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ホーム > 県政情報 > ようこそ知事室へ > 知事記者会見 > 令和5年度 > 令和5年10月20日定例知事記者会見

更新日:2023年10月20日

ここから本文です。

令和5年10月20日定例知事記者会見

時:令和5年10月20日(金曜日)午前10時00分~午前11時20分

場所:5階記者会見室(県庁5階)

動画版を見る(外部サイトへリンク)

冒頭部分の視聴ができませんので,あらかじめご了承ください。冒頭部分をご覧いただきたい場合は,「ムーブかごしま」からご覧いただけます。

【発表事項】

1.燃ゆる感動「かごしま国体・かごしま大会」

配布資料(PDF:147KB)

2.令和5年度県民表彰受賞者の発表

配布資料(PDF:488KB)

3.ベトナム航空及び株式会社エイチ・アイ・エスとの連携と協力に関する協定の締結

配布資料(PDF:54KB)

4.「食べて応援」うんまか鹿児島の牛肉

配布資料(PDF:517KB)

5.「こどもまんなか応援サポーター」への就任宣言

配布資料(PDF:1,724KB)

【質問事項】

1.燃ゆる感動「かごしま国体・かごしま大会」

2.ベトナム航空及び株式会社エイチ・アイ・エスとの連携と協力に関する協定の締結

3.川内原子力発電所の運転延長等(1)

4.サッカー等スタジアム(1)

5.高病原性鳥インフルエンザへの対応等(1)

6.サッカー等スタジアム(2)

7.豚熱の防疫対応

8.鹿児島空港国際線の状況

9.地方鉄道の再構築協議会

10.ライドシェア

11.サッカー等スタジアム(3)

12.高病原性鳥インフルエンザへの対応等(2)

13.川内原子力発電所の運転延長等(2)

(広報課)
ただいまより,知事の定例会見を始めさせていただきます。
会見の円滑な進行のため,数値の確認等の詳細事項につきましては,追って担当課に御確認くださいますようお願いいたします。
それでは幹事社の方,よろしくお願いいたします。

(幹事社)
よろしくお願いいたします。
まず,始めるに当たってのお願いがあります。発言される方は挙手をしていただいたうえで,お近くのマイクを使って社名とお名前をおっしゃっていただくようお願いいたします。
携帯電話はマナーモードの設定をよろしくお願いいたします。
本日は知事から発表事項があるということですので,よろしくお願いいたします。

【発表事項】

1.燃ゆる感動「かごしま国体・かごしま大会」

(知事)
ではまず,私の方からいくつか説明申し上げます。
まず1つは,国体を終えての所感でございます。
今月7日から始まった特別国民体育大会,燃ゆる感動かごしま国体についてでございますが,17日に無事終了することができました。「熱い鼓動風は南から」のスローガンの下,各競技会場では連日熱戦が繰り広げられ,奄美群島日本復帰70周年の記念すべき年に夢と感動を届け,皆様の心に残る素晴らしい国体となりました。
大勢の観客の皆様の大声援の中で全国から集まった選手が活躍する姿は,県民をはじめ全国の皆様に希望を届け,今大会が目指していた「コロナ禍からの再生と飛躍を象徴する大会」となったと考えております。
大会期間中は,総合開会式に天皇皇后両陛下の御臨席を仰ぎ,多くの皇族の方々にも競技を御覧いただきました。また県内各地の御視察も賜り,多くの県民の皆様と触れ合っていただきました。心より感謝申し上げたいと思います。
私も県内各地31競技,延べ36カ所を回って,選手の皆さんの応援や激励などを行いました。各会場とも,トップアスリートによるハイレベルな熱戦が繰り広げられ,また多くの観客の熱い声援が響き渡り,大変盛り上がっていました。
本県選手団の活躍については,男女総合成績・女子総合成績ともに第2位という成績でございました。目標としていた天皇杯・皇后杯の獲得にはあと一歩及びませんでしたが,選手の皆さんには持てる力を存分に発揮していただきました。弓道,空手道,ハンドボールなど9競技の競技別総合優勝,剣道の成年・少年男女の全種別完全制覇,なぎなた成年女子及びウエイトリフティング成年男子の2連覇,馬術の夫婦・親子での優勝や少年の2種目制覇,2020年に少年種別で出場予定であったボクシング選手の成年男子の優勝,陸上少年男子800mの大会新記録での優勝など,本県選手団の活躍は県民に多くの夢と感動を与えてくれたと思っております。
改めて,鹿児島県の選手団の皆様に深く敬意を表し,感謝を申し上げたいと思います。
また報道各社の皆様には,競技の結果や選手の活躍や開催地の様子など,連日大きく取り上げていただき,大会を盛り上げていただいたことに感謝を申し上げます。
選手・役員をはじめ全国から来県された皆様に対しては,ボランティアによる心のこもったおもてなしや地元食材をふんだんに生かしたふるまいなど,県民総参加で歓迎し,国体の競技・観戦のみならず,本県の豊かな自然や食,歴史・文化,特産品などの魅力を満喫していただけたのではないかと考えております。
最後に,競技会の運営を担っていただいた各市町村や競技団体,そして運営に携わっていただいた競技の補助員,開閉会式での式典出演者,都道府県応援団に参加してくださった児童・生徒のほか,様々な面から国体を支えていただいた関係機関,ボランティア,そして選手の応援やもてなしをしてくださった県民の皆様,募金・企業協賛に賛同していただいた団体や個人の方々など,関係する全ての皆様に,改めて心から感謝を申し上げます。
次に,「燃ゆる感動かごしま大会」の開催についてでございますが,今月28日には秋篠宮皇嗣同妃両殿下の御臨席を賜り,特別全国障害者スポーツ大会「燃ゆる感動かごしま大会」の開会式を行います。かごしま大会には,全国から約6千人の選手・役員が参加し,3日間の日程で県下7市15会場で,陸上競技・水泳・バスケットボールなど14の正式競技で熱戦が繰り広げられます。
本県からは過去最多の467人の選手団が参加する予定であり,開催式の前日27日に城山ホテル鹿児島で県選手団の結団式を行い,式に引き続き,両殿下御臨席の下,激励会を実施することとしております。本県選手団が一致団結し,大いに活躍することを期待しております。
なお,28日の開会式終了後,両殿下には引き続き,姶良市で開催するバスケットボールを御覧いただくこととしております。また,秋篠宮佳子内親王殿下には,同じく28日開催のソフトボールとボッチャを御覧いただき,高円宮妃久子殿下には29日開催のサッカー・車いすバスケットボール,30日開催の水泳・陸上競技を御覧いただき,同日開催の閉会式にも御臨席を賜ることとなっております。
秋篠宮皇嗣殿下の御来県は,7月の全国高等学校総合文化祭以来であり,妃殿下とおそろいで御来県されるのは,令和元年の全国高等学校総合体育大会以来でございます。また,佳子内親王殿下と高円宮妃久子殿下におかれてはかごしま国体に続いての御来県であり,皇族の方々の御来県は選手や競技関係者にとって大きな励みになるとともに,県民にとっても大きな喜びであります。
かごしま大会は,本県で初めて開催される全国障害者スポーツ大会であり,この大会を契機に,県民の障害及び障害者に対する理解を深め,全ての県民の皆様が障害の有無によって分け隔てられることなく,相互に人格と個性を尊重し合いながら,共生する鹿児島の実現につなげてまいりたいと考えております。
かごしま大会が,かごしま国体と同様に「コロナ禍からの再生と飛躍」を象徴する大会となることを目指し,県民の皆様はもとより全国の皆様にとっても素晴らしい思い出に残る希望に満ちた大会となるよう,大会の運営に万全を期してまいりたいと考えております。
なお,明日から,本大会に先駆けて,全国障害者スポーツ大会のオープン競技であります電動車いすサッカーや,スポーツウェルネス吹き矢等も実施されることとなっております。県民の皆様には,会場にお越しいただき,本大会に向けての気運を高めるためにも,選手・チームに温かい応援をお願いいたします。

