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更新日:2017年4月25日

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【茶】年間栽培体系(大隅地域)

1.一番茶生産対策:2月~5月

<霜害の回避>

一番茶の霜害は,茶業経営上最も大きいダメージを被りますので,万全の回避対策が必要です。
最近,防霜ファン等の電線盗難の被害が発生しています。施設の定期的な見回りも必要です。

(1)防霜開始時期

一般園は摘採45日前。早生品種や再萌芽茶園は更に1週間(摘採55日前)程度早く実施しましょう。
例えば,例年4月15日に一番茶摘採を行うような茶園の防霜開始時期は3月1日頃からとなり,この茶園が早生品種や再萌芽茶園である場合は2月20日頃からとなります。
11月~3月のチャ芽耐凍性情報は,県農業開発総合センター茶業部・分場が公開しています。

(2)防霜施設利用上の留意点

(ア)センサー感度確認とセンサー設置方法

感度確認氷水等を利用して,センサー指示温度が散水制御装置と正常に連動するか確認しましょう。
・設置方法センサーの設置は,茶株面上に平板を配置し,平板上に固定します。

センサーの感温部が新芽に覆われたり茶株面に埋もれたりすると,茶株面最低気温より若干高めの気温を感知することになりますので注意しましょう。

(イ)設定温度

防霜ファン,散水設備ともに防霜開始温度は,茶株面気温1~2℃です。
・ただし,センサー感度確認や設置方法(上記)には十分留意してください。


<春肥の施用>

土壌中の窒素濃度を一番茶生産に適するように維持するには,気温・地温が低い春期は速効性の肥料と分解の緩慢な化成や有機質肥料を併用します。

施肥基準例(肝属地区茶園の管理こよみより)

種類

施用時期
春肥(1)油かす 1月下旬~2月上旬
春肥(2)有機配合 2月下旬~3月上旬
春肥(3)有機配合 3月上旬~3月中旬
芽出し肥 摘採25日前頃
 

<病害虫の管理>

春期管理は,カンザワハダニが主要な対象となります。
・カンザワハダニは平均気温が10℃を超える頃(2月下旬~3月上旬)に対策を施します。
寄生葉率が高い園では,密度低下と増殖抑止の2回防除が必要な場合があります。

 

<摘採期の管理>

(1)被覆の実施

摘採期直前に5日程度被覆を行うと荒茶品質の色沢や水色が向上します。

(2)摘採時や摘採後の生葉品質低下に注意

荒茶水色の赤みは,荒茶品質低下の大きな要因の1つです。
・荒茶水色の赤みの原因の多くは,摘採時や摘採後の生葉の損傷に由来しています。
・摘採時の葉の損傷は,刈刃の切れ味の善し悪しや切り口の多少で変化します。
・摘採後の葉の損傷は,生葉の温度上昇やコンテナなどへの詰め込みすぎによる物理的損傷があります。


 

2.夏茶生産対策(5月下旬~8月中旬)


夏茶生産の時期は,気温・湿度ともに高く梅雨時期も経過します。
炎天下や製茶工場内の高温条件下での作業時は,体調管理に十分注意しましょう。

<夏肥の施用>

夏肥は,一番茶~二番茶や二番茶~三番茶の間の期間が短いので,摘採後できるだけ早く施しましょう。
施肥直後に大雨が予想されるときは施用を避け,肥料成分の溶脱や流亡を避けるように心がけましょう。
「硝酸抑制剤入り肥料」や「緩効性肥料」などは,肥料成分の溶脱や流亡を軽減する有効な方法です。

<病害虫の管理>

夏期の主要な対象虫害は,ウンカ・スリップス・チャノホソガ,病害は炭そ病となります。

発生状況を観察し,地区の管理こよみに基づいて適期に対応するよう努めましょう。
この時期の病害虫管理は,茶の生育ステージ(萌芽期~萌芽期過ぎた頃)に合わせて行うと効果的です。

