障害を理由とする差別の解消の推進について(宅地建物取引業者の皆様へ)
国連の「障害者の権利に関する条約」の締結に向けた国内法制度の一環として、平成25年6月に「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」が制定され、平成28年4月1日から施行されました。
その後、令和3年5月に同法は改正され、改正法は令和6年4月1日から施行されましたが、この改正で、事業者において、障害者への合理的配慮は、義務化されました。
また、同法に基づき、国土交通省では、障害を理由とする差別を解消するための措置として、宅地建物取引業者など、所管する事業者向けに対応指針を作成しています。
宅地建物取引業者向けには、次のような例が示されています。
不当な差別的取扱い
正当な理由がなく、不当な差別的取扱いにあたると想定される事例
- 物件一覧表や物件広告に「障害者不可」などと記載する。
- 障害者に対して、「当社は障害者向け物件は取り扱っていない」として話も聞かずに門前払いする。
- 賃貸物件への入居を希望する障害者に対して、障害があることを理由に、賃貸人や家賃債務保証会社への交渉等、必要な調整を行うことなく仲介を断る。
- 賃貸物件への入居を希望する障害者に対して、先に契約が決まった事実がないにもかかわらず、「先に契約が決まったため案内できない」等、虚偽の理由にすり替えて説明を行い、賃貸人や家賃債務保証会社への交渉等、必要な調整を行うことなく仲介を断る。
- 障害者に対して、客観的に見て正当な理由が無いにもかかわらず、「火災を起こす恐れがある」等の懸念を理由に、仲介を断る。
- 一人暮らしを希望する障害者に対して、一方的に一人暮らしは無理であると判断して、仲介を断る。
- 車いすで物件の内覧を希望する障害者に対して、車いすでの入室が可能かどうか等、賃貸人との調整を行わずに内覧を断る。
- 障害者に対し、障害を理由とした誓約書の提出を求める。
- 賃貸物件への入居を希望する障害者に対し、障害があることを理由として、言葉遣いや接客の態度など一律に接遇の質を下げる。
- 障害者が介助者を伴って窓口に行った際に、障害者本人の意思を全く確認せず、介助者のみに対応を求める。
- 障害があることのみを理由として、一律に、障害者に対して必要な説明を省略する、または説明を行わない。
- 障害があることやその特性による事由を理由として、契約の締結等の際に、必要以上の立会者の同席を求める。
障害を理由としない、又は、正当な理由があるため、不当な差別的取扱いにあたらないと考えられる事例
- 障害の状況等を考慮した適切な物件紹介や適切な案内方法等を検討するため、必要な範囲で、プライバシーに配慮しつつ、障害者に障害の状況等を確認する。(権利利益の保護)
合理的配慮
合理的配慮の提供の事例
- 障害者が物件を探す際に、障害者や介助者等からの意思の表明(障害特性によっては自らの意思を表現することが困難な場合があることに留意。以下同じ。)に応じて、最寄り駅から物件までの道のりを一緒に歩いて確認したり、1軒ずつ中の様子を手を添えて丁寧に案内する。
- 車いすを使用する障害者が住宅を購入する際に、住宅購入者の費用負担で間取りや引き戸の工夫、手すりの設置、バス・トイレの間口や広さ変更、車いす用洗面台への交換等を行うこと等を希望する場合において、宅建業者が住宅のリフォーム等に関わるときは、売主等に顧客の希望を適切に伝える等必要な調整を行う。
- 障害者や介助者等からの意思の表明に応じて、バリアフリー物件等、障害者が不便と感じている部分に対応している物件があるかどうかを確認する。
- 障害者や介助者等からの意思の表明に応じて、ゆっくり話す、手書き文字(手のひらに指で文字を書いて伝える方法)、筆談を行う、分かりやすい表現に書き換える、IT機器(タブレット等による図や絵)の活用等、相手に合わせた方法での会話を行う。
- 種々の手続きにおいて、障害者や介助者等からの意思の表明に応じて、文章を読み上げたり、書類の作成時に書きやすいように手を添える。
- 書類の内容や取引の性質等に照らして特段の問題が無いと認められる場合に、自筆が困難な障害者からの要望を受けて、本人の意思確認を適切に実施した上で、代筆対応する。
- 障害者や介助者等からの意思の表明に応じて、契約内容等に係る簡易な要約メモを作成したり、家賃以外の費用が存在することを分かりやすく提示したりする等、契約書等に加えて、相手に合わせた書面等を用いて説明する。
- 物件案内時に、障害者や介助者等からの意思の表明に応じて、段差移動のための携帯スロープを用意する。
- 物件案内時に、障害者や介助者等からの意思の表明に応じて、車いすを押して案内をする。
- 物件案内時に、障害者や介助者等からの意思の表明に応じて、肢体不自由で移動が困難な障害者等に対し、事務所と物件の間を車で送迎する。
- 障害者や介助者等からの意思の表明に応じて、物件の案内や契約条件等の各種書類をテキストデータで提供する、ルビ振りを行う、書類の作成時に大きな文字を書きやすいように記入欄を広く設ける等、必要な調整を行う。
- 障害者や介助者等からの意思の表明に応じて、物件のバリアフリー対応状況が分かるよう、住宅確保要配慮者居住支援協議会の活動等に協力し、国の助成制度等を活用して適切に改修された住戸等の紹介を行う。
合理的配慮の提供義務違反に該当すると考えられる事例
- 内見等に際して、移動の支援として、車いすを押して案内を行う、事務所と物件の間を車で送迎する等の対応を求める申出があった場合に、「何かあったら困る」という抽象的な理由で具体的な支援の可能性を検討せず、支援を断る。
- 電話利用が困難な障害者から直接電話する以外の手段(メールや電話リレーサービス等の手話を介した電話又は保護者や支援者・介助者の介助等)により各種手続が行えるよう対応を求められた場合に、自社マニュアル上、当該手続は利用者本人による電話のみで手続可能とすることとされていることを理由として、具体的に対応方法を検討せずに対応を断る。
合理的配慮の提供義務違反に該当しないと考えられる事例
- 宅建業者が、歩行障害を有する者やその家族等に、個別訪問により重要事項説明等を行うことを求められた場合に、個別訪問を可能とする人的体制を有していないため対応が難しい等の理由を説明した上で、当該対応を断ること。(なお,個別訪問の代わりに、相手方等の承諾を得て、WEB会議システム等を活用した説明を行うこと等により歩行障害を有する者が不動産取引の機会を得られるよう配慮することが望ましい。)
関連リンク
障害を理由とする差別の解消の推進(国土交通省ホームページ)(外部サイトへリンク)
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