2.令和5年度県民表彰受賞者の発表

2つ目が,令和5年度県民表彰受賞者の発表でございます。
令和5年度県民表彰受賞者でございますが,県民表彰は県民の福祉に貢献し,特に功績顕著な個人・団体で,長年にわたり功労があった方を表彰するものでございます。
受賞者を申し上げます。地方自治部門,岩切秀雄様。教育文化スポーツ部門,三島盛武様。保健福祉部門,野村秀洋様。産業経済部門,木原純信様及び久保茂吉様。以上5名に決定いたしました。功績等は配付資料のとおりでございます。県民表彰式は,11月2日,午前11時から議会庁舎本会議場で挙行いたします。

3.ベトナム航空及び株式会社エイチ・アイ・エスとの連携と協力に関する協定の締結

次に,ベトナム航空及び株式会社エイチ・アイ・エスとの連携と協力に関する協定の締結についてでございます。
令和5年は日越外交関係樹立50周年の節目の年に当たり,ベトナム航空が新たに地方路線就航先の検討を行っていましたが,本県とインバウンドの推進に向けた連携協定を締結しているエイチ・アイ・エスが本県を紹介したところ,ベトナム航空から本県とエイチ・アイ・エスに対して,三者で連携協力して路線就航に向けた取り組みを進めていきたい旨の意向が示されました。
そのような中,私が今年7月にベトナム航空を訪問した際,同社から,将来的な定期便の就航を見据えて,まずは令和5年度中におけるチャーター便運航の提案がなされたところであります。
これらを踏まえて,本県としては今年度におけるチャーター便運航を契機として,将来的な定期路線・定期便就航につなげるとともに,本県におけるベトナム人観光客による観光消費拡大を促進するため,令和5年11月21日に鹿児島において,ベトナム航空及びエイチ・アイ・エスと三者で,連携と協力に関する協定を締結することといたします。
協定に基づく具体的な取り組みとしては,鹿児島及びベトナム双方での共同観光プロモーションの実施や,定期便の就航を見据えたチャーター便運行を予定しております。

4.「食べて応援」うんまか鹿児島の牛肉

次に,「食べて応援」うんまか鹿児島の牛肉についてでございます。
「『食べて応援』うんまか鹿児島の牛肉」と称して,私から県民の皆様に牛肉の消費拡大の御協力をお願い申し上げます。
本県の和牛は,昨年10月に開催されました全国和牛能力共進会において,和牛日本一の連覇や内閣総理大臣賞の受賞を果たすとともに,産出額が国内の15%,頭数が18%と,いずれも日本一の実績でございます。これは我が県が誇るべき輝かしい成果であり,将来にわたって引き継いでいくべき財産であると考えております。しかし,ウクライナ情勢の緊迫化や円安等により,令和元年比でえさ代が約1.5倍に高騰している状況や,国内の牛肉在庫量が過去10年間で最高水準となる中,子牛取引の停滞によりその価格が下落しており,畜産農家の経営は大変厳しい状況にあります。
このため,畜産農家を応援し,我が県が誇る和牛という財産を引き継いで行くため,和牛日本一の連覇から1周年のこの機会に,みんなでおいしい県産和牛をもっと食べようと呼びかけるものであります。
県産和牛の消費拡大のために,県民の皆様に御協力いただきたい取り組みとして1つ目は,市町村や関係団体においては,農業祭や収穫祭等での県産和牛の試食・販売。2つ目として企業や飲食店においては,社食やレストラン等での県産和牛のメニューの提供やフェアの開催。3つ目として個人の皆様においては,家庭料理やお店の料理などをSNS等で拡散することなどが考えられます。ぜひ御協力をいただければと思います。
団体や企業などで今回の趣旨に御賛同いただき御協力いただける取り組みについては,県の公式LINEアカウントやFacebook,X,県ホームページでも情報発信をしてまいりたいと考えております。また,各市町村で行われている産業祭や収穫祭では,県産和牛を購入できるイベントもあるため,開催情報等を取りまとめ情報発信をしていきたいと考えております。
県庁の取り組みとしては,今月31日から来月2日までの3日間,和牛日本一連覇の1周年フェアとして,県庁食堂において県産和牛を使用した「すき焼き丼」を毎日限定30食で提供することとしております。初日には,私も足を運びたいと考えております。
また,県庁食堂では11月27日からの1週間,「いい肉の日」フェアとして,県産和牛を使用したハンバーグ定食や牛丼を提供する予定としております。また,10月下旬から計8回,県産和牛を使ったお弁当などのテイクアウト商品を県職員向けに販売することも考えております。併せて,県職員生協による県職員向けの精肉商品の販売を11月から行いたいと考えており,さらに県庁敷地内での移動販売車による精肉商品の販売も計画中でございます。
こうした県庁の取り組みと連動して,県特産品協会ECサイト「かごいろ」では,10月28日から29日の2日間限定で,協会サイトとYahoo!ショッピング内ストアにおいて,和牛日本一連覇の1周年記念として,合計200名様に1,500円クーポンを配布するキャンペーンを実施いたします。県民の皆様におかれましては,御自身・御家族でお召し上がりいただくだけでなく,知人や親戚などへの贈答としてもぜひ御購入いただきたいと思います。
資料の最後でございますが,ホームページ上からダウンロードできるポップでございまして,店頭での掲示など様々な場面で御活用いただきたいと考えております。県の取り組みなども参考に,できることに取り組んでいただきたく,多くの皆様の御協力をお願いいたします。
取り組み内容を県ホームページ等に掲載したいなどの御希望がある団体・企業の方がいらっしゃる場合には,随時,県農政部畜産課までお問い合わせいただければと思います。

