事)
なんでしょうね,単独といいますか,これまでもガソリン燃料価格の高騰ということでは,そもそものガソリン価格を抑制するために国の方で石油会社の方に補助金を出して末端で値段を下げるというやり方と,個別にそれぞれの業種等にいくらかの支援をするというやり方があり,後者についていえば国の交付金を活用して県の方で予算を組んでやるということも対応しておりますが,国の方でそういった交付金対応みたいなことを財源として確保していただけるのかどうかというようなことも,県として考える際の1つのポイントになるかなと思っておりますので,その辺の国の方の考え方・対策,そういったものをまたしばらくしっかり見極めていきたいと思っております。

(記者)
トリガー条項の発動については,すべきだと思いますか。

(知事)
タイミング的にも,なかなか難しいのではないかとは思います。

(記者)
難しさというのはどこに感じますか。

(知事)
時間的なもの,手続きの改正,そういったことが国の方の対応としてあるのではないかと思います。

26.スポーツ・コンベンションセンター(2)

(記者)
本港区関係で伺いたいのですが,先ほど景観アドバイザーのお話が話題に出ましたが,知事としてはPFI方式の整備というのは維持するというお考えで変わらないですか。

(知事)
はい,それは前提としてこれからも手続きを進めていきたいと思っております。

(記者)
もう1点,県から鹿児島市の方へ質問状を出されているわけですが,これがゾーニング議論に資するためのものという考え方なのか,あるいは地権者としての立場で聞かなければいけないという,どちらもなのかもしれませんが,どちらの立場をより重くとって市に質問状を出されているのでしょうか。

(知事)
あまり地権者であるからということではなくて,サッカースタジアムを造るためにどういうことが必要なのか,という観点から市の方でしっかりと考えていただく必要があると思っております。それは別に県有地でない所に建てる場合であっても,いろんな課題があると思いますので,そういった形での検討をしっかりと行っていただく必要があると思っております。
ただ,今の,市の方に検討をお願いしている事項というのは,県有地であるかどうかは別にして,北ふ頭・本港区エリアの中については,今の港湾の機能やグランドデザインとの整合性を確保しなければならないということがありますので,そういったことについて検討をお願いしているということです。

(記者)
それであれば,グランドデザインとの整合性や港湾機能の維持を図るためには,かなり詳細な質問でしたが,あのレベルで回答がほしいということですか。

(知事)
まぁ,そういうことではないでしょうかね。

(幹事社)
ここで,県政一般の質問を終わらせていただこうと思います。
続いては川内原子力発電所関連について質問のある社はお願いいたします。

27.川内原子力発電所の運転延長等

(記者)
運転延長の是非を問う県民投票条例の動きについてですが,今回,5万超の署名が集まったということを市民団体が公表しています。まずその点についてどのようにお考えになるかというのが1点。
今後,有効署名が確定した場合は,知事の方で議会に条例案の提案ということになると思いますが,その際に知事の意見を付けてという形になると思います。現時点でどういった意見を付けられるかを考えていらっしゃるかどうかというところを教えてください。

(知事)
全部で5万人を超える署名が提出されたということです。必要な署名数を超えているということで,しっかりとこれを受け止めて,地方自治法に基づく手続き,これをとっていくということになります。
具体的に条例案を提出する際の知事意見を付す,その中身についてはまたこれから検討していきたいと思っております。

(記者)
今年5月に,知事御自身としては条例案を提案することを見送るという考えを表明されましたが,その方針を踏襲されるのか,もしくはゼロから考えられるのか,この知事の意見について,そこらはどういうふうにお考えですか。

(知事)
私がこれまでマニフェスト等で申し上げていた「必要に応じて県民投票を行う」という,そこらの考え方については,当初からいろいろ御質問いただいて,「必要に応じて」ということについては,「検討委員会における議論が集約されない場合においてと,他のいろんな県民の意向把握の手段の中で最も県民投票が適しているという場合に実施します」と,こういうことで説明しておりましたが,5月の分科会,そして専門委員会の提言ですか報告書で集約されたことから,「県民投票については,マニフェストに基づくものについては実施しない」ということで方針を決めたわけであります。
ただ,その際にもいろいろと御質問いただいて,「署名活動があった場合の条例については,しっかりと地方自治法の規定に基づいて適切に対応していきます」ということを申し上げてきておりますので,これは,この地方自治法上の署名の数をしっかりと踏まえた対応をしていく必要があると思っております。

(記者)
関連して質問させていただきます。団体の皆さんは「9月の上旬にも請求する予定だ」という方針を示していますが,知事としては9月議会で対応するのが望ましい,その後に臨時議会を開いて対応するのがいい,委員会での議論の経過など,どういった対応が望ましいと考えていらっしゃいますでしょうか。

(知事)
まだ,そのへんのタイミングがはっきりはしないわけですが,いずれにしても一定の期日内に議会で議論していただく,審議していただく必要がありますので,それは9月の議会に間に合うのであれば9月の議会で御審議いただくことになるかと思いますし,場合によってはそれが間に合わないということになれば,臨時の議会を開く必要があるというふうに考えております。

(記者)
では基本的には,間に合うのであれば9月議会で対応したいというお考えということでよろしいでしょうか。

(知事)
そうですね,国体もありますから,9月議会に間に合うのであれば,あえてそれを遅らせるという理由もないのではないかと思いますが。

(幹事社)
ほかにいかがでしょうか。
それでは,質問がないようですので,これで終わらせていただきます。ありがとうございました。

(知事)
ありがとうございます。

(広報課長)
これをもちまして,知事の定例記者会見を終了させていただきます。

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