天然にシアン化合物を含む食品について

シアン化合物とは，アミグダリンやプルナシンといった青酸を含む天然の有害物質の総称です。
天然にシアン化合物を含むことが知られている主な食品として，梅の種子，キャッサバ，びわの種子などがあります。

鹿児島県では，平成29年に加熱の不十分なキャッサバイモを食べて食中毒となった事例がありました。
キャッサバイモを食べる場合は，皮をむいた後に十分な加熱または水さらしなどの処理を行うことが大切です。（キャッサバイモの調理方法については，下記を参考にしてください。）
ただし，シアン化合物が残っている可能性がありますので，食べた後に体調不良になったときは，速やかにかかりつけの医師の診察を受けてください。

キャッサバイモの調理法

キャッサバイモを食べる場合は，皮をむいた後に十分な加熱または水さらしなどを行うことが大切ですので，具体的な方法をご紹介します。

皮のむき方

キャッサバイモは茶色の薄皮（図1）とは別に外輪部（図2）と呼ばれる部分までむきましょう。

加熱方法

加熱方法によって，シアン化合物の減り方が異なります。気をつけましょう。

揚げる

→減りません。

炒める

→40～60％程度減ります。（短冊状に切って加熱した場合です。）

ゆでる

→50～80％程度減ります。幅があるのは，芋の大きさや太さによるからです。図3のように，皮をむいたままの状態だと30分以上ゆでる必要があります。

図3キャサバイモ丸図4キャッサバイモカット

水さらしの方法

図3のように，皮をむいたままの状態で水さらしをしても減りません。

図4のように，短冊状または細切りにしてから24時間水にさらすと90％程度減ります。とくに細く切った方が減りやすいです。

重要なことは

ゆでるまたはカットしてから24時間以上の水さらしです。

キャッサバに含まれるシアン化合物は，細胞内に含まれており，水に溶けやすい性質を持つため，細胞を破壊してから水にさらすなどしましょう。反対に油には溶けにくいので気をつけましょう。