5.「こどもまんなか応援サポーター」への就任宣言

次に,「こどもまんなか応援サポーター」の関係です。
私はこのたび,こども家庭庁の「こどもまんなか」の趣旨に賛同し,「こどもまんなか応援サポーター」に就任することを宣言することといたしました。
子どもたちが,健やかで幸せに成長できるような社会を実現するという趣旨に賛同し,私自らが「こどもまんなか応援サポーター」に就任することで,県全体の子育てを応援する気運の醸成に努めてまいりたいと考えております。
県では,これまで,子どもを生み育てやすい鹿児島を目指して様々な取り組みを進めてまいりました。例えば,妊婦や子どものいる世帯が協賛店舗等で優待サービスを受けられる,鹿児島子育て支援パスポート事業を実施しており,9月末現在の協賛店舗数は2,763箇所となっております。また,県民一人一人が子育てを支えていく取り組みを積極的に実施する日として,毎月19日を「育児の日」と定めるなど,社会全体で子育てを応援する気運の醸成に取り組んでおります。
こども家庭庁では,来月を「秋のこどもまんなか月間」として,子どもや子育て世帯を社会全体で支える気運の醸成を図るとされており,これを受け,県では11月4日に,かごしま県民交流センターにおいて,「育児の日フォーラム」として,家事・育児に関するトークショーや子どもと一緒に楽しめるワークショップなどを開催することとしております。
今後とも,子どもたちが未来に希望を持てる鹿児島を目指し,子ども・子育て支援に関する施策の充実に向け取り組んでまいりたいと考えております。
少し長くなりましたが,私からの発表事項は以上でございます。よろしくお願いいたします。

(幹事社)
それでは,発表事項に関して質問のある社はお願いします。

【質問事項】

1.燃ゆる感動「かごしま国体・かごしま大会」

(記者)
かごしま国体についてお尋ねです。選手・観客含めて61万人が参加したということです。経済効果についてですが,おおまかでも,経済効果額をどのくらいにみていらっしゃるか教えてください。

(知事)
まだ,その辺の分析はこれからだと思いますが,前にたしか2020年のときの試算で申し上げたかと思いますが,81万人の来場者でたしか6百数十億円の経済効果だったと思いますので,それより少し人数は少ないかなと思っております。
これはまだ,かごしま大会分がこれに加わってきますので,最終的な人数がどうなるかということはありますが,例年のいくつかの大会を平均した数字での81万人に比べるともう少し少ないという意味では,分かりませんが,6百数十億円といったのが,精査すると,按分でいくと6百億円台くらいの感じかなと思っていますが,これはまた精査してみたいと思っております。

2.ベトナム航空及び株式会社エイチ・アイ・エスとの連携と協力に関する協定の締結

(幹事社)
ベトナムの,エイチ・アイ・エスさんとの協定ですが,これは,記憶にあるところですと台湾の関連でしたでしょうか,エイチ・アイ・エスさんと協定を結んだような気がするのですが,2カ国目いうことでしょうか。

(知事)
エイチ・アイ・エスとは,包括協定として連携協定を結んでいて,個別にどこということではなくてインバウンドの誘致あるいはプロモーションを行うというような連携協定を結んでおります。そういう中で,台湾からの誘客等についても大変御協力をいただいておりますが,それに加えて今回は,個別にベトナム航空の方からの御提案ということで三者での連携協定を締結するということでございます。

(幹事社)
年度内にチャーター便の運航ということですが,日程がもし決まっているのであれば,だいたい目途があるのであれば教えてください。

(知事)
まだはっきりとした日等は決まっていないと思いますが,おそらく来年,年明け,春ぐらいではないかなと思っております。

3.川内原子力発電所の運転延長等(1)

(幹事社)
ほか,ありますか。
ないようでしたら,本来は県政一般の質問が最初ですが,直近の関心事ということで,1問だけ幹事社の方から川内原子力発電所関連の質問をさせていただきます。
県民投票条例案について,23日開会の臨時議会で知事の方で提案されると思いますが,その中で知事意見を付けることになっていると思います。現時点の知事のお考えを改めてお願いできますでしょうか。

(知事)
23日から臨時議会を開催いたしまして,直接請求のありました県民投票条例案を提案するということにしております。提案に当たっては,知事意見を付すということにされておりますので,現在,知事意見について最終的な詰めを行っているところであります。

(幹事社)
どういう方向性なのかというのは,今のところはまだ決めていないということでしょうか。

(知事)
今,最終段階の詰めを行っておりますが,私のマニフェストにも掲げていた「必要に応じて県民投票を行う」ということについての考え方やこれまでの経緯等を踏まえた上での知事意見というものを付けることになるということで考えております。

4.サッカー等スタジアム(1)

(幹事社)
ありがとうございます。関連の質問があるかと思いますが,県政一般の後に回させていただきます。よろしくお願いいたします。
県政一般の質問に移ります。
幹事社から最初に,サッカースタジアムの件で,鹿児島市が図面というか配置案が出されました。鹿児島市と県の方で調整はまずあったのかどうか。配置案を見た知事の所感をお願いできますか。

(知事)
鹿児島市の方から私どもの方の担当部局にあの図案について示した上で御説明はあったというふうには聞いております。
私の所感は,港湾機能との関係で,前回の鹿児島市の図に比べると,上屋やターミナルというものが図案に書き込まれているということで一定の工夫をされてきているのだろうと思いますが,ただ,その上屋やターミナルというものが面積的に十分なものになっているのかどうか,配置が港湾事業者にとってそれでいいということなのかどうか,というその辺の協議というのがまだ十分なされてはいないという感じがいたしますので,その辺の評価というのは,私どもの方では少しまだ難しいかなというふうに思っております。
それと,いつも鹿児島市が言っている「国内初」ですかね,「多機能複合型スタジアム」というものがあの図面からだと少し分かりにくくなっていて,これまでですと,どこか端の方に「多機能施設」「複合型施設」というのがあったかと思うのですが,そういったものが図面上は見あたらないということで,そこら辺の多機能複合型というのが普通のスタジアムと違うのか,あの配置図でどうなっているのか,そういう中でどういうふうにして,今までは「多機能複合型ということで相乗効果で人を呼び込む」あるいは「中心市街地の活性化の起爆剤にする」ということの説明があったかと思いますが,そこら辺の普通のスタジアムと違う多機能複合型というのが,あの図面でどういうふうになっているのか,どういう機能・規模をもって整備をお考えになっているのか,という辺りがあの図ではよく分からないという感じがします。
あと,人流・物流を切り分けるということで,そこのペデストリアンデッキ(高架型の歩道)というのも工夫されていると思いますが,それで実際の回遊性ということにしっかりとつながっていくのかどうか,いくつかまだ解決すべき課題というものがあるのではないかとは思っております。

5.高病原性鳥インフルエンザへの対応等(1)

(幹事社)
もう1点,鳥インフルエンザ関連の埋め戻しが先日完了しました。これについて知事の方からコメントがあればお願いいたします。

(知事)
昨年末に鳥インフルエンザが出水でけっこうたくさん起きて41万羽埋め立てて,年末から液が漏れ出したということで,悪臭等が生じたということで地域の皆さんには大変な御迷惑をおかけしたということを,まず改めてお詫び申し上げたいと思います。
その上で,その後悪臭対策等を行ってきたわけですが,根本的な解決ということで地元の皆さんからも求められておりましたので,埋め替えるという作業を検討し,それが技術的な検討等もありだいぶ遅れてしまったということで,ようやく10月17日に埋め替え作業を完了したということでございます。そういった非常に長期間にわたって地域の皆さんには御心配・御不便をおかけしたり,御迷惑をおかけしたということはお詫び申し上げたいと思います。

