更新日:2024年11月8日
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ゴケグモ類は熱帯から亜熱帯に分布し,元々国内には生息しないとされていましたが,近年は日本各地でその生息が報告されています。
鹿児島県内でも,ハイイロゴケグモは平成13年,セアカゴケグモは平成20年にそれぞれ最初の発見報告がなされているところです。
侵入経路は不明ですが,発見場所が港や空港が多いことから,県外からの物流コンテナ等に付着し侵入した可能性が高いと考えられます。
ハイイロゴケグモ・セアカゴケグモは,在来種(元々国内に生息していた種)のヒメグモ類に,その大きさや外見が似ているので下記の特徴に注意しましょう。
成熟した雌(メス)の体長は約0.7~1.0cm。
全体が黒色又は濃い褐色を基調とし,腹部の背面に目立った赤色の縦状の模様があり,腹側には砂時計の形状の様な赤い斑紋がある。
雄(オス)の体長は約0.4~0.5cm。
腹部背面は灰白色で中央に縁取りのある白い斑紋があり,その両側に黒紋が2列に並んでいる。
毒は雄(オス)にはなく,雌(メス)が毒を持っています。また文献によると寿命は,雌(メス)2年程度,雄(オス)半年程度であると言われています。
成熟した雌(メス)の体長は約0.7~1.0cm。
全体がやや光沢のある黒色であり,腹部背面には赤い菱形が2つ縦に並んだ様な縞模様が特徴的で,腹部には砂時計状の赤い斑紋がある。
雄(オス)の体長は約0.4~0.5cm。
小型で細く褐色で,腹部の背面は灰白色で中央に白い斑紋があり,その両側に黒紋が2列に並んでいる。
毒は雄(オス)にはなく,雌(メス)が毒を持っています。また文献によると寿命は,雌(メス)2年程度,雄(オス)半年程度であると言われています。
上記のクモは,オーストラリア原産や亜熱帯地域に生息するクモであり,種も近いことから大変類似しています。(国内在来種のヒメグモとも類似しています)
また,クモの仲間は巣を作る種類と巣を作らず歩き回っている種類がありますが,このゴケグモは巣を作るタイプであり,エサとなる小昆虫等を待ち伏せしています。
ゴケグモ類は営巣し繁殖するために,(1)日当たりが良く暖かい場所(2)エサとなる虫の多い場所(3)効率よく巣を作るための隙間がある場所を好みます。
具体的には以下のような場所に潜んでいることが多いようです。
1.花壇まわりにあるブロックのくぼみや穴
2.自転車の車輪(スポークの間)
3.自動車のバンパーの裏やタイヤまわり
4.排水溝のフタの裏側
5.排水溝のグレーチング(鋼製の網目状になったフタ)の網目
6.クーラー等の室外機や自動販売機の裏側,隙間
7.長期間放置された空き缶の中
8.公園などにあるベンチの裏側や脚部
アリやカメムシ,ワラジムシ,ハサミムシ等の小型昆虫
雌(メス)のみ有毒であるが,性格は大人しく,積極的に人を噛むことはない(攻撃性は低い)
クモの「生体」には,市販の殺虫剤(スプレー缶)を使用して駆除できます。また,踏みつけるのも有効です。
クモの「卵」は卵嚢(らんのう:卵を包んでいる袋)の状態であるため,殺虫剤の効果が薄く効かない場合もありますので,踏みつぶす又は焼却による方法で駆除しましょう。
噛まれた瞬間は針で刺されたような痛みを感じますが,その後はほとんど痛みを感じず噛まれたまわりが腫れたり,かぶれたりする場合があります。(個人差あり)
温水又は水道水で洗い流し,清潔にして経過を観察してください。
もし治療を行わなくても,多くは一週間以内に回復するようです。
稀に,噛まれた後で全身に痛みを感じ発熱・発汗症状がでる場合があるようですので,症状が疑われる場合(症状が現れる時間について個人差あり)には病院で受診してください。
受診の際は,より適切な治療を受けるためにも,駆除したクモを持参しましょう。
Q1.毒グモに噛まれた人が死亡した事例はありますか?
A1.毒性は神経毒であり,運動神経系,自律神経系が阻害されることがあります。ただし,全身症状を示すことはごく一部です。重症になるのは子児・高齢者・虚弱体質の方などで,外国において数件死亡例が確認されています。噛まれてから死亡するまでの時間は,6時間から30日間と幅があり,24時間以内に死亡した事例は生後3ヶ月の乳児に起こったオーストラリアの例が1件のみあります。なお,国内においては死亡例は報告されていません。
Q2.毒グモと思わしきクモを発見!毒グモであるかの鑑定はできますか?また駆除してもらえるの?
A2.毒グモであるかの鑑定は県または環境省関係機関へお問い合わせください。鑑定を行い結果を回答します。場合によっては専門家へ鑑定依頼しますので,お時間をいただく場合があります。画像提供・現物(毒グモの死骸又は卵)の提供をお願いします。駆除については,駆除方法を参考に発見者又は施設管理者でご対応ください。県の職員による積極的な駆除は行っていません。
Q3.県内ではどの辺りで発見・確認されていますか?
A3.現在のところ,鹿児島市,指宿市,西之表市,霧島市,奄美市,志布志市,東串良町,屋久島町,大和村,宇検村,瀬戸内町,龍郷町,喜界町,徳之島町,天城町,和泊町,与論町,南種子町及び十島村の一部地域で確認されています。
Q4.このクモ飼ってみようかな?
A4.ハイイロゴケグモ・セアカゴケグモいずれも,外来生物法により「特定外来生物」に指定された種になるため,飼養する,他の地域へ移動させて放すなどの行為は法により禁じられています。
下記のデータはダウンロードできます。
地域における周知喚起用の材料としてお役立てください。
(1)県内において確認されたゴケグモ類位置図(令和6年8月現在)(PDF:272KB)
(2)県内で確認されたゴケグモ類一覧表(令和6年8月現在)(PDF:85KB)
注:鹿児島市におけるハイイロゴケグモの確認状況については,鹿児島市ホームページhttps://www.city.kagoshima.lg.jp/kankyo/kankyo/hozen/haiirogokegumo.html(外部サイトへリンク)もご確認ください。
(3)セアカゴケグモ・ハイイロゴケグモにご注意ください!(2017環境省チラシ)(PDF:390KB)
(4)セアカゴケグモ・ハイイロゴケグモの特徴について(環境省資料)(PDF:667KB)
詳しくは,、環境省ホームページ(外部サイトへリンク)をご覧ください。
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