差別のない公正な採用選考について
就職の機会均等を確保するため,事業主の皆様におかれましては,応募者の基本的人権を尊重し,応募者の適性・能力を基準とした公正な採用選考を行ってください。
1応募用紙について
「厚生労働省履歴書様式例」の使用が勧奨されており(※),事業主が独自に応募用紙やエントリーシート(インターネット上の応募入力画面)の項目・様式を設定する場合は,適性と能力に関係のない事項を含めないよう留意しましょう。
新規中学校卒業予定者は「職業相談票(乙)」を,新規高等学校卒業予定者は「全国高等学校統一用紙」,(全国高等学校統一用紙の記入上の留意事項)を,また,新規大学等卒業予定者は「新規大学等卒業予定者用標準的事項の参考例」又は,「厚生労働省履歴書様式例」を使用することとされています。
2採用選考時に配慮すべき事項
次のaやbのような適性・能力に関係がない事項を応募用紙等に記載させたり,面接で尋ねる,作文の題材とするなどによって把握することや,cのような採用選考の方法を実施することは,就職差別につながるおそれがあります。
a.本人に責任のない事項の把握
- 本籍・出生地に関すること(注:「戸籍謄(抄)本」や本籍が記載された「住民票(写し)」を提出させることはこれに該当します)
- 家族に関すること(職業,続柄,健康,病歴,地位,学歴,収入,資産など)
- 住宅状況に関すること(間取り,部屋数,住宅の種類,近隣の施設など)
- 生活環境・家庭環境などに関すること
b.本来自由であるべき事項(思想・信条にかかわること)の把握
- 宗教に関すること
- 支持政党に関すること
- 人生観,生活信条などに関すること
- 尊敬する人物に関すること
- 思想に関すること
- 労働組合(加入状況や活動歴など),学生運動などの社会運動に関すること
- 購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること
c.採用選考の方法
- 身元調査などの実施(注:「現住所の略図等を提出させること」は生活環境などを把握したり身元調査につながる可能性があります)
- 本人の適性・能力に関係ない事項を含んだ応募書類の使用
- 合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断の実施
詳細は,鹿児島労働局ホームページ「公正な採用選考について」(外部サイトへリンク)をご覧ください。
3公正採用選考人権啓発推進員制度
a.公正採用選考人権啓発推進員の選任
- 公正採用選考人権啓発推進員は,常時使用する従業員数が一定規模以上の事業所において,人事担当責任者など採用選考に関する事項について相当の権限を有する方の中から選任していただきます。推進員を新たに選任したり選任替えをした場合などは,ハローワークにお知らせください。(具体的方法については各ハローワークからお伝えします。)
b.公正採用選考人権啓発推進員の役割
- 「公正採用選考人権啓発推進員」は,就職の機会均等を確保する観点に立って,各事業所内で公正な採用選考システムの確立を図る役割とともに,ハローワークや労働局との連携窓口としての役割を担います。この役割を果たしていただくために,「公正採用選考人権啓発推進員」には,ハローワークや労働局が定期的に開催する研修会等を通じて,公正採用選考や人権問題等に関する正しい理解と認識を深めていただきます。
詳細は,鹿児島労働局ホームページ「公正採用選考人権啓発推進員制度について」(外部サイトへリンク)をご覧ください。
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