6.サッカー等スタジアム(2)

(記者)
スタジアム関連で,鹿児島市がこれまで42%としていた稼働率を試算し直したところ60%を超えるというような見方を示していますが,これについて知事はどう評価されますか。

(知事)
スタジアムで,本来はサッカー等スタジアムということでサッカーの試合がメインだと思いますが,サッカーの試合が年間に20試合程度ということで,その他にもいろいろ活用するということで,あるいは芝の養生の期間を短くしていろんな工夫をして,使える日数を増やしてはいるということだと思います。それが実際に需要があるのかどうか,どういう形で埋めていくのかということは,様々課題があるのかなと思っております。
また,日数で稼働率といっていますが,たしか鹿児島市の説明の中で「(結婚式の)前撮りに活用する」ということで,何組の方が前撮りに活用されるか分かりませんが,2人1組で前撮りをしましたと,この1日を稼働率にしますといって,それで本当に稼働率イコールにぎわい創出につながるような内容のものなのかどうかというようなことも含めて,しっかりとした検討が必要になってくるのではないかと思っております。

(記者)
では稼働率60%という数字だけでは,にぎわっていると評価することは,今の段階ではできないということですか。

(知事)
そうですね,そこはですから,何でしょう,1,000組くらい来たり,ヨガというのが何人ぐらいでされるのか,10人ぐらいでするのか,1,000人規模でやるのか,そういったので実際のにぎわいの効果というところはどのようになるのかというのは,これからまた需要などを計算されるのか分かりませんが,一概にこれで6割ということでもないのかなと思っております。

(記者)
あと,ペデストリアンデッキで人の流れと物流を分離するという考えも示していますが,このデッキという案については知事はどう考えていますか。

(知事)
人流と物流を分けるという意味では1つの有効な対策なのでしょうが,その辺が,物流を担っている港湾事業者あるいはスタジアムを運営する側・球団にとってそういったものがどうかということは聞いてみないと分かりませんが,1つの方策にはなるのではないでしょうかね。

(記者)
あの図面を見る限り,ふ頭機能という場所が減っているように見えるわけですが,クルーズ船等の接岸に支障が出るということがあるのかなとも思ったりしますが,その辺,知事はどう思われますか。

(知事)
あの図面だけだとよく分かりませんが,クルーズ船も着岸している絵になっていましたが,クルーズ船が入ってきたときのターミナルやCIQとか,そういったものをどこにどのように,あの「ターミナル」と書いてある所に位置付けているのか,その辺の動線がそれで確保できているのか,良いのか,十分な広さがあるのか,その辺は港湾事業者やクルーズ船業者の方に聞いてみないとよく分かりません。

(記者)
クルーズ船で来られたお客様はバスに乗られることが多いと思いますが,港に直接バスが着けられるような図面であるようには読み取れなかったのですが。

(知事)
今のマリンポートみたいにバスですぐ,あるいはタクシーも停まるスペースはなかなか難しいような気もします。基本,歩いて中心市街地に行くという前提の絵なのではないかと思います。
例えばクルーズ船で来られた方で街中だけでなくて,どこか県内各地に行くとなると,中心市街地のどこかのバスターミナルまで徒歩で移動していただくということを考える必要はあるのではないでしょうか。

7.豚熱に対する本県の防疫対応

(記者)
9月末に行われた豚熱のワクチン接種についてお話を伺いたいのですが,現在の接種状況,初回接種の状況はどのようになっているか,もしお分かりでしたらお願いします。

(知事)
9月5日にワクチンの接種推奨地域になり,27日からワクチンの接種を開始しておりますが,今,522農場のうちの76農場で接種を開始しております。この76農場の飼っている初回対象の豚の頭数でいきますと29万頭で,全体の接種必要頭数86万頭のうちの29万頭に打ち始めているところであります。

(記者)
終了時期はいつ頃を見込まれていますか。

(知事)
終了時期は,個々の農場の都合もいろいろあり,今聞いているところでは12月中旬ぐらいまでには終えるというペースで,今計画をしているところです。

(記者)
生産者から何かトラブルがあったというような話は聞いておられますか。

(知事)
今のところ私のところには,そういったトラブルの話は来ていません。

8.鹿児島空港国際線の状況

(記者)
地域交通について3点ほどお伺いいたします。
まず前段で,本日の発表事項のベトナム航空の件についてですが,改めてベトナムの市場といいますか。鹿児島の観光に与えるこういったチャーター便や定期便の就航というのは,鹿児島にどういったインパクトを与えるとお考えでしょうか。

(知事)
ベトナムという国は,鹿児島県で働いている外国の方は1万人強ぐらいいますが,その約半分がベトナム人ということで,こういったベトナムとの直行便ということを実現いたしますと,行き来がしやすくなるということで,ベトナムの方が鹿児島に来て働こうという方も利便性の関係で増えてくるのではないかと期待しております。ベトナムは,非常に人口も増えてきて若い国で,これから経済的にも発展しつつある,そういう中で本県もハイズオン省とも協定を結んで交流を深化させようとしておりますので,人材面の供給というだけではなくて,産業・文化の面でもこれから交流をしていこうと思っております。そういったことで,今後発展するASEANの中でも非常に有望な国であるベトナムとの交流発展ということが期待できると思っております。

(記者)
その定期便就航に向けて課題になるのは,空港の地上職員の確保というところだと思いますが,現在,職員の確保というところで,県としては,どのような取り組みをされて,確保に向けてめどが立っているのかどうかというところをお聞かせください。

(知事)
グランドハンドリング職員がなかなか十分確保できていないというところが非常に大きな課題で,全国的に地方空港は大変厳しい状況にあると思っております。そういう中で,今般,大韓航空が自ら一部地上職員を確保して,週3便定期便を飛ばすことになったということもございますが,他の航空会社にもできるだけ早く戻ってきたり新たな路線を確保するために,人を増やして態勢をしっかりと整えていきたいと思っております。
今のグランドハンドリング会社ではなかなか採用がうまくいっていないということで,当面は直接ということではなくて,全国からの応援をもらえるような仕組みの中で,その応援をもらう場合のいろんな経費を県からも補助するということを始めているところでありますが,中長期的には,やはりきちんとした自前のそういった態勢を整える必要があると思っておりますので,現在,ある会社以外の新規参入ということも今後また検討しながら進めていきたいと思っております。

9.地方鉄道の維持・存続

(記者)
次に鉄道についてです。JR西日本は,芸備線において鉄道再構築協議会設置の要請を国にしていますが,鹿児島県内でもローカル線は同様に厳しい状況かと思います。県として,そういう協議会を設置する要請があるのかどうか,また,JR等が要請した場合,県としてどのような対応をするのかというところをお聞かせください。

(知事)
協議会の設置については,県の方からということは今考えておりません。JR側からそういった協議の提案があった場合には,「廃止ということを前提としない」という条件で協議を受けることになろうかと思います。

