水害時の食品営業施設における営業再開に向けた衛生管理について
台風や集中豪雨等の水害により調理場や食品製造施設に汚水が浸水すると,食中毒や感染症の原因となる細菌に施設や食品が汚染される可能性があります。
また,使用している水が井戸水の場合,井戸水がこれらの細菌等により汚染される可能性があります。
そのため,営業再開に向けて,安全な食品を提供するために以下の点に留意しましょう。
1.施設の清掃について
- ドアと窓を開けて,よく換気しましょう。
- 汚泥は取り除き,水道水で十分に洗い流した後,よく乾燥させましょう。
- 清掃作業時は,ケガの予防や傷口からの感染を防ぐため,手袋や底の厚い靴を着用しましょう。ほこりから口や肺,目を保護するため,マスクやゴーグルを着用しましょう。
- 清掃終了後は,しっかり手を洗いましょう。
- 清掃の作業例
①浸水した水や堆積した泥をバケツ等でくみ出す。
②洗浄剤,デッキブラシ等を使用して汚泥などを流水でよく洗い流す。
③しっかり乾燥させる。
2.施設の消毒について
- 消毒は,必ず泥や汚れを取り除いた後で行いましょう。清掃が不十分だと,消毒の効果を発揮できません。
- 作業時にはゴム手袋,長靴、ゴーグル等を着用しましょう。
- 消毒薬は,使用上の注意事項をよく確認して使用しましょう。
- 消毒薬は,お近くの薬局,ドラッグストア,ホームセンター等で購入できます。
- 消毒の作業例
①次亜塩素酸ナトリウム(0.1%濃度)を散布するか,浸した布でよく拭く。
※市販品約5%の製品の場合,2Lのペットボトルに本剤をペットボトルのキャップ8杯分(40ml)と水を加えて2Lとする。
②風通しを良くしてそのまま乾燥させる。
3.食器や調理器具類の洗浄・消毒について
- まな板,包丁等の調理器具,食器類は,洗浄して汚れをきれいに洗い流した後,消毒を行ってから使用しましょう。
- 汚染の著しいものや,洗浄・乾燥・消毒が難しい器具等(木製器具など)は廃棄しましょう。
- 洗浄・消毒の作業例
①まな板,包丁などの調理器具,食器類は食器用洗剤で洗浄し流水でよく洗い流す。
②煮沸,熱湯消毒または次亜塩素酸ナトリウム(0.02%濃度)溶液に5分以上浸し,自然乾燥させる。
※市販品約5%の製品の場合,2Lのペットボトルに本剤をペットボトルのキャップ2杯分(10ml)と水を加え2Lとする。

4.冷蔵・冷凍庫について
- 冷蔵庫などが浸水した場合、庫内を洗浄後、消毒用アルコールで消毒してください。
- 冷蔵庫,冷凍庫などの設備が正常に動いているか使用の前に温度計で温度を確認しましょう。
5.使用する水について
- 使用の前に、濁りやにおいの有無等を確認しましょう。
- 井戸水を使用している場合は、濁りの有無や滅菌機が適切に作動しているかを確認するとともに,水質検査を受けるなど安全性を確認してから使用しましょう。
6.食品,衛生用品(マスク,手袋,ペーパータオル等)について
- 汚水等により汚染された可能性のある食品や衛生用品は廃棄しましょう。
- 停電などにより、保存温度が適正に保てなかった要冷蔵、要冷凍の食品は廃棄しましょう。
関連リンク
浸水した家屋の感染症対策について(厚生労働省)(PDF:950KB)
【厚生労働省】一般家屋や食品営業施設における浸水後の消毒の相談について(外部サイトへリンク)
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