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更新日:2022年6月1日

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クァンニン省(ベトナム)

I.自治体の概要

  1. 人口
     
    938,400人
  2. 面積
     
    5,983平方km
  3. 気候
    • 平均気温21℃
    • 平均湿度84%
    • 年間降水量1,700-2,400mm
  4. 言語
     
    ベトナム語
  5. 県都とその人口
     
    ハーロン市
    175,000人
  6. 主要産業又は主要産物
    • 炭坑:埋蔵量80億トン、年間採取量1,000-1,500万トン
    • 造船業:最大6万重量トンの造船能力を持つ港1港、最大4万重量トンの造船能力を持つ港1港、小さな港5港
    • 建材:石灰岩、カオリン、粘土、土砂等の採取、セメント製造
    • 海産物:漁獲高は1997年度で2万トン
      広範囲にわたる海洋食物の養殖、収穫
    • 観光:世界遺産地域が中心
      1998年度の観光客数48万人
      1999年度の見込み観光客数55万人
    • 輸出目標:2000年度は2億5000万-3億米ドル
      2010年度は13億-15億米ドル
  7. 地域の特色
    • クァンニン省は海岸沿いの州で、土地の80%を標高1,500mまでの山岳地帯及び丘陵地帯が占めている。2,000島以上のすばらしい群島が有名で、海岸線約250kmにわたって点在している。この島々は国内の島の3分の2を占め、その多くが山である。規模や形成層は様々である。南部の島々は古くからの石灰岩で形成されており、古典的なカルスト地形になっている。ここに、ハーロン市に隣接してハーロン湾世界遺産地域がある。
    • 州内の他の地域は低い丘陵地帯、海岸沿いの狭い平野、河川流域であり、人口の大半がこうした地域に集中している。
    • 海の平均水深は20mで、古代の急流や河川が作った深い溝による凹凸があり、多くの海溝や自然の港湾になっている。
    • クァンニン省は水資源が豊富で固定的な水量が約1億7,500万立方mである。72の湖及びダムは総水量1億9,500万立方mで、さらに大量の地下水資源もある。
    • 環境的には様々な生態系や生息地があり、そのため、非常に多様性に富んだ環境である。海岸沿いの地域は狭く土地が肥沃でないため、あまり農業が行われていないが、内陸地は広大な森林地域で林業や果樹栽培が盛んである。

II.世界自然遺産地域の概要

  1. 世界自然遺産地域の名称
     
    ハーロン湾
  2. 世界遺産一覧表に登録された年
     
    1994年
  3. 世界自然遺産地域の面積
     
    世界遺産地域は434平方km。同時期に世界遺産地域として建設された緩衝地域が1,119平方km。
  4. 世界自然遺産地域の土地所有者
     
    ベトナム社会主義共和国政府
  5. 世界自然遺産地域について
    • i.概要
    • トンキン湾の中にあるハーロン湾は、柱状石灰岩からできた1,600の大小の島々を有し、神秘的な景観をおりなしている。
    • 周囲から孤立している地形のため、島の多くは未踏の地であり、人為的影響を全く受けずに自然が残っている。
    • 生物学的視点からも、他に例を見ないこのハーロン湾の美しさは高く評価されている。

      ii.世界遺産登録理由
    • ハーロン湾の当初の登録は、その最上級の自然美に対して認定基準3で行われた。島、洞窟、岩屋が偉大な景観を作り出しており、これまで多くの芸術家にインスピレーションを与え、観光客を魅了してきた。しかし、ハーロン湾の類を見ないすばらしい地形的特徴を根拠に、管理当局は最近追加登録の申請をした。ハーロン湾には古くからの石灰岩によるカルストの広大な地層がある。これは世界中で最大かつ最もよく保存されたものであり、確実に保全するために適切なレベルで保護されるべきである。

III.世界自然遺産への関わり

  1. 世界自然遺産の管理について
    • i.管理の法的根拠
    • ハーロン湾管理を支える総合的な法律・制裁があり、以下の内容を含む。
      ア)自然遺産遺跡及び世界文化保護のための国際条約
      イ)1984年4月25日制定の歴史的遺跡・文化・景観保護法
      ウ)1993年12月制定の環境保護法及び関連規則
      エ)クァンニン省人民委員会のハーロン湾暫定管理規則(1995年11月の決定2522号に基づく)の規則文書
      オ)クァンニン省人民委員会の「ハーロン湾管理局の設立について」(1995年12月9日、2796号QD/UB)の決定文書
      カ)1996年12月19日の科学技術環境省のハーロン湾保護に関する指導通達書
      キ)クァンニン省人民委員会の「ハーロン湾管理局の機能、業務、組織に関する規則について」(1999年3月2日、419号QD/UB)の決定文書
    • 特に、「暫定管理規則」(決定2522号)の第3条は「ハーロン湾管理局に、省政府によるハーロン湾の管理活動を組織し推進するために必要な全ての機能、業務、条件を決定する権限を与える」としている。

      ii.管理体制(管理者)
    • ハーロン湾の総合管理については、ベトナム政府の文化情報省の管轄である。
    • ハーロン湾の国際的な管理活動については、ベトナムのユネスコ国内委員会の管轄である。
    • ハーロン湾を含む管轄地域の運営、管理は、クァンニン省人民委員会の管轄である。
    • ハーロン湾管理局は、ハーロン湾世界遺産地域の現地管理及び運営を担当する。現在管理局には165名の職員がおり、局長の指導下に置かれている。このうち、運営機能を担う者が12名で、残りはいくつかのタスク・チームに分かれて遺跡の日常的な実動管理を行っている。

      iii.管理の方策
    • ハーロン湾管理局の最大の管理班は観光客ガイド班で、ハーロン湾への観光客の活動を管理しガイド・サービスを提供している。適切な管理を行うために、一般客の遺産への訪問はいくつかの島に限定している。また、監視班が遺産地域の監視を行っており、環境局や警察など、他の局の職員と協力して活動している。この班はハーロン湾に関する規則違反を防止するため高速ボートで巡回し、水上での存在意義を高く維持している。専門家班は局の科学活動や研究開発を担当する。
    • ハーロン湾管理局は、研究や研修を通して管理能力を育成してくれた国際社会やユネスコの支援に感謝している。特に、日本の国際協力事業団とベトナム政府間の大規模な協力関係により、ハーロン湾の状況に合わせた最新の環境管理プログラムが開発された。

  2. 自治体の世界自然遺産地域への関わり
    • i.自治体による遺産地域の管理
    • ハーロン湾管理局は公式には文化情報省の管理下にあるが、クァンニン省人民委員会のハーロン湾の日常管理に関して直接的な責任を負っている。ハーロン湾管理局は定期的な報告書を作成し、世界遺産地域に影響を与える事項に対応するための提案書を提出する義務を負う。
    • 人民委員会は省全体の単一当局として、政策レベルで中心的な調整機関として活動し、委員会内の様々な部門の活動をまとめ統一性のある戦略計画を作成する。その他の部門の日常管理活動で世界遺産地域に関わるものの調整は、ハーロン湾管理局の責任でおこなう。
    • 人民委員会は、現行法制度の追加や修正に関する措置を作成・推進し、ベトナム政府との連絡調整を行っている。また、同委員会は自然遺産遺跡の保護に関する国際条約の規定事項に従って世界遺産地域をさらに開発する手法について提案する。

      ii.遺産地域を活用した地域振興策
    • ハーロン湾管理局は世界遺産地域の国際的な側面に関する全ての事項について、ベトナムのユネスコ国内委員会と密接に協力する。

よくあるご質問

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環境林務部自然保護課

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