10.ライドシェア

(記者)
最後にもう1点,タクシーについてです。政府は,ライドシェアの検討ということで進めているという話も出てきています。知事にお伺いしたいのは,ライドシェアについて,そもそもどういうお考えがあるのかというところ,あと神奈川県などは県独自でそういう制度の設計も進めたりしているようですが,県としてこれまでライドシェアについて,何か検討したという経緯はあるのかという,この2点を伺いたいです。

(知事)
県としてライドシェアを具体的に検討したというのは,あまり私も認識しておりませんが,担当部局で,まだ内々にというか担当レベルでしているかもしれませんが,私のところできちんと議論したということはまだございません。
鹿児島県も非常に地域交通,タクシー,人口が減ってきている中で維持できていないようなところも出てくる可能性というのはあると思っております。そういった交通の過疎地域のような所で,他に手段が何もないというような場合であれば,そういったライドシェアということも必要になってくるのではないかと思っております。
一方で,ライドシェアは,安全性の問題や責任の所在といったいくつかの問題があると思いますが,国の方でもそういったことを検討しながらどのように制度化するかということをこれから検討されると思います。そういったことを見ながら,県としても検討したいと思いますし,当面,志布志市などでは「チョイソコしぶし」というようなデマンドのような形で,乗り合いというようなことを工夫しながら地域内の交通の確保策を検討したり実施したりしている所もあると思いますので,そういった実証的な取り組みも見ながら,地域交通については,引き続き検討していきたいと思います。

11.サッカー等スタジアム(3)

(記者)
スタジアム関係で聞き忘れがありましたので聞かせてください。稼働率のことですが,稼働率は県としては,知事としては芝生の部分を稼働率として見るべきだと考えているのか,それとも観客席やそれ以外の多機能複合型のまだ何を造るのかは見えませんが,そういったものを含めての稼働率だという捉え方をしているのかどうか,そこをお聞かせください。

(知事)
なにか,稼働率という数字だけで判断できるかというのは,先ほどの稼働率の概念で非常に難しいところはありますが,スタジアムのピッチの部分とスタンドの部分,その他のいろんな附帯施設といろいろありますが,そういったところで,その面積的に占める中でどれぐらいのにぎわいというものをしっかり生み出せるかということ。その1つの指標として稼働率があると思っておりますので,1人2人来たと,あるいは一部,それはピッチであってもスタンドであってもそれなりの人数でにぎわうかどうかということが大事なことであって,そこの稼働率というのをどのように計るかというのは,単純な数字だけでは判断できないのではないかなと思っております。

(記者)
では,結婚式やヨガのイベントなどで数組が利用しただけで稼働率が上がるという捉え方は疑問があるというようなことですか。

(知事)
定義の問題ですが,それで稼働率というのか,実際は収容能力×日数分の実際に来る人数というふうにするのか,いろんな指標の取り方はあろうかと思いますが。

12.高病原性鳥インフルエンザへの対応等(2)

(記者)
出水市野田の鳥インフルエンザの埋却地についてお話を伺います。17日に埋め替えが完了しましたが,旧埋却地は今後どのような予定がありますか。

(知事)
前に埋めていた所ですね。埋めていた所は,もう埋め戻したままですね。

(記者)
今のところ,住民から臭いの苦情などは来ていませんか。

(知事)
埋め替えのときは,元の所と新しい所と,そういった臭気が発生する可能性があるということで,しっかり臭気測定を行いながら,また住民の皆さんにも立ち会っていただいたりして確認して,「影響がない」ということで確認しております。

(幹事社)
ほかにありますか。
ないようですので,川内原子力発電所関連の質問に移らせていただきます。

13.川内原子力発電所の運転延長等(2)

(記者)
先ほど,知事意見について「マニフェストに加えて,これまでの経緯を踏まえて検討する。」ということでしたが,これまでの経緯というのは,具体的にはどういったものを想定して検討の材料にしていくのでしょうか。

(知事)
川内原子力発電所の運転期間延長ということについては,これまで県の取り組みとしては,まず原則40年,それを更に20年延長することで老朽化の度合いがどうなっているのか,その後の20年延長した場合に安全性の観点からそれが使用に耐え得るものなのかどうか,そういうことを科学的・技術的にしっかりと検討する必要があるということで,県の原子力専門委員会の方でこれを議論していただこうということで分科会を設置して,その際に原子力政策に批判的な方にも入っていただいて,科学的・技術的な検討を行っていただいたということでございます。
それで,たしか5月26日だったかと思いますが,専門委員会の方で意見が,報告書が県の方に提出され,その際に,今後の原子力の更なる安全性の向上という観点から,「原子力規制委員会及び九州電力に対して要請すべき」という意見書もいただいたところであります。
そういった意見書を踏まえて,県としては,原子力規制庁,そして九州電力の方に要請書を取りまとめて,住民の皆さんからの意見募集を行った上で提出したということでございます。その際に,要請書の部案以外についての意見ということも「皆さんの原子力に対しての意見・関心がこういうところにあります」ということで,併せて提出したわけであります。
その間において,私のマニフェストにも掲げておりましたが「必要に応じて県民の意向把握のための県民投票を実施する」ということについて,これまで私が就任する前,してから,「必要に応じ」ということについて問われた場合に申し上げてきたわけでありますが,「この原子力専門委員会での意見というものが集約されない場合において,最も適切であると判断した場合に県民投票を実施いたします」ということを申し上げておりました。専門委員会の方の報告書が集約されたということでもありましたので,マニフェストに基づく県民投票は実施しないということを判断したという,これが一連の,県のこれまでの取り組みということかと思います。

(記者)
確認ですが,専門委員会の報告書の際にも知事がぶら下がりでもおっしゃっていましたが,「県民投票自体は○×というものにはなじまない」ということも重ねて説明されたと思いますが,その考えは現時点で変わりないということでしょうか。

(知事)
「○×になじまない」というのは,県民投票のことだったか,意見書に対する要請書案文に対する募集のあり方だったかちょっとあれですが,やはり○×ということだけではなかなか難しい,非常に複雑な部分というのは,原子力についてはあるといえばあるのではないかと思っております。

(記者)
先ほどおっしゃった,その時に県民投票はしないということを判断されましたが,その判断は基本的に変わっていないということでしょうか。

(知事)
マニフェストに基づく県民投票を実施しないという判断については,これはもうその時に判断したとおりでございます。

(記者)
県民投票をめぐる条例案について知事の意見を付けられると思いますが,「賛意を示さない意向を固めた」ということが一部報道で出ています。その点についてはいかがでしょう。

(知事)
報道については承知しておりますが,意見の内容については,今最終的な詰めをしておりますので,それは23日にお示ししたいと思っております。

(記者)
知事意見ですが,そもそも賛成なのか反対なのかというところを示すお考えなのか,それとも少し中立のようなニュートラルのような意見を表明するおつもりなのか,そのあたりのお考えとしてはいかがなのでしょうか。

(知事)
その辺の言葉の使い方といいますか,表現の仕方についても,今最終的に詰めているところです。

(記者)
運転延長のことですが,知事が先日の県議会でもおっしゃったのですが,「県議会での議論や近く出る規制委員会の結論が出た後で,県としての考え方を整理して示す」いうことをおっしゃっています。そもそもの話で恐縮ですが,原子力発電所の再稼働であれば,知事の同意は必要であろうかと思いますが,運転延長については,知事の賛否というか同意というのは特に法的に規定されていない中で,改めて考え方を示す意義というか,意味合いはどのようにあると思っていらっしゃいますか。

