更新日:2023年11月17日
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一番茶の霜害は,茶業経営上最も大きいダメージを被りますので,万全の回避対策が必要です。
感度確認は氷水等を利用して,センサー指示温度が防霜施設と正常に連動するか確認しましょう。
・設置方法センサーの設置は,茶株面上に平板を配置し,平板上に固定します。
センサーの感温部が新芽に覆われたり茶株面に埋もれたりすると,茶株面最低気温より若干高めの気温を感知することになりますので注意しましょう。
防霜ファン,散水設備ともに防霜開始温度は,株面気温1~2℃としますが,さらに温度センサーの誤差を考慮して株面気温3℃とします。
・ただし,センサー感度確認や設置方法(上記)には十分留意してください。
土壌中の窒素濃度を一番茶生産に適するように維持するには,気温・地温が低い春期は速効性の肥料と分解の緩慢な化成や有機質肥料を併用します。
摘採期直前に5日程度被覆を行うと荒茶品質の色沢や水色が向上します。
荒茶水色の赤みは,荒茶品質低下の大きな要因の1つです。
・荒茶水色の赤みの原因の多くは,摘採時や摘採後の生葉の損傷に由来しています。
・摘採時の葉の損傷は,刈刃の切れ味の善し悪しや切り口の多少で変化します。
・摘採後の葉の損傷は,生葉の温度上昇やコンテナなどへの詰め込みすぎによる物理的損傷があります。
発生状況を観察し,地区の管理こよみに基づいて適期に対応するよう努めましょう。
気温が高く推移し茶生育が早まるため,農薬の使用時期等を勘案し計画的に作業を進めましょう。
一番茶摘採期と同様,摘採前5日間程度の被覆で新芽の葉緑素が増加して荒茶色沢が向上します。
ただし,樹勢が弱った茶園では,被覆を避けて樹勢回復に努めましょう。
また,三・四番茶摘採(その年の最終の摘採)時に摘採高さを若干上げると,厚い葉層を確保することができて,秋芽伸育が良好となります。
秋整枝日までに20℃以上の平均有効積算温度(日平均温度-20℃の累計)
やぶきた250℃以上(最低)~300℃
ゆたかみどり280℃が必要となる。
おおよその目安は,以下のとおりです。
肝属地区南部8月10~15日
肝属地区中部8月1~10日
肝属地区北部7月20~30日
最終摘採直後に主要な対象となるのは,輪斑病です。
輪斑病は,傷口感染します。毎年発生する畑や多発茶園は警戒が必要です。
傷口感染ですので,最終摘採直後もしくは最終整枝直後(出来れば当日)に感染予防することが望まれます。
年によって異なるが気をつける害虫
ウンカ・スリップスは,年により非常に高密度で発生することがあります。
最終摘採直後に,高密度で発生している場合は,密度抑制を図る必要があります。
主要な対象病害虫は,ウンカ・スリップス・炭疽病ですが,必要に応じヨトウムシ類・ハマキムシ類・シャクトリムシ類も注意が必要です。
・秋芽萌芽期頃:ウンカ・スリップス・炭疽病
・秋芽3葉期頃:ウンカ・スリップス・炭疽病
・ヨトウムシ類・ハマキムシ類・シャクトリムシ類は,発生を観察し,幼虫の若齢期に対処する。
茶生育のために好適な土壌pHは,4~5とされています。
土壌診断にもとづき,アルカリ資材である苦土石灰や炭カル等を用いて好適範囲となるよう調整します。
秋整枝は,実施する時期と高さによって来年の一番茶の早晩や芽数に影響を及ぼす大切な管理です。
秋整枝の時期は,平均気温が20℃を下回る頃となります。
地域で異なりますがおおよそ10月上~中旬となります。
実施する時期が早いと,一番茶生育も早くなり荒茶を早く出荷することで経営上有利に働きますが,再萌芽のリスクを伴います。
再萌芽リスクとは翌年一番茶の収量・品質に与える悪影響を想定していますが,春の化粧ならし時に芯や茎部まで整枝される芽が30cm×30cm枠中に20本以下では悪影響が少ないことがわかっています。
秋整枝後に残る葉層が8cm以上確保できるよう努めます。
基本的には,伸育した秋芽の2節を残すような高さで整枝します。
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