【畜産】豚・鶏の防暑防寒対策(大隅地域)
1.暑熱対策
夏の暑さは豚に大きなストレスを与えます。一般的に舎内温度が27℃以上から発情の微弱・遅延,受胎率の低下,食欲減退及び増体の減少などの悪影響が発生します。
鶏は汗腺を持たないため,暑さは多大なストレスを与え,死亡率増加や産卵率低下,卵殻異常や増体率減少などの悪影響を及ぼします。
家畜が少しでも涼しく過ごせるよう,以下の対策を講じましょう。
(1)舎内温度を下げる
- 日除け等で日光を遮断
- 敷地内に風通しを阻害しない適切な間隔で樹を植えて日陰を増やし,敷地内の温度を下げる
- 屋根に断熱材を使用したり,白く塗装することで,屋根からの輻射熱を抑える
- 屋根に散水し,屋根の温度上昇を抑える
- 細霧装置活用で畜舎内の温度を下げる
- 換気扇や扇風機等で畜舎内の風通しを良くし,家畜の体感温度を下げる
(2)飼養管理を工夫する
- 密飼いを避ける
- 新鮮できれいな水を絶やさない
- ビタミン・ミネラルを補給する
- 食い込み減少を防ぐ目的で涼しい時間に飼料を給与する。
- 鶏の場合は重曹の補給が有効。重曹は飼料又は飲水中に0.5%程度添加する
2.防寒対策
(1)豚の場合
特に子豚は寒さに弱いため,適度な温度管理に努めましょう。哺乳期間中の子豚は30℃前後が快適温度帯です。
- 子豚用の防寒対策として,暖房機がわりの電球を吊り下げる方法があります。
- 60~70%の適切な湿度を保ちましょう。豚舎内に温湿度計を設置して豚舎作業時に確認してください。
- 温度管理に気をとられて畜舎を密閉すると,アンモニア等が溜まり,呼吸器障害を招く場合がありますので,換気扇等による適切な換気に注意してください。
(2)鶏の場合
冬は気温の低下と共に寒暖の差が大きくなり,ウイルスや細菌による呼吸器病の発生が増加します。防寒対策と共に適切な換気により空気の清浄化が重要です。
(ア)舎内温度低下を抑え,冷たいすきま風や雨が直接鶏に当たらないように鶏舎管理します。
- 鶏舎の巻き取りカーテンを活用する
- 屋根や壁に断熱材を使用して放熱を抑える
- 壁や屋根などの破損場所を修復し,すきま風が吹き込まないようにする。
- 換気扇の修理・点検を徹底する
- 鶏舎の風上に防風ネットなどを設置する
- 暖かい日中に空気の入れ換えを行う
(イ)呼吸器病の発生を抑えるため,畜舎内の空気の清浄化に努めましょう。
- 換気扇等での適切な換気を行い,アンモニアなどガスが溜まらないようにする
- 鶏糞はガスの発生源になるので,適切に処理する
- 通路などをこまめに掃除し,塵埃を減らす
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