(知事)
再稼働については,制度的に地元の自治体の同意ということがあったわけですが,今回そういうことはなくて,原子力規制委員会が運転期間の延長というものを認可すれば九州電力は期限の延長ができるということになるわけではありますが,やはり県議会での論議あるいはこの前規制庁や九州電力に対して要請した安全性向上に向けた取り組みについての取り組み状況,こういったことをしっかりとお聞きした上で,県として20年延長についてどう考えるのかということは,事業者にもしっかりとお伝えしておくということは大事なことではないかと思っております。

(記者)
では,先の話で恐縮ですが,内容については,賛否を示す,例えば九州電力や規制委員会に何か要請するというレベルに留まる等,そういった内容は今考えていらっしゃいますか。

(知事)
要請自体は,規制庁あるいは九州電力の方には一度しているわけですが,それに対しての向こうの考え方を示されるということですから,それを踏まえた上で更に何かを要請するのか,分かりましたと言うのか,あるいはそのほかに規制庁の判断というのがどういうものになって,どういう理由でそのようになっているのか,いろいろな要素があると思いますので,そこら辺何をどのようにというのは,それを見てからの判断だと思っております。

(記者)
延長についての知事意見について伺いたいのですが,先ほど,ずっと知事は「自らのマニフェストにおいては,県民投票を実施する考えはない」ということは今もおっしゃいましたし,前からもおっしゃっています。そこら辺の意味がよく分かりませんので,要するに,もちろん自らの考えで実施するつもりはないけれども,もちろん23日の知事意見をどのように付けるかというところに絡むのですが,状況や県議会の審議などを見て,それで県民投票をするかどうかと。自らのマニフェストにおいてやらないけれども,やる場合があるというのは,どういう意味なのかもう1回教えていただけませんか。

(知事)
自らやらないけれどもやるというのではなくて,条例案の審議をしてやる・やらないを決めるのは議会ですね。ですから,私が決めるわけではないのです。マニフェストに基づく県民投票の条例案を議会に提出するということは,私自らできるわけですが,そこのところを私はしないと判断しましたということです。
で,今回直接請求がありましたので,それは適切に署名が集まったことを踏まえて議会の方へ条例案を提案するということなので,その際に知事意見を付けるということであって,それを実際に決める・決めないは,あとは議会での審議になるということですよね。

(記者)
それを考えても,23日の知事意見を最終的に決めるというお話なわけですね。
もう1つ,先ほど延長問題のそもそもの可否について,知事が判断されるかどうかという,先ほども説明がありましたが,私も不勉強でよく分からないのですが,再稼働で制度的に知事の同意が求められたというのは,私の理解では,再稼働の時,国のエネルギー基本政策の中で「再稼働する場合は地元の理解を求める,なければならない」と。それともう1つ,例の九州電力との安全協定で,「施設を変更する場合は事前協議をする」と。その2つが制度的に知事が同意を求められることと。知事もそういう認識ですか。

(知事)
協定に基づいてということと,地元の理解を求めるというのは,それは別に一般的なことではないかと思いますが,そこにかかっているのだと思います。

(記者)
それでは延長の場合で,法的には知事の同意は求められないと。これは学者の方でもいろいろと意見はあるようですが,ただやはり40年,いわゆる県民が潜在的にリスクを背負っていると。これからまた20年背負うということは重い意味があるというのは,たぶん皆さんそうだと思いますが,やはりそういうときは20年延長について,県民の代表者である知事が可否判断をするというのは,政治的な判断というのは必要ではないかというような意見もあるのですが。それについてはどうお考えになりますか。

(知事)
政治的な判断というか,県としてどのように考えるか,という考え方はしっかり整理していくということを先ほど申し上げたとおりです。

(記者)
確認ですが,「マニフェストに基づく県民投票は実施しないという考えに変わりはない」ということでしたが,今回の直接請求に基づく県民投票に対する意見については,これは検討中という,そういう理解でよろしいのでしょうか。

(知事)
何と言うのでしょう,正確に申し上げると,マニフェストに基づく県民投票を実施するための条例案を議会に提出することはしないという判断をしました。今回は,直接請求という形で出てきておりますので,これはしっかりと法の制度に則って条例案を議会の方に提案するということになると。この違いだと思います。

(記者)
その提案する際の意見についてですが,それに賛成の立場なのか,反対の立場なのかというところですが,それについては「マニフェストに基づく県民投票は実施しない」と表明された後の要素としては,署名が4万筆余り集まったという事象が加わっているので,そこを踏まえて,知事意見については,考えをそこに込めるということになるのでしょうか。

(知事)
人数によって,何と言うのでしょう,そこのところがどのように影響するかというのが難しいところでありますが,そこの人数が法定数を上回る人数の署名が集まったということでありますから,そこは手続きはしっかりと適切に進めていくということになると考えております。

(記者)
意見については,賛成・反対ということを明確に表明する,意見を添える予定なのでしょうか。

(知事)
そこの案文については,先ほど申し上げておりますように,現在,最終的に詰めている段階でございます。

(記者)
先ほど「○×だけでは難しい」というところの,「原子力政策には複雑な部分がある」と知事はおっしゃったと思いますが,その点について具体的に,どういった所が複雑な部分に当たるのかということを教えていただいてよろしいですか。

(知事)
原子力についてという,非常に技術的・専門的な部分が多くて専門委員会あるいは分科会での議論というのも,私どもの方にも「なかなか議論の中身が分かりにくい」「もう少し一般の人に分かるような説明をしてほしい」というようなお話もいただいたところでありまして,そういった,非常に学者の間でもいろんな意見が分かれたり,多様な意見がある中で,安全性という観点からの反対なのか賛成なのか,あるいは経済的ないろんな要素も含めての○×なのか,いろんな多様な意見をお持ちの方がいらっしゃいますので,そういった中での意見というものをどのように把握し,反映するかというのは非常に難しいところがあるのではないかということで,そういったことがほかの県等でもよく言われているということでございます。

(記者)
となると,今回,県民投票の条例案がどちらになるかというのは今後のも審議によると思うのですが,知事御自身としては,このいわゆる原子力政策について,県民投票で決めるといいますか,県民の方たちが賛否を示すということについては,どちらかというと難しいのではないかというか否定的というか,そういったことになるのでしょうか。

(知事)
そこら辺の考え方についても,今詰めてはいますが,そうある中で,ではそうであってもやるべきかどうなのかと。そこらはいろいろ考える要素があるのだと思っております。そういう中で,先ほど申し上げたような最初マニフェストに挙げたときには,「技術的な検討をした時に,そういった技術的な見解が集約されずに分かれた場合,どう判断するかという中での県民の意向を把握するという観点での最終的な意向把握の仕方として,何らかの形で県民投票が最もふさわしいということであれば,そういったことも実施する」というのが私のマニフェストであったわけですから,そういったいろんな状況を総合的に勘案して判断する必要があるというふうには思っております。

