9 降灰に備える
背景と課題
桜島の火山活動
図9-1桜島爆発回数の推移
出典:鹿児島地方気象台
桜島は、1972年(昭和47年)頃から活発な活動を再開、多いときで年に400回以上、現在でも、年200回ほど爆発し、噴煙を高く噴き上げています。爆発は、空震を伴うことが多く、約10kmも離れた鹿児島市でも窓ガラスがビリビリ震え、半開きのドアがバタンと閉まることがあります。
降灰は風向きに左右されます。夏は鹿児島市側、冬は大隅半島や国分、姶良地域に灰が降ります。そこで、鹿児島地方気象台では、桜島上空の風向き予報を毎日出しています。
火山灰の堆積量は、下図の通りですが、粒径は場所によって違います。当然、近距離は粗く、桜島島内では、径1~3mm程度の大きさのものが降り、傘に当たるとパラパラ音がします。鹿児島市内ではもう少し細かくなりますが、時には1mm程度のものも降ります。
鹿児島県の降灰の住民への影響(平成4年度地域住宅検討調査報告書より)
・降灰に対する意識
アンケート対象地域のすべての市町村が95%以上の割合で困っていると回答しています。
・具体的な被害内容(80%以上の割合で困っていると回答した項目
「屋根、雨樋に灰がたまる」「部屋に灰が入る」
「洗濯物が灰で汚れる」「庭木や草花が傷む」
・負担の大きな家事(80%以上の割合で大変だと回答のあった項目)
「住宅や庭の散水」「灰の持ち出し」「部屋の掃除」
「屋根、雨樋の掃除」「洗濯」
注)上記の報告書は、桜島の降灰の影響を受ける地域(鹿児島市、垂水市、桜島町、福山町、輝北町)において住宅金融公庫を利用された方々に対して、アンケート形式による実態調査をもとにしています。
このような降灰の住民に対する影響を効果的に和らげる方法の1つとして、住宅の降灰対策を行います。
対策
→25降灰対策
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