気温が高く推移し茶生育が早まるため,農薬の安全使用日数等を勘案し計画的に作業を進めましょう。

<摘採期の管理>

一番茶摘採期と同様,摘採前5日間程度の被覆で新芽の葉緑素が増加して荒茶色沢が向上します。

ただし,樹勢が弱った茶園では,被覆を避けて樹勢回復に努めましょう。

また,三・四番茶摘採(その年の最終の摘採)時に摘採高さを若干上げると,厚い葉層を確保することができて,秋芽伸育が良好となります。

3.秋芽充実対策(7月~8月)

充実した秋芽を確保するには,葉層の確保と適正な生育期間が必要です。
また,秋芽伸育期間は2か月以上となりますので,施肥管理や病害虫管理も重要です。

<葉層の確保>

三(四)番茶の摘採を若干上げる(前回摘採位置から15~30mm)と,葉層を確保できます。

<適正な生育期間>

(1)最終摘採時期

秋整枝日までに20℃以上の平均有効積算温度(日平均温度-20℃の累計)
やぶきた250℃以上(最低)~300℃
ゆたかみどり280℃が必要となる。
おおよその目安は,以下のとおりです。
肝属地区南部8月10~15日
肝属地区中部8月1~10日
肝属地区北部7月20~30日

<病害虫の管理>

(1)最終摘採直後

最終摘採直後に主要な対象となるのは,輪斑病です。
輪斑病は,傷口感染します。毎年発生する畑や多発茶園は警戒が必要です。
傷口感染ですので,最終摘採直後もしくは最終整枝直後(出来れば当日)に感染予防することが望まれます。

年によって異なるが気をつける害虫
ウンカ・スリップスは,年により非常に高密度で発生することがあります。
最終摘採直後に,高密度で発生している場合は,密度抑制を図る必要があります。

(2)秋芽伸育期

主要な対象病害虫は,ウンカ・スリップス・炭疽病ですが,必要に応じヨトウムシ類・ハマキムシ類・シャクトリムシ類も注意が必要です。
・秋芽萌芽期頃:ウンカ・スリップス・炭疽病
・秋芽三葉期頃:ウンカ・スリップス・炭疽病
・ヨトウムシ類・ハマキムシ類・シャクトリムシ類は,発生を観察し,幼虫の若齢期に対処する。

<秋肥の施用>

摘採期を経過した茶樹は,根量が減少しています。
また,土壌は酸性化が進んでいます。
茶の根の生育環境を整えて根量を増やし樹勢回復を図るには,土壌の酸度矯正と適度な施肥が必要です。

茶生育のために好適な土壌pHは,4~5とされています。
土壌診断にもとづき,アルカリ資材である苦土石灰や炭カル等を用いて好適範囲となるよう調整します。

4.秋整枝(9月~10月)

秋整枝は,実施する時期と高さによって来年の一番茶の早晩や芽数に影響を及ぼす大切な管理です。

<秋整枝の時期と高さ>

(1)秋整枝の時期

秋整枝の時期は,平均気温が20℃を下回るころとなります。
地域で異なりますがおおよそ10月上~中旬となります。

実施する時期が早いと,一番茶生育も早くなり荒茶を早く出荷することで経営上有利に働きますが,再萌芽のリスクを伴います。
再萌芽リスクとは翌年一番茶の収量・品質に与える悪影響を想定していますが,春の化粧ならし時に芯や茎部まで剪除される芽が30×30cm枠中に20本以下では悪影響が少ないことがわかっています。

10月の肝属地区の平均気温(H23までの30年平均)
 

鹿屋

田代

輝北

第1半旬

21.7 20.5 20.0

第2半旬

20.9 19.6 19.2

第3半旬

20.1 18.7 18.4

第4半旬

19.0 17.7 17.4

第5半旬

18.0 16.7 16.4

第6半旬

17.1 15.9 15.5

(2)秋整枝の高さ

秋整枝後に残る葉層が8cm以上確保できるよう努めます。
基本的には,伸育した秋芽の2節を残すような高さで整枝します。

<病害虫の管理>

秋整枝後の主要な管理対象は,カンザワハダニです。
越冬密度を低下させることを目的として対処します。

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大隅地域振興局農林水産部農政普及課

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