(記者)
今「マニフェスト」という言葉が出たかと思いますが,現時点で,署名をされた方たちの中で,知事がマニフェストに掲げているということで,知事は県民投票について前向きな意見を持っているというふうに思っている方は,取材していて依然として多くいらっしゃるという実感を持ちました。その点については,実際マニフェストに「必要に応じて」ということは書かれていると思いますが,「県民投票」という具体的な言葉を記されたことが県民に与える影響,有権者に与える影響というのはけっこう大きかったと思います。その点についてはいかが,どのように考えていらっしゃいますか。

(知事)
「県民投票」とマニフェストに書いたときから,発表したときから,「これは必要に応じてと書いてありますけど,どういう趣旨ですか」ということは問われて,先ほど来申し上げていることを一貫して,記者会見の場,あるいは議会の場で繰り返し御説明はしてきているところであります。そういった中で,まだそれが十分に理解されていない方もいらっしゃるということではありますから,そういったことについては,またこれからも丁寧に御説明はしていきたいと思います。

(記者)
仮に県民投票が実施された場合に,運転延長に反対の意見が上回った場合ですが,実際に県として知事として,事業者に対して運転延長を止めるということはできるのかどうか。現時点でどう考えていらっしゃるかというのと,そういった権限があるのか。そこら辺を教えていただいてよろしいですか。

(知事)
権限としては,そういった権限はないという理解をしております。

(記者)
どういう働きかけをされるかというところは,今考えていらっしゃいますか。

(知事)
それは結果を見てから判断したいと思いますが。

(記者)
最終的な調整ということですが,23日開会ということで,もう20日ですので日程的にはだいぶ詰まっているのかなと思うのですが,まだ詰め切れていないのは,何がネックなのでしょうか。

(知事)
ネックというか,いろんな表現ぶりの微妙なニュアンス,いろいろありますので,その辺をよく考えたいと思っております。

(記者)
あと,過去の県民投票の条例案の知事意見を見ていると,末尾の部分で,知事が主語になって「賛成できない」「適当でないと考える」というような書きぶりでした。今回の条例案においても,最後のくだりというのは知事が主語で出されるという理解でいいのですか。

(知事)
知事意見ですから,主語は誰かといえば知事だと思います。

(記者)
全国で原子力発電所の再稼働の是非をめぐる住民投票・県民投票の否決が相次いでいるという状況で,県民投票の意義といいますか,実際にハードルの高さが実態として明らかになっていると思います。知事としては,その点はどのように思われますか。もうそれは,原子力発電政策であればそういう形になるのはしょうがないと思われるのか,改めて県民投票の意義を再認識する必要があると考えられるか,いかがでしょうか。

(知事)
他県でも,原子力発電についてはやはり複雑な,多様な,いろんな意見をどういうふうに集約するのかという中で,○×という県民投票が適切なのかどうかというような,そういったいろんな議論があった中で,これまでは否決されていると,そういう事実があるのだと思っております。
そういう中で,やはりそういったことからすれば,こうした案件に対するハードルというのは非常に高いというのが今までの状況ではあるかと思っております。

(記者)
マニフェストに基づく県民投票を実施する場合の基準についてですが,条件の1つとして専門委員会での意見が集約されない場合,というのがあったかと思いますが,5月に専門委員会の報告書等が上がってきた際に,正確にいうとその少し前段階かと思いますが,分科会において一部の委員から「議論はまだ十分ではない」「そもそも議論の前提や分科会のあり方自体がきちんと話し合われていない」というような割と根本的な視点に基づいて「反対だ」という意見があったかと思います。
これを捉えると,それが内容的にも根本的な指摘をしているという意味において,集約されたというようには考えにくいようにも思いますが,その点,知事としてはどのようにお考えなのでしょうか。

(知事)
今回の原子力発電所の運転期間延長ということについて,根っこから全ての原子力発電所の安全性について再度もう一回議論するということではなくて,今回の既に稼働している川内原子力発電所について20年を延長するときの評価,経年劣化というものが,今後20年の運転期間延長に耐え得るのかどうかという点について,安全上大丈夫かということを科学的・技術的に検討していただきたいというのが考え方でありましたので,そういった観点から専門委員会,そして分科会での議論というのを行っていただいたということであります。
そこの部分についての意見というものが集約されたかどうかということで,分科会,そして専門委員会の方からは,集約されたというふうに理解しております。

(記者)
少し重複するかもしれませんが,具体的に後藤委員の指摘などは,議論のやり方自体を疑問視するような内容だったかと思いますが,やはりそういう意味では,集約されたと捉えるのは,何をもって知事は集約したというふうに捉えたのか,というのがいまひとつ分からないのですが,どうでしょうか。

(知事)
20年延長に向けての原子炉等についての劣化状況の特別点検の確認した事項や劣化状況評価,こういうものについて,科学的・技術的な観点から何か問題があるという提言は後藤委員からはされなかったというふうに理解しておりますし,最終的に報告書の中で,ではどういうふうに修文をするかという部分で,何か科学的・技術的な御意見をいただいたということがない,最終的に取りまとめに至ったということでございますので,その点は集約されたというように理解しております。

(記者)
それからもう1つですが,マニフェストに基づくというのとは別で,今回直接請求に基づく形で条例案という話が出てきているという点についてですが,直接請求制度というのは,間接民主主義で有権者の意見や考え方を十分に反映することができない,くみ取ることができないといったような部分に対して,それを補完するための仕組みとして設けられているのではないかと思います。
今回,法定数を超える署名が集まったという意味では,今までの議論の進め方や合意形成の方法について不十分な点があったということを示唆しているようにも思えるのですが,そこら辺,知事の見解としてはどうでしょうか。

(知事)
民主主義の制度として,間接民主主義を補完する制度があり,それに署名をされた方というのは何らかのそういった意思決定を自分たちでしたいとそういうお気持ちがあった上での署名だというふうには理解しております。

(記者)
それから,先ほど申し上げました専門委員会での意見が集約されているかどうかというお話に少し絡みますが,専門家の間での議論が集約されたかどうかということ,これは安全性についての評価であって,科学的・技術的な知見からどうなのかということについて十分な検討が可能であると思うのですが,それと安心,安全性とは別な,安心というのはまた違った尺度なのかなというふうに思います。つまり,専門委員会での意見が集約されて科学的・技術的に妥当な結論が得られているとしても,必ずしもそれが県民が安心できるということとは一致しないように思うのですが,その辺は知事としてどのように考えていますか。

(知事)
先ほど来もお話ありますが,やはり非常に複雑な技術的な中身であったり科学的な議論,そういったもので専門家の間で適切に安全が確保されているということを,住民の皆さんにしっかりと御理解いただけるかという点については,なかなか難しい部分というのもあろうかと思っております。そういった点については,できるだけ今回の議論についても分かりやすくパンフレット等も作っておりますので,住民の皆さん方にも御理解いただけるように引き続き丁寧な説明を続けていく必要があると思っております。

(記者)
署名が今回法定数を相当数上回る数が集まっていることについては,知事としても「重く受け止める」という答弁等が県議会でもあったと思うのですが,具体的に,重く受け止め知事としてどういうことをすべきというふうに考えておられるのでしょうか。

