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ホーム > 地域振興局・支庁 > 大隅地域振興局 > 産業・労働 > 農業 > 生産技術情報 > 早期水稲の年間栽培体系(大隅地域)

更新日:2022年8月18日

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早期水稲の年間栽培体系(大隅地域)

1.主な品種特性

(1)コシヒカリ

  • 良食味で,耐冷性が強く,高温登熟性が優れています。
  • 倒伏しやすく,いもち病抵抗性が劣ります。

(2)イクヒカリ

  • コシヒカリより出穂期で3日,成熟期で4日程度遅いです。(地力等の条件でさらに遅くなります)
  • 短稈で倒伏しにくい。コシヒカリより多収で玄米の粒が大きいです。
  • 良食味で,タンパク質含有率が低く,冷めても粘りがあります。
  • 耐冷性,高温登熟性がやや弱いです。

(3)なつほのか

  • コシヒカリより出穂期で11日,成熟期で13日程度遅いです。(知力等の条件でさらに遅くなります)
  • コシヒカリ,イクヒカリより10a当たり収穫量が多いです。
  • 高温登熟性に優れ,高品質です。
  • タンパク質含有率が低く,極良食味です。
  • いもち病抵抗性がやや弱いです。

2.食味・品質向上対策のポイント

  • 適正施肥,密植,基本技術の励行が,おいしい米づくり(タンパク質含有率を下げるなど)と、外観の品質向上に繋がります。
  • 品質,収量を安定させるには,くず米をなるべく少なくすることです。
  • 目標とする玄米中タンパク質含有率は7.0%以下です。

3.栽培上の主な注意点

(1)育苗

  • 早期の育苗期間は水温が低いため,浸種と催芽は十分に行います。

(2)移植

  • 3月末から4月上旬頃が移植適期(山間部は4月中旬)。栽植密度は,坪80~70株(株間14~16cm)で,3~5本植えとし,穂数確保に努めます。極端な早植えや疎植は避けます。
  • 田植が早いと移植時の寒傷みだけでなく,登熟期間と梅雨期の重なる期間が長くなり,日照不足による品質低下・減収の影響を受けやすいです。

(3)地力に応じた適正な施肥

  • チッソ肥料・地力の後効きがタンパク質含有率を上げる最大の要因です。
  • 堆肥の連年施用や前作が野菜や飼料作物などの地力が高いほ場では,基肥の施肥量を減らし,葉色が極端に冷めない限り,穂肥は控えます。
  • コシヒカリは肥料に対して敏感で倒伏しやすいです。倒伏すると収量,品質・食味が低下するので,施肥時期・施肥量は注意します。また後期の追肥は食味低下の原因となるので避けます。施肥量は水田によって異なるが,基肥はチッソで3~4kg/10a,穂肥は幼穂長5~10mmの時期(出穂前18~20日)にチッソで0~1kg/10aを目安とします。
  • イクヒカリやなつほのかはコシヒカリに比べて倒伏に強く,穂数が増えると玄米重が増加するため,基肥をコシヒカリに比べて2~3割増肥します。後期の追肥は食味低下の原因となるので避けます。施肥量は水田によって異なりますが,基肥はチッソで4~5kg/10a,穂肥は幼穂長1~10mm(出穂前20~25日)に1~2kg/10aを目安とします。

(4)中干し

  • 有効茎数を確保したら,早めに中干しを行い,過剰分げつを抑制し,根の活力を高めるとともに,土壌を固め倒伏防止に努めます。

(5)病害虫防除(耕種的防除)

  • カメムシ対策:イネ科雑草は,カメムシを誘引し発生源となるので,畦畔及び本田内のヒエ等イネ科雑草が出穂しないよう計画的に広域的に除草し,カメムシの密度を下げます。
  • いもち病対策:多肥は避ける。またケイ酸質肥料を活用します。余った補植苗は直ちに除去します。
    常発地帯では発生前の予防剤散布,水温を高める水管理等の工夫をします。

(6)落水時期

  • 出穂後の早期落水は,収量および食味・品質が低下するので注意し,間断潅水に努めます。
  • 早期落水を避けるため,中干しを十分に行います。
  • イクヒカリやなつほのかはコシヒカリに比べて登熟期間がやや長いので早期落水は避け,登熟および品質向上に努めます。

(7)刈取時期

  • 高温登熟であることから,刈取適期幅が狭いため,適期をのがさないように計画的な収穫を行います。
  • 極端な早刈りは,青米,充実不足が増加し減収するだけでなく,食味も低下するので注意します。遅刈りは,茶米や胴割れ米が増加するので注意します。

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大隅地域振興局農林水産部農政普及課

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