(知事)
先ほどもお話に出ました,やはりそれだけ原子力についての不安等を感じている方が署名されているということでしょうから,県としては今後も原子力の安全性確保ということについては,これを最大限,最優先にしっかりと取り組んでいく必要があると思っております。

(記者)
安全性確保に最大限取り組むというのは,安全であるというリスクコミュニケーションを努力するという意味なのか,それとももっと技術的な意味で原子力の施設に関して安全な状況が担保できるようにしていきたいという意味でしょうか。

(知事)
それはやはり一番は,しっかりと施設を安全にするということがまずないといけませんので,施設の安全性確保というのがまず第一だと思っております。

(記者)
県としてそれに取り組んでいくというのは,主には九州電力等に対して必要な要請をしていくというような形になるのですか。

(知事)
そうですね,県としてもモニタリング等できる部分はございますが,実際の安全性確保ということになりますと,事業者あるいは規制庁,こういった所に安全確保についてはしっかり取り組んでいただくように,県としても御意見申し上げるということが必要だと思っております。

(記者)
県民投票に関連して,1点だけ。先日,県民投票に関連して,敷地内で座り込みというものがあり,それに対して,県として管理規則に抵触しているということで退去を求めたという事案がありました。これについて,座り込みをした方々が今日の午後に記者会見を予定していまして,「表現の自由ということがある」ということが前提にあるのと,「通行の障害や業務の支障になるような行為ではなかったのに,行政指導という形がとられたのはいき過ぎた対応ではなかったのか」という問題意識を持っておられます。これについては,知事としては適切だったというお考えでしょうか。

(知事)
庁舎管理上,そういった座り込み等を禁止しているということでございましたので,その点について担当の職員が注意をしたというふうに聞いております。
表現の自由というのは非常に難しいと思いますが,ではどこでもできるのか,どういう方法でもということでもないと思いますので,そこら辺,庁舎の場所をどう選ぶかと,そういった点に御配慮いただければありがたいと思います。規則上そういったことになっておりましたので,そういったお願い・注意をしたということだと思っております。
また,「通行の支障等になっていない」というのも,では何人までだったらいいのか等,いろんな今後のこともあろうかと思いますので,その辺はぜひ御理解いただければと思っております。

(記者)
確認ですが,注意という形であればよかったのかもしれませんが,法的な行政指導と,口頭ではありましたが行政指導という対応をとられたことについてはどうでしょう。

(知事)
注意と指導というのが,それが実態としてどちらがどうなのかはあれですが,そういう規則に基づいて注意・指導ということで,特段それでなにか行き過ぎということではないのではないかなと思いますが。

(記者)
根本的な話になってしまうのですが,先ほど「止める権限がない」とおっしゃったのはまさにそのとおりで,電力会社にとってみたら,40年の運転延長も,この間法案で可決しましたが60年を超えたそういう運転についても,たぶん定期検査の一つでしかないという認識なのですね。
では再稼働の時のように,今後,協定を結ぶといったそういったことをしなければ,地元の同意というものが将来的に非常に薄くなってしまう状況になるのではないかと。
知事として,もちろん地元自治体の御意向もあるとは思いますが,今後,九州電力と新たに協定を見直す等,地元の同意を盛り込んだ協定や約束事を結ぶお気持ちというか,必要性は感じられているのかどうかというのをお聞きしたいのですが。

(知事)
再稼働のときは,福島の後の大幅な施設の改修といったことを伴う変更で安全性を確保していくということで,かなり大きな問題だったと思いますので,そういった点では同意をしっかりと求めるということだったと思いますが,今回の20年延長ということでいいますと,そこまでのことでもないのかもしれませんが,ただ,非常に重要な課題であるということで,県としても独自の専門委員会でしっかりと検証した上で要請と意見を述べているということで,そういったことを九州電力あるいは原子力規制庁においてもしっかり踏まえて対応していただけるということをいただいておりますので,現時点において直ちに何かそれで協定をということまでは,今のところは考えておりません。

(記者)
おそらく,その同意というのが,道義上のものだと。法的にも約束事としても同意は必要としていない状況であるわけなのです。その上でやはり,今後60年を超えたものを運転するときに,では同意は必要でなくていいのか,という議論は必ず出てくると思われます。そういう部分で必要性が今後どうかというところはいかがでしょうか。

(知事)
そこも,何というのでしょうね,九州電力なり原子力規制庁の方の姿勢がどういうふうな状況にあるかということで,そういった協定等がなければ地元のそういう意見・要請,そういったものに応じないというようなことであれば,またそういったことも必要になろうかと思いますが,現時点において直ちにそういった状況とまでは考えておりません。

(記者)
わかりました。ありがとうございます。

(記者)
今の幹事社の質問に関連してですが,先ほど私も思いましたが,やはり40年というのはかなり大きな節目の感じがするのです。それで,知事が「専門委員会の科学的・技術的な,これはいわゆる老朽化に対する対策というのは20年持つだろう」と,これは専門委員会の方で「科学的・技術的に適正だ」とおっしゃったのですが,科学的・技術的以外にも,やはり20年延長するのであれば,例えば,使用済核燃料をどうするか,あと地域振興もありますね,いわゆる経済的な。ですからやはり,地元に対しての原子力発電所があることに対してどういうふうな地域振興を,いわゆる交付金の話等になってくるのですが,そういうことなどを含めると,まだいろいろ判断する余地というのはあるのではないかと思うのですが。
科学的な結論以外に,20年延長について,私が先ほど言いましたように使用済核燃料など,知事は他にどういう問題・課題があるのか,それをお聞かせ願えますか。

(知事)
20年延長をどうするかということについては,原子力規制庁においても「経年劣化の評価について判断する」ということでありますから,やはりまず安全上の稼働の部分についての安全性がどうかということの科学的・技術的検討がまず必要だと思っております。
それ以外の経済等それぞれについては,また別個に議論すべきことがあれば必要に応じて検討するということでいいのではないかと思います。

(記者)
では今の時点では,20年延長ということについては,やはり科学的・技術的なことで判断すると。ほかの要素はないというような認識でよろしいのでしょうか。

(知事)
20年の延長のその分についてはそうだと思います。

(記者)
もう1点だけ。全体の論調として,では古い原子力発電所を使い続けるのかと。今,そういう状況になっていると思います。今後,ではどういう話になるのかというと,古い原子力発電所を使うぐらいであれば,新しい原子力発電所を造ってはどうかという話になる可能性もあると思うのです。
鹿児島において,今,3号機増設が凍結中というところですが,九州電力の方は既に漁業補償も済ませている状況で,それを回収したいと思うのは企業として当然だと思うのです。県として,ではそういう議論になったときに,今の段階で3号機増設の凍結を解除する可能性というのはあるのかどうか,もう一度お伺いしたいのですが。

(知事)
3号機についての凍結を解除するということは,今,全然考えていません。

(幹事社)
他はないですか。大丈夫ですか。
では,ないようですので,これで終わります。

(広報課長)
これをもちまして,知事の定例記者会見を終了